土曜の午後、夕暮れ近くに風が穏やかに山の斜面を下っていくころ、いもち防除の農薬を散布しました。薬は使いたくないのですが、このところの長雨でいもち病も気になります。いもち病はいもちの菌が増えて、イネの葉や穂をだめにしてしまう病気だそうです。
散布したのは、カスミンというもので、カシガマイシンという抗生物質でした。カスガマイシンというのはなんだろう?と調べてみると、「1965年に奈良の春日大社の境内の土壌から分離された放線菌Streptomyces kasugaensisが生産する農業用抗生物質で,イネの重要病害の一つであるいもち病の防除に用いられる」とありました。
いろんな試験の結果を調べ、マウスの半分が死亡する摂取量をぼくの体重に換算してみると今回散布した薬(0.02%)で70kgほどのようでした。70kgは・・・食べられません。
古くからある薬であるようなことでした。
うちの田んぼでは、通常よりもだいぶ農薬は少なく使っているのかな、というような推移です。(現にいろんな生き物がたくさんおります)
農薬をまくことを「消毒」と言いますが、実際はまいている薬のほうが毒なんですけれどもね。
いもち病はやはり怖いので、まるっきり薬を使わない、というまでは思い切れません。

さて、田んぼの近くにスズメバチが巣を作りました。
山の草とか花とか虫とか-スズメバチ 巣

作業が終わってから撮影していたので、暗くなってきてあまり鮮明に撮られません。
巣の作り方や体の模様などから、コガタスズメバチのようです。
しばらく眺めていましたが、出かけて行っては帰ってきています。巣を刺激すれば刺そうとするかもしれませんが、じっと見ている分には大丈夫でした(この日は)。
このハチは元来おとなしいハチです。
ぼくはスズメバチには何度か刺されています。子どものころに刺された時には、草むらのなかにハチの弱ったのが寝転んでおり、そこに手を置いてしまったからでした。そういったことや、巣をいじくったりしなければハチのほうも刺そうとはしないものだと思います。
山の草とか花とか虫とか-コガタスズメバチ

昨日も載せましたが、虫たちの好きなヨツバヒヨドリです。
山の草とか花とか虫とか-ヨツバヒヨドリ

花のちいさいのが、五つ集まり、それがもっと集まって全体の花になっていました。
このちいさな花の奥に、蜜があるのでしょうね。ぼくも蜜を吸ってみたいですが、これはさすがにちいさ過ぎます。
山の草とか花とか虫とか-ヨツバヒヨドリ アップ

これはあちこちにいるセマダラコガネです。みっつに分かれた触角を開いて風のにおいを感じているのでしょうか。
山の草とか花とか虫とか-セマダラコガネ

この日のほかの作業です。
田んぼの崩れたところにうちぐろというのを作りました。
田んぼのふちは、畦(あぜと読みますが、うちでは「くろ」と読んでいました。
外側のくろが崩れた部分に、内側にくろを作って「うちぐろ」と。
ここは、ちょうどよい土が近くになくて土嚢でくろにしました。
山の草とか花とか虫とか-うちぐろ 土嚢

こちらは土で。
イネは穂が出ており、水を必要とするので、ちょっと水を入れる水管理をしないといけません。
そのためにちょこっとくろが要ります。田植え直後のようにたぷたぷを水を張るのでないのでこのくらいでよいかなと。
山の草とか花とか虫とか-うちぐろ 土

雨も降っていないのに、イネの葉には水滴が光ります。
ほかの草でもこんなふうなことが見られますね。
山の草とか花とか虫とか-水滴

田んぼの土手に、ヨツバムグラが咲きました。ちいさなちいさな花ですね。
山の草とか花とか虫とか-ヨツバムグラ

早くに咲いた花は、実になっていました。
実には、細かい毛が生えていました。顕微鏡で見たくなります。ルーペくらいではよくわかりません。
山の草とか花とか虫とか-ヨツバムグラ花と実

穂はこんなふうに次々に出てきておりますね。
たくさん実って、ぱんぱんとふくらんだ米つぶのお米になるとよいなあと思います。
山の草とか花とか虫とか-穂の出たイネ

夕暮れの空。
久々に青空になりました。
山の草とか花とか虫とか-夕暮れ近くの空

暮れ行く田んぼで、このあとはちいさな虫などを観察して過ごしました。たくさんの種類のよくわからない虫たちがたくさんおり、それらを眺めて過ぎ行く時間は、なんとも表現しがたいおだやかな幸せな時間だなあと思います。
昨日の仕事帰り、いつもの川のちょっと上流へ立ち寄りました。
川沿いのヤナギやハンノキが先々週の大雨で葉や樹皮をはがされたのか枯れてしまっているようでした。
川沿いに生えているヤナギは、増水の際には護岸のように岸辺を守ったり、魚たちの逃げ込むところになったことでしょう。(大きな木がありすぎると、流れ下るのを妨げるのでよくない、という説の方もあるようですが)
山の草とか花とか虫とか-いつもの川のいつもでない

