岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

こんにちは、フルーティストの岩下智子です。いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

向田邦子さんのファッション、素敵!

先週末、伊勢丹新宿店の〈uncrave〉向田邦子没後45年ISETAN特別展示に立ち寄りました。明日7日まで。

向田邦子さんのファッションは、現代でも古びておらず、センス抜群でクールな大人の女性のスタイルです。



昔、向田邦子の脚本のドラマはたくさん見ましたし、小説は『阿修羅のごとく』『隣りの女』などが印象に残っています。もう、あの事故で亡くなられて45年も経つのですね。


会場で向田さんのお気に入りの青山・菊家の水羊羹をカウンターでいただきました。ご馳走様でした。


本物の向田さんが座っていらっしゃるようでした。お隣に座って、水羊羹をいただきました。

こんにちは!フルーティストの岩下智子です。いつもブログをご覧いただきありがとうございます。


松本清張の映画『砂の器』と『ゼロの焦点』を鑑賞

今週末は、少しリラックスして、家でゆっくりと映画を観ることにしました。松本清張の不朽の名作『砂の器』と『ゼロの焦点』の映画2本です。松本清張と言えば、その計算されたサスペンス・ストーリーの中に必ず鉄道の場面が登場します。彼の『点と線』においても、東京駅ホームの構造が巧みに使われていました。今回の2本も地方鉄道が全編に登場し、日本海側の厳しい冬、海、四季折々の美しいのどかな風景が描かれています。

まず『砂の器』は、最初は秋田、それから島根の地方鉄道の風景が出てきます。ストーリーはネタバレになるので、ここでは書きませんが、豪華な俳優陣で驚きました。主役の丹波哲郎、加藤剛をはじめ、森田健作(若い!)、緒形拳、島田洋子、渥美清など、懐かしく観ました。それから『ゼロの焦点』では、久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子、南原宏治、西村彰、加藤嘉など、こちらも初めてみる豪華なベテラン俳優ぞろいでした。昔の俳優さんは、言葉の発音がとてもはっきりしていて綺麗ですね。

監督はどちらも野村芳太郎で、なかなかよいです。そして、音楽監督は芥川也寸志で、『砂の器』では、あの後世に残るピアノコンツェルト「宿命」(菅野光亮)を生み出しました。


なんと言っても、松本清張の小説のタイトルのセンスの良さ!秀逸ですね。『点と線』『砂の器』『ゼロの焦点』ですよ。カッコ良すぎます!


『点と線』→バラバラに見える事実(点)が、1つのつながり(線)になる瞬間。

『砂の器』→砂で作った器は立派でも指で触ったり、風が吹いたりすれば、たちまち崩れてしまう。

『ゼロの焦点』→過去が抹消され、何もかもが白紙(ゼロ)になった地点。





こんにちは。いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

ペーテル•ブノワ演奏会のご案内



ベルギー🇧🇪の19世紀作曲家 ペーテル・ブノワ の「フルートとオーケストラのための交響詩」を来る3月20日(金・祝)に 日本初演します。3楽章形式の壮大で華やかなフルート協奏曲です。


今回、私が演奏する「フルートとオーケストラのための交響詩」について、フルート奏者として、少しお話しさせていただきたいと思います。


ペーテル•ブノワは、1834年生、1901年没のベルギーの作曲家で、今年は没後125年になります。


この演奏会はPBIヴォーカルアンサンブル主催の演奏会で、合唱曲の「レクイエム」と「アベマリア」が演奏され、その合間にフルート曲が演奏されます。その中で、「レクイエム」と「フルートとオーケストラのための交響詩」が、この度日本初演です。この貴重な機会に演奏させていただくことは、大変光栄です。


私がソロ演奏する「フルートとオーケストラのための交響詩」は、壮大な3楽章形式を取り、当時のロマン主義文学によく登場する"Feux Follets(鬼火)" がタイトルに付いています。つまり、「人を惑わし、追いかけても決して辿り着けない、儚い光」を表している『表題音楽』です。


