京橋の「加島美術」で催されている「宴 Vol.3 The SEITEI」に行ってきた。
渡邊省亭の作品が約30点展示とのこと。
「加島美術」での渡邊省亭展は、2018年9月に「SEITEIリターンズ!~渡邊省亭展~」を鑑賞経験がある。当時、大変興奮して鑑賞した記憶がある。
こちらは、ケースに入れずに展示されており、現物を直接、好きな距離で見られるのである。肉眼で細かい部分まで見られるのは、もう感動であった。
ショーウィンドーに「のこるあつさ」という作品が展示されていた。
こちらの表装がとても素敵。
これはパッチワーク?のように裂を合わせているのだろうか。
今回は館内が撮影不可とのことで、気になった作品をメモした。
「雪月花」 双幅 絹本着色 明治30年代
右幅は雨ではらはらと散る桜の花びら、左幅に黒い雲から透けて見える月、ぽつ、ぱつと雪が描かれている。
これは2021年3月の東京藝術大学大学美術館「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」展で鑑賞している。
ああ、この時、前期展示は鑑賞できたが、後期は展覧会が中止になったことを思い出した。
「節分之図」 絹本着色 明治20年代
門前で、布袋が女性の手を引っ張っている様子が描かれ、その奥の邸宅では、豆を撒いて鬼を散らしている侍、障子の向こうで何やら話をしている人物などが描かれている。ちょっとユーモアのある節分の夜の情景か。
「中月夜秋草左右雨雪山水」 三幅対 絹本着色 明治33(1900)年
右幅は、桜の木に雨が降っている、背景は湖か
中幅は、竹林に細い川が流れている
左幅は、何羽かの鴉が雪の積もった木にとまっている
水墨画のような、淡い彩色しかない作品。とても静かで良い。
「上巳」 絹本着色 明治40年代~大正時代
お雛様が描かれている。正面向きに男雛、手前に横向きの女雛。
渡辺省亭が編集し、当時の著名画家の作品を紹介した美術雑誌「美術世界」の全25巻がずらっと展示されていた。
スタッフによると、こちらは全25巻揃っているのは大変価値のあることだそう。
なんと、1冊、1冊なら古書店に置いてあるのでは、とのこと。
第25巻は省亭の特集だそう。ほう・・・・と調べてみると…。
えーっ、「復刻版」が販売されている!!
一般的な書籍と電子書籍の2種類。これは実物をスキャンして制作したものだそう。