その1からの続きである。

 

「花鳥十二ケ月図」 酒井抱一 江戸時代文政6年(1823) 絹本彩色

 

2022年8月の「日本美術をひも解く 皇室、美の玉手箱」展では12幅全てが展示されており、大変感動した記憶がある。

 

「二月 菜花に雲雀図」

 

 

この部分、ぐっときますね。垂らし込みの妙。

 

 

 

「三月 桜に雉図」

 

 

 

「十月 柿に小禽図」

 

 

小さな鳥たちが大変可愛い。

 

 

 

「十一月 芦に白鷺図」

 

 

こちらの表装に使われている布が素敵なのである。

 

 

川で、桜が咲いている枝を筏で運ぶ様子か。

 

 

「粘葉本和漢朗詠集」 伝藤原行成 平安時代 11世紀 紙本墨書

 

 

もう、「藤原行成」というと、NHK大河ドラマ「光る君へ」で行成を演ずる渡辺大知氏の姿がパッと思い浮かぶのである。

 

平安期屈指の名筆。(読めないけど)美しいと感じる。

 

 

料紙の美しいこと、美しいこと。

解説パネルに「舶載の唐紙」とあったので、これはインポートの貴重品なわけだ。

 

 

国宝「唐獅子図屏風」

 

 

じゃじゃーん、という感じである。迫力。

 

(右隻)狩野永徳 桃山時代 16世紀 紙本金地着色

 

 

解説パネルに、「豪壮・華麗」とも評されると書いてあったとおりである。

 

 

(左隻)狩野常信 江戸時代 17世紀 紙本金地着色

 

 

永徳が描いた右隻はもともと床壁貼付の障壁画で、屏風に改装されたときに、ひ孫である常信が左隻として補作したそうだ。(東京藝大「日本美術をひも解く」展の図録を参照)

 

参照した「日本美術をひも解く」展の図録にも書いてあったが、永徳は桃山時代、常信は江戸時代、時代による画風の違いというのが良く分かる。

 

 

「朝暘霊峰」 横山大観 昭和2年(1927) 紙本墨画金彩

 

 

こちらも大変大きな作品。明治宮殿の豊明殿という大広間のために制作されたものだそうだ。

 

 

横山大観のこのような表現がたまらなく好きなのである。

この作品の前にベンチが設置されていたため、しばしぼんやりと本作品を眺めていたのであった。

 

(まだつづく)