第1楽章 鬼火

第2楽章 メランコリー

第3楽章 鬼火の踊り


ブノワがこの曲のタイトルを「フルート協奏曲」とせずに、「フルートとオーケストラのための交響詩」としたのは、同時代の偉大なる作曲家であるリストが、『交響詩』を創始し、この新しいジャンルが注目を浴びていたからだと私は考えます。リストは自身のピアノ曲「超絶技巧練習曲第5番」に「鬼火」という題名を付けています。もしも、ブノワが「フルート協奏曲」と書いていたら、この曲は、もっとフルーティストに注目され、今ごろ、世界中のフルーティストが演奏していたのではないかと想像つきます。「交響詩」にこだわってしまったことにより、実演される機会が少なくなってしまったのではないかと思うのです。


ブノワの「フルートとオーケストラのための交響詩」の「鬼火」は、目まぐるしく変化する音型によって、まさに捕まえようとしても逃げていくような光の動きが表現されています。フルートのソロを演奏していて、超絶技巧パッセージに唸ってしまいます。まさに、音楽を絵画、または映像のように表現しており、「鬼火」たる音型として、回転する分散和音、連続するオクターブ、細かい装飾音などが連続して出てきます。相反して、第2楽章では、物憂げな美しいメロディが書かれています。


私は、この知られざるロマン派の作曲家のフルートの名曲が、聴衆の皆様の心に残るように、精一杯、ソロを演奏したいと思います。ぜひ、3月20日に立川に聴きにいらしてくださいませ。お待ちしています。


<PBIヴォーカルアンサンブル第2回演奏会>

2026年3月20日(金•祝)14:00開演, たましんRISURUホール大ホール(立川)

P.ブノワ作曲/

アヴェ・マリア 作品1

フルートと管弦楽のための交響詩 作品43a (日本初演) Fl独奏 岩下智子

レクイエム(日本初演)

指揮 小澤達也


お問い合わせ先: ペーテル・ブノワ研究会 pbi340817@gmail.com

チケットぴあ: https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2542128 

こんにちは♪フルーティストの岩下智子です。

 今日1月22日は、フランスの作曲家のアンリ・デュティユーHenri Dutilleux  (1916 年1月22日- 2013)の誕生日です。


 110歳, おめでとうございます。Happy Birthday Dutilleux!!


 僭越ながら、お祝いに私の(若い時✨の)演奏でデュティユーの『ソナチネ』をアップさせていただきます。よろしければ、聴いてください。ピアノは仏のC.イヴァルディ氏。


Tomoko Iwashita and Christian Ivaldi play “Sonatine" of H.Dutilleux.



#Dutilleux #flute 

こんにちは♪フルーティストの岩下智子です。いつもご覧いただき、ありがとうございます。


 ​巨匠グラーフ先生 ご逝去

 尊敬してやまないペーター・ルーカス・グラーフ先生(96)のご逝去を知り、今はただ深い悲しみに暮れております。90歳を過ぎてもとてもお元気だったので、この日がくるとは思いませんでした。今日2026年1月5日は97歳の誕生日だったので、これからお祝いのメッセージを書いてメールで送ろうと思っていたところだったのです。長年にわたり音楽界を導いてこられた先生に、心からの敬意と哀悼の意を表します。RIP

 私がフルートを始めた頃、親に買ってもらった初めてのグラーフ先生のレコードは、モーツァルトのフルート・カルテットでした。その洗練された、上質で美しい音色に憧れ、音大に進学したあと、20歳の時にドイツへ行き、シュトゥットガルトで開催されたバッハアカデミーで、初めてグラーフ先生にお目にかかり、実際にレッスンを受けることができました。その後、スイスのシオンでなど、色んなところで、先生のマスタークラスに参加し、何度もご指導を仰ぎました。グラーフ先生の厳しくも温かい眼差しが今も鮮明に思い出されます。  

 教えていただいたことを大切に、これからも歩んでいきたいと思います。グラーフ先生!ありがとうございました!!

