一元玉を二枚、ぎゅっとにぎりしめて市バスを待ちます。
バスが来たら、ささっと乗り込まなければなりませんとも言われ、いやはや、まいりますね。せわしないことです。

公共の交通機関でいねむりするのは、日本人くらいだと聞いていましたが、いえいえ、上海でも上海っ子はバスのなかでぐうぐう眠っておりました。

この日に向かうのは、上海の西、朱家角というところです。
朱家角は、古い水郷と街並みの残るところだそうで、上海の都会に住むかたが週末などに懐かしい景色を眺めに行く行楽地になっているそうです。

長距離バスは、博物館のある人民広場の近くから出発でした。
中国のかたの名誉のために申し添えておくと、長距離バスの順番待ちでは割り込みするかたもなく整然と行列してならんでおりました。
乗車券は、12元。チケットの上のほうに書いてあるのは、「上海衆興」とあるのだと思います。
チケットの下半分の右側にあるのは、「上海公交汽電車乗車賃証」でしょうか。
山の草とか花とか虫とか-乗車券

バスに揺られて小一時間。
(高速が渋滞していたので、ほんとは小一時間のところ90分ほどはかかっていたのだと思いますが)
高層ビルの立ち並ぶところから、大きな団地の並ぶところを過ぎ、だんだんとまわりに川や沼が多くなってくるころに着きました。
上海市内とは、建物の様子が異なっております。
バス乗り場から出ると、ガイドの客引きさんが幾人かいて、友人の奥様は、誘いを断るついでに、「朱家角に来たなら放生橋というところにまず行きなさい」というのを聞き出していました。
山の草とか花とか虫とか-朱家角

通りには人がたくさん。
歩いていくと、やはりガイドをしましょうというお誘いの声がいくらもかかってきておりました。
で、あちらに曲がり、こちらに曲がり、やたらに人がいるなというところに着くと、そこが放生橋という橋でした。
橋の上からは、ようやく水郷らしい景色がみえました。
放生橋というのは、ここは昔は橋のたもとが禁漁であったとのことで、ここから魚を放つとご利益があるということでそのような名前なのだそうです。
金魚をコップに入れて売っているかたもいたのですが、う~む、お世辞にも水は綺麗でなくて、放しても生きられるのかどうなのか・・・。
山の草とか花とか虫とか-橋の上から

上の写真の河の上にぽつんと浮いている船。漢字の説明版があり、「地方特色非物質文化遺産伝承保護点」と書いてあるようです。
「泥河灘《揺快船》」とあるのでその船のことのようです。
略してある漢字の簡体字で書いてあるものが多いのですが、なんとなく雰囲気でそうなのかなあという感じでした。上海市内でも、日本人もたいへんに多いのに、英語表記のついてあるものはいくつもあるのに、日本語表記のものはあまり無いなと思っていたら、漢字はそのままでも結構読めてしまうので、ついてないのかなと思いました。
(簡体字は、あとで調べてみたら結構思い違いがありましたけれど)
山の草とか花とか虫とか-説明板

ポストがありました。丸ポスト!でも、赤でなくて緑。
山の草とか花とか虫とか-ポスト

放生橋を渡ると、狭い路地にお店が並び右に左に続いていて、いやはやおしあいへしあいという具合でした。ここで、友人の奥様から、肉ちまきというのを買っていただいて(ほんとにお世話していただいて、ひな鳥の気分になります。ひよひよ)
進んでいくと、橋のいくつもあるところにつきました。
山の草とか花とか虫とか-橋

橋を渡って対岸にもずっとお店が並んでおりました。
水路を船が進んでいきます。
山の草とか花とか虫とか-船が行く

そんで、船に乗りましょうということになり、乗ってしまいましたね。
(船は、短いルートと長いルートとあり、短いのは12元だったと思います。)
山の草とか花とか虫とか-船に乗っちゃった

