その2からの続きである。

 

「宇治川蛍蒔絵料紙箱・硯箱」 

 初代 飯塚桃葉 江戸時代 安永4年(1775) 木;漆塗、蒔絵

 

 

 

「青海波塗硯箱」 伝 青海勘七 江戸時代 17世紀 木;漆塗、蒔絵

 

 

水戸黄門こと徳川光圀の遺愛の硯箱だそう。

 

 

金と銀の鋲で波の飛沫を表しているそうだ。

 

 

横の部分も大変素敵なのである。金と銀の鋲が映える。

 

 

重要文化財「萬国絵図屏風」 桃山~江戸時代 17世紀 紙本着色

 

こちらの屏風は明治天皇の御学問所にあったとされる。

 

 

右隻に王侯騎馬図とポルトガル地図と28の都市図が描かれている。

 

 

左上から、コンスタンティノーブル、ロンドン、ジェノヴァ、アントウェルペン。

右上から、ローマ、ホルムズ、バンテン、モザンピーク

 

 

左上から、ベネツィア、アムステルダム、ケルン、クスコ。

右上から、メキシコシティ、アデン、フランクフルト、ソハール。

 

この「萬国絵図屏風」は、1609年にオランダ・アムステルダムでP.カエリウスという人が出版した世界地図に基づき、日本で書かれたものだと考えられているそうだ。

 

ローマや、ベネツィアなどは、ぱっと見て分かるが、「?」という場所もある。

参考にした世界地図の発行された1609年以降に建造された都市のシンボルは描かれていないので、現在の私がイメージする当該都市とは違いがあって当然か。

 

左隻は世界地図と諸国の人物図。

 

 

諸国人物図は、こんなふうな42の区画に、世界中の様々な国や地域の人物像が描かれている。左の一番下のものは日本だろう。

 

そして、世界地図はヨーロッパを中心に描かれており、ヨーロッパ部分は詳しく正確に描かれている。

 

 

日本は…

 

 

北海道が本州とくっついており、四国が半島になっているように見える…。

 

 

「七宝四季花鳥図花瓶」 並河靖之 明治32年(1899) 七宝

 

漆黒の七宝釉を背景にして、四季の花々、樹木、そして野鳥が描かれている。

解説パネルに「1900年のパリ万国博覧会に出品された並河靖之の最高傑作」と書かれていた。とにかく素晴らしい。

 

青紅葉。今の季節か。

 

 

枝にとまっている鳥。可愛い。

 

 

本当に繊細である。

 

 

この2羽はカラフルな感じ。

 

 

有線七宝で描かれているが、筆で描いたように見えるほど細い部分も。

 

 

こちらの鳥の躍動的なこと。

 

 

桜。

 

 

壁で区切られ暗いスペースに、花瓶が浮かび上がるようにライトアップされて展示されている。大変効果的だった。

 

展示数は少ないものの、大変濃い内容だったため、かなり長時間鑑賞した。

大満足。

 

廊下に次回の展覧会のチラシが…。

 

 

7月9日からの「いきもの賞玩」展のチラシである。

なんと、なんと、上段一番左のわんちゃんは2022年の「日本美術をひも解く 皇室、美の玉手箱」展で心をわしづかみにされた「羽箒と子犬」ではないか!!

7月が楽しみである!

 

(なんと、まだまだつづく)