岩下ともこ



 こんにちは。いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 ​家族揃ってのお正月

今年のお正月は、わが家に家族が揃い、皆で新年を祝いました。今年から息子のお嫁さんが加わって5人で、おせち料理を囲んで、楽しく過ごしました。トランプをしたりして遊び、夜遅くまで、話し込んだりと、賑やかなお正月でした。子どもたちも大人になり、それぞれの考え、人生計画がありますので、それを陰ながら支えていけたらと思っています。



 そして、数日泊まっていた息子が帰り、今朝(4日)早くに娘も帰っていき、急に静かになって、少し寂しさを感じています。

 年末の大掃除から始まって、お正月料理の準備、片付けとキッチンに立ち続け、皆が帰ったあとは、またお掃除…とけっこう忙しかったです。


 明日は仕事はじめです。2026年もやりたいことは山ほどありますが、とにかく、健康で音楽が続けられ、何かの形で社会に貢献できれば、嬉しいです。大学では、変わらず、学生たちの成長の助けになるよう、誠心誠意、指導に力を入れていきたいですし、演奏面でも自己研鑽を怠らないようにしたいと思っています。

岩下ともこ

 




 新年明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。



 昨年年末に急いで書いた「世界一周の旅」日記を多くの方にご覧いただき、ありがとうございました。旅で経験したことは、山ほどあり、書ききれなかったこともあります。またおいおい思い出したときに、どこかで雑談として、話していけたらと思っています。

 さぁ、今年2026年はどんな年になるでしょう。午年でもありますので、飛躍の年にしたいですね。私もまだまだ色んなことに挑戦をしていきたいと思い、すでに計画をしているものもあります。

 まずは、3月20日(金・祝)に、ベルギーのロマン派の作曲家、ペーテル・ブノワの「フルートと管弦楽のための交響詩」(フルート協奏曲)を、小澤和也さんの指揮でオーケストラと日本初演することになっており、大変光栄に思っています。この曲は、3楽章形式になっており、壮大なスケールのロマンティックな曲です。この演奏会はPBI試合ヴォーカルアンサンブルの演奏会の一環として開催されます。会場は、立川にある「たましんRISURUホール 大ホール」です。ぜひご来場ください。





チケットぴあ https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2542128&rlsCd=001&lotRlsCd=


 今年もできる限り、旅に出て、様々なことを吸収して、音楽活動の糧にしていきたいとも思っています。

 今年一年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


2026年 元旦

岩下智子





 こんにちは♪ フルーティストの岩下智子です。私たちの23日間にわたる世界一周の旅は、最終目的地であるニューヨークでクライマックスを迎えました。ニューヨークと言うと金融の街というイメージですが、私たちの目的は、世界最高峰の美術館巡りで、アートの奔流に身を投じるためでした。


メトロポリタン美術館

芸術の殿堂と摩天楼の輝き

 まず足を運んだのは、「美の百貨店」と称されるメトロポリタン美術館(MET)です。膨大なコレクションを効率的に鑑賞するため、事前に念入りな予習を済ませていたおかげで、入館する足取りも驚くほど、すいすいと軽かったです。

 この美術館の解説は、ここでするまでもなく、アメリカの富で世界中の名作が集められていて、これまでの中東、ヨーロッパの旅で観てきた美術の集大成がここにあるといったイメージです。とにかくすごいです!

 中でも、どうしても観たかったのは、フェルメールで、代表作の「水差しを持つ女」をはじめとする5つの傑作。その静謐な光の描写に時間を忘れて見入ってしまいました。今までフェルメールの絵画を追いかけてきた私は、今回のを観て、世界各地の美術館に現存するフェルメール絵画30数点を、ほぼコンプリートしたかなという感じです。




 楽器コーナーでは、トゥルーやベームなどの歴史的なフルートの名器を目の当たりにすることができました。




 午後はセントラル・パークを散歩して一息つきました。高層ビル群の合間に広がる「都会のオアシス」を吹き抜ける風が、実に心地よかったです。NY街の移動には地下鉄やバスを駆使し、タイムズスクエアブロードウェイ、そしてロックフェラー・センターといった名所を巡った。空を突き刺すような摩天楼の迫力には、ただ圧倒されるばかりでした。




