村境のトンネルを抜けると・・・雪国、いえいえ、畑がありました。
田んぼに出た

堰は一度地上に出て、再びトンネルの中へ。ここもコンクリです。
これではこちらの方向はもう期待があまり持たれません。
堰の続き

近くの道に沿ってテキトウに歩いていくと、だんだんと登りになって・・・。
この先にもう少し進みましたが、またもひとつの集落の向こうへついてしまいそうな方角なので引き返しました。
山への道

しかたなく、ここまで追いかけてきた堰から取水している田んぼのほうへ。
田んぼの一角にちいさな池があり、ハスの葉、ヒルムシロなどがありました。
ここには夏にはホタルが舞い、イトトンボの仲間がいくつも住んでいます。
小さな池

今回のお目当ての草は、バイカモという水草でした。
流水を好む水草で、子どものころには、この日にたどった堰にそっていくらでも生えていたのでありました。
う~む、これもヒルムシロ。
ヒルムシロ

バイカモ、どこにでも普通にあったので、わざわざ写真も撮っていなかったのです。
それが昨年の豪雨の後に気がつくともうどこにも生えていない、ということであったのです。
ヒルムシロの生えている水路を下り、その近くから別の沢にいきあたったので、そちらを遡ってみることにしました。
沢

ちいさな流れ、顔にかかってくるクモの巣。サワガニなどいないものかな、と歩を進めます。
こういう山のなかのちいさな沢の独特の香りってありますね。コケの古くなったような、なんとなくこげくさいような。

たどっていくと徐々に水の量は減り、林の奥に続いていくのみでした。
これはこちらにはさすがにバイカモは無さそうです。
沢の行き先

あきらめて戻る途中の草むらのなかに、サイハイランが花を咲かせておりました。
サイハイラン

バイカモを探して、てくてくと歩き、隣の集落の真ん中を流れる大き目の川を地上から確認することにしました。
水は澄んでおります。
澄んだ川

橋の上から見ると、昨年以前は川底に砂がたまっていたのですが、今はシルト質の岩盤が露出しておりました。その上をアユのちいさいのが群れをなして泳いでおりました。(中央付近に数十匹群れていますが見えますかね?)
魚がたくさん見えるのだけれど

バイカモはなかなか見つかりません。
ここにもかつて(かつてと言っても1年前ですが)いくつも株があったのでした。
岸の上から確認できる川の中は限りがあります、機会を改め、そのうち川の中を遡りつつ探してみることにします。
かつてここにバイカモがたくさんあったのです

なんだかんだで結構な距離を歩いてしまったので若干疲れてきました。上空もなんとなく雨っぽくなってきたのでおうちへ帰りましょう。

最初にたどってきた堰のある山沿いへ戻る途中、マタタビの白い葉の上にチョウが翅を広げていました。あ、あれはコムラサキ。
コムラサキとマタタビ

コムラサキの翅の色合いは見る角度によって変化します。
より紫の発色の良い角度はどこかな、と回りこんでみます。おお、鮮やか。
紫色の光沢
オオムラサキはその大きさもあって目立つのですが、コムラサキはぱっと見るとよくいるヒョウモンチョウに似て見え、翅を閉じると、ヒカゲチョウなどに似て地味なので意外と飛んでいるのに気がつかなかったりします。(この後、別の場所でも見かけましたがせわしなく飛び回っていて撮られませんでした)

も少し進むと、以前から気になっていたちいさなマメ科の植物がありました。
帰ってから改めて調べてみると、ははあ、ツガルフジという植物のようです。
津軽と言えばりんご、りんごと言えばふじ、ということでしょうか?
いいえ、違いますかね。津軽ではじめて確認されたフジ(マメ科の植物)の仲間ということでしょう。
ツガルフジの花

