さあて、金華山の北西あたりに向かいます。
道は、過去には耕運機や馬のそりは通れる道でしたが、今は道に木が生えて来て通るのに難儀します。
山の草とか花とか虫とか-金華山が見えた

道の谷側は割合に急になっており、この日のような雪で立ち入ると足元から弱層がずれて、あらららら、ということになることがあります。
先を歩くのはカモシカのようでした。
カモシカの足跡は、ここのちょっと先から急斜面を登っていっていました。
ウサギなどはいきなり急斜面を登るよりも尾根などに足跡が多いように思うのですが、カモシカは割合に急なところも自分が行きたいように上り下りするような気がしています。
山の草とか花とか虫とか-カモシカの足跡

金華山の南を横切り、西のあたりでお昼ごはんにしました。
ここは風の通り道になっていて、そこに雪庇がななめに出来ていたので、それに加えてツエルトを張って雪よけにしてお昼ごはんです。
ぼくは近くの斜面に雪のあなを途中まで掘ったのですが、枝がたくさん出てきて、枝を傷めるのも申し訳ないのでやめにしました。無計画ですみません。
山の草とか花とか虫とか-雪庇のかげ

お昼ごはんの準備をしていると、ふもとのほうから歩いて来る方が一人あって、かんじきもなにも履かないままでした。背中にはスコップを一丁背負っています(冬の山には穴を掘る道具は背負っていきましょう)。
「こちらはトンネルのある方向なんですかねえ?」とだいぶ違った道のところを聞くのでした。
その方は、「もうちょっと進んでみます」と、ぼくらよりも西の方向へ歩いて行きました。
ちょっと変わった荷物と足元だったので少し心配をしたのでしたが、後でふもとでお会いして、夏には朝日連峰などをあちこち歩いている方とわかりました。

お昼ごはんを食べて、ツエルトを撤収してから山頂へ登っていきます。
ちょっと傾斜がありますね。さあさあ、がんばってください。
山の草とか花とか虫とか-ゆるい尾根を登る

このあたりに来ると、ブナが太めに生えていました。
時折、風が吹いてきて落ちてくる雪と積もった表面の雪とが雪面で踊りながら吹いていきます。
山の草とか花とか虫とか-時々吹雪く

山頂へ着きました。
晴れていれば見晴らしもよいところなのですが、残念ながら雪の降るままですね。
山の草とか花とか虫とか-山頂

さて、下って行きます。
登ってきたところをそのまま戻るのもいまいちなので、違うところを通ることにしました。
山の草とか花とか虫とか-尾根をくだる

あ!雪庇の裂け目に若者がすぽんと落ちました。
山の草とか花とか虫とか-落ちた

ここの尾根はそれほどは切り立っていないために雪庇の穴も浅かったのでなにごともありませんでした。
それでも新雪で一度足元を崩してしまうと、穴から出てももごもごとしてしまってひざが立たなくなったりしますね。歩いていて足が疲れてくるのもあってなおさら足元があやしくなります。
山の草とか花とか虫とか-もごもごしている

どうも、このところの冷え込みの前に暖かい日が続いたころに雪庇が風下側に動いて尾根の上の口が開いていたようです。
小屋番さんが裂け目の様子を探って進みます。
山の草とか花とか虫とか-裂け目を探る

これは一昨年だったかの小朝日岳の東の尾根の雪庇の裂け目です。
口を開けかけたような裂け目は、上が雪で隠れていることもあって注意しないといけませんね。
この日の箇所ではそれほどでもありませんが、小朝日岳あたりの斜面はたいへんに急ですから落ちてしまったらたいへんなことになります。狭いところに挟まったら身動きできなくなりますし、雪と斜面の間に沿ってずっと何十mも落ちてしまったらどうやって出たものかということになりそうです。(想像するだけで息苦しくなるようですね)
山の草とか花とか虫とか-小朝日岳のところの裂け目

この日の裂け目の下はこのくらい。
すぐそこに地面が見えます。
平均すると3mほども積もっていても、尾根は風で雪が飛ぶので雪は薄いのですね。
とは言っても、50cm高さだって足を傷めるのには十分ですから気をつけないといけません。
山の草とか花とか虫とか-穴

ということで、風上側を歩いていくことにしました。
山の草とか花とか虫とか-風上を歩く

この後は、大きなスギを目指して下っていきます。
雪の山形へ帰ってきました。
名古屋に行っていた週末には、山形では結構な雪が降ったようです。

19日のこと。
昨年の末に、イワイドを探しに行ったときのメンバー(小屋番さん、オッキー先輩)に、オッキー先輩の知り合いの若いかたを加えて、666mの金華山という山へ行きました。
金華山は、あの有名な金華山ではありません。おそらくこの近くの集落のかたが、過去に金華山から勧請したのだろうかと思います。
今回は、その若い方が初めてのスノーシューなのと、コンパスの使い方を知りたいということでちょっとそこまで、の山歩きでした。行きは1.5kmほど、帰りは1kmほど。登りも200mほどの標高差です。
山の草とか花とか虫とか-出発

