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感想亭備忘録

ドラマ、映画、小説について感想、解説、批評など。
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タイトルからもわかる通り、シャーロック・ホームズの派生作品です。マイクロフト、シャーロックの下に妹がいて、という設定。

 

主役のエノーラが何だかわからないんですが魅力的です。容姿は決して絶世の美女や美少女というわけではないのですが、生意気な表情でこまっしゃくれた理屈をこねるのですが、それがなぜかチャーミングです。あ、それとシャーロックがやたらかっこいいですね(笑)ここまでかっこよく描かれたシャーロックっていなかったんじゃないでしょうか。超二枚目です。

 

 

物語はがっつり推理モノというよりは少年少女の冒険譚的なもので比較的気楽に見られると思います。

画面越しに視聴者に語り掛ける演出はともすれば物語から浮き勝ちなのですが、この映画、頭のいいエノーラという登場人物の場合は、自分自身をすら一歩引いたところから客観視していることを表現しているようですんなり受け入れられました。

 

事件簿というタイトルですが次々に事件が起こるわけではなく、エノーラが探偵を始めるに至ったお話です。シリーズ化してくれるのであれば嬉しいなあ。

 

最終回までしっかり楽しめました。

素晴らしいドラマだったと思います。基本的には刑事のバディ物の王道に忠実な作りでした。冷静な切れ者と熱血漢のコンビが相いれないところがありながらも事件を通じて相棒として成長していく。志摩(星野源)と伊吹(綾野剛)、加えて陣馬(橋本じゅん)と九重(岡田健史)もこの組み合わせですね。

笑いとシリアスのバランスも良く、和ませるところと緊張させるところの配分が絶妙でした。何か新しいドラマの形を提示した、というわけではありませんが基本に忠実にやればここまで面白いものができるんだ、という証明になったのでは、と思います。

 

最終回で賛否が分かれるのが恐らく、あの違う世界線というか夢落ち的な展開ではないでしょうか。衝撃的な画を見せておいていや実はあれは、とやるのはあまり良い手ではありませんが…。

誰と出会うか、どんな決断をするか、些細なことでスイッチが切り替わり良くも悪くも人は変わってしまう、というバックボーンを持つこのドラマではこの表現方法は「あり」だと思う…んですが、ちょっとスイッチの描き方があまりにも他力すぎるというか納得できないというか。陣馬が目覚めるかどうかで変わってしまうなら本人たちの意志や決断なんて意味がなく、ただ神様のきまぐれな采配で人は変わってしまう、というようにも取れます。

 

それはまざに最終回で菅田将暉演じる久住が話していた事そのものじゃないんでしょうか。どうせ人なんて何をどうしてもどうしようもないことがある。すべてを押し流してしまう神の意志の前に人間は無力なんだ、みたいな諦観とも世界への憎悪ともつかない想いを肯定してしまっているような気もします。

 

そしてその菅田将暉さんは最終回、まさに圧巻でした。虚無そのものとでもいうべき人格の破綻した人間を明るく不気味に演じたあの演技力はやはりただモノじゃないですね。いつか野木亜紀子さんの脚本で菅田将暉さん主演でなんかやってほしいです。どんなものが出来上がるのかワクワクします。

 

色々考えさせられる最終回ではありましたが、全話通して充分見ごたえのあるそして面白いドラマだったと思います。次クールのドラマもこの水準であることを祈りたいです。

 

詰め込みましたねぇ、最終回。

それまで母娘のドラマ?お仕事ドラマ?三角関係の恋愛ドラマ?と思わせつつどこにも踏み込まなかったこのドラマですが、最終回にものすごい勢いでメイ(多部未華子)とナギサ(大森南朋)の恋愛模様(?)を詰め込んできました。

 

契約結婚から二人での生活に対する不安と行き違い、ライバルの後押しから話し合いでの解決、とそれはもうすごいスピードです(笑)