葉っぱは4枚のものが多いようでした。
ツガルフジの葉
図鑑によると里山に多いとあり、県によっては希少な草のようです。

周囲から甘ったるい香りがすると思っていたら山栗の花が満開となっておりました。
山栗の花

そろそろホタルの最盛期に入っていきますね。

この後、ちいさいほうの川に寄り道し、来た道を帰っていきます。
ヒメシジミです。
ヒメシジミ

6月下旬のことでした。
オスがふたつ。
オスのグループ

メスはもっといっぱい。
メスのグループ
このチョウは、不思議と性別ごとにまとまって花の蜜を吸っていたりするようです。
この時期にはほんとに数多く、草むらに入っていくとあちらからもこちらからも数え切れないくらいに飛んでおりました。

この日は、とある植物を探しにでかけていました。
堰へ続く道です。ここは子どものころの遊び場で、学校の帰り道にこちらから遠回りをして堰に沿って帰ったことが何度もありました。
堰への道

途中からは登山道みたいになりますね。子どものころにはもっと狭い道でしたが、今はいくぶん太く立派な道になりました。
登山道みたい

今から10年ほど前のことです。
ここの堰はコンクリの大きな側溝になり、うえにはふたがかけられました。
それ以前には、ちいさな魚が泳ぎ、ホタルの舞う水路であったのでした。実に残念なことでした。コンクリになってからまだきちんとたどったことが無く、今回探す植物が、もしかしたら一部残っておるのでないかと期待を持って訪れたのであります。
コンクリになった堰

やがて右側の眼下へ川が見えてきました。
あ、イワナの魚影。望遠レンズだったらもっとはっきり撮れるのだけれど。
岩魚が見えているのだけれど

つい最近に直された箇所のようです。昨年の雨でやられたのかもしれません。
堰自体はふたは開いてますが、流速があり、植物が生えるのに適切ではなさそうでした。
補修したところ


堰に沿って管理用に設けられた道を行きます。
一部トンネルになっているところもあり、そういうところは道が堰を離れてついております。
なんとまあ、がけの中腹に細く続く道です。落っこちたらたいへんです(下は川なのです)。
細い道

そんなところを進んでいくと、お、怪しい穴です。
怪しい穴

入り口のあたり。
ううむ、これは。なにかしら出入りしているに違いないです。
怪しい穴入り口

堰はやがて真新しいトンネルへ流れ込んでおりました。
ヤガテトンネルへ

ここまでは探している植物のてがかりは無し。
しかし、こんなところであきらめるのはまだ早いのです。トンネルの向こう側を探して散策を続けるのでありました。
さて、夜は雨と風の音が続いておりました。
みんなが寝静まったころに、小屋番さんは雨脚の強くなった屋外に出て作業しておりました。
というのも、この小屋のトイレは無放流タイプ(水を排水しない)もので、汚物は酵素で持って分解するのですが、酵素を使用したり、循環させたりするための水は雨水を使用しているのです。この日の前は、ずっと雨が無く小屋番さんは雨を待っておったのです。屋根の雨どいから流れてくる水を、運び出した雨水タンクに集める作業をしておったようです。ぼくも手伝いに、と外に出ましたが、目を覚ました時点でもう作業はおおかた終了していたようでした。起こしてくれれば手伝うのになあ。

翌朝は、雨風ともにやや強めでした。とは言ってもまだ怖いくらいの風ではありませんでしたが。ほかのパーティも早めに目を覚まして、早出するようでした。
予定を30分ほど繰り上げて6時30分に小屋を出発しました。

ガスの中、銀玉水上部の残雪を慎重に下って、銀玉水に到着するころには穏やかな天候になりつつありました。
銀玉水の様子。前の週とは雪の状態がまるっと違っておりますね。
銀玉水

