先週のことです。
稲刈り準備のため稲杭を立てる作業をしていました。
今年は、父の知り合いが天日乾燥をやめてコンバインで収穫にするようなことで、要らなくなった杭を100本ほどいただきました。
父が大きなトラックでもらってきたんですが、家の前に荷下ろししてしまい、ぼくが軽トラックでちまちまと幾度も行き来して田んぼに運ぶことに・・・。
こういった田んぼの道具や機械のもらいものはしばしばあります。
いただきものはうれしいのですが、耕作をやめてしまうかたがかなり頻繁にいるということでもあり、力尽きた戦友の形見を引き継ぎながら細々と山あいの兼業農家を続けているというようなことです。
山の草とか花とか虫とか-稲杭

稲穂はもう刈り取りの適期を向かえ、いえ、過ぎつつあるほどですが、サラリーマン稼業もあるためになかなか一気に終わらすことはできません。時間を繰り合わせながらちまちまとやっております。
山の草とか花とか虫とか-稲穂

杭を立てたところの様子。
下穴を専用の器具で開け、そこにわっしょいと杭を手で打ち込みます。この作業をすると腕と背中がほとんどもれなく筋肉痛、いえ、筋が傷んだようになります。このあとに、稲の束を乗せる小さな木を横に付けていきます。
先週は、出勤の合間やら朝の時間やらを使ってこのようなことでした。
山の草とか花とか虫とか-立てたところ

田んぼの虫たちも秋になって少しメンバーが変わってきました。
アキアカネ(おそらく)はおなかが赤くなりました。
彼のとまっている花は、先月中にはチョウたちが集まっていたヨツバヒヨドリです。
山の草とか花とか虫とか-アキアカネ

低いところにとまるのが好きなヒメアカネ。たいてい低い草や地面にとまっています。
アキアカネやナツアカネよりも一回りちいさく、胸の部分の黒い帯があまりありません。
大きさと胸の模様の似たマユタテアカネとは、オスでは尻尾の先がヒメアカネはあまり反らず、マユタテアカネではちょこんと反っているようなことです。
メスだけだとかなり見分けが難しそうです。
山の草とか花とか虫とか-ヒメアカネ

汗をかいての休憩中。
ブーンとハチがきたなと思ったら、手袋に興味があるようです。
大きさやおなかの毛の様子(上にはあまり毛がなく、下側に黄色っぽい毛がたくさn)から、ハキリバチの仲間だと思いましたが、ハキリバチのうちのなになのかわかりませんでした。
山の草とか花とか虫とか-グローブにきたハキリバチのなにか

ぼくの手袋にたいへん御執心でありました。汗の塩気が欲しいのかもしれません。
ほとんど攻撃はしてこないおとなしいハチですが、一応刺したりもできるようです。
手袋にすっかり入っているところを知らずに手を入れたらさすがにハチも刺さざるをえないようなことになるかもわかりません。見ている分には可愛いだけなんですが。
山の草とか花とか虫とか-ハキリバチの仲間

このところ目に付く田んぼの虫(昆虫だけでなく)は、クモたちです。
これは面白いおなかのかたちをしております。
図鑑で見ると、ワキグロサツマノミダマシの♀のようでした。おなかに4つのへこみがありました。
山の草とか花とか虫とか-ワキグロサツマノミダマシ

こちらはハエトリグモの仲間です。
これは似たものがいくつかあり、○○コゲチャハエトリと名の付くあたりかなあと思いましたが、決め手に欠けました。
ハエトリグモの仲間はどれもそうなんですが、ちょこちょこと動いて、ふわっとした毛に覆われたようなものが多く、たいへんに可愛らしいものが多いです。
山の草とか花とか虫とか-コゲチャハエトリのなにか

こちらのハエトリグモは特徴がありますね。
頭の眉毛があるだろうあたりに白い帯があります。
マミジロハエトリの♂のようです。
山の草とか花とか虫とか-マミジロハエトリ1

