山開きの様子をお伝えしておりますが、昨日、今日と大朝日岳へ、うちの山岳会の行事へ関東圏でブログでやりとりさせてもらっている皆様からも参加いただいて登ってきました。
今年は4月からとにかく雨の少ない年で、特に6月に入ってからは、雨がまともに降らず、田んぼは乾きひび割れ、畑は草も伸びないような状況であったのですが、皮肉なことに降らないとよいなという日に限って雨だったりするものです。
あいにくの天候
一日目はガスの中。二日目は、一瞬晴れたものの途中から雷雨になり、いそいそと休憩時間も少なくして下山を急いだ次第でした。
これはひとえにロッキーチャック(の中の人)の日ごろの行いがよくない、ということでありましょう。申し訳ございません。

さて、もう少し夏山開きのおはなし(最終回)です。

鳥原山の山頂から見晴台へ行き、湿原に戻り帰途につく、というところまでのおはなしの続きであります。
湿原から、ブナ峠へ至る道の分岐からすぐ、道がぐちゃっとなった箇所が数箇所あります。
ゴム長ですと、それほど困らないのですが、登山靴ですと汚したくない気持ちで無理な動きをして転んでしまったりします。あせらずに行きましょう。
湿原横の道

あ、ツチハンミョウ。
ツチハンミョウ

雪の残っている箇所があります。
すっきり晴れておれば向こうに月山が見えるのだけれど。
雪の上を渡る

コミヤマカタバミは好きな花のひとつです、が、ちょうど開いているものがありませんでした。
コミヤマカタバミ

ブナの芽の三兄弟。
ブナの芽3つ

ツバメオモト。
ツバメオモト

ヤシャビシャクもありました。
ヤシャビシャク

ちびっこいカタツムリ。
ちびカタツムリ

ああ、なんだかのんびりしてしまいます。
ユキザサに木漏れ陽が。
ヤマトユキザサ

ユキザサの茎の毛の様子。
こちらはどうやらヤマトユキザサというもののようです。
花の茎に毛が多いかどうかがヒロハユキザサとの違いのひとつのポイントのようで、これは花序の軸はじめ全体に毛が多めでございました。
ユキザサの茎

ブナの林。
ブナの林

ブナの林の中を進むところは、エゾハルゼミの声がずっと聞こえておりました。

歩きながら撮っているのであまりよろしくありませんが・・・。

急めの尾根を下り、沢沿いの道へ戻っていきます。途中の小さな沢が流れ込むあたりでは、どこかにいるのに姿の見えないカエルの声がしておりました。
沢を行く

沢は、下るほどに水の量が増していて、橋が流されてしまった箇所では、ぴょん、と石をジャンプしないといけないところもありました。沢の水の量自体はそんなに多いわけでないので、濡れたってしょうがないや、というくらいの気持ちで、どうどうとわたったほうが転んだりしにくくってよいかもわかりません。(橋が直せたらベストなんですが)
沢を渡る

おばさまの元へ帰り着いて午後5時ちょっとすぎ。
このところは、帰り道がのんびりしてしまうのが多くなっております。

というわけで、今年の山開きの様子でございました。
夏山開き神事と昼ごはんを済ませ、せっかく晴れているからということで鳥原山の山頂へ向かいました。
鳥原山山頂へ向かう途中には、雪がたっぷり。
鳥原山手前の雪

振り返ると、湿原と小屋がみえました。雪と春と夏が同居しております。
振り返ると湿原と小屋が

鳥原山の山頂へ、と書いたものの、ここの山頂は、まだ偽高山帯(亜高山帯)の標高で、見晴らしはよくありません。ごわごわした潅木の激烈なヤブのところで、登山道のまだ無かった折に登った大島亮吉さん(明治から大正のころにあちらこちら登られた方だそうです)は相当苦労したようです。
三角点はあります。
鳥原山山頂

というわけで、見晴らしのよい鳥原山山頂から、小朝日方向へちょっと進んだ見晴台と呼ばれるところに行きます。
イワナシ。
イワナシ

イワカガミ。
イワカガミ

タケシマランは数多く咲いておりました。
上から見ると、花が見えず、ユリの仲間のまだ花のつかないちいさな株なのだなあと見えるのですが、下から覗き込むとかわいらしい花がいくつもぶら下がっております。
タケシマラン