タイムズスクエア

 翌日はニューヨーク近代美術館(MoMA)を訪れ、ゴッホやマチスの色彩に没入。さらに、螺旋状の建築が美しいグッゲンハイム美術館では、再びゴッホやカンディンスキーの抽象世界を堪能しました。しかし、館内でのランチでは現実に引き戻されます。ドルの高さは凄まじく、値段は日本の2〜3倍。チキンサンドイッチとコーヒーでチップもプラスすると、3500円くらいでしたよ。


MoMA



グッゲンハイム美術館

 夜はリンカーン・センター内のデイヴィッド・ゲフィン・ホールへ。グスターボ・ドゥダメル指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックによるコンサートは、旅の疲れを吹き飛ばすほど圧巻でした。ニューヨークフィルの団員はアジア系の女性がほとんどでした。コンサート前に、名門ジュリアード音楽院を見学し、世界中の才能が集められているのを肌で感じることができました。



 華やかな文化の一方で、街を歩けばニューヨークの厳しい側面も見えてきました。激しい競争社会を生き抜く人々は歩くのも話すのも速く、朝も驚くほど早い。ふと見上げれば、高層ビルの窓には空室が目立っていましたし、タクシーの運転手と会話を交わすと、彼は「生活は苦しい」とこぼしていました。きらびやかな景観の裏側には、深刻な格差社会が横たわっているようです。刺激的な芸術と、シビアな日常。その両面を併せ持つこの都市で、私たちの23日間にわたる長い旅は幕を閉じました。


 イスタンブール、アテネ、プラハ、ウィーン、ミラノ、そして、ニューヨークと巡り、新しい世界を垣間見、各都市、人々からたくさんのインスピレーションを得ることができました。最後まで私の旅日記にお付き合いいただき、ありがとうございました。

岩下ともこ

 こんにちは♪ フルーティストの岩下智子です。

 世界一周の旅、5つ目の訪問地として降り立ったのは、イタリア・ミラノです。これまでにローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ヴェローナ、アッシジ、ピサ、トリエステと、イタリアの歴史を紡ぐ魅力的な都市を旅行しましたが、ミラノで目にした光景は、それまでの街とは一線を画す、洗練された都会の活気に満ちていました。おそらく、北イタリア、ロンバルディア地方だからでしょうか、他のイタリア地区と違う雰囲気が漂っていました。


ミラノの誇る芸術と歴史の散策

 まずは、街の象徴であるミラノ大聖堂(ドゥオーモ)の圧倒的な建築美に目を奪われ、てっぺんの塔まで登り、ミラノの街を一望しました。その後、すぐ隣にある華麗なショッピングモールのガレリアへ。ガラス張りのアーケードが描く優雅な空間でのウィンドウショッピングとイタリア料理は、まさにミラノらしい贅沢なひとときでした。本屋にも立ち寄り、雑誌など物色。

ミラノ大聖堂(ドゥオーモ)

ガレリア

ガレリアレストラン

 翌日は、重厚なスフォルツェスコ城を訪れ、その後はブレラ美術館へ。全て歩いて回れる距離です。ブレラ美術館の静謐な空間の中で、ラファエロカラヴァッジョといった巨匠たちの真筆に触れ、その筆致に没入する時間は、旅の中でも特別な記憶となりました。

スフォルツェスコ城


音楽の殿堂、スカラ座

 この滞在のハイライトは、世界最高峰の歌劇場、スカラ座での鑑賞です。• オペラ: ロッシーニの「チェレネントラ(シンデレラ)」が放つ軽快で華やかな旋律。

• コンサート: ダニエル・ガッティ指揮、ドレスデン交響楽団による重厚かつ精密な演奏。ガッティのマーラーは心のひだに入り込み、涙腺崩壊しました。イタリア出身であるガッティのファンも会場に多く、その熱演に聴衆は大喜びでした。




スカラ座


ブレラ地区で「暮らすような旅」

 ミラノでは、スカラ座にもほど近いブレラ地区のキッチン付きアパートメントを滞在先に選びました。キッチン、リビング、寝室があるいわゆる日本でいう、ウィークリーマンションです。石畳の路地が美しいこのエリアで、溜まった洗濯を片付け、地元のスーパーで食材を買い、キッチンで自炊をする。観光客としてではなく、生活者としてマイペースに過ごす時間は、長旅の疲れを優しく癒してくれました。




