本日、また一つ年をとりました…

そんな事とは全く関係無く、前回の小ネタからキャラクター紹介をば(ヲイ



・ガーニィ・レイザ

ご存じ、ユーノに心酔する古参の無限書庫司書“だった”男。

『なのフェ親衛隊』の黒幕を探るうちに、その裏で糸を引いていた『組織』に囚われの身となり、生物兵器の実験台にされて右腕を失う。
だが、こちらの時空では、ジャック&ユーディ夫妻に救出された為、悪堕ちしなかった。

その後は『組織』に目を付けられた事もあって、無限書庫には戻らず、2人の『組織』撲滅道中に同行。
ジャックのネタ振りに悪ノリしたり、ユーディと低レベルな喧嘩を繰り返したり、『組織』の尖兵をルール無用の残虐ファイトでボコったりしながら、気ままな生活を送っている。

口は悪い、性格は捻じ曲がっている、顔はお察しください…と、三拍子揃ったアレなお方。
特に性格は、短気で怒りっぽい上に、執念深くて粘着質と、典型的な『嫌な嫌な嫌な奴』である。

やたらと感情を露わにする激情家である反面、物事に対しては非常に冷めた見方をする現実主義者でもある為、愛や正義といった所謂『綺麗事』に対しては極めて冷笑的。
物言いが短絡的なのも、回りくどい無駄を嫌う合理性重視から来るもので、その為、相手の感情お構いなしの暴言になってしまう事がほとんどである。

…というように、性格にかなり難がある(あり過ぎる)ものの、ユーノに対する忠誠心は、司書を辞めた今も変わらぬほど強い。
また、変人同士波長が合うのか、ジャックやユーディとはそれなりに仲良くやっている様子。
特にジャックとは、一見正反対に見えつつ、ドSっぷりやオタク趣味、物の見方など共通する面も意外と多い。

とは言え、2人に対しても暴言に近い物言いは変わらないのだが。
ジャック曰く、『現在の技術で作り出せる限界純度の真水に存在するほんの僅かな不純物レベルのデレを内包したツンデレ』らしい。



ユーディ「それってツンしかないのと変わらないよね!?」
ガーニィ「そもそもデレた覚えが無いからな…」
ジャック「デレは本人が自覚するものではなく、受け手が感じるものなのだよ」



元・無限書庫司書なだけあって、魔導師としての傾向はユーノやヴィヴィオと同タイプ。
ユーノの下で開拓期の無限書庫ラッシュを切り抜けていく中、戦闘技能や身の守り方を教わった為、なのはの弟弟子とも言える。

失った右腕に代わり、ジャック謹製の義手を装着している。
基本的にはライダーマンのカセットアームと同じ機能だが、ジャックの気まぐれでGACKTだったりロックマンだったりと、新機能を追加されていく。
その為、フジリュー版『封神演義』の太公望と太乙真人のようなやりとりがあったとか無かったとか。

戦闘スタイルは基本的に、不意討ち・闇討ち・騙し討ち。
他にも物理的・精神的問わず、相手のウイークポイントを集中的に攻める等、卑劣で姑息な戦法を好む。
まさに外道。

チートな強さで相手の急所を確実に粉砕するユーディとタッグを組んだり、ジャックの捕虜に対する拷問に嬉々として協力する姿は、どっちが悪役か分からなくなるほど。

 ま さ に 外 道 。

大事な事なので二度言いました。

恋愛感情は枯れ切っていると断言し、自分の色恋には全く興味を示さないが、性欲は人一倍ある様子。
ちなみに童貞。



ユーディ「え~、マジ童貞?」
ガーニィ「…その先を言ったらお前がジャックにアヒンアヒン言わされている映像データを全次元世界にばら撒くぞ…」
ジャック「私は構わないが?」
ユーディ「私は嫌だよ!?」