船は進み橋をくぐっていきます。
山の草とか花とか虫とか-橋をくぐる

道端のなんともいえない表情のわんちゃんの横を過ぎて進んでいきます。
山の草とか花とか虫とか-わんちゃん

先ほどに通った放生橋。うえにはたくさんのひとがおります。
このあたりは川幅も出てきていくつも船が進んでいました。
友人の奥様が、船頭さんになにかしら聞いてくれたのですが、船頭さんは上海語しかわからないようで、中国語の普通語は通じないようでした。(ぼくには、どちらの言葉なのかぜんぜん聞き取れないのでしたが)
それでも、船頭さんもなぜかご機嫌のようで船は進みます。
山の草とか花とか虫とか-放生橋

郵便のマークのついた船。
山の草とか花とか虫とか-郵便局の船

やがてまた幅はせまくなって、屋根のついた橋をくぐりました。
橋は十数個かかっているものの、屋根のついたものはこれだけのようです。
山の草とか花とか虫とか-屋根つきの橋

船のついたところの近くにお寺があって、初詣だからというので入ってみることにしました。
名のあるお寺のようなのですが、やはりお寺らしく静かな雰囲気があり、表の通りはにぎやかすぎるためにようやく落ち着いた気持ちになります。
赤い願い事を書いたひらひらしたのが結ばれている木があります。
山の草とか花とか虫とか-お寺

う~む。これはユズリハのように見えます。
ユズリハは日本でも門松に使われたり縁起のよい木ですが、ここでもおなじなのでしょうか?
山の草とか花とか虫とか-ユズリハ

木の下には、コオニタビラコかなにかしらのロゼット。そのまわりにはカタバミの葉がちんまりと敷き詰めてあります。
山の草とか花とか虫とか-コオニタビラコ

このあと、お寺の仏像のまえでなむなむとお祈りすると、おみくじのようなのをひきなさいというジェスチャをお寺にいたおじさんがするので、ひいてみると、解説をしてくれ(中国語なのでなにを言っているのかわかりませんが)、もにょもにょとお経のようなのを口にしておりました。それでまた、ジェスチャでもって、賽銭を入れなさいというのでしたが、財布にはお札しかないので、とりあえず一枚入れるとさらにもにょもにょと唱えていただきました。
なんとなしに有り難いことだと神妙に思っていたのでしたが、その後に聞くとお賽銭をさらにいれさせるやり方だとのことで、そう聞くとなんだか損したような・・・。
でも、帰ってきて考えてみると、日本のお寺で個別になむなむと唱えてもらうのはかなりなことですから仏教伝来のもとの地で唱えていただいてやはりありがたいような・・・。

船には乗ったものの、この日もずいぶん歩きましたのでそろそろバス乗り場に帰ります。
帰りは混みあっているところでなく、すいている通りを。
山の草とか花とか虫とか-街並み

路地の向こうに明るい中庭のようなのが見えたりします。
あちらが生活の場なのでしょうね。
上海の市内はたいへんな都会なのですが、すこし郊外に行くと暮らしぶりはずいぶん違うと聞きます。ここは観光地なので、ほんとの農村ともまた違うのでしょうけれど、それでもレンガの崩れたようなところがあったりして、そちらの生活の様子などもたいへんに気になりました。(でも、おじゃまするわけにいかないので見られませんでしたけれど)
山の草とか花とか虫とか-路地の向こう

このあとは、またバスに乗り、上海市内の別なエリアや家電量販店やスーパーの様子を散歩して回りました。

2012年12月31日の夜は友人宅へ。
玄関にはトナカイがかざってありました。
山の草とか花とか虫とか-トナカイ

年越しのそばは食べなければなるまいというので、山形からそばを持っていきました。
食べたのは生そばで、ここには写っていません(見直したらすごく写っていました。手前のふくろのものがそうです)が、乾麺のそばもゆでぐあいでたいへんに美味しいものです。ふくろに入った生そばよりももしかしたら美味しいかもしれません。めんつゆも背負っていきました。
山の草とか花とか虫とか-そば