ツマトリソウ。
ツマトリソウ

足元の草花を愛でつつ歩を進めると、やがて展望がひろがります。(ザックを背負っていない方があるのは、どのみち引き返すから、と湿原の近くにおいてきたからです。)
見晴台へ

鳥原山から小朝日へ尾根の道が続きます。
尾根の右側に帯状に残る雪は、冬の巨大な雪庇の名残であります。
小朝日岳

大朝日岳。
まだ残雪が多いですね。Y字雪渓はまだY字になっておりません。
大朝日方向

山の風が吹き、雲がゆるりと山々を撫でつつ流れ行きます。
この様子には、この日に初めて山らしき山を登った方も、山の景色はこういうものなのだなあと満喫されておりました。
しばし、静かだけれどなにかしら満ち足りた時間でありました。

あんまりのんびりすると日が暮れますからね。名残惜しいですが下りましょう。
残雪を下る
最初の写真の残雪のところを上から。
初夏と呼ぶのに差し支えない季節に至ると、冬にはありふれていた雪もうれしいものですね。
くつぞこで滑りおりたりしながら下りました。

ここからはエゾハルゼミの蝉時雨の森を通り帰途へつきました。
鳥原湿原に到着し、小屋へ向かって木道を歩いていると、道端の木の枝の先に、きらりと青く光るものが。
あらら、まあ、これはコルリクワガタ!
コルリクワガタ

やや興奮してしまい、一緒に歩いていたみなさんに、先に行ってもらうようにお願いして撮影しておりました。
実物はもっと美しいメタリックブルーなのですが、写真にははっきりと写りません。
近年になって、コルリクワガタの分類が細かくされる説が出てきて、山形の月山を標準採取地として、ユキグニコルリクワガタ、というのが報告されたそうです。(顕微鏡やらなにやらで確認しないといけないらしいですが)
コルリクワガタ 新芽と一緒
こんなふうに新芽にやってきて、葉にもぐりこみ、樹液を吸うんだそうですよ。

標本を作る方なら採集するのでしょうが、ぼくは生きているのを見るので充分なので、またね、とお別れしました。

鳥原小屋手前の水場で、一緒にきたみなさんと合流。
小屋の近くもまだ雪がありますね。
水場

雪の下からようやく出てきたマンサクは、ようやくつぼみがほどけつつあるところで、「先ず咲く」のマンサクでも、これは「コレカラサク」ですね。
マンサク

小屋の周りには、山の知り合いがあちらこちらに。
お隣のお隣の山岳会の好青年、地下足袋さん。この日も地下足袋でした。
地下足袋さん

こちらは、ハチマキさん。
山ウエアの襟元にちいさなコメツキムシがやってきていました。
山を登るハチマキさんの首もとを登るコメツキムシにとっては、ハチマキさんが山のようであったことでしょう。
ハチマキさんとコメツキムシ

神事は滞りなく執り行われました。今年の夏山もみなさまご安全にまいりましょう。
このあと、朝日山岳歌の斉唱があり、動画を撮ったのでしたが風の音ばかりが大きく載せるに耐えません。今度、お会いする機会のある方には、ぼくが歌って(音程とリズムがあやしいですが)さしあげましょう。
神事

今年のバッジは、紫色でした。
バッジ2014

神事の後、小屋に入って定例のお昼ごはんを。
あら、見慣れない虫がおりました。(いつもいるのでなく、偶然に入ってきたようです)
う~む、これはなんだろう?アブかハエの仲間のようですが、図鑑を見てもまったく見当がつきません。触覚が極端に短く(見えない)、全体に色素の少ない感じ。胸部の側面に黒い帯。脚には毛が多く生えています。
見知らぬハエの仲間

この日はお客さんが多かったのと、昼食後でややちらかっておりますが、鳥原小屋はまだ新しい小屋で、室内は綺麗、トイレは別棟で水洗になっています。(写真は二階の様子)
主稜線から離れているので、訪う方は少ないのですが、まわりのブナ林、湿原を眺めるのによい山と小屋です。
鳥原小屋内部

小屋の二階の窓からの景色。
のんびりゆっくり泊まって湿原のトンボを眺めて過ごしてみたいものです。
窓の外

お昼ごはんを済まし、晴れていることもあって、下山の前に大朝日岳を眺めに鳥原山山頂方向へ向かいました。
鳥原山へ向かう

今年は例年よりも残雪が多いようでありました。