イグルーの設営が無事に終わり、次は、中でひっぱりうどんの時間となりました。
ひっぱりうどんを食べる、食べると書きつつずいぶんお待たせしてしまったようです。
ひっぱりうどんだけに、おはなしをひっぱって・・・。のびてないとよいのですけれどもね、麺だけに。

イグルーの中は、真ん中にストーブを置いて回りに大人が座れるくらいの大きさでした。
入り口側は空席となっておりますので、あと一人くらいは入られそうです。真ん中にストーブを置かないと5人は入れますね。
調理の様子

お湯が沸いてくると、すごいもやもや水蒸気です。これはレンズが曇っているのでありません。ほんとに真っ白という具合でした。
もくもく

すぐそこの入り口付近ももやっとしております。
曇る

煮えるのに10分ほどの時間でした。
その時間に、たれ?をつくります。
定番は、納豆(必須)、しょうゆ(必須)、七味、ねぎ、サバ缶、かつおぶし(あるいは削り節)あたりでしょうか。それとたまごも入ったり入らなかったりします。
サバ缶は、子どものころにはぼくは苦手だったのですが、今は大好きになり、サバ缶ひとつあれば夕食に満足なくらいになりました。山形の内陸地方では、サバ缶の消費量がやたらと多いそうです。かつて冬に保存の利くたんぱく源は、ぼうだらやからかい(エイの乾かしたの)や、川魚の囲炉裏の上で乾燥したものなどだったのでしょうけれど、それがサバ缶に時代の変化と共に置き換わったのかもしれません。今の世は、冬でも肉でも魚でも新鮮なものがお店にいけば手に入りますが、食文化として味の好みが残ったのでありましょう。
たれを作る

煮えてきましたね。
うどんが煮えた

なべから、各自がうどんをひっぱって食べるのでひっぱりうどん、というのだと思います。地域によって、ひきずりうどん、納豆うどん、などと呼ぶとか呼ばないとか。うちでは、しっぱり(「ひ」が「し」に訛ったのでしょう)と呼んでいました。
もやもやん

うどんに、納豆メインのたれ(もはやたれなのかどうなのか?)をからめていただきます。
ひっぱりうどん

なべが小さいので、一袋ずつしか煮られません。
次の袋の二回戦目は、たまごを投入しました。
次はたまごを

煮炊きする間に、天井は若干溶けてきましたかね・・・。
溶ける屋根

優雅に食後のコーヒーを。
食後のコーヒー

ふと、雪の壁に目をやると、ちいさな黒い粒が動いているように見えました。
トビムシ

ややや、と思い、よく見てみるとちいさな黒いトビムシです。
マルトビムシあたりでしょうか。
名前の通り、触ろうとしたりすると、ピン!と飛びます。
このほかに、赤っぽいのや長細い感じのトビムシも雪の中で見つけることがあります。
果たして彼らはなにを食べてどんなふうに暮らしているものでしょう。
仮説として聞いたのでは、雪の中に繁殖する藻類の一種があり、それを食べる虫たちもいる(これがそうなのかわかりませんが)というようなことでした。ただ白いだけの雪と思っていても、ちいさな虫たちにとっては豊かな世界になっているのかもしれませんね。
ザラメ雪の粒よりちいさいくらいですから、雪などは彼らにとっては隙間だらけなのでしょう。
ちいさなトビムシ

ひっぱりうどんを煮て、食べて、のんびりしていたら1時間30分ほどがあっという間に過ぎていきました。

このあと、少しだけ足を伸ばして公園のなかを散歩しました。
一行は、夏に車道になっているルートをはずれ、ちいさな尾根を辿って山の上の公園を目指しました。
このあたりの尾根などは、夏なら草木が茂りとてもスムーズには歩かれないところです。
冬ならではの自由なルート取りです。
雪に埋もれてエゾユズリハが緑の葉を茂らしております。
エゾユズリハ

登ってきたちいさな尾根を振り返ります。
小さすぎて地形図にはちょっとした線の曲がりくらいでしか表現されないような尾根ですが、歩いてみるとこんなふうなちいさな地形が歩く上では影響が大きかったりします。
ちいさな尾根

広場手前の雑木の林。
こういうところは好きです。スキーで滑り降りるには、木々の間が近すぎて滑りにくいですけれどもね。
雑木林

公園の北東の端にあるあずまやが見えてきました。
ここで、11時13分ほどになっていました。スタートが10時5分ほどだったので、1時間ちょっとの雪上散歩でした。(かなり寄り道しました。)「ま」さんのスマートフォンのGPSによると、1.6kmほどであったそうです。
あずまやへ

今年は今のところ、街近くは雪が多くはありません。
ここの山も、50cm程度であったでしょうか。
あずまやにはベンチなどがあり、休憩するのにもってこいですね。
あずまや

あずまやで、休憩の後に、もうちょっと先に行って見るか、それともイグルーを作って昼食にするべきか話し合いをしましたところ、とりあえずイグルーは作りたいよね、ということで・・・

じゃん。
できました。
イグルー完成
作成の経過も撮っておけばよかったのですが、内側で作業の担当になったので撮られずに残念でした。

今回作ったものは、丸いタイプです。
大人三人が入れる大きさにしました。
写真に残っている時間の経過からすると、1時間20分ほどの所要時間でありました。
この日は、気温が高くなり、小雨が混じって雪質はザラメのようになり、イグルーつくりにはかなり悪条件であったのですが、なんとか完成にいたりました。これくらいよろしくない雪質でも出来るものだなあと自信がつきました。外から見ると、それほど高さはありませんが、足元を掘っているため、腰を少し曲げると立っていられるくらいの大きさです。
雪のおうち