・ユーディ

ユーノの遺伝子的な母であり、ジャックの嫁。

天真爛漫な無邪気さも、戦闘以外は能無しのアホの子っぷりも、チンチクリンでツルペタな幼児体型も健在。

『組織』の施設を破壊している最中に、モルモットにされていたガーニィを救出した。
それ以前に、ガーニィとは無限書庫を訪れた際に面識があり、その様子は小ネタ参照。

年下であるガーニィに対し、何かとお姉さんぶろうとするものの、その都度お馬鹿っぷりや体型をネタに散々からかわれている。
お互い短気な為、子供レベルの喧嘩が絶えず、『組織』との戦闘中にまで言い争いを繰り広げている始末。
対等な喧嘩が出来る数少ない『友達』だからか、ガーニィに対しては“粉砕”は行わない。



ガーニィ「全身打撲とか複雑骨折とかは日常茶飯事だけどな…」
ユーディ「自業自得でしょ!?」



ジャックに事ある毎にエロエロされているのも相変わらず。
精神的にも肉体的にも弄り倒される彼女の明日はどっちだ?



ガーニィ「まあ、その、何だ…強く生きろ…」
ユーディ「君が言うな!」



・ジャック

ユーノの遺伝子的な父であり、ユーディの旦那様。

変態的な天才頭脳も、多岐に及ぶオタク趣味も、嫁に対するエロ親父っぷりも健在。

ユーディの救出したガーニィの失われた右腕の代わりに、趣味全開の義手を製作して与えた。
やはり無限書庫を訪れた際に、既にガーニィと対面しているが、その時の模様は父の日記念の小ネタで披露する予定。

ガーニィとは精神的な世代が近い事もあってか、共通の話題で盛り上がったり、芸人のようにボケとツッコミをこなしたり、何かと気が合う様子。
なお、どちらもドSで冷酷、且つ鬼畜外道な為、捕虜への拷問の際にはえげつなさが倍率ドン、更に倍になってしまう。
彼の短絡的でドギツイ物言いには呆れているものの、自分と同様に多角的な方向から物事にアプローチ出来る点については高く評価している。



ジャック「だが、嫁はやらんぞ!?」
ガーニィ「要らねーよ、あんなの!」
ユーディ「あんなのって言うな~!」



相変わらず、嫁への愛情が世界の中心であり、ガーニィの見ている前でもお構いなしにユーディにエロエロな行為をする。
それをガーニィが茶を啜りながら見物するのが、現在の日常的な光景となっている。



ガーニィ「今日も平和だお茶が美味い」
ユーディ「お茶飲みながら人が襲われてるとこ見物するなーっ!?」
ジャック「よいではないかよいではないか」
ユーディ「よくないよっ!」



・ユーノ・スクライア

ジャックとユーディの遺伝子的な息子であり、ガーニィの上司“だった”無限書庫総合司書長。

当然ながら、こちらの時空ではシェイドにはなっていない。
また、宮様が生き別れの姉だったりもしない。

ガーニィが悪堕ちしていない為、なのはとフラグが立っていると思われるが、詳細は不明。



・『組織』の皆さん

ジャックとユーディとガーニィの犠牲者達。

ジャックに拷問されたり、ユーディに急所を潰されたり、ガーニィに残虐ファイトでボコられたりして、再起不能にされるのが宿命の哀れな悪役達である。
※注意※
今回の小ネタは、創起さんとこのジャック&ユーディ夫妻生存ルート『夢で会えたら』において、ガーニィがジャックとユーディに救出されていたら…というIFを前提としています
一応、母の日記念です



・開幕

ユーディ「駄目っ…駄目、だよぉ…」
ジャック「いいじゃないか…」

コポコポコポ…

ユーディ「良くないよっ…ほら、見てる!見てるからっ…」
ジャック「偶には、見られながらというのも乙だろう?」

ズズーッ…

ユーディ「私は嫌だから!だからお願い、やめっ、やめてぇ…!!」
ジャック「口ではそう言いながら、実は見られる方が感じるのだろう…?」

パクッ…
モグモグ…
ムシャムシャ…

ユーディ「ってそこぉ!お茶啜りながら饅頭食べながら見物するなぁ!?」
ガーニィ「ん?ああ、俺の事なら気にせず続けてくれ。こっちはこっちで勝手に見させてもらうから」
ジャック「だそうだ。そういうわけだから、お言葉に甘えよう…」
ユーディ「甘えるなーっ!そして勝手に見るな~っ!!」