そして状況はもちろん劇伴もふくめて「逃げ恥」風の演出がされていました。一話に集約したのだから当然ですが、二人の関係も掘り下げる、ということはしません。なんだかんだでめでたしめでたし、な幕引きでした。

 

批判しているわけではありませんよ。

このドラマはこれでよかったんです。深く抉ればどんな人間関係でも割り切れない事や納得できない理不尽がどうしても見えてきてしまいます。そういう掘り下げを一切切り捨てることで、視聴者を癒す、ほっこり幸せな気分にさせる、そこに特化したドラマになりました。そしてそれは成功したと思います。

 

深い感動や共感、人が生きる上での指針、そういったものを感じたり読み取ったりするドラマではないのです。そういうドラマはもちろん大切だし面白いのですが、やはり疲れてしまう事もあります。特に今は新型コロナで大変な時期。こういうドラマばかりだと物足りないかもしれませんが、おとぎ話的な幸せを目指すドラマが一つぐらいあってもいいのではないでしょうか。

 

とにかくホッとする肩ひじ張らずにみられるという意味でいいドラマでした。

 

あ、メロンパン号の登場はご愛嬌ですね。もっと背景に映りこむだけかと思ったら堂々としかもメイが絡んでいくとはw

 

いや、もういう事無しですよ。

SNSでの正義と善意の暴走、姿を見せない敵、もって行き場のない怒り、全部ひっくるめてNot Foundですね。

 

出どころの不確かな情報に踊らされて、姿の見えない敵に簡単に操られるというのはSNS全盛の現在においてあり得る状況、というかすでに起こっている問題かもしれません。

 

自分は人じゃないから人のことなど思い遣らない、とある意味狂信的なセリフを久住(菅田将暉)は、自分すら茶化すように、突き放すように、馬鹿にするように語ります。志摩(星野源)とは別の意味で彼も「自分すら信じられない男」なのでしょう。

 

爆弾テロという大きな仕掛けを扱いながら、桔梗(麻生久美子)と志摩の関係や九重(岡田健史)の親子関係、九重と陣馬のより強い結びつきという人間関係をも描くことができているのは流石というか凄いというか。もう言葉もありません。

 

とにかく最終回が楽しみです。

どんな決着がつくのか。ワクワクが止まりません。

待ち遠しい限りです。

 

「あ~面白かった。」

 

このドラマを見終わると、そう思うのだけでなくはっきり口に出して言ってしまいます。本当に面白い。

 

蒲郡(小日向文世)の事件からの立ち直りと九重(岡田健史)の成長。羽野麦(黒川智花)の事件の急展開と盛りだくさんな内容にもかかわらず、詰め込みすぎといった印象は全くありません。無駄なエピソード、無駄なカットが一切なく、全て視聴者が見たいこと知りたいことを描いているのは稀有な事だと思います。

 

やられっぱなしの危機的状況のまま次回へ続く、という手法を使わず相手の不気味さ、得体の知れなさは残しつつ、羽野麦と成川(鈴鹿央士)の救出というひとまずの決着を見せてくれたのもうれしい限りです。

 

やはりラスボスは久住(菅田将暉)でしたね。エトリのかませ犬感はすごかったですから(笑)平然と冷静に人を操ったり殺したりできる異常な人物を菅田将暉さんが魅せてくれています。

 

ネットの記事でちょっと疑問に思ったのが「菅田将暉、豹変の瞬間に視聴者騒然」というもの。菅田将暉さん、というか久住って豹変しましたっけ?最初から一貫してサイコパス的不気味さ全開だったように思うのですが。成川に優しく接する久住を見て「この人は優しいいい人なんだ」って思った人っているんでしょうか。不思議です。

 

いよいよクライマックス。どんな仕掛けでどんな展開を見せてくれるのか。期待しかありません。楽しみです。

 

ちなみに菅田将暉さんの「道頓堀」の発音がちょっと違うような…若者の間ではあれが普通の大阪弁の発音になってるのかなぁ。