いやあ、面白いですね。
久しぶりに面白い大河だと思います。
なんと言っても坂東武者たちの田舎侍っぷりがいい!あけっぴろげで即物的で単純で。その単純さの中に底冷えのするような凄みがある所がいい!
特に後年の権力闘争を思えば権謀術数の人とも思える北条時政。田舎者のダメおやじっぷりを遺憾なく発揮して、ダメながらも憎めないなあと、思わせておいて、石橋山の戦いの直後に「佐殿の首を持っていけば降ってもいけるんじゃないか」というようなことをあっけらかんと口にするその単純さ、そして単純だからこその強さ、しぶとさ。
京の都で雅に過ごしているお上品な殿上人と比べれば、「生き残る」という執念において雲泥の差があるように感じられます。
まあ、粋でもかっこよくもなく下品ですらあるのですが、それが魅力的に映りました。
兄の宗時も、戦が始まるまでの無責任とも思える楽天家っぷりから一転、戦が始まるやいなや勁烈なまでに強力なリーダーシップを発揮し戦を先導していく姿にしびれました。それだけにあの最期はちょっと可哀そうかなと思いました。
実際は伊東祐親の軍勢に包囲されての討ち死になので、奮戦中に暗殺されるような描写であってほしかった気がします。
あと特筆すべきは頼朝の描かれ方ですね。
戦国大名や徳川将軍家のような自前の土地を持ち兵力を持ち、その実力で支配領域を広げていく、というあり方とは全く違うことがよく分かると思います。
いわゆる神輿なのです。頼朝の力というのはただただ「貴種である」ということにかかっています。全く手元に戦力などないのです。だから田舎侍に過ぎない伊東や北条が「首はねちゃおうぜ」みたいなことが言えるのです。でもだからこそ一度時流に乗れば多くの武者や縁戚や、果てはなんだかわからないような有象無象までが寄り集まって担ぎ上げることができる、旗印になることができるのです。その不安定さ、得体のしれなさが、今後どうなっていくのか本当に興味深いところです。
今の所満点の出来なのですが、一つ心配があります。
大きな合戦をどんなふうに描くか。ここは心配です。今後、富士川、伽羅倶梨峠、屋島、壇ノ浦と続いていくと思うのですが、あまり俯瞰で戦場を広く見渡すような絵は避けてほしいというのが正直なところです。
キャラクターのアップを中心に撮ってくれると迫力のある画になるのではないかと。
以前の「麒麟」で特に思ったのですが、数千から万単位の軍勢のぶつかり合いなのに、広い野原に数十人のエキストラみたいな悲惨な画を見せられては拍子抜けもいいところになってしまいます。
本気で迫力のある大合戦を俯瞰で撮るとなればとんでもない数のエキストラを用意するか、とんでもない金額をCGにつぎ込むか、どちらにせよ大河ドラマの予算規模では難しいのではないかと思います。そこだけは気がかりです。
さて次回以降いよいよ源平の戦いが本格的に始まります。頼朝のもとに様々な人が集まっても来ます。こんなにワクワクする大河ドラマは久しぶりかもしれません。期待して待ちたいと思います。