小屋番さんの弱層のテスト。
圧雪法(コンプレッションテスト)というものです。
斜面からショベルと同じ大きさに切り出した雪にショベルをあてて、手首でとんとん(10回ほど)、肘から先でと~んとん(同)、肩から先でどんどん。というように衝撃のおおきさを変化させてどこのあたりで雪がずれる層があるか探るものです。
山の草とか花とか虫とか-雪崩のテスト

肘から先で叩いて1回目ほどでずれました。
この日は、3日前ほどからまとめて積雪があったために、新雪内に目では見えにくい弱層ができていたようです。
肘から先で叩いてずれたのは、イエローゾーン(3)くらい。
山の草とか花とか虫とか-弱層

このテストは、時間もかかるためにそんなにはこまめにできないので、登り始める前にその周辺の雪の状況と層のある部分を探るのにしておくものであるとのことです。
もっと簡易な雪崩やすさは、歩きながら別な方法や足元の感じから気にかけながら行くことになります。

その間に、ぼくはプローブを伸ばして雪の深さをみていました。
う~ん。プローブの長さがなんとか間に合いました。3m近くの積雪のようです。(これは、雪崩れやすさの点ではなくて、興味本位で調べてみました)
山の草とか花とか虫とか-雪の深さ

コンパスの使い方を、ということなので、地形図とコンパスで位置を確認しながら歩いていきます。
この日は、金華山に続く尾根にどーんと登り、そこから金華山の北の緩めの尾根まで回りこんで登ることにしました。
スギの林のなかをいきます。
山の草とか花とか虫とか-スギの林

スギの林から登っていくと、その先には広葉樹の生えた尾根に着きます。
スギは尾根にはあまり植えない(植える場合もありますが)ので、スギの斜面を登っていて上が明るくなってきたら、尾根のうえが近いのかな?という雰囲気になりますね。
小屋番さんがルートを見定めて登り、その後にスノーシューのふたり、ぼくは最後にてくてくと歩いていきます。
山の草とか花とか虫とか-雪庇の下

尾根に登りました。
ここからはなだらかな尾根を歩いていきます。
見晴らしの良いところでは、コンパスでの確認や地形図でここにいるからあっちの山はこうだね。とか確認しました。
山の草とか花とか虫とか-尾根に上がった

でも、いまいち見晴らしが無いために地図を読んでなるほどなあ、というのには至らぬようでした。
コンパス自体は方角がわかるというだけの道具なので、地形図でもって、「この山がここだね」とするほうがずっと難しいのですよね。
山の草とか花とか虫とか-西の空

尾根のうえは、こんもりとして風下にマイルド(?)な雪庇ができていました。
小屋番さん(黄色のヤッケ)のいるあたりが夏に尾根のあるあたりで、そこから右は雪しかありません。
それほど怖ろしい雪庇ではないように思いますが、あまりはじっこに行くと踏み抜くかもしれませんね。
山の草とか花とか虫とか-雪庇を行く

振り返ると真っ白な道のように見えます。
山の草とか花とか虫とか-歩いた尾根

進むとだんだんと尾根の広いところになりました。
ミズナラが多いようです。ブナはまだ少ないところでした。
山の草とか花とか虫とか-広い尾根

昔に道のあったところに着いて振り返ります。
写真の一番奥に見えるでっぱりから歩いてきました。
山の草とか花とか虫とか-振り返る

若い方は、あまり体力が無いから、と事前に聞いていたのですが、なんのなんの、若さですね。
スノーシューには最初はてこずっていましたが、すぐに慣れていました。
ここから金華山までは数百メートル。
一度北へ回り込んでお昼ごはんにしました。
さて、名古屋の最後に訪れたのは徳川美術館、蓬左文庫、徳川園でした。
この三つはおなじ敷地にありました。

徳川美術館も興味深いものがたくさんありましたが、写真は禁止とのことでした。
これは撮影可のお雛様のとなりにあった犬箱というものです。
徳川家のお姫様などが、これを贈られたりしたそうです。
箱になっていて、中にはいろいろの大事なものを仕舞ったのでしょう。
山の草とか花とか虫とか-犬箱

