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Individualized Shirts

 

一昨日、私の誕生日のお祝いにと、アメリカからシャツが届きました。

「インディビジュアライズド シャツ」のシャツです。

ちょうど還暦、普通はちゃんちゃんこを贈るのが日本での習わしですが

アメリカ好き、トラッド好き、ボタンダウン好きの

私のための、”ちゃんちゃんこ”です。

赤のテーブルクロスチェックとロンドンストライプのボタンダウン。

社長のジムさん、すごく気がききます。

いや、ききすぎて、本当に泣いてしまいました。

 

インディビジュアライズド シャツと出会ったのは、もう40年近く前でしょうか・

他のアメリカ製シャツと一緒にブランド名は知りましたが、

当時はとても高くて、なかなか買えませんでした。

 

初めてこのシャツを買ったのは、いまではユナイテッドアローズの

ディレクターになられたKさんが

まだひとりで立たれていた一坪半くらいのスペースしかない「ビームス F」で。

2人がすれ違えないくらい狭い店で、短めのトレンチコート、

長袖のポロシャツなどの少量のオリジナル商品を一緒に

一枚一枚透明な袋に入れられて販売されていたのです。

「マーガレット・ハウエル」とか「ポール・スミス」とかと一緒に

売られていて、SALEになったので、やっと買うことができました。

それでも3万円近くしたと思います。

 

確か素材はシルク、あるいはシルクに近いブロード。

グレーベースにすごく細かいチェックが入ったシャツで、

レギュラーカラーだった覚えが。

一緒にポール・スミスのシャツも買いました。これもプロパーでは

手が出ないくらい高かったので。

こちらは茶系のソリッド。前立てがフライフロントになっていました。

どちらもいざという時に着ていましたが、

いつの間にか手元から消えてしまいました。

でもインディビジュアライズド シャツは着た時の

滑らかさ、着心地が絶妙でした。

 

だから21世紀になって、日本での販売が再びスタートした時に、

すぐにニューヨークの本社に訪れて、一昨年には念願だった

ニュージャージーのファクトリーにも行くことができました。

個人のオーダーシートと一緒に様々な素材、色のシャツが工場を流れて行く

風景、あれは最高でした。

 

その社長さんから届いた赤い、アメリカ製シャツですからね。

 

インディビジュアライズド シャツのボタンダウンの中でも

私がブロード素材好きなのをジムさんはよく知っていいます。

もちろんサイズもバッチリ。最近はシャツは外出しで着るので

着丈も、もう完璧と言ってもいい長さです。

 

さすが「たった一人のために作るシャツ」を謳うだけのことはあります。

 

もう完全に一生モノ。

このシャツと、素敵な晩餐を用意してくださった

某社のKさんとNさんにも、感謝しても仕切れないくらい。

このシャツは墓場まで持っていきますよ!

 

M

 

COMME des GARÇONS SHIRT

 

当分、何も買わない、加えないと思っていましたが

先週、餃子を食べに行ったついでに覗いた店で

また、買ってしまいました。

「コム デ ギャルソン・シャツ」のシャツです(ややこしい)。

最近、定番志向から、ギャルソンの中でもこのブランドを買うことが

多いのですが、今回は「FOREVER」。

つまり定番的なコレクションの中のシャツです。

このラインは初めて書いました。

 

以前、このブルーのシャツがデザイナー、川久保玲の好みで

ずっと作っているとスタッフの方から聞いたことがあります。

おっ、そうか、それならば買わねば、と思っていましたが

これがなかなかないんです。

 

前にも書きましたが、

ギャルソンの服は、各ショップがそれぞれ展示会で選んでいるもので

店の仕入担当の方が付けてくれないとお店は並ばないのです。

もちろん店によっても仕入れるアイテムも違います。

コレクションの代表的な商品ならば、こぞって誰もが仕入れるのでしょうが、

こういった定番的な商品はなかなかないんです。

 

でも昨年このシャツと思われるものに出会いました。

家内と春に出掛けた岡山から山形までの旅の途中で。

 

「ウチはですね、このブランドでも『FOREVER』しかやらないんです」

こうスタッフはおっしゃいました。しかも同じシャツでも

シルエットを変えて揃えているとも。

喉から手が出るほど欲しかったのですが

旅の途中でしたので諦めましたが、その後なかなか出会えませんでした。

 

