イタヤカエデの森の中からもどりました。
採取してきた樹液をみんなでいただいてみました。
透明で水のようです。
指先でなめただけより、味がわかりました。
山の草とか花とか虫とか-メープルサップ

庭先では煮つめてシロップにしていました。
もともとの樹液の糖度は1~2度ほどだそうです。
ここでは40度ほどまで濃くしてシロップにするそうですが、20Lの樹液を40倍に濃くして500ml作るのに、15Lほども灯油を使ってしまうそうです。薪ストーブでも煮つめることができますが、そうなると今度は薪が・・・。
カナダ産で日本に輸入されている、いつも見るメープルシロップは糖度が60度ほどだそうです。
イタヤカエデの場合には、ミネラル分が豊富で、60度まで濃くすると、ミネラル分が結晶になってしまって売り物にならない(見た目が、ということらしい)そうです。
山の草とか花とか虫とか-煮詰めている

とにかく、シロップも作ってあったものをいただきました。
このかたの奥様曰く、奇跡のしずく、だそうです。
黄金色、なんていうと金が恥ずかしがるやもしれません。
山の草とか花とか虫とか-メープルシロップ

おすすめは、雪にかけて、とのことでした。
ほんの~り色づきます。
食べてみるとねえ、木の濃い香りがします。ふくよかというか、なんじゃこりゃ。まさに甘露甘露。
甘さそのものよりも甘い、でもすっきりしたような甘みと森の香りでした。
山の草とか花とか虫とか-メープルシロップのかき氷
昔々、東北地方やアイヌのかたは、冬にこのようにして甘味をもとめたとも記録があるそうです。
また、昭和になってから一時期、ほんのちょっとだけ国内でメープルシロップが作られたこともあるそうな。また、現在は、山形発ということで徐々に全国のこういった山村に広がってもいるそうな。

比較に、ということでカナダ産のものもいただきました。
カナダから日本に入ってくるものは、グレードの低いものが多いらしいので、本場の最高級のものとの比較ではないわけですが、これはねえ。まったく違いました。
一番違うのは、新鮮さでしょうか。
申し訳ないけれど、イタヤカエデのものを食べたあとはこちらは香りが足りなく砂糖汁のよう・・・。
きっとカナダで一番よい樹液の作りたてはすごく美味しいだろうなあと思いました。
山の草とか花とか虫とか-カナダ産のメープルシロップ

それで、シロップにして使うと、これはすごく燃料を使ってしまうからということで、このかたは、なるべくそのまま、サップのまま使えないものかと考え続けているとのことでした。
これは、カエデのつゆ、と書いて、楓露。だそうです。
「こうやって、ビンに詰めてラベルを貼るとね。これで400円です。」とのこと。
あとは、ビールを作ってみたり、樹液を水のかわりにホットケーキを作ったり。
山の草とか花とか虫とか-ふうろ

そういえば、ひとつ思い出しました。
数年前だったかなあ、まだメープルサップという言葉は知りませんでしたが、残雪のころにイタヤカエデの木が道に倒れてきていて、切って片付けられていたのですが、その切り株から樹液が出ていて、それがたれるのを口を近づけて飲んでみていました。
う~ん、ちょっと甘いかな、と思っていて、ふと、切り株を見ると、大きなナメ○ジ・・・。
美味しいものはみなさん知っているのですね。

これは、このかたが、かつて植えてみたサトウカエデの葉っぱだそうです。
サトウカエデもためしに植えてみたら、ある程度のふとさになると、木の芯に虫が入ってしまって枯れてしまったとのことでした。やはり、似たような木でもそれぞれに生きていける場所があるのでしょうか。
山の草とか花とか虫とか-サトウカエデの葉

ええと、こちらは、イタヤカエデの仲間の葉の紅葉です。
これはうちの近くで3年ほど前に撮ったものですが、この葉は、オニイタヤ、もしくはウラジロイタヤといった感じでしょうか。ちょっとまだよくわからなかったものだから載せていませんでした。
山の草とか花とか虫とか-イタヤカエデ

こんなふうに、黄色をベースに赤もはいっていました。
山の草とか花とか虫とか-イタヤカエデの紅葉

今回樹液を採取したのは、アカイタヤ、もしくはオニイタヤなのかなあと思っているのですが、冬芽も確認できなくって残念でした。

思うのは、やはり山は山としてあるわけですが、林業も外国産の木材に押されてコストがあわず、植林した山が荒れている、というのは日本の山村の悩みどころです。
「うちの山はスギの植林ばっかりで・・・」とおはなしを聞いていただいたりしました。
かつては、このかた曰く、自分もまじめな林業をしていたけれど、スギの林は徐々に広葉樹に戻し、イタヤカエデも植えているようでした。
ぼくのうちの山も、イタヤカエデの育つのによい斜面になっています。
今はスギしかないけれど、ちょっとずつ、広葉樹とスギと両方生きていけるような山に・・・。
(気の長いおはなしですな)