このあたりは、例年、潜ったりして魚の写真を撮って遊んだりしているところです。
大きな岩が流れてきていました。
山の草とか花とか虫とか-大きな岩

もう二週間ほども経つのに、川の水の濁りがとれていません。
魚たちや川の虫たちは大丈夫なのか心配しながら過ごしています。
山の草とか花とか虫とか-濁りがとれない

川のあちこちで、流れの形そのものが変わってしまったところが多くあります。
ここでは、これまでは左側を水が多く流れていたのに、今は右側を多く流れています。水の力はすごいものですね。
山の草とか花とか虫とか-流れが変わった

家に帰って庭先から見た山にはもやがかかっていました。
山の草とか花とか虫とか-もや
本日、東北地方もようやく梅雨明けしたようだ、と梅雨明け宣言がなされました。

今日は昼前まではあれこれ用事を済ましたり、明日の準備をしたりしていました。
午後からは田んぼです。
イネの花が先週あたりから咲き始めました。
山の草とか花とか虫とか-イネの花

崩れたままのところも多くありますが、イネたちはすくすく育っているようです。
山の草とか花とか虫とか-田んぼの崩れたところ

カナヘビのちいちゃいのがいました。
このところは、トカゲもカナヘビもちいさいのがうろちょろしていて、踏んでしまいそうになります。注意深く歩かねばなりませんね。
山の草とか花とか虫とか-カナヘビの子

田んぼのイネの間から、イネの葉とちょっと違った葉っぱが見えるようになりました。
これはヒエです。ヒエは育つって穂がつくと、お米に混じってしまうので抜いたり刈ったりしないといけません。
山の草とか花とか虫とか-イネの様子

ヨツバヒヨドリが咲いています。
こないだは、案の定、ヒョウモンチョウがやってきて蜜を吸っていました。
蜜なんてなさそうに見えますが、虫たちはこの花が結構好きなようです。
山の草とか花とか虫とか-ヨツバヒヨドリ

ヤマノイモの葉にいた透明感のあるオレンジ色のまんまるなハムシです。
ヤマノイモの葉に乗ってはいますが、食べた形跡はありません。
山の草とか花とか虫とか-オオキイロマルノミハムシ

背中はつやっとしています。う~ん、美しい、そして丸い。
調べてみると、オオキイロマルノミハムシというハムシのようです。
食草は、ボタンヅルやセンニンソウとなっていました。キンポウゲ科のつる草ですね。
とある草の葉にいても、食べているところを見ないと食草かどうかはわからないものですね。
山の草とか花とか虫とか-オオキイロマルノミハムシの背中

国破れて山河あり、と申しますが、山河や田の畦が破れても草も虫もあるようです。
今週の土日も、消防団が川沿いに泥の上がったところの掃除をしたり、街のほうでも花火大会の準備などでいろんな方が片付けに汗を流しているようでした。草も虫も人も強いものですね。
昨夜もサーバの状態がおかしいためか、写真を載せられずに記事を書くのを諦めてしまいました。ちょっと困りますね。

さて、先週末に出かけた報告です。
でかけた先は、飯豊町と山形市でした。
先週末は、東北地区の山岳競技会(国民体育大会のブロック大会も兼ねてだそうです)が山形県を会場に実施され、ぼくの所属している山岳会が所属している山形県山岳連盟が運営するためにお手伝いに行っていたのです。
一日目の26日は、会場準備と開会式のみでした。
山の草とか花とか虫とか-会場

開会式の会場の窓から飯豊連峰が見えるはずの方向を眺めますが、雲で山は見えません。残念。
山の草とか花とか虫とか-山は見えません

開会式です。
東北の6県から選手が集まりました。
山の草とか花とか虫とか-開会式

一日目の宿へ。
運営スタッフのお宿は少年自然の家でした。
山の草とか花とか虫とか-一日目の宿へ

夕食。
大人になってから少年自然の家に泊まって食事という機会がなかなかありません(いえ、結構あるかもしれませんが)から、なんだか新鮮です。
山の草とか花とか虫とか-一日目の夕食

