おれたちがどこで出逢うとしても
それは おれのさだめであって
君の知るところではない
とりわけ自由という
カニスが好きな色の服は
ある日は橙だった
人が集まれば その数だけ
自由も権利も投げつけ合うもので
服とはそんな世情に属する
梅雨の湿った日に
頭からシリコンをひっかぶり
足先まで固めたような
うしろめたさを
旗のせいにして
重心をさらにもちあげようとしている
古い時代の傾きは必要だったのか
ぬすっとたちの耳から
百年も漏れているタバコの煙さながら
どれも同じ手抜かりに
悔いが悔いを反復し
希望が希望を上書きする
どうどう巡りのあげく
やっともぐりこんだ薄い寝床に
おもいもかけない
夜明けが来るその朝
君たちのけじめは
どうつけるのだ
Ⅱ
たしかに それらは
バカげた発案により
継続された
汚泥のような恥だが
あの人たちの思惑で
簡単にはすまない
人は言われたようにするがいい
ただ 誰が命令し
何のためにと
訊く必要はあるだろう
夏至過ぎて
昼なお昏き
陋屋に
蒼き川音や
なすこともなし