その前に立ち寄ったスーパーで売っていたビールのびん。
ぼくは飲みませんが、びんに描いてあるしろくまが面白いので撮っておりました。
聞くと、日本でも売っているので珍しくないということでしたけれど。
山の草とか花とか虫とか-ビールのびん
ゆでたそばは、撮るのを忘れていただいてしまいました。おいしゅうございました。

その後に、友人夫妻もおなじ宿に部屋をとって泊まることにしたとのことで宿へ移動しました。
部屋から眼下に眺める大きな道路は、延安高架路という道のようです。
山の草とか花とか虫とか-夜景

この日はよく歩いたために紅白歌合戦を見ながら、うとうとしてしまいます。
そのうちに午後11時(時差が1時間)になり、日本ではもう年明けなんだねえと。
そして上海で0時になるころに、街のあちこちで花火が上がりました。
山の草とか花とか虫とか-花火

花火はほんとにあちこちで上がっていて、しかもこんな建物の密集したところで・・・。
ちょっと考えられない風景ですが、これもまだおとなしいほうだそうです。
中国の新年は旧暦のほうが本来のものだそうですが、その際にはものすごいことになってとても外には出られないのだと言っておりました。
とにかく花火は好きなんだそうで、先に北京だか大連だかで新しいデパートが出来て開店記念に花火を奮発したら建物が全焼してしまって、未だにそのままだとかなんとか。
(あとで調べたら、建築中の「中国中央電視台」のことなのかもしれません。とにかく花火で燃してしまったんですね)
山の草とか花とか虫とか-花火と夜景

翌朝、初日の出は宿からは見えない方角でした。
街に2013年初めての陽が射します。
山の草とか花とか虫とか-初日の出

1月1日は、朱家角というところへ向かいます。
市バスに乗って、長距離バスの乗り場へ向かうのですが、友人の奥様から1元玉をふたつ渡されて、「これは乗ったらすぐに料金箱へ入れるのでなくしてはなりません」と言われ、少し緊張しながらバス乗り場へ。
山の草とか花とか虫とか-宿
そこから見た宿。
たいへんな建物です。
日本で予約した際には、一部屋が3000円ほどで、一部屋いくらの値段なので、クルマ好きの友人とふたりで一泊1500円となり、どんな宿なのだろうと心配がありました。
しかし、部屋も広くて綺麗だし、朝食はたいへんに美味しくて驚きました。
航空券も一緒に注文していたためにすごく割引になったようでした。

さて、バス。
ここのバスは、時間帯によっては混みあって、スリがたいへん多いために地元のかたも乗るのを控えるくらいと聞いていました。
どうなることやら。(あらかじめ言っておくと、なにごともなく到着しました)
博物館の前からタクシーに乗って次の行き先をめざします。
タクシーは、上海市内では昼は14元、夜は18元の初乗りだそうでお手ごろというかたいへんたくさん走っていました。
タクシーといえば、数年前の冬に、タクシーで自宅へ帰ろうとしたら、家までの道の途中で雪道の坂をタクシーが登れずにとちゅうでおろされたことがありました・・・。

雪はぼくらの行く前日あたりに降ったそうで、まだ残っていました。
氷もあちこちにあって、足元注意の看板がたくさんありました。
緯度は南なのですが、割合に寒いんですね。ガイドブックには「上海の冬は、日本の東北地方とおなじくらい寒い」とありましたが、まあ、そこまで寒くはありませんけれど。福島南部のあたりと同じくらいなのかなと感じました。
山の草とか花とか虫とか-雪とジャノヒゲ

