フィンランドへの旅閑話 | 岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

こんにちは!フルーティストの岩下智子です。


この時期になると、北欧フィンランドを訪れたときを思い出します。首都ヘルシンキに一週間ほど滞在しました。ちょうどこの時期、フィンランドは「白夜」の季節ですので、昼夜ずっと太陽が出て沈まないのです。太陽は地平線に沈むのが当然だと思っていた世界観が覆され、真夜中でさえ太陽が平行移動をしているのを観て、激しく(!)感動しましたが、滞在している間ずっとでしたので、実は日を増すたびに眠れなくなり、大変疲れました。(笑)。私にとっては、夜は暗くてお月様が出ている方が、体内時計が狂わずにいいです。


ヘルシンキでは、友人のフルーティスト ペトリ・アランコに街を案内してもらったり、シベリウス音楽院内を見学したり、郊外にあるフィンランドを代表する作曲家シベリウスの家(アイノラ)を訪ねたり、オーケストラコンサートを聴いたりしました。「森と湖の国」といわれるように、自然豊かな国でした。アランコは当時ヘルシンキ・フィルの首席奏者でしたが、現在は、シベリウス・アカデミー音楽院の教授で、素晴らしい指導者になっています。

 

(昨年、久しぶりにアランコに会い、旧交を温めました。)


 もうひとつ、びっくりしたことがありました。ヘルシンキから近くの島に遊覧船で渡ったとき、この船での島観光は夏だけ運行していますと言われました。「あれ、冬は?」と地元の人に訊ねましたら、海が凍ってしまうので、船ではなく、なんと!車でその島まで行けるとのことでした。わははは…! 

しかしね、日差しがほとんどない厳しい冬を、彼らがどのように過ごしているのか、それは、日本人の私たちにはきっと想像するのが難しい世界なのでしょうね。「昼が暗いんだよ、」とアランコが言ってました。まぁ、家に篭って練習したり、家族で過ごしたり、バーで仲間と話したりと、そんな感じらしいです。


  シベリウスのあの氷のような透明な音の響き、張り詰めた重々しいハーモニー、太陽を喜ぶ旋律などな、まさにそんな北欧の風土から来ていて魅力的です。


シベリウス音楽院