そんな、超弩級戦艦の日常。



・出会い



ガーニィがまだ無限書庫司書だった頃…



ユーディ「ユーノ、お母さんが会いに来てあげたよ!久しぶりに甘えていいんだよ~?」
ユーノ「母さん、頼むから仕事中は大人しくしてよ…これじゃ、どっちが子供か分からない…」
ユーディ「むっ、司書長になったからって、母親に向かって生意気な!」

ガーニィ「司書長、真っ黒ゴキブリ提督に頼まれていた資料が出来ました…すぐに次はドグサレ狸捜査官の依頼にかかります。いつも通り、ガチレズ痴女執務官は一番後回しでいいですね?」
ユーノ「ご苦労様、ガーニィ司書…とりあえず、少し休憩して仮眠した方がいいんじゃないかな?徹夜続きのせいで、暴言がいつもの2割増ぐらいになってるよ…」

ユーディ「ふーん、一人前に部下を気遣うなんて、ユーノも成長したね~…」
ガーニィ「?…司書長、その子は…?」
ユーノ「ああ、この人は…」

ユーディ「ふふん、実は私はユーノの…」
ガーニィ「ま、まさかっ…司書長の隠し子、ですか…!?」

ピキィッ…

ユーディ「だ・れ・が・隠し子だーっ!?」

ドゴォッ!!!

ガーニィ「げふうっ…!?」
ユーディ「私はっ!ユーノのっ!!母親だ~っ!!!」

バキィッ!!!!

ガーニィ「がはぁっ…!?」
ユーノ「………あーあ…」



・それからどうした

ガーニィ「あの後、腰痛が悪化してなあ…」
ユーディ「ガーニィ君が悪いんだよ!乙女に向かって、デリカシーの無い事言うから!!」
ガーニィ「何処の世界に初対面の相手に、真空飛び膝蹴りと地獄突きをかます乙女が居る!?」



“粉砕”されなかっただけマシ…なのかな?



・恩人

ユーディ「私は、『組織』に捕まったガーニィ君を助けた命の恩人なんだよ?」
ガーニィ「そうだな…フリフリの衣装を着たお前が、『組織』のマッド研究員共を次々と“玉潰し”していく光景は、悪い夢としか思えなかった…」
ユーディ「い、衣装はジャック君の趣味だよ!無理矢理着せられたんだから!!」
ガーニィ「嘘つくな!ノリノリで決めポーズまでしやがったくせに!!」



勿論、決め台詞も言いました。



・知識

ユーディ「ガーニィ君、サンリンボウって何?」
ガーニィ「ノータリン・パープリン・チンチクリンの『三』つの『リン』が揃った暴れん『坊』、つまりお前みたいな奴の事だな」
ユーディ「なるほどね~…って、誰がノータリンでパープリンでチンチクリンだー!?」
ガーニィ「納得してから怒るなよ…言っとくけど、嘘だからな?」
ユーディ「それぐらい分かるよっ!いつもいつも馬鹿にして…」
ガーニィ「お前がノータリンでパープリンでチンチクリンなのは本当だけどな」
ユーディ「殺すーっ!ブッ転がす~!!」



本当は、建築に関する事を行うと『三』軒『隣』まで『亡』ぼすとされている、縁起の悪い日の事です。



・乱戦



今日も今日とて、何処かの世界で繰り広げられる『組織』との戦い。
(ジャックは2人が敵を引き付けている間に、施設に侵入して破壊活動中)



ガーニィ「毎度毎度ワラワラ湧いて出やがって、鬱陶しい奴らだなあ!」
(スウィングアームで戦闘機人の群れをタコ殴り)

ユーディ「あ、ガーニィ君危ない!」

ヒュンッ…
ドッゴォーン!!!

