フインキーのふんいき レビュー -129ページ目

小説「螺旋館の殺人」 折原一

叙述トリックを用いた長編ミステリー。
螺旋館の殺人 (講談社文庫)/折原 一
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スコア選択: ★★★

今回は久しぶりに叙述系の作品でした。

新聞の記事や、小説の中身などを本文に挟みながら、物語を盛り上げていきます。


とても読みやすいのはいいのですが、これは少し軽かったかな~。

混沌とした世界観や、ドロドロした人間関係がなく、あくまでフラット。

表紙は、オドロオドロしいのにw


そのためか、トリックを明かされた時の興奮度も他の作品と比べるとやや劣ります。

なるほどなと思えるとこもあり、上手くどんでん返しできているんですが、それがなくても物語は少しの支障で成立してしまうので、人間像をもう少し深く掘り下げてくれれば、トリックの効果も違っていたかと思います。


あらすじ
推理小説家の田宮の書いた原稿が、編集社に着くまでに盗まれてしまい、どうしようという困惑状態の中、同時期に新人賞に選ばれた作品が盗まれた原稿と全く同じ内容で・・・という話。


これ以降ネタばれありです。
1部と2部に分かれており、1部で事件が起こり、2部で盗作を巡って真相がどんどん変化していく内容になってます。
クネクネとねじ曲がる真相は螺旋という表現にぴったり。
エピローグで、この話はすべて虚構という結論に行きつくんですが、これが結末なのはさすがに弱いかなと思います。
盛り上がってきてるのに、一気に現実に突き戻される感じw

丁寧に書かれてるので、混乱するることなく読める、分かりやすいサラッとした作品。

CD「Fantasy Of Life」 enie meenie

エミミニーの2ndアルバム。
このアルバムでキーボードが加わり、パワーポップバンドに大化けしました。
Fantasy Of Life/enie meenie

¥2,415
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スコア選択: ★★★★

すぺての曲が超ポップ。
一聴して理解できる分かりやすさと、ノリノリのリズムが合わさり、誰でも聴ける敷居の低いアルバムになってます。
ただ、英語の発音がイマイチで、そこが許せるなら、文句なしでお勧めします。

これからまだまだ成長しそうなバンドなんで、応援したいです。
ライブも行ってみたいな~。

オススメ曲①、③、④、⑤、⑧、⑩


Fantasy Of Life

DVD「メールで届いた物語」 レビュー

メールにまつわる4つのオムニバスストーリー。
メールで届いた物語
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スコア選択: ★★★★

すべて違う監督で、それぞれ違うタイプの話が楽しめます。
個人的に好みは3話目の「アボカド納豆」。
1人の女性を中心にして、何気にみんな繋がってる様が面白かったです。

タイトルの通り、この4話はメールを題材にしていて、それぞれ共通のチェーンメールが出てきます。
そのすべてが偶然のようで、実は必然であったという。
まさに偶然のフリをした運命

この共通のメール、意外に分かりにくいので、注意深く見てください。
見つけた時は小さな感動がありますよw

特典映像のメイキングが豪華でした。
各4話すべて10分近く収録してあり、役者のコメントもバッチリ。
やはりメイキングを見ると、製作者の大変さが分かりますね。

小説「コールドゲーム」 荻原浩

高3の終わらない夏休みを描く青春ミステリ。
コールドゲーム (新潮文庫)/荻原 浩
¥700
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スコア選択: ★★★★

青春ミステリなんて書くと爽やかなイメージですが、どっちかというとドロドロ系です。
どこがドロドロかというと、イジメの報復がテーマになっていて、救いが全くないところ。

中学生の時いじめられっ子だったトロ吉が、当時いじめた人たちに次々と復讐していくという話。

トロ吉vsクラスメイトという構造で、主人公はクラスメイト側の光也少年です。
ちなみに、光也はイジメには加わってなかったので、追われる心配はない・・・と本人は思っています。

予告をして、その通りに実行されていく復讐。
次々とクラスメイトがトロ吉にやられ、見え隠れするトロ吉がすごい怖い。
事件が起きるごとに、スピードアップし、最後の対決の場面は手に汗握るほどです。
そして、どんでん返し。
普通の話だと思ってたので、これは驚きました。

最初はスローペースですが、スリリングな展開が好きな人は面白く読めると思います。

DVD「雪に願うこと」 レビュー

根岸吉太郎監督作品。
第18回日本国際映画祭で四冠を獲得しました。
雪に願うこと プレミアム・エディション
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スコア選択: ★★★★★

グランプリの冠は伊達じゃないです。
様々な愛の形が示され、静かな感動を与えてくれる傑作。

事業に失敗し挫折を味わった男が、兄の住む北海道で「ばんえい競馬」に出会い、自己を取り戻していくという話。


今回、主人公の伊勢谷友介は役作りのためかゲッソリしてました。いつものオーラがない。
また、兄役の佐藤浩市さんの迫力の演技にも注目してほしい。
自分の中では優しいお父さん的な存在だったんですが、今回は弟に厳しい役柄で、まるで別人みたい・・・
この怒りに隠れた兄の弟想いのとこがまたグッときたりする。

暗闇の中、馬が必死になってソリを引っ張るシーンは、とっても絵になります。
ジャケットもですが、煙をまとった馬が格好良い。

実力派の役者さんを脇役でガチガチに固めてあり、派手さはないですが、最初から最後まで安定した面白さがあります。
そして、見終わった後には心に残るものがきっとあるはず。

邦画が好きなら、これを見ないのはもったいない。