眺めていると、草の茎を登ったり回ったりしております。
山の草とか花とか虫とか-マミジロハエトリ2

ハエトリグモは名の通り、素早い動きでハエなどをしとめる凄腕のハンターであります。
こういった体勢から、付近を通ったちいさな虫めがけてジャンプして捕まえるのですが、面白いのは、草の茎に、あらかじめ自分のおしりから糸を出しておくんですね。
おしりの先から、茎へ糸が一本出してあるのが見えるでしょうか?山登りで言うと、セルフビレイというものですね。
山の草とか花とか虫とか-マミジロハエトリ3

体の割合に大きなくりくりした目玉で獲物を探してはあちこちちょこちょこと移動を繰り返しておりました。なんとなくネコっぽいんですね、動きが。
この愛らしい雰囲気はハエトリグモに共通のもので、過去には、座敷に飼って親しんだというような趣味もあったようです。
山の草とか花とか虫とか-マミジロハエトリ4

(トンボもそうですが)このクモの仲間たちというのはほとんどが肉食です。
クモは巣をあちこちに張ってしまい、それが山道を歩いたりすると顔にくっついてしまってやっかいな思いをしたり、あるいは、人を咬むと恐れる方などもあるようです。しかしながら、人を咬めるようなクモはほんのちょっとしかいません。
とにかく、クモはかなりの数が田んぼにも生息しており、彼らの仕事ぶりといったらそれは相当なものであろうと思います。稲の天敵を食べてバランスを取ってくれている度合いを考えれば、感謝状を贈呈し、祠でも建てなければなるまいかというようなものあるなあと思っておりました。
困ったことがあるとすると、ハエトリグモの仲間などは、ダンスなども披露してくれたりすることがあり、ついつい眺めてしまうので、作業の手が止まってしまう、そのようなことでしょうか。
西朝日に行ったおはなしが長くなっておりますが、今回でおしまいです。

さて、大朝日小屋で休憩して出発は9時30分ごろとなりました。

銀玉水へ下っていくと、付近が見晴らしよくなってきました。
足元のガンガラ沢から黒俣沢、朝日川方向に雲が行き来しております。
雲の合間からちょこんと頭を出しているのは頭殿山でしょうか。
山の草とか花とか虫とか-晴れてきた 頭殿山方向

銀玉水あたりまで下って、今度は月山が見えました。
この光景には、一行みんながおぉ、と。
地元の人はいつもの月山ですが、遠くからいらした方には特に感慨があったようです。月山って有名なんだなあと逆にこちらが再認識したり。
山の草とか花とか虫とか-晴れてきた 月山方向

進んでいくと、次に見えたのは障子ヶ岳です。
いつもながらにかっこいい山です。

山の草とか花とか虫とか-晴れてきた 障子ヶ岳方向

帰りは小朝日岳は巻き道を行きました。
巻き道からも大朝日岳の展望のよいところがあります。
すっかり見晴らしよくなっていますね。西朝日あたり(一番右端)も見えています。
しかし、どうしたことでしょうか。ぼくがあのあたりに行くと、かなりの割合で周りが真っ白です。今年のうちにまた行ってみたいと思っております。
山の草とか花とか虫とか-巻き道から大朝日

古寺山付近へ近くなると、道ばたにいつも気になっているのにまだ名前のわからない(撮ってきて図鑑で見てもよくわからないんです)がありました。
せっかくの機会なので、詳しい方に聞くと、オオヒゲナガカリヤスモドキであるということでした。日本海側に特徴的な草だそうです。発育のよろしくないススキのようにも見えました。
しかし、専門家というのはすごいものですね。「オオヒゲナガカリヤスモドキ」なんて舌を噛みそうな名前をすらりとよく覚えているものだなあと。
山の草とか花とか虫とか-オオヒゲナガカヤスリモドキ

古寺山の山頂のすぐ手前(10mくらい)を通ったころには、谷側からひらひらと白っぽいものが飛んできました。
あれれどこに行った?とすこし斜面を下ってみたら、岩に綺麗なガがとまっていました。
下の翅の綺麗な種類のガで、ベニシタバというものでありました。
開いてとまっているところ。
山の草とか花とか虫とか-ベニシタバ 開いたところ

もうちょっと近くで撮りたいと思ったら、パッと閉じてしまいました。
そんなにやすやすとお見せしません、というような具合でありました。
そんな様子であると、さらに見たくなりますね。
山の草とか花とか虫とか-ベニシタバ 閉じたところ

