なかなか守れない約束 | トランジットガールズ Another Story ♬novel♬

トランジットガールズ Another Story ♬novel♬

ドラマ トランジットガールズの未来の物語。

変わらないよ・・・。
私はずっと変わらない。

連休明けの苦痛な授業もやっと終わり。終わったんだからとっとと出たい小百合は急いで筆記具をカバンにしまう。あまりの慌てように亜衣から理由を聞かれたが、小百合は今から住民票をもらいに行くのとだけ言い、足早に教室を出た。

歩きながらスマホを開けると、ゆいから長文1件。

『映ちゃんから相談事があるみたいで、夜電話するって返事したら、電話もだけど会って話がしたいって言うの。聞かれたらマズイ話だと思うから家に呼びたいんだけどいいかな?

小百合も課題やらなきゃいけないし、集中出来ないだろうから、時間調整するって返事を送ったんだけど』

相談内容が気になるが、ゆいが映のマンションに行くってことにはならないのか?呼ぶのは構わないが、ゆいがそっちに行く選択があってもいいような気がした。一応大丈夫と先に伝え、それなりに打診の返事を送った。

 

ゆいがいる現場も予定していた衣装の撮影は終了した。明日は千葉の海岸でロケ。マネージャーさんと担当さんとで明日の入り時間と場所を確認。雨天決行なので、雨なら雨なりの衣装も準備はバッチリ!だとスタイリストさんは気合が入っていた。

「じゃ今日はこれで終了ですね。明日は8時に集合ということで。お疲れ様でした」

ゆいが忙しいのはここから。急いで明日の荷物を車に積まなければならない。

その前にと、小百合の返事が気になり移動しながらスマホを開けた。

『私のことなら構わないよ、でもゆいが映ちゃん家に行くっていう選択はないの?ゆいは映ちゃん家に行ったことないでしょ?私はあるよぉ~♪』

ゆいはどんな時も家に呼ぶことしか考えてなかった。小百合に言われ、夜に電話を掛けた時何気なく聞いてみようと思う。

「小百合に返事送らなきゃ❤」

バスに乗って流れる景色をボーっと見ていた小百合は、スマホのバイブで気付き、ゆいからだと分かると気になる返事をゆっくりと読んだ。

『私そんな選択考えてなかった。何の相談なのか分からないけど、そうだね。今日ちょっと聞いてみる』

こんなことを言えば映を家に呼ぶことが嫌みたいに聞こえるのではと思ったがゆいは小百合の意見を素直に聞いてくれた。

そしてバスを降りるとゆいからもう1件。

『撮影が終わったの。これから明日の準備とかそっちの方が忙しい。帰りちょっと遅くなるかも。7時回っちゃいそう。時間が勿体ないから先に帰ってもらっても・・・早く帰れるって言ったのにごめん!』

「そうなの?」

小百合は迷った。用事が済んだらゆいとデートする場所を視察しようと思っていたから。課題のことばかり考えてちゃ息が詰まる。今は頭から放したい。しかしさすがに7時までうろつくのは時間が勿体ない。

小百合は市役所へ行く前に返信。足早に役場へ向かった。

ゆいがバタバタ走っていると小百合からすぐの返事が。

『撮影お疲れさん!分かった。用事が済んだら先に帰るね。晩ご飯作って待ってるから♪』

何だかぬか喜びさせてしまったと、申し訳ない気持ち。帰ったらいっぱい・・・。

「いっぱい何してあげようかな」

チューでもハグでも小百合は何だって喜ぶ。でも今日はエッチはしない。明日は早出だから。

 

スタジオでは、菜々にお願いし明日の準備をしてもらった。

「荷物は月曜日と同じでいいから。それとバスタオルとフェイスタオルを各10枚積んどいてくれる?」

菜々はタオルと汚れたタオルを入れる大きなゴミ袋も一緒に持ってきてはコンテナに入れ荷台に積んだ。

「さゆっちに教えてもらったの。私も一緒に行きたいなぁ」

「ありがとね。日曜日に重なった時はお願いするから」

 

出来れば日曜は休みたい。