あ、なんだか見晴らしがよくなってきた。
小朝日方向

熊越えと銀玉水の中間くらいにつくと、あらあら、ガスが見る見る晴れていきます。
みなさん、それぞれにカメラを取り出して撮影中。
ガスが晴れていく

すっきり!
ガスの晴れた大朝日

雨にぬれたヒメサユリの後姿。背景には大朝日岳です。
ヒメサユリ

ここから小朝日岳の直下くらいまでは晴れ間が続いてくれました。
ああ、よかった。ここで見られなかったら二日間ずっと山の姿を見られないままでありました。
小朝日のあたりから

ところが、晴れていたのはそんなに長くは無い時間でありました。
小朝日を下り、巻き道との分岐のあたりでは再びガスに包まれました。
巻き道分岐

古寺山へ向かう途中にいたモリアオガエルのペア。美しい緑色でありました。
モリアオガエル
実は、このあたりから、北からごろごろとカミナリの音が聞こえてきておったのです。

古寺山の山頂で休憩を入れ、だんだんはっきりと雷鳴が遠くから聞こえてくるようになったので、とにかく小さな木の尾根にいたままではよろしくありません。
ここからは、ザックをおろしての休憩を無しにして、とにかく低いところへ(つまり下山するのね)。あまり急ぐと、今度は転倒の危険も高くなるので、まあ、ゆっくりいきましょうぜと言いつつ、でありましたが。

周りの木もだんだんと高くなり、とりあえず安心だろうと思った一服清水のあたりで、先行していたほかのパーティの間近に落雷があったようです。ぼくらが追いついて声をかけたときには、そのパーティの女性はもうぶるぶると震えている具合でした。この日のカミナリはそんなには頻度は高くなく、地上に落ちたのはこの一度きりのようでした。それでもやはりカミナリは恐ろしいものですね。無事でなによりでありました。
このあたりから、今度は雨脚が強まり、雨の中の下山となりました。
雨でも、ブナの森の中の様子もなかなか風情があったのでしたが・・・。

というような具合で、古寺鉱泉に到着したのは予定より早まった12時30分くらいのことでした。

そこからバスにゆられて、出発地点近くの街のほうの温泉へ。山の汗を流したあとは、こんなことが・・・。
さくらんぼ狩り

つやつやしておりますね。
これはさくらんぼのうち、受粉に使う品種のさくらんぼで、出荷するわけでなく、食べればそれなりにおいしいのですが、時期が過ぎればそのまま落ちるにまかせるさくらんぼなのだそうでした。会長の知り合いの方の畑のさくらんぼが、ちょうどそんな時期を迎えていて、サプライズのさくらんぼ狩りとなったのでありました。
さくらんぼ

その後、登山は無事に解散しました。二日間おつかれさまでありました。
せっかくなので鉄道で帰られるみなさんをお見送りします。
駅であれこれおはなしをしながら過ごし、こんなものを買ってみたり。
スイカサイダー

ムサママさんの買ったさくらんぼサイダー。果汁10%配合だそうです。10%だと少なめな数字に思えますが、さくらんぼの果汁ですからね。粒にしたら結構入っていそうですね。
さくらんぼサイダー

クルマで来られたブルーロイさんと二人でホームからみなさんをお見送りです。
車窓

さようなら、さようなら。
さようなら

ブルーロイさんとも、再びどこかの山でお会いしましょうね、とさよならをして、帰途につきました。
田んぼに立ち寄ると、水不足で乾きかけひびの入った田んぼにちょうどよいあんばいに水が。
不思議なことに、おたまじゃくしたちもどこかにかくれていきのびておったのでしょう。水の中にたくさん泳いでおり、まわりの草むらにはちびガエルたちがぴょんぴょんと。
水の入った田んぼ
雨は降りすぎると恐ろしいものですが、ちょうどよく降ればまさに命の水であります。

宇宙あさがおも水を得ておりました。本葉が出てきておりますね。
宇宙あさがおのその後

というわけで、たくさんの方と山へ行ったおはなしはこれにておしまいです。

明日からは、すこし時間を巻き戻しての出来事をお伝えします。