蓬左文庫のほうも撮影はできませんでした。源氏物語に関するいろんなものがありました。

徳川園のほうは、日本庭園なのですが割合に最近作られたもののようです。

園内を進むとガマズミのような木がありました。
ガマズミだ!しかもまだ葉がある!と思ったら名札にハクサンボクと書いてありました。
山の草とか花とか虫とか-ハクサンボク

こっそり隠れ住んだら気持ち良さそうな建物。
そこに続く石も良いですね。
園内にはいくつも川(人工なのでしょうけれど)があり、夏にここで昼寝したら気持ち良さそうです。
日本庭園などもいろんな形式や決まりごとがあるのでしょうけれど、そういったのを踏まえてみるのはなかなかにたいへんですね。「昼寝したら気持ち良さそう」というのはひとつの見方なのではないかと思ったりします。
山の草とか花とか虫とか-階段

ここにもサザンカがあります。名古屋はいたるところにサザンカがあるのですね。
山の草とか花とか虫とか-サザンカ ピンク

こちらは赤です。葉はつやっとして光をよく反射しています。
山の草とか花とか虫とか-サザンカ 赤

園内を巡っていくとカルガモが二羽、石の上にいました。
庭には二羽カルガモが・・・。
水面に映っているのをあわせて四羽。
山の草とか花とか虫とか-カルガモ

一緒に歩いているかたたちは、割合進むのが速くて先に進んでしまいました。
これまた見慣れぬシダを見つけました。
こんなに面白いものが生えているのに先に行ってしまっては残念なことです。
山の草とか花とか虫とか-シダ発見

シダを見つけたら葉の裏を見ないといけません。
葉の裏は茶色で細かな毛があります。
山の草とか花とか虫とか-葉の裏

ううむ、これはなんだろう?
思い当たったのはクリハランでしたが、葉の裏に胞子嚢が見当たりません。
クリハランならウラボシの仲間なので葉の裏には星がないといけません。
後ほど図鑑を見直すと、これはヒトツバというシダでした。
山の草とか花とか虫とか-ヒトツバ

もうちょっと進むと、なんということでしょう。
その珍しい(ぼくにとっては)シダが石垣を一面に覆っています。
山の草とか花とか虫とか-ヒトツバだらけ

少し迷子になってから、ようやくほかの方たちと合流しました。
園内には結婚式をするところなどがあり、その建物の近くにはサクラがちらほら咲いていました。
山の草とか花とか虫とか-サクラ

いろいろあった見学も終わり、ここからは空港に向かいます。
今回は泊りが市街地の中だったために自然のままの山の様子を見ることはできませんでした。
ぜひ見たかったもののひとつは、太平洋側のスギの様子でした。
空港に向かうバスのなかからスギの林が時折見えるのを眺めていきます。
ずっと見ていると、太平洋側のスギの梢というのはあまり尖っていないのが多いのですね。
円錐というよりは、綿棒の先っちょくらいの尖り方です。
今度また太平洋側に行くことがあればスギの林はぜひ見てみたいものです。
山の草とか花とか虫とか-スギの樹形

帰りの飛行機からも山を眺めながらの旅でした。
これは位置からして南アルプスのようです。
地形図で確認すると、この形はどうやら赤石岳という山のようでした。
山の草とか花とか虫とか-南アルプス赤石

帰りは富士山を見られました。やはりたいへんに特徴的な形の山ですね。
山の草とか花とか虫とか-富士山

飛行機は速いものですね。
関東のあたりを通り、福島の近くになろうかというあたり。
こちらは右の山のちょこんと山頂あたりがくぼんでいかにも火山というようなのは茶臼岳のようです。
左のほうは、朝日岳でそのあたりもくぼんでいるように見えますが、向こうのほうへ山崩れしているようなところでした。
山の草とか花とか虫とか-那須岳

飛行機の窓から眼下を眺めていると時間はあっという間に過ぎていきました。

空港について、山形に戻った時間には日が長くなったのを感じるように17時を過ぎても明るさがありました。
田んぼは真っ白です。ほんの数時間前までは春のところにいたのに、また冬に戻りました。
この週末は、山形はずっと雪が降っていたそうです。
山の草とか花とか虫とか-白い田んぼ

家に帰り着いて、冬の大三角。オリオンはきらきらと瞬いていました。
周りを見るとたしかにもっさりを積もっていました。また屋根の雪下ろしが要るようです。
山の草とか花とか虫とか-冬の大三角

さて、これで南の常葉の街へ行ったおはなしはおしまいです。お付き合いをいただきましてありがとうございました。

ところで、ぼくは今夜は山の勉強会のために鳥海山のふもとへ出かけております。
山にも登るのかな?でも山の前に月山のとなりをクルマで通るのが恐そうです。
この記事は、昨日の夜に書いておりました。それではおやすみなさい。