それが2度目。

今度は、シルエットが4種類もあると、寄ったスタッフのからの声。

4種類もあるのか、しかもこの店は一番幅広のモデルを今回は仕入れていると。

独特の色の話をすると「6番ですね」とキッパリ。

やったぁ、色番まで知ることが出来ました。

 

もう2度目ですからね、3度目はもうないとすぐに手が財布に。

同じブルーでも微妙に色が違うのがギャルソンです。

 

他のラックに並ぶ「コム デ ギャルソン・オム プリュス」の

ブルーシャツの色はもっと濃い目です。

昨年、家内が買った「コム デ ギャルソン・コム デ ギャルソン」の

ラウンドカラーシャツのブルーはこちらに近い。

そうか6番は、もっと薄いんだ。もちろん昨年旅の途中で見付けた

ブルーシャツは6番だったはずです。

 

とにかく、これは気に入りました。

基本、シャツ好きだし(ブランドも含めて)、

大好きなブルーだし、サイズはSで入りましたし、

裾出しでも着られるレングスだし、、、、

 

洗濯してまま、まだ着ていませんが

明日、クルマで山梨まで行く用事がありますので

春の日差しに合わせてこのシャツを着ようと思っています。

 

M

 

『LA LA LAND』

 

今日はアカデミー賞の発表と聞いて、

仕事を無理やり終わらせて昨日、封切ったばかりの『LA LA LAND』へ。

田舎の映画館だというのに混んでる。

次の回までも結構な人が予約している。

そんな感じで観ました、いや好きな監督の作品だし、

主演のライアン・ゴスリングは昔から個性的な好きだし、

エマ・ストーンは『ヘルプ 心をつなぐストーリー』を観てからのファンだし。

よかった、特に音楽が、もう帰りにCDを買って、帰りのクルマで聞いてしまいました。

ピアノ曲もいいですが、ジョン・レジェンド、最高です。

 

でも今日のアカデミーでは、撮影賞、音楽賞、主演女優賞など6部門は

取ったものの作品賞が逃してしまいました。

まぁ、いいね。若い監督だからいつか取るでしょう!

才能あるし。

 

タイトルの『LA LA LAND』はロサンゼルスの意味です。

昔はよく行ったものでした。

アメリカというと、ニューヨークなんてまだまだはるかに遠く、

西海岸のロサンゼルスとかサンフランシスコに行くのがせいぜい。

39年前に初めてロスに。その翌年にも行きました。

 

それから数年して家内と2人でロスへ。

 

お金がないので、アジアの航空会社を利用すると、

なんとホノルルでトランジット。入国審査の後、

自分でラゲージをピックアップして

すぐに乗り換えないとロスには着きません。

 

ロスだって、その頃はとてもとても危なかったダウンタウンに宿泊。

いまではあの場所も新しくなったけれど。

クルマを借りるなんて勇気もお金もなかったから、

いつもバスに乗って望みの街へ。

家内など、子供料金しか受け取ってもらえない。

(そういえば、機内でもお子様セットをもらいました)

目的地に着くか心配で途中でぶら下がっている紐を引き、下車。

そうしたら、まだまだ目的地は先。

平地で、目印がないから自分がいる場所がわからないんです。

近くのホテルに駆け込んで、タクシーで「ウエストウッドへGO!」と。

本当にロサンゼルスって広いんです。

 

紹介されたロスの知り合いに連れて行ってもらったのが

フリーマーケット。いまならば、一日中いるでしょうが

そのころはフリマの面白さを全く理解していなかったので

「早くファッションアイランドとか、マリナデルレイに

連れて行ってくれないか」なぁと。

あのころは、「アット・イーズ」とか「ゲーリーズ」とかに行って

新品を買うことしか頭にありませんでした。

 

でも知り合いが取ってくれたモーテルは映画みたいだったし、

夜には脱皮したカニの「ソフトシェルクラブ」もたくさんご馳走に。

あの後はロスへは仕事でばかりで。

高速道路が落ちる地震にも遭ったし、

詐欺師みたいなイタリア人カメラマンにも会ったし、

天使がいない街だから、いろいろあったけれど、

あの時のロサンゼルスが

いちばん楽しい珍道中でした。

 

まぁ、これが僕の「LA LA LAND」ストーリーです。

 

M