おさいとうのお手伝いに行った二日後のことです。
1人用サイズのイグルー(丸くないものをイグルーと呼んでよいのかわかりませんが)が、どんな手順がよいのか、また所要時間を再検討するため再び作成しました。

場所は、裏山のふもとのわが家の畑が雪に埋もれたところです。
裏山のふもとへ

家からはすぐ近くなんですが、スキーを履いて。
この日は、気温が低く、雪はふわっとさらっとしておりました。
ふかふかの雪

スコップをぽんと投げて、刺さったところを設営場所に。
ちょっと投げただけですぼっと刺さりました。ふわふわですね。これは作りにくそうです。
場所選び

足元の雪をブロックにして切り出し、それを切り出した場所の近くに積み上げながら作っていきます。
この日の雪は、表面は冷えていてさらっと固まりにくく、下のほうは湿り気があってザラメも混じってびちゃっとしていました。イグルーを作るにはまったく適さない雪質の日にあたってしまいました。
途中まで作った

作業開始から20分ほど。
う~ん、ちょっと大きく作りすぎました。ポールは120cmの長さにしてあります。そこから、もう一段階積みますからね。
今回目指すのは、あくまで1人用のイグルーです。
ソロの山岳用テントのサイズは、アライテントのエアライズ1というものでは、幅100cm、高さ100cm、長さ205cmでした。中の空間は、必要最低限にすれば、熱がもったいなくないのでないか、と思ったのでした。
大きすぎた

ということで、20分ほど作業した一つ目の試作品は、途中で取りやめて、ふたつ目を作ってみます。
最初は、踏み固めないでしっかりした雪が出てくるまで柔らかな雪を掘ってスタートしましたが、少し思うところがあり、次はあらかじめ場所の周りを大きめに踏み固めてスタートです。
次の場所 踏み固め

ブロックの切り出し。
のこぎりを使っても切り出せますが、スコップだけでもブロックを作ることができます。
ブロックの切り出し スコップ

表面のふわふわした雪は、踏み固めてから数分で締まってきて、持てるくらいになりました。
この時間の経過が大事なようだと思いました。さらっとしてても、踏んで時間を置くと締まったブロックになるものなのですね。
下から持つのです

これを積んでいきます。
積む際は、なるだけ隙間を開けないで丁寧に、やったほうがよいようです。
隙間があると、ブロック同士がくっつきにくいですね。踏んだ雪と同様に、隙間を埋めてくっつけてしばらく経つと、接着したようになっていました。
そのため、あらかじめ面を綺麗にならすのに、のこぎりがあるとやりやすいです。
積んでいく

ブロックを掘り出したその下のびちゃっとした雪も、外気に触れると凍ってきて、ブロックとして使いやすくなりました。
足元から切り出しては積み、を繰り返していきます。足元だけで足りない分は、進む先から調達してよいわけです。
つなげていく

おおむね2mほどの長さになったところで、家から持ってきていたマットを敷いてみました。
幅は、ぎりぎりにちいさく、と思ったらこれではちょっと狭いでしょうか。
ある程度の幅なら、あとは掘ればよいだけですので、いくらでも調整できます。
マットを敷く

中に入って寝転んでみると、いやいやあ、これは快適ですね。
たいへん結構なお手前でございます(自画自賛)。
寝転がる

外から見ると、このような具合でした。
泊まる場合は、これの入り口をもうちょっと作りこんで、ツエルトなどで蓋をすると暖かいと思います。
出来上がり

ふたつ目は、約40分ほどの時間を要しました。
同じ大きさの雪洞を掘るのには、どのくらいの時間が要るのでしょう?掘ったことはありますが、時間を計ったことがありません。
雪洞の場合にたいへんなのは、掘り進めるうちに苦しい体勢で掘っては雪を外に出し、ということになってくるところと、雪が2mくらいはないと、洞に出来ないというところでしょうか。
この積むのならば、雪が少なめでも積んで作れるので、より汎用なのかなと思いました。
今シーズンのうちに、山に行ってこのようにして作ったイグルーに泊まってみたいものだと思っております。

さて、帰りましょう。
帰り際に、集落のはじにある柿の木に立ち寄って、冬の味覚を頂戴しました。
さて、こないだのおさいとうをお手伝いした集落での様子です。
子どもたちがそり遊びしています。
この子どもたちはふたごちゃんで、保育園のころから知っております。とにかく元気ですね。冬のこの雪のさなかでも、サンダル履きで家から出てきて走り回っていたり(そんなことしていると、おとうちゃんに叱られるわけですが)するほどでした。
子どもたちは、寒いというのはあまり感じないものでしょうか。
とにかく、そんな子どもたちには、雪が降るのは、遊び道具がたくさん用意されたようなもの、という具合なのかもしれません。
雪遊び

ははあ、それならば、ということで、おさいとうの準備などの合間をぬって、雪のおうちを作ってみました。
正味の作業時間はこの時は30分ほどでした。
丸く作ると、イグルーと呼びますが、かまぼこ型のこれはなんと呼べばよいのでしょう。
イグルーもどき、でしょうか?
イグルー

ほらほら、こんなの出来たから見てごらん、と招待すると、気に入ってくれたようです。
子どもだと、ひざで立ってこのくらいの高さでした。ちょっと天井は高すぎたかもしれません。
隙間が気になるのか、雪を詰めて埋めています。
手直し

天井。
ブロックを積んで作った様子がわかりますね。
屋根

ぼくが寝転ぶと、ちょうど足まで納まるくらいのサイズにしていました。
あとは、マットと寝袋があれば眠れそうです。
足までおさまる

奥のいきどまりのところ。
上半分は、積んだ雪のブロック。
下半分は、もともとの雪の面から掘ったところです。
足元からブロックを切りだして、それを天井に使って、というように作りました。
下半分は掘った穴