雪のおうちもできたところで、昼食の食材を各自のザックから取り出します。
ぼくは水を背負っていく担当でした。冬の山は水を確保するのがたいへんですね。
雪山に泊まる時には多くの場合、雪を溶かして水を作りますが、今回は出発からたいして歩いていないので3.5Lほどを背負っていきました。
食事の準備

今回のメニュは、山形の冬の名物、ひっぱりうどんです。
ひっぱりうどんには、乾麺を使います。
近年は、ひっぱりうどんに合うように調整された専用の乾麺があります。
どんなふうにしていただくのかは、稿を改めなければなりますまい。
ひっぱりうどん

調理にはガソリンのストーブを使用しました。
イグルーのなかですべきかどうか、悩んだところでしたが、O氏の今年の夢の一つがイグルーの中でひっぱりうどんをしたい、ということでしたので、イグルーの中へ。
イグルーのなかへ

換気を充分にするため、換気口を大きめにふたつ設けました。
一酸化炭素中毒になったりしてはいけません。
火気を使わない場合の雪洞などでも、換気は重要なことです。換気がよくなると寒いですけれどもね。

このあと、うどんが煮えるまで、おなかの鳴るのを聞きながらしばらく待つのでした。
1月25日、先週の土曜日のことです。
月山に一緒に行ったメンバーのうち、キャンプの達人のOさん、自分が山に遊びに行くようになるとは思っていなかった「ま」さんの3人で、冬の雪の上を歩いての雪遊びへ行ってきました。
山の上に公園のある街近くの山ですが、山は山、久しぶりの山です。

ぼくは、かんじきにするか、スキーにするか迷っていたのですが、スキーにしました。
このところ、これを履いてゲレンデ(ちいさいスキー場ですが)で練習をしており、山の雪の中では曲がれるのかどうなのか、というのも興味のあるところです。
スキー

こちらの方は、初めてのスノーシュー体験となりました。
このスノーシューは、Oさんのものです。
アルミのフレームに布張りタイプのスノーシューです。
はじめてのスノーシュー

Oさんは、スノーシューを買い足したようで、プラスティックのタイプのものを持ってきていました。歩きやすさに定評のあるMSRというブランドのものです。奥に置いてある黒い板は、スノーシューの後ろ側に追加して、さらに雪に沈みにくくするためのものです。
スノーシュープラ

くっつけるとこうですね。
スノーシューもいろんなのがありますが、布張りタイプのものは、ふわんとした歩き心地、プラスティックのものはかっちりしていて安心感があるように思います。ぼくの持っているものは、もうちょっと安い品物のプラスティックですが、スキーを買ってからはあまり出番が・・・。
後ろに取り付けるものもあり

MSRのこのシリーズのものは、裏側にこういったしっかりした歯があります。
斜面を横切ってみると、これはかなり効き目があります。
歯

歩き始め。10時をちょっと過ぎた時間でした。
「ま」さん、おそるおそる歩いていらっしゃいました。初々しいですね。
ぼくも、初めてスノーシューで歩いたときには、ちょっと不安な感じがしたものでした。
Oさんのほうはというと、スコップやらあれこれザックに入れて、そのまま泊まれるのでないかという具合の荷物です。(このなかにひっぱりうどんが入っておるわけです)
雪の上を歩く

雪の上の散歩の楽しいのは、夏なら大きな草が茂ったりして歩かれないところでも、すっかり一面の雪になれば行けてしまうところです。
目指すのは、写真の向こうの右のはじあたり。
どこでも歩かれます

進んでいくと、あらら、まあ。
なんということでしょう、ちいさなクモが雪の上を歩いています。
この日は、気温が氷点下を上回って暖かく、うっかり出歩いているのでしょうか。
クモ発見

これは・・・。う~ん、フクログモの仲間のなにか、でしょうか。
地面を歩いているタイプのクモですね。
冬の雪の上をこんなふうに歩いている虫たちは時折見かけますが、一面の雪のところにあって、どこに行くのか、冷え込む夜を越せるのだろうかと心配になったりします。
雪の上のクモ

枝に葉の残るマンサクがありました。
葉の残るマンサク

花芽がついています。
マンサクの芽は、花芽はこんなふうにまるっこい形で、葉の芽は、薙刀の先っちょみたいな形をしています。うちの集落の近くのマンサクは、今年はなぜか花芽があまりついておらず不思議に思っていましたが、ここのものは花芽もついていました。
マンサクの花芽

ここは、リンゴの果樹園。
時折通る道なので、よく見かけるところでありましたが、昨年などは剪定もしなかったのか、ちょっと乱れてきておりました。秋にはリンゴがなりっぱなしのようでした。
見えにくいですが、木の周りにはウサギの足跡がたくさんついておりました。
林檎の果樹園

ふと枝先を見ると、ウサギがかじったような痕のある枝がたくさんありました。
こういった枝先を食べるのですね。山のなかの木々の枝もこんなふうに食べられているものをよく見かけます。
ウサギが枝を食べた跡

こちらはトネリコの実。
トネリコの実は、からっぽのものが多く、風に乗って飛びそうなかたち、でも、枝に強くくっついていて、実際のところはあまり飛ばないのよね。なんて思っていましたが、この日は雪の上にたくさんの実を振りまいていました。いくつか確認したところ、実の詰まっているものもあるようでした。
トネリコの実

山形名物のうどんを食べるべく、一行は先を目指すのでありました。