(ガーニィを背後から狙うガジェットⅣ型を、彼の真横をかすめるように必殺キックで破壊)

ガーニィ「…おい!今の蹴りが一ミリでもずれていたら、俺の頭がザクロみたいに粉々だったぞ!?」
(瞬時に我に返り、新たに現れた戦闘機人の増援をロープアームで絡め取りながら)

ユーディ「失礼な!私そんなドジしないよ!?」
(同じく新たに現れたガジェットの増援を、次々と叩き潰しながら)

ガーニィ「いいや、するね!お前はうっかりで何を仕出かすか分からん!!」
(絡め取った戦闘機人を分銅のようにブン回し、他の増援達に次々と叩き付けながら)

ユーディ「子供扱いするなーっ!私の方が年上なんだぞ~!?」
ガーニィ「ガキじゃねえか!見た目も、オツムの中身も!!」
(それぞれの背後から迫る生き残りの戦闘機人を、同時に裏拳でノックダウンさせながら)



ジャック「さて、無事に施設も完膚なきまでに潰したし、捕虜を拷問して新しい拠点も幾つか聞き出せた…っと?」

ガーニィ「大体お前はだなあ!」
ユーディ「それを言うならそっちだって!」
(死屍累々の中、まだ言い争いを続けている2人)

ジャック「…またやっているのかね、君達は…」



喧嘩しながら倒されたんじゃ、敵の皆さんも浮かばれまい…



・恋だとか愛だとか

ユーディ「ガーニィ君は、恋とかした事無いの?」
ガーニィ「無いな。したいとも思わんし、これからもする予定は無い」
ユーディ「ふーん…寂しい人生だね~…」
ガーニィ「余計なお世話だ。俺はお前やジャックと違って、色ボケする趣味は無いんだよ」
ユーディ「そんな事言って、本当は自分でも寂しいと思ってるんじゃないの~?」
ガーニィ「いや、全然。めんどくさいだけだし」
ユーディ「つまんないのー…こんな美少女が目の前に居るって言うのに…」
ガーニィ「かなり年上で見た目は幼女でおまけに司書長の子供の頃そっくり、挙句の果てに人妻とかめんどくささの集合体じゃねーか…」
ユーディ「むぅ…何か腹立つな~…ガーニィ君がその気なら、お姉さんもちょっとは考えない事も無いのに…」

ジャック「ほう、それは聞き捨てならないね?」
ユーディ「じゃ、ジャック君!?違うんだよ?あんまりガーニィ君の態度がアレだから、いつもの仕返しにからかってやろうと思っただけで…」
ジャック「傷ついたよ…私はいつも真剣に君に愛を注いでいるというのに、夫の居ない間に別の男を誑かそうとするなんて…」
ユーディ「人の話聞いてる!?そんなんじゃないから!ガーニィ君も何とか言ってやって!!」

コポコポコポ…
カパッ

ユーディ「って、またお茶と饅頭を用意して見物するなーっ!?」
ガーニィ「気にするな。そっちはそっちでそのまま続けて構わん」
ジャック「さあ、悪い嫁にはお仕置きだ…」
ユーディ「たーすーけーてー!」



そしてエンドレス…



父の日記念には『ガーニィ君とジャック君』を予定しています
あくまで予定です(ヲイ
※注意※
これは、『キン肉マン』第46巻における、“超人墓場に侵攻する悪魔将軍”に、翡翠─君が望む全てが─さんのブログ『翡翠色の書き殴り』で連載中の『翡翠の翼の守護神外伝』において、“邪神アザトースに反逆するガルド・アウグスティス”を重ねただけのパロディです
従って、キャラや設定が本来と激しく相違する点が多々見られますが、ご了承ください
書いている本人が一番承知しておりますので(ヲイ