自然の家のなかは、なんとなく学校っぽいかんじですね。
二階の宿泊の部屋の集いのスペースに、「すずめだまり」という表記がありました。
※一階のおなじような場所には「めだかだまり」とありました。
山の草とか花とか虫とか-すずめだまり
食事が済むともう夕暮れで自然の家の周りの植物観察などは充分にはできませんでした。
夜には、灯りにツノトンボやセミの集まるのを見たりはしました。

朝、古い道具が展示してあったりもしました。
馬と牛用のわらじだそうです。どんなときに履いたのでしょうね?
山の草とか花とか虫とか-うまとうし用わらじ

二日目はクライミングのうち、リード競技の日でした。
ぼくは「アイソレーション」のお手伝いでしたから、登っている様子は撮られませんでしたが、こんなふうな壁(写真は、3日目の会場となったクライミングジムの普段の壁を数ヶ月前に行った際に撮っていたものです)に、手や足をかけるでっぱりがつけられているところを選手が登っていきます。
「リード」のほうは、ロープを使って高いところまで登る競技でした。
山の草とか花とか虫とか-リード壁
※「アイソレーション」は、まだ登っていない選手が壁を見たり、ほかの人が登っているのを見ていたおなじチームの方から情報をもらったりできないように選手をアイソレーションルームに閉じ込めておくのです。選手はトイレに行くにも、ぼくのようなお手伝いのスタッフに同行してもらって監視下で移動しないといけません。なかなか厳しいですね。

ロープは、カラビナ二枚を短いシュリンゲでつないだようなもの(ヌンチャクというらしい)に通しながら登っていました。
山の草とか花とか虫とか-ヌンチャクのついたの

県岳連の用事で出かけているのに、二日目は一度も山っぽいこともなく体育館の屋内で過ごして(監視の係だと、自分も監視されてるように移動できないものなのですね)、二日目の夜の宿泊所へ。
こちらは、県の体育館の合宿所です。これまた懐かしい感じのベッドですね。
山の草とか花とか虫とか-合宿所

翌朝、合宿所の玄関前から山形城の一部を復元したところが見えました。
ここは広い公園になっていて、草や虫の観察も楽しかったりします。
・・・が、三日目の競技の運営にでかけないといけません。
山の草とか花とか虫とか-山形城一部復元

三日目は、山形市にあるクライミングジムを会場にボルダリング競技でした。
アイソレーションルームは屋内の駐車場です。
山の草とか花とか虫とか-アイソレーションルーム

三日目も選手の監視を・・・。
それと、会場の設営や荷物運搬などでした。
おなじく競技の様子は撮られません。
山の草とか花とか虫とか-ボルダリング会場入り口

同じジムのボルダリングの壁の様子です(これも以前に撮っていたものです)。
ボルダリングは、リードと違ってロープを使わずに短い課題を登ります。
短い分、よりアクロバティックだったり、無理っぽい感じの課題になっていました。
・・・ぼくには難しすぎて一つもクリアできそうにないように見えました。
山の草とか花とか虫とか-ボルダリングの壁

そんなふうに時間は過ぎていき、閉会式です。
東北では岩手、宮城がかなり圧倒的なパフォーマンスでありました。
山の草とか花とか虫とか-閉会式

というわけで、あっという間の三日間でありました。
やっぱり不思議なのは、山岳競技なのに野外でなにかしらする、というのがまったく無いことでありました。
かつては、ほんものの山の縦走も含めての競技として実施されていたりもしたようなのですが、今は屋内の人工壁で登る技術を競うものとなっているようです。

ほかの県から来た役員さんから聞いたことでは、この競技に参加する方のなかには実際の山登りはしないけれど、屋内のクライミングだけはする、という選手もあるようなことで、ジュニア(高校生まで?)の部の選手のうち、結構な割合で、卒業後には山登りなどはしない。ということもあるような事情だそうです。残念なことです。

「競技」で、「技」を「競う」ために、屋内の誰もがおなじコンディションを確保できる人工壁で実施するのでしょうけれど、山の楽しみを広げるために競技会をするのに、それがその後の山登りへつながっていかれない現状というのはなんとも痛し痒し、という感じがしました。
特に若い選手のみなさんには、ほんものの山に行って草や虫や、雲や星や、そういったものの楽しみを感じてほしいなあと思った三日間でありました。

ともあれ、選手のみなさまが真剣にがんばっておられ、関係者のみなさまもたいへんごくろうさまでありました。今度はぜひどこかの山でお会いできたらなあと思います。