「監察医 朝顔」第1回感想 | 感想亭備忘録

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なんとも盛りだくさんなドラマです。

一話完結の事件モノであり、父と娘のホームドラマであり、監察医と刑事の恋愛ドラマでもあり、クセのある同僚たちとともに働くお仕事ドラマでもあり。極め付きはなかなかにフィクションでは扱いの難しい東日本大震災も主人公とその父の人格形成に大きな影響を与えたファクターとして取り入れられています。

盛りだくさんすぎて消化不良を起こさないか心配です。

 

それぞれの要素が有機的に絡み合って一つの物語を織りなしてくれれば心を深く揺さぶる作品になれるのですが、色んな要素をただ詰め込むだけでは、どれをとっても物足りない薄味のドラマになっていまいます。

さて、このドラマはどうなのでしょう。

 

俳優さんたちは充分以上に力のある魅力的なメンバーです。上野樹里さんや時任三郎さんはもちろん、平岩紙さん、風間俊介さん、柄本明さん、戸次重幸さん・・・名前を挙げなかった方も含めて皆さん独特の雰囲気を持った素晴らしい役者さんたちです。あ、山口智子さん…最近おんなじような役柄しかしませんね(笑)でもまあ見飽きた感を除けばやはり上手いです。彼らの生み出す雰囲気は、上質のドラマそのもので期待値は上がらざるを得ません。

 

ですが、物語は…初回は状況説明、人物紹介があ多いとは言えちょっと残念でした。中心となる事件の解明もあっさりしたものになってしまっていましたし、それより何より被害者の子供に対する対応に違和感がありました。

 

子供は思春期手前の少女なのですが、母親に構われるのが恥ずかしくうざったく感じ始める年齢なのでしょう、母親の作る弁当、その弁当箱に文句をつけきつい言葉で拒絶してしまいます。母親は子供のために弁当箱を買いに行き、その帰りに事件に巻き込まれ命を落としてしまいます。

で、主人公は少女にその事実をあまり悩むことなくはっきり伝えてしまうのです。取りようによっては少女がわがままを言ったせいで母親は死んでしまったんだ、とも取れる内容を、です。これは頂けない。伝えるにしても悩むべき部分じゃないでしょうか。下手をすれば「自分が母親を殺してしまったんだ。」と強烈な自責の念に押しつぶされかねない内容です。

僕は見ながら、「これはどうやって子供に伝えるか難しいなあ。初回からこんな難題どう解決するのかなあ。」と思っていたのですが、あっさりスルーでした(笑)

 

そして時間枠拡大の部分はほぼ大震災の描写でした。うーん、この部分の評価は保留ってとこでしょうか。本筋とどうつながってくるのか次第というところです。

 

全体的に雰囲気はいいのですが危惧したように少し薄味のようにも感じます。物語の練り込みも初回に関しては甘かったと思います。それでも期待は持てる内容ではありました。次回以降盛りだくさんの要素をうまく整理していいドラマを紡いでほしいものです。

 

あ、細かい点で気になったのは、法医学のドラマなのに解剖時の手元を一切映さないという点です。かなり違和感がありました。21時のドラマなのであまり強烈な描写は難しいでしょうが、コード・ブルーは同じ月9でもっとしっかり見せてくれていました。臓器の色や形状に問題がある場合その部位、その部分だけでも見せてくれたほうが説得力が出るんじゃないかと思うのですが。