 人間の欲への執着にはキリが無いと言われるが
 その人間の中でも、類い稀なる魔力と、戦闘能力を与えられし
 魔導師・騎士とて深い欲がある

 どの魔導師・騎士よりも、強くなりたい、という欲…

 それを満たす為、日々、鍛錬する者
 静かに、瞑想に耽る者…

 そして、あらゆる手段を使っても、更に強さを求める者は
 “未知なるカダスの山”を目指すという



 そこへ行けば、どんな魔導師・騎士も、強くなれるという
 “未知なるカダスの山”

 レン高原と南極海の中間地点に浮かぶと言われる、人間界未踏の幻の島――

 何故、幻の島なのか

 それはこの島の周辺は、常に濃霧に覆われており、如何なるレーダーも
 偵察衛星も、その存在を感知する事は不可能だからだ

 しかし魔導師・騎士達だけは、その島から発せられる凄まじい磁場に引き寄せられ
 最強の魔導師・騎士となる為、極寒の海を泳ぐ者が、後を絶たない



「しかし、本当に、あの島へ行くと、最強の魔導師になれるんだよな?」
「ああ、噂では、そうだ!」

今日も極寒の海をザブザブと泳ぎ進む、モブっぽい魔導師達の姿があった。

「幾人もの魔導師・騎士が、あの“未知なるカダスの山”で、凄い力を手に入れているそうだ!!」
「噂でも何でも、最強の魔導師になれるならオレは構わねえ」
「最強の魔導師の座はもらった――っ」

先に質問した一人も含めて4人、この後に待ち受けている運命が容易に想像出来るような会話と共に、泳ぎ続ける魔導師達。
そこへ…

ゴオオオ…!!

「ギャアア~ッ!火が~っ!!」
「ウゲェァァ~ッ!!!」

…ガソリンの海に火でも付けたように、突如として海面に炎が広がり、それに巻き込まれた魔導師達は、悲鳴を上げながらその身を焼き尽くされていく…



それから、業火に焼かれた4人の魔導師が、白骨死体となって岸に流れ着いた頃…

ズゥーン…ズゥーン…

低く重く、地の底から響くような足音が、レン高原に轟く。

「弱き者には、死あるのみ!」

その足音とは不釣り合いな、中性的で透き通った声。

「噂を勘違いする愚か者が、多くて困る」

その身を包むは、地球の歴史において、第二次世界大戦中、第三帝国を名乗り栄華を誇った、ナチス・ドイツの黒き軍服。

「“未知なるカダスの山”とは、弱体の輩が最強の力を貰う為に、赴く場所ではない!」

くすんだ金髪を腰まで伸ばし、その藍色の瞳は全てを見通すような眼力を湛えていて。

「既に完成された強さを持つ者のみが、赴く場所なのだ」

それら全てが、この世のものとは思えぬほどの、退廃的な美貌を醸し出す存在。

「久しぶりだな、ここに来るのは」

白いユーノ…“翡翠の翼の守護神”に敗れた後、知性と心を取り戻し、高次元の存在へと進化を遂げた黒いユーノ…ガルド・アウグスティスの姿がそこにあった。

「何万年ぶりの事だろうか…あの時と何も変わらない」

岸壁に立つガルド。
その視線の先は、海の向こうに薄らと浮かぶ、島一つを覆う縞瑪瑙の城。

「だが、それも今日までだ。あの島も…そして、“奴ら”も…」

そう呟くと、ガルドは徐に、海に向かって両腕を広げ…



『目覚めよ!そして我を受け入れるがいい!“裁きの門”よ!!』



ザバァ…
ザザザ、ザザザザザ…

…ガルドの叫びに呼応するかのように、海が、聖書に記されたとある聖者の起こす奇跡のように割れ、道を作る。

「“天への歩道”…何もかも昔のまま、何万年も実に退屈でくだらない事だ」

その道を進みながらも、ガルドの独白は続く。

「それが“奴ら”の存在意義だと言わんばかりに、何一つ変わらない」

そして島へと到達し、縞瑪瑙で出来た城へと繋がる階段を上ると、ガルドの目の前に、城門が姿を現す。
両脇にガーゴイルと呼ばれる魔物の像を配し、幾何学的な紋様の装飾を施された、前時代的な城門。
勿論、それらも全て縞瑪瑙である。

「フン…!」

その門の取っ手を引き出し、少し力を込めて左右対象に、同時に横から縦へと回す。

ガシャン!
ギギギ…

すると、軋んだ音と共に、門がゆっくりと開き出した。



やはり縞瑪瑙で出来た城内に明かりは無く、薄暗く広い廊下が続いていた。

バタン!!