上海の近くには、どうも山というか起伏がほとんどなくてずっとのっぺりした地面のようです。
土手があれば自生の植物などもありそうなのですが、土手そのものがないという・・・。
木々の様子を見たかったのですが、植えてあるものしかみあたりません。
これは、モミジの仲間の冬芽のようです。
山の草とか花とか虫とか-モミジの仲間の芽

大きなソテツ!
これは山形では植えても冬越しできないでしょうから、このくらいに大きなものは初めて見ました。
山の草とか花とか虫とか-ソテツ

その根元にはツワブキのような草がありました。
これも日本にもありますが、南のほうの草ですね。
山の草とか花とか虫とか-ツワブキ

街のなかは、ちいさなクルマの清掃車があったりして、一緒に行ったクルマ好きの友人はたいへんに興奮していました。ほかにも見慣れないクルマが多いのと、クラクションを鳴らすのが多いために、その友人はクルマの観察と、クラクションの音を聞くのに一生懸命で、「あと数日いたらクラクションの音でメーカーがわかるようになるかも」と言っていました。
山の草とか花とか虫とか-清掃車

公園の一角。
山の草とか花とか虫とか-クスノキの林

枝が高くてわかりにくいですが、黒い実がなっていて葉の様子からクスノキだろうかと思いました。クスノキも南のほうの植物ですね。
山の草とか花とか虫とか-クスノキ

タクシーを降りて、ちょっと休憩。
スターバックスもありました。
スターバックスは、昨年あたりになって山形にも分布するようになっています。
山の草とか花とか虫とか-スターバックス

次に向かった先は、泰庚路というところの田子坊と呼ばれるあたりでした。
この一体は、過去には倉庫やちいさな工場だったらしいのですが、今はちいさなおしゃれなお店や手作りの工房などがちいさくたくさんお店を構えるエリアになったそうです。
たくさんのお客さんがいて繁盛しておりました。
大きなカメラを持っている方がたくさんいたのですが、上海の若者の間では一眼レフカメラになるべくでかいレンズをつけるのが流行だそうです。それで街へデートに行って、彼女のおめかししたのを撮るのだそうです。
山の草とか花とか虫とか-田子坊

ほかの街のなかもそうなのですが、こんな感じやもっと大きな石の板の石畳になっていて、それをこまめに補修しているのが見受けられました。
山の草とか花とか虫とか-道の補修

元倉庫はレンガの造りになっていて、その間にシダが生えているのを見つけました。
山の草とか花とか虫とか-シダ

うむ、これは見たことがあります。
山形では野外では自生できませんが、以前に三重県に行った際に見たマツザカシダに似ております。
山の草とか花とか虫とか-マツザカシダ

前日にいただいたお茶がたいへんに美味しく、これは買って帰りたいと思っていました。
するとお茶屋さんがあり、味見もさせていただきました。
お店の中で店員さんが、テーブルマジックのようにしてちいさなうつわにお茶を入れてくれるのですが、これがなかなかのパフォーマンスで面白かったです。
日本語がやたらと流暢であったのでお聞きすると、越谷にしばらく留学と仕事をしていましたとのこと。クルマ好きの友人は越谷の近くに住んでいるのでいきなり身近な地名がでてきてずっこけていました。日本でお茶の修行をしたそうです。
山の草とか花とか虫とか-お茶屋さん
いろんなお茶がありましたが、価格は日本とおなじくらいでした。(空港のものはずいぶん高かった)

そのお店にあった鉢のなかに、ハコベとタネツケバナ。やあやあ、よくお会いいたしますね。
このふたつはあちこちにありますね。ここでもおんなじでした。
山の草とか花とか虫とか-ハコベとタネツケバナ

というわけで、街なかの植物を気にかけて見ていたのですが、植えられているので自生の場合がよくわかりませんけれど、日本の関西から九州あたりの植物とおんなじようなのが多いなと思いました。

このあと、スーパーに立ち寄って友人宅で夕食をいただき、ホテルに移動して紅白歌合戦などを見ながら年越しになりました。