雪の家の外観。
周りから掘り下げられているのがわかりますでしょうか。
雪洞などで先輩から教えられたのは、室内を入り口より高くすると暖かいということでした。
これはこのままではそうなっていないので、泊まる場合は、入り口をもうちょっと工夫するなりしないといけないかもしれません。
雪の家

大人の方も様子を見に来て、雪にまみれて遊んでおります。
雪の野原が広がっておりますから、そりゃあも~、遊び放題ですね。
大人もはしゃぐ

ただの雪の野原でなくて、おうちがあると、なんとなく遊びの拠点という感じに見えてくるのが不思議です。
ベースキャンプ

子どもたちが、雪のかたまりの丈夫なのを探して運んでおります。
ぼくが持つと片手で持てるくらいの雪のかたまりも、子どもたちには大仕事、わっしょいわっしょいと運んでおります。
ドアを運ぶ

この雪は、ドアにするんだそうですよ。
入り口の上に開いた穴は、換気用の窓。
ブロックのあちこちに隙間はまだあるんですが、それでも意識的に換気できる穴を開けておいたほうが安心かと思われます。
ドアをすえつける
練習用に作ったので、帰りには崩して帰ろうかと思ったのでしたが、子どもたちが気に入っていたので、おとうさんに、崩れる経過などを見て、生き埋めにならないように教えてあげてくださいね。ということで、そのままにしました。
積んだ後に、すこし時間が経過すると、ブロック同士はしっかりくっついて丈夫になるんですが、それでも生き埋めになったら怖いですからね。(雪洞よりも、頭上にある雪の量はかなり少ないはずなので、やや安心ではありますが)

帰り道。
真っ白、真っ白。
帰り道

この日の雪のおうちは、泊まるにはちょっと大きくしすぎたかもしれない、という感じがあり、翌々日に、もうちょっとちいさく作ったら、どんな手順で、どのくらい時間がかかるのか試してみることにしました。
お正月のお休み明けの朝日連峰。
1月7日のことでした。
ちょこっとだけ晴れ間のある日でした。
朝日連峰

う~ん。もうちょっとで大朝日も見えそうなんですが。
小朝日岳までしか見えませんでした。
小朝日が見えた

11日の土曜日のことです。
時折お伺いする集落に、おさいとうのお手伝いに行きました。
街のほうからも若い方のお手伝いの参加がありました。待ち合わせのおうちへやってくるところ。
雪は道路わきでは、ところにより背丈ほどになっておりますね。
待ち合わせ

さっそく、おさいとうの木材の準備です。
この木は、夏にあらかじめ切ってあったものです。
うちの近くでの元々のおさいとうでは、木を一本伐り出して立て、そのまわりに稲わらを積んで行うものです。現在の様子は、間伐した丸太や集落の中で取り壊しのあった小屋などの材木をとっておき使うのがいくつか見られます。うちの集落でもそのような具合になっていました。
おさいとう 積むところ

それと、門松などお正月に使ったものもこのおさいとうで燃します。
あとは、子どものあるおうちなどでは、一年間で書いた習字や、学校のテストなども燃します。
その習字の紙などが、燃やした火で空高く昇るほど上達するのだということです。
門松

この集落の山の神様。
山神社と書いてあります。さんじんじゃ、と発音するようなことでした。
雪の積もる中に、赤い鳥居と黄色の傘の色合いが彩りを与えております。お神酒とするめ、お茶があげもされておりますね。
山神社 黄色の傘

おばあちゃんがやってきて、「ロッキーチャックさんや、ここに四角の穴を開けておくれ」というので、開けると、箱にダイコンを入れて置き、つまようじを刺してろうそくを立てました。
お賽銭をあげもすところ、だそうです。
ダイコンのろうそく立て

ろうそくが灯りました。
こういった場合のろうそくを、ろうそくで無く、おどみょ、と呼んでいました。
御灯明と書くのでしょうか。
おとみょう

徐々に人が集まると、点火となりました。
本来のおさいとうは、夜にするものなのですが、高齢の方が夜の冷え込んだ時間に外出すると足元が危ないこともあり、ここでは明るい昼のうちにするようになったそうです。
実は、昨年は木がたいへん凍り付いていて、燃すのに苦労したのですが、今年はたいへん順調に点火しました。
点火

今ここの集落に住んでいる方だけでなく、街へ移り住んだ方なども集まる機会は、この集落では今はこのおさいとうだけになっているとのことでした。
ぼくも、近くの集落に住んでいるものですから、そういった方からも、ああ、○○さん家の孫さんかあ、などというおはなしになりますね。
火を囲む

今はまだ雪の季節のはじまりのうちです。雪の降る量が多いのは、1月20日~2月の20日ころまででしょうか。これからが雪の本番ですね。
この集落では、二階の屋根から落ちた雪も重なったところで、一階の梁に届かんとするくらいの高さになっておりました。この集落では多い年は4mほどの雪になるそうです。
雪に埋もれる家

降りますね。
雪の風景

火は具合良く燃えました。
この集落では、今は稲作する方もいなくなってしまったそうですが、うちの集落の場合は、おさいとうは、耕作の吉凶を占う儀式でもあって、「さぐのいわい、さぐのいわい(作の祝い)」と唱えながら、火の上がりかたや、燃えた後の木の崩れようを見たものでした。
ぼくの見立てでは、この集落のおさいとうでは、豊作と出ました。
祭りの後

おさいとうの合間に、近くの平らな雪の野原の一角をおかりして雪遊びをしておりました。
明日はそのおはなしです。