城内へと進んだ背後で、門が勝手に閉じ、暗闇より幾分かマシといった程度の世界に閉じ込められても、ガルドは動揺一つ見せない。

「なるほど、貴様だったか…納得した」
「その声は…」

前方の闇の中から、若々しい青年の声が発せられ、それまで無反応だったガルドの注意もそちらに向く。

「フフフ…アウトサイダー以外には道を開かぬはずの“天への歩道”を通り抜け…何の予告も無く正面から、この“黄泉比良坂”に入り込んでくる不穏な気配が一つ…」

ズン…ズン…

「なるほどな…貴様なら当然ここへも入れるわけだ…」

廊下に響き渡る重低音の足音と共に、次第にその輪郭がはっきりと浮かび上がって近付いてくる。

「………」
「ようこそ、麗しの故郷へ…かつて、“外神・壱式”<アウトサイダー・ファースト>と呼ばれた、偉大なるアウトサイダー、ユーノ・スクライア!」

均整のとれた肉体と容貌を、鎧兜を思わせる装甲に包んだ、武者のような姿。
そこから覗く青灰色の皮膚と、深紅を湛えた漆黒の瞳が、彼もまたガルドと同じく、この世のものならざる存在である事を示していた。



「くだらない冗談はやめろ、大神ソウマ!」



「私は最早ユーノ・スクライアでも、アウトサイダーなどでもない!!」

その姿を現した声の主…大神ソウマの出迎えの言葉に、それまで無表情であった顔に、初めて血の気を通わせて反駁するガルド。

「…しかし、なるほど…ここの番人が、やはり相も変わらずお前だとはな…」
「当然だ。それが天よりこの俺、“外神・弐式”<アウトサイダー・セカンド>に託された未来永劫の使命」

冷静さを取り戻したガルドの言葉に、己が胸に手をやり誇らしげに答えるソウマ。

そしてそのように共に与えられた誇り高きアウトサイダーの称号と、使命を放棄した貴様が今更ここへ何の用だ」

続いてソウマは両手を大仰に広げると、ガルドを挑発するような言葉を投げかける。

「まさか、過去の栄光を懐かしみに現れたわけじゃないだろう?」
「知れた事…“未知なるカダスの山”などという、御大層な異名を持つ…」



「この“冥府”を潰しに来たまで!」



ガルドの宣戦布告を受け、ソウマは一瞬の間を置いた後…

「クッ…ハッ、ハハッ!」

………哄笑した。

「何を言うかと思えば…笑止千万!!」
「では、笑えぬように言い直してやろう…お前達、弐式<セカンド>から拾式<テンス>まで、残りの9名を殺しに来た!」

その哄笑にも動じず、なおもガルドは続ける。

「壱式<ファースト>の私を除く…」



「外神の始祖<アウトサイダー・オリジン>全員をな!!」



ガルドの言葉と、その迷いの無い表情に、ソウマは哄笑をやめる。

「…どうやら、本気のようだ」
「ああ…成り行き上、まず、お前から…と、いう事になるがな」

そう言ってソウマを指差すガルドの様子には、迷いこそ見られないものの、若干の惜別の色が滲む。

「悲しい事だな、かつては共に理想の世界を作り上げようとした同志…共にあの日、天に救われた貴様と、永遠の時を経てこうしていがみ合い、潰し合いをせねばならないとはなあ…」

