ブリテンの国、イギリスにて。 | 岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

こんにちは!フルーティストの岩下智子です。

 

昨日は母の日だったので、FBに書き込みをしたところ、イギリスの友人から、

「翻訳機に入れて読んだけど、変なのよ~!今日が母の日って本当なの??」

とコメントがきました。そうなんですよねぇ。イギリスの母の日は日本と違う日でして、3月中旬~4月初旬あたりなのです。彼女にとって「あれ?」と思ったのはわかります。笑

 

イギリスはかつて私たち家族が住んでいた国で、とても美しく、文化のある国です。音楽でいうと代表的な作曲家は、ベンジャミン・ブリテンで、ブリテンが暮らしていたオールドバラという街(オペラ『ピーター・クライムズ』の舞台にもなりました。)が、私たちが住んでいた街から近かったので、よく音楽祭に出かけていました。この海と田園風景を眺め、ブリテンは数多く作曲しました。


私たちが住んでいた街は、サフォーク州のイーストアングリア地方、イプススィッチ市フェリックストゥというところでした。イプスイッチは、ロンドンから北東に電車で1時間のところで、作家のカズオ・イシグロさんも住んでいた街です。フェリックストゥは北海に面した街です。日本で言うと神奈川の「湘南」ような、ちょっとした海辺のリゾート地でした。また、近くにオーウェル川が流れていまして、住民の多くは、週末にボート遊びをするのが常でした。イギリスの絵本に「舟遊び」をするシーンが多いのは、イギリス人にとって普段の生活の環境からくるものなのでしょう。




それから、(私もやりましたが)イギリス人は乗馬も好きです。イギリスのスポーツと言えば、本家、ゴルフですが、あちらの芝は一年中青々として、長さがあるので、ラフなど、けっこう難しいようですよ~。ついでに書くと、イギリス人が好きなのはバーベキューで、夏の間は毎日毎日、庭で近所の友人たちと集まってバーベキューしています。これには驚きました。それから、イングリッシュ・パブも忘れてはいけませんよね。街にはちょっとお洒落なパブがいっぱいあり、いわゆる寄り合いのように、夕方仕事が終わったあとの人たちが、仲間たちと一杯飲んで談笑して帰っていく感じです。

そんなゆったりとした暮らしの中で、私は地元の音楽家の仲間とよくコンサートを開いていました。一番印象深いコンサートは、イギリス人のハープ奏者、チェンバロ奏者とフルート私で、セッションを組み、その三人でノリッジのプロムナードコンサートに出演したり、「セーブ・ザ・チルドレン」基金のために、チャリティーコンサートをやったことです。当時、アフリカのソマリアが戦渦に巻き込まれ、大勢の子供達が食糧難で生命を絶たれていました。そこで我々はその子供達ために、チャリティーコンサートを企画し、寄付金を集めたのです。イギリス人はこのようなチャリティーの精神が大変ある国民でして、そのコンサートのために大勢のボランティアの人たちが手伝ってくれました。また、コンサートだけでなく、イギリス人達は頻繁に「舞踏会(社交ダンス)」なども開いて、楽しみながらもその会費を寄付していましたね。まぁ、このようにゆとりの生活のなかから、自然にチャリティーの精神が宿っているのが、イギリスのよさだと思います。帰国してからも、時々イギリスを訪ね、コンサートもやっています。また行きたいなぁ~。