アパートメントを借りました

 もちろん、ミラノのグルメも存分に堪能しました。おしゃれなレストラン"Stendhal"では、ミラノ名物料理であるズッキーニの花のリコッタチーズ詰めや、とろけるようなオッソブーコをワインとともに。洗練された味覚の調和に、ミラノという街の奥深さを感じずにはいられませんでした。



ズッキーニの花リコッラ



オッソブーコ




 小腹が空いたときにつまんだルイーニの揚げパンの味を思い出しながら、私はこの充実した滞在を終え、次なる、そして最終目的地であるニューヨークへ✈️と飛び立ちました。

イタリアの伝統とモダンが交差するミラノ。そこでの経験は、私の世界一周の旅に、ひときわ鮮やかな色彩を添えてくれました。

岩下ともこ

 こんにちは!フルーティストの岩下智子です。

 世界一周の旅、4つ目の目的地はオーストリアのウィーン。音楽家である私にとって、ここは単なる観光地ではなく、魂が帰る場所——。幾度訪れても、街の角を曲がるたびに漂う「音の響き」壮麗な宮殿や街並みが放つ「芸術の輝き」そしてホイリゲの芳醇な「ワインの香り」。それらが三位一体となって街全体を包み込み、私の音楽家としての血を騒がせます。

かつてハプスブルク家が築き上げた栄華は、今もなおこの街の礎。重厚なバロック建築から、街角を彩るユーゲント・シュティールの装飾に至るまで、ウィーンは街全体がひとつの完成された巨大な芸術作品です。


憧れのオペラ座

 ウィーン・フィルが奏でる至高の2つの演目を堪能しました。ヴェルディの『オテロ』とウィーンの定番であり、いつ聴いても新しい発見がある名作であるモーツァルトの『魔笛』でした。やっぱり、ウィーンフィルはモーツァルトが格別に上手いですね〜。




 オペラ鑑賞のために、今回の滞在ホテルは、国立オペラ座まで歩いてすぐのところにしました。オペラ公演がどんなに遅くなっても、余韻に浸りながら、ゆっくりと歩いて帰って来られるようにです。

 翌日は、ベルヴェデーレ宮殿を訪れ、クリムトの傑作『接吻』と対面。黄金の輝きを間近で見ると、言葉を失うほどの圧倒的な生命力を感じます。上宮と下宮の両方の美術館を回りました。クリムトの作品は分けられて展示されていました。その他、エゴン・シーレなど、たくさんの絵画があったことは言うまでもありません。





 さらに、重厚な美術史美術館に足を延ばし、ブリューゲルの「バベルの塔」やフェルメール、ルーベンス、デューラー、クリムトなどを鑑賞。ハプスブルク家の至宝の数々を堪能しました。





 そして、ウィーン中央墓地へも詣りました。音楽家墓地でシューベルト、ベートーヴェン、シュトラウス、ブラームス など、たくさんの偉大な作曲家のお墓の前で、曲がりなりにも音楽を生業にしている今の自分の心のうちをそっと報告してきました。

 

シューベルト


ベートーヴェン



シュトラウス


ウィーン伝統の美食を味わう

 もちろん、グルメも旅の醍醐味ですね。ウィーン名物に舌鼓というか、腹鼓を打ってきました。まずはシュニッツェルの名店「フィーグルミュラー」Figulmüllerで、お皿からはみ出すほど大きな黄金色のシュニッツェル(カツレツ)を頬張り、皇帝フランツ・ヨーゼフが愛したとされるターフェルシュピッツTafelspitz (牛肉の煮込み)のレストラン「プラフッタ」Plachuttaで心まで温まり、散歩の途中では、カフェ・モーツァルトで、優雅なケーキと共に至福のコーヒータイムで休憩しました。毎度のチップに戸惑うときもありました。


お皿からはみ出す大きなシュニッツェル



ターフェルシュピッツ


カフェ・モーツァルト

 

 毎回、ウィーンに行くと、あっという間に時間が過ぎ、もっと何日も滞在したい気持ちになり、後ろ髪を引かれる思いですが、次なるインスピレーションを求めて、イタリア・ミラノへと向かいました。

岩下ともこ