こちらも惜しむような様子で、遠き過去に思いを馳せるソウマ。

脳裏に浮かぶは地獄と化した世界で虐げられ、それでもなお己が信念を貫き通そうとし、それを認めてくれた原初のアウトサイダーたる“彼女”によって共に命を救われた日の事。
そして、世界を理想の姿に再生させるべく、“彼女”のもとで切磋琢磨し合い、互いを高め合った日々の事…

「ああ、実に同感だ…だが、お前達の理想と私の理想は違った…」

同様に思いを馳せるガルドの脳裏には、その更に後の光景が浮かぶ。

「更に言えば、私ともう一人の私、“翡翠の翼の守護神”の理想も違った…それが現実だ!」

己の内なる闇と向かい合った今もなお相容れぬ、輝ける光をその身と心に宿した、もう一人の自分…“翡翠の翼の守護神”との確執と、戦い…

「現実か…“彼女”が最も嫌う言葉だ」
「そうだな…だが、そんな“あいつ”の傲慢こそが、今回の事態を招いたのだ!」

ソウマが“彼女”と呼ぶ存在を、ガルドは“あいつ”と呼んだ…敢えて。

「お前達も分かっているだろう?今回の引き金を引いたのは私ではない、“あいつ”自身だと!」
「責めるなユーノ…“彼女”は散々我慢してきたんだ。だが、越えてはならない一線を地上がとうとう越えてしまった。そうなれば、俺達アウトサイダーが動き出すのは太古からの理<ことわり>じゃないか」

そんなガルドに、ソウマはなおも宥めるように言葉を紡ぐ。

「だが、今のアウトサイダーはそれさえ出来ない体たらく。だから“彼女”は自ら動くしかなかった…“彼女”はただ生真面目に俺達の使命を貫徹しようとしているだけなんだ」
「フッ…変わらぬ、変わらなさ過ぎる」

だが、それに対するガルドの返答は…何処か呆れにも似た感情を覗かせる、溜息交じりの言葉だった。

「何が使命なものか…全ては“あいつ”の単なる自己満足じゃないか。そうしてまた破壊と創造<スクラップ&ビルド>を繰り返す…」
「そんな理想だけの“彼女”を見かねて、今度は貴様がこの地を捨てた…」
「その意味が分からない奴でもないだろうに…」
「似ているんだ…特に、貴様と“彼女”は…似過ぎていた。それが不幸の始まりだ」
「自覚はしている。その意味では、“あいつ”は今でも私の同志だ。そう、思っている」

何処か穏やかな口論の末、ソウマの指摘を素直に認めるガルド。

遠き並行世界で垣間見た、自分達を寵愛する“剣神”に反逆した“彼女”=“あいつ”の姿は、まさに今の自分と重なるものだった。
…まるで血を分けた、姉と弟のように…

「…だが、それを自覚していない分…」



「“あいつ”は私以上に性質<たち>が悪い!」



「この世に絶対的に正しい理想があると、“あいつ”はまだ信じている、純粋過ぎるのだ!!」



「だから私は…殺しに来た!」

言い切るガルドと、ソウマの視線が交錯して。

「…しょうがないな…」

宙を舞うような動きで、バッと後方へ身を翻すソウマ。
彼が降り立ったのは、これも縞瑪瑙で出来た舞台…いや、それはまさしく格闘技のリングそのものだった。

「上がってこい」
「このリング、懐かしい…」

ソウマに誘われるまま、ガルドもまたリング上へと上がる。

「ああ、かつては貴様とよくこの上で闘ったな…仲間として…」
「そして今は、敵として…か」

両者はリング上で対峙し、静かに身構える。
一切無駄の無い動きで、只、相手の息の根を止める為に…

「神代からの黄泉比良坂の番人として、貴様をこの先に通すわけにはいかない!」



「だから、ユーノ・スクライア!いや、ガルド・アウグスティスよ!!」



「今日が俺と貴様の闘い納めだ!!」



続く!



リハビリとか実験とかも兼ねていますので、何か気が付いたところがあったりしたらご指摘くださると嬉しいです…(;^_^A