下山はかなりゆっくりと。
雨で足元も濡れているので慎重に下っていきました。
雨に濡れたブナ。下るうちにまわりの木々もかなり大きくなってきました。
こんな変化のあるのも山の楽しさですね。
山の草とか花とか虫とか-雨に濡れたブナ

木の幹につたっているツタウルシはほんのちょっと赤くなって秋の気配でありました。
山の草とか花とか虫とか-秋の気配のツタウルシ

だんだんと沢の音が大きくなり、尾根にヒメコマツの巨木が並ぶところを通ると、古寺鉱泉はもうすぐです。
大きなハリギリ(センノキ)の葉。
山の草とか花とか虫とか-ハリギリの葉

やがて古寺川の流れが見えると、ゴールの目前です。
山の草とか花とか虫とか-下山しました

下山にかかった時間を、写真の時間から先ほど確認したら5時間30分近くもかかっておりました。
途中から荷物が重くなって、竜門の小屋番さん(ラーメンを上手に煮る方)とぼくが荷物を預かって背負ってきたりもしておりました。朝日連峰は深いなあ、というのを感じていただけたのかなと思います。

というわけで、西朝日に行ったけれどまた周りが見えなかったおはなしはおしまいです。
思わず長く書いていましたが、田んぼは稲刈りの時期になり、今朝などは最寄のアメダスでは9℃ほどに冷え込みました。明日の朝も寒くなりそうです。山ではもっと冷え込んでいるかなと思うと、もうすっかり秋なのですね。
もう先週の土日のことになってしまいましたが、西朝日岳へ行ったおはなしはもうちょっと続きます。

二日目の朝は、5時30分ごろに竜門の小屋を出発しました。
小屋から少し進んで、振り返る以東方向。
西からガスが押し寄せております。
山の草とか花とか虫とか-振り返る以東方向

これから向かう西朝日、大朝日岳方向。
ここをぼくが歩くとなぜか晴れたためしがありません。
山の草とか花とか虫とか-大朝日西朝日方向

西朝日に到着するころには、また周囲は真っ白になっておりました。
雨も止んでは強く降り、降っては止む、という具合でした。
山の草とか花とか虫とか-西朝日へ

西朝日からに下った鞍部の掘られた箇所。
星好きの本屋さんのおはなしでは、かつてここはテントがよく張られるところであったとのことです。なるほど、朝日連峰の各地を見てみると、かつてテント場であったところが荒れているのが多いように思います。金玉水付近、鳥原山の湿原、そしてここ。
なお、星好きの本屋さんは昔に山岳部で活動されていたそうです。
山の草とか花とか虫とか-西朝日下の鞍部

西朝日から中岳に向かう途中に稜線の東側も時折見晴らしが良くなります。
草原の斜面が広がっております。
山の草とか花とか虫とか-風下の草原

この日は雨がずっと降っていたので、道は雨が流れていました。
こんなふうに小川のように、水路のようになるんだなあという様子は雨の日しか見られませんから貴重な様子に思い、写真を撮っておりました。
山の草とか花とか虫とか-中岳巻き道付近

一昨年の合同保全作業で作った石組みがきちんと残っています。
山の草とか花とか虫とか-石組み

ここは石組みで水を一旦止め、道の外に排水している箇所のようです。
山の草とか花とか虫とか-石組み2

その先の排水にも石組みがしてあり、なるべくゆるやかに流れるようにしてありました。
こういったところに草が生えてこれば、さらに安定してくれることでしょうね。
山の草とか花とか虫とか-排水の先

中岳を過ぎ、金玉水付近の稜線西側の風衝地の麻ネットの様子。
遠くから見るとまだ大きな変化は見えませんが、
山の草とか花とか虫とか-金玉水上部の風衝地

ちいさな葉がいくつも出ております。
タカネマツムシソウのちいさい株のようでした。ちいさいですね、可愛いですね。
山の草とか花とか虫とか-新芽出る

大朝日小屋に着いたのは9時ごろとなりました。
鐘も山の雨に濡れております。(台風が来ており、小屋は大丈夫だったかなあと心配です)
山の草とか花とか虫とか-濡れた鐘

ここからは古寺鉱泉に下って行きます。