さて、メープルシロップのおはなしは、ここまで。

すごく気になったのは、ここにあったかんじきのコレクションでした。
飾ってあるという感じでなく、しまってありました。
このひょうたん型のかんじきはアイヌでの作り方とか。
山の草とか花とか虫とか-かんじき1

う~む、これはかっこいい!
これは秋田で使う、走るためのかんじきだそうです。
最新のスノーシューとおんなじ形!!!
材質はスギかなあ、しばっているひものようなものもスギを細くしたものかなあ。
山の草とか花とか虫とか-かんじき2

こちらの丸いのは福島の様式だそうです。
材料は竹の細いもののようでした。
山の草とか花とか虫とか-かんじき3

こちらは、いつものかんじき。
でも、奥に見えるのは、すんごくでかいです。
このでかいのは、雪を踏んで道を作るのにつかったそうです。
山の草とか花とか虫とか-かんじき4

かんじきも作ってみたかったのですよね。
特に、秋田のかんじきはすごいなあ、これ。
ぼくもちょっとだけ、山の材料をいただいてかんじきでも作ろうかなあ。
山の木も活かしていくように考えねばね。
いろんなものを見るたびにやりたいことばかりが増えていく気がするのでした。

ええと、このあと、ひなびた温泉の地に一泊したのでした。

Plant×50

イタヤカエデ(オニイタヤだか、アカイタヤだか、ウラジロイタヤだかわからない)・・・1種×50=50円

3月1日から累計350円 
2月:1,150円 1月:1,050円 12月:1,700円 11月:3,150円 10月:3,900円 9月:3,700円
4~8月:18,150円
この日の目的は、このかたのお仕事の様子を見学することでした。
このかたは、イタヤカエデから樹液の「メープルサップ」というのを採るのを25年ほど前からやっているかたです。(結構な有名人なのです)
なお、サップは、樹液という意味で、メープルシロップのシロップは、甘くてとろとろした液、という感じでしょうから、お間違いなく。
イタヤカエデの樹液は、3月の気温の上がり始めのころの10日間ほどしか採ることができないそうです。
昔聞いた、「三月の泣きイタヤ」という言葉を思い出しました。
※雪解けのはじめのころに、冬眠から目を覚ますためなのか地面から水分を吸い上げるわけですが、木の水分量が多く炭焼きなどに使えないので、この時期のイタヤは使い物にならない、ということなのでした。

この日は、おまごさんも一緒に山に行きました。
木にくっつけてくるポリタンクを背負ってお手伝いです。
(左の黒いハットのごつそうなかたは、同行者です。一緒にこの町まで行きました)
山の草とか花とか虫とか-山に行きます

このあと、かんじきを履いて、スギの林を抜けて15分ほど山のなかへ。
結構急な斜面に、いくつかイタヤカエデがありました。
イタヤカエデは、斜面を好んで生えているような気がします。
この穴は、昨年のものでしょうか。
山の草とか花とか虫とか-イタヤカエデの古い穴

手回しのドリルで、穴を開けます。
さあ、みなさんもほかの木でやってみますか?とおっしゃっていたのですが、ぼくはどうも木がかわいそうな気がしてしまって。
なお、穴を開けるのにも、あけるべき場所、というのがあるので、まねしてあちこちに穴を開けたりしないようにしましょう。
山の草とか花とか虫とか-穴を開ける

穴が開きました。
見ているうちにも、樹液がしみでてきます。
そのままちょっと指ですくってなめてみましたが、ほんのりと甘みがあり、木の香りがしました。
山の草とか花とか虫とか-穴

ここに、タンクを取り付けます。
このかたの場合は、48時間で回収にくるということでした。
山の草とか花とか虫とか-タンクの取り付け

取り付け完了のところ。
山の草とか花とか虫とか-取り付けたところ

近年の自然体験の活動の盛んになってきたことで、これもいろんなところでイベント的に樹液採取をやってみようというところがあるようです。
今回会いに行ったかたは、これを日本ではじめたかたのようなのですが、イベント的にこれをするのにはたいへんに反対とのことでした。
今回あけた穴は、これからきちんと樹液が止まるまで採取を続けて、穴のふさがるのを見届けるそうですが、イベントでやる場合の多くは、そのときに穴だけあけて、帰ったらそのまま、ほったらかしにすることが多いそうです。
このかたが、三月に採取をはじめるころには、お神酒をあげて、塩で清めて山に入るそうです。
あと、穴はふさがりますが、木の中のほうには穴のあとは残ってしまいます。
「木も、人に採られるために栄養をためるわけではないから」と言い、穴は一本の木に、一年にひとつだけ、だそうです。
それでも25年ほどやっているうちに、やはり木には良いことではないな、という実感があるとも言っていました。

採取の場所の近くには、サワグルミもありました。
山の草とか花とか虫とか-サワグルミの樹皮

そのお隣には、カツラも。
山の草とか花とか虫とか-カツラの樹皮

カツラとサワグルミは、樹皮も樹形も、生えるところも似ていて、山に行って一見違いがわからなかったのですが、最近、なんとなくわかるようになってきました。(冬芽を見ると一目瞭然なのですが)

イタヤカエデの冬芽も確認したかったのですが、ここのはどれも高くに枝があって、樹皮しか確認できませんでした。残念。
山の草とか花とか虫とか-イタヤカエデの樹皮

イタヤカエデには、コケや地衣類がつきやすい、とも言っていました。
これは、地衣類かな、と思って撮ってきたのでしたが、よく見るとどうもコケの仲間のようです。
山の草とか花とか虫とか-コケ

こちらは、地衣類かなあ。
地衣類は、藻類と菌類が共生しているもので、コケの種類もなにがなにやら、という感じですが、地衣類もなにがなにやら・・・。
山の草とか花とか虫とか-地衣類

このかたは、林業、農業など組み合わせて、ここの山で生きてきたかたです。
メープルサップを採るようになったのも、使い道の無くなって見放されていく山にもなにかあるはずだと試行錯誤の末だったのだろうか、と思いました。
イタヤカエデを使うにしても、礼儀というか、ただ採るというようなものでもなく、分けてもらう、という感じがして、形だけまねすればよいものでもない、というのが伝わりました。

このあと、家に戻っていろいろとおはなしを聞きました。
一気に書こうと思ったのですが、長くなってしまったので、稿を改めねばなるまい。です。


Plant×50

イタヤカエデ、カツラ、サワグルミ・・・3種×50=150円

3月1日から累計300円 
2月:1,150円 1月:1,050円 12月:1,700円 11月:3,150円 10月:3,900円 9月:3,700円
4~8月:18,150円
土曜日は朝早くに、普段からいろいろと一緒に活動している方たちと出かけ、山形県の北。金山町に行きました。
向かう途中、このところ晴れ間が続いたりしていたものの、この前の日からまた冬に戻り、このような景色でした。
山の草とか花とか虫とか-向かう途中

金山町には、お会いしたい方と見てみたいものがあります。
待ち合わせの時間よりも早くついてしまったから、ここの街並みをちょっと眺めることにしました。
金山町は、林業の盛んなところなのですが、もうひとつ街並みの美しいことで有名になっています。
こういう白い壁に在来工法の、「金山型住宅」というのを、四半世紀ほど前から町のみんなでそろえるようにしたとのことです。
山の草とか花とか虫とか-金山町1

うえの写真をちょっと進んで。
山の草とか花とか虫とか-金山町2

うえの写真2枚は、木材のようすなどから割合あたらしい雰囲気でしたが、こちらは、もともとの古めの建物に見えました。
山の草とか花とか虫とか-古民家

こちらも。
山の草とか花とか虫とか-古民家2
このように、街並みのなかに手本になるような、ある程度年数の経過した雰囲気のある家屋に、新しいものも、こういうふうにしましょう、ということでそろえていったのでしょうか。

面白いのは、こういうふるい建物も活かして公共的な施設にもしていることでした。
これは商工会などの入っている建物のようでした。
山の草とか花とか虫とか-蔵史館
このほかにも、銀行なども、蔵に入っていたりして、街並みは電線がなければ、そのまま時代劇のセットにできそうな雰囲気でした。

これは古めの商店、かな。
山の草とか花とか虫とか-古い商家

特に面白かったのは、うえの写真の奥。
これは昔は郵便局だった建物であるそうですが、現在はだれでも入れるような建物になっていて、一回は町の紹介コーナー。二回はちいさなちいさな図書館のようになっていました。
山の草とか花とか虫とか-交流サロン

中に入り、二階にも行ってよいのかな?なんてお邪魔してみました。
階段などの内装は、外見からの想像よりも新しくなっていました。
山の草とか花とか虫とか-交流サロン内部

二階はなかなかおしゃれ。
ここの説明があるパンフレットでは、ここは子どもたちのための図書館になっているそうです。
床材は、ここの町のスギの木のようでした。
スギは柔らかいので、新しくても、数年間使うと、柔らかな部分が減ってきて、古い雰囲気がでます。
ぼくもこんなところで、一日本を読んでみたい。
山の草とか花とか虫とか-交流サロン2階

一階におりました。
そろそろいかなくちゃ、です。
一階の窓から外を眺めてみると、雪に埋もれたお庭が見えました。
どこを眺めても、窓のむこうの景色はなかなかによろしくて、窓は額縁のようです。
山の草とか花とか虫とか-窓は額縁

ここの街並みで不思議なのは、雪の多いところのはずなのに、街のなかにはあまり雪がなく、道路わきなどはすっきりとひろくて歩きやすいのでした。(これは、のちほどなぞがとけました)

土曜の朝早くにちょっと歩いてみただけなので、ここに住んでいる方たちの動く様子は見られませんでしたが、古い建物を上手に使っているなあ、という気持ちがしました。
街並みを素敵にするには、「では、建て替えましょう」となるのが多いのでしょうけれど、ここでは新しくするものを古いものにそろえて、それを長年続けた結果、こういう雰囲気になったように思いました。
途中で、ここに住むかたに声をかけられ、「春はもっと良いぞ」ということでした。

このあと、目的地に向かいます。