3月19日に京都を訪れ、細見美術館で「空間を彩る屛風—広がる大画面—」展を鑑賞し、河井寛次郎記念館を訪れ、美味しいものをたらふく食べた。

 

そして、翌3月20日に大阪中之島美術館を訪れた。

 

 

待望の「没後50年 福田平八郎」展である!

 

 

パネルは重要文化財「漣」。

 

本展覧会は、概ね制作年順に展示してあり、福田平八郎の画風の変化など分かりやすく鑑賞できた。

 

又、写真撮影可の作品も多く、恐らく全て撮影させていただいた。

ファンとしては嬉しい限り。

 

「池辺の家鴨」 大正5年(1916) 紙本着色 額装 大分市美術館

 池が黒く表現されて、もふもふの家鴨がたくさん描かれている。

 

「驢の図」 大正7年(1918)頃 紙本着色 軸装 大分県立美術館

 のんびりした雰囲気。

 

「安石榴」 大正9年(1920)絹本着色 額装 大分県立美術館

 

 

第2回帝展入選作品。初期はこんな絵を描いていたのか…。

 

「島原半島」 大正10年(1921) 絹本着色 軸装

 とても良い。波辺で人々が漁の準備をしていたり、何か物を干している様子などが描かれている。

 

「草河豚・鰈」 大正13年(1924)頃 絹本着色 額装 大分県立美術館

 リストに◎を付けた。描かれているフグやヒラメの顔が可愛い。大変細かく描かれている作品。 ポストカードを求めた。

 

「朝顔」 大正15年(1926) 絹本着色 屏風(六曲一隻) 大分県立美術館

 

 

これは、私の中の福田平八郎のイメージと一致。

 

「茄子」 昭和2年(1927) 絹本着色 屏風(二曲一隻) 大分県立美術館

 リストには◎を付けた。主に3本の茄子が植えられており、2羽の雀、1匹のトカゲが描かれている。細部までしっかり描かれシックな作品。

 

「緋鯉」 昭和5年(1930) 絹本着色 軸装 京都国立近代美術館

 とても大きなサイズの作品。4匹の緋鯉と1匹の白い鯉が描かれており、雨が降っている。雨の表現が素敵で銀色を用いているのか見る角度で表情が変わる。

 画力を感じる。

 

「漣」 昭和7年(1932) 絹本白金地着色 額装 大阪中之島美術館

 

 

 こちらは、昨年2023年の「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」展で鑑賞。その時は撮影不可だった。

 

 金箔の上にプラチナ箔を重ねた画面に、群青色で水面の様子を描いている。これは琵琶湖の水面の表情のようだ。沢山のスケッチなども展示されていた。

 

「白梅」 昭和9年(1934) 紙本着色 額装 京都市美術館

 ベージュの背景に、赤のつぼみ、白い花、木の幹は灰色で色の数が抑えられており、それがとても良い。

 

「白梅頰白」 昭和10年代 絹本着色 軸装 大分県立美術館

 同系色が使われており優しい感じ。

 

「竹」 昭和18年(1943)頃 紙本墨画 軸装 大分県立美術館

 リストに◎を付けた。こちらは、墨画なのであるが、深緑の蔓草のような模様の光沢のある布を使って表装されており、その表装がとてもマッチしていて、絵が生き生きとした感じになっていると思う。図録は絵のみ、表装は掲載されていないので…まあ、仕方ない。

 

「新雪」 昭和23年(1948) 絹本着色 額装 大分県立美術館

 

 

解説パネルによると「雪は明るい紫色の下地に胡粉を置いて刷毛で叩くという作業をを繰り返して新雪の明るく軽い実感を出している」とのこと。

 

 

なんというかとてもマットな感じで、絹地に描いたものと思えない質感だった。

 

「春雪」 昭和24年(1949) 絹本着色 額装 西中山 妙福寺

 やや水気を含んだ雪からひょっこりと葉や細い枝が出ている。配置が良い。

 

「雲」 昭和25年(1950) 絹本着色 額装 大分県立美術館

 

 

こちらは近年修復を終えた作品らしい。ほう…。

なんと、昭和25年(1950)以降、大分県立美術館以外では初公開だそう。おお。

 

 

何とも言えない表現。

解説パネルによると「空の青はプルシアンブルーなどの化学合成顔料が使用された可能性がある」ほう。

そして、「白い雲は輪郭の周囲がやや薄く塗られ」とあり、上の写真では良く分かる。そして、雲の真ん中のほうは「陰影表現を抑えて雲の真っ白さを強調するかのようだ」ということだ。なるほど。

 

「氷」 昭和30年(1955) 紙本着色 額装

 

 

「桃」 昭和31年(1956)頃 紙本着色 額装 大分県立美術館

 

 

 ミュージアムショップで、この桃の絵の刺繍のあるハンドタオルを求めた。

 

「水」 昭和33年(1958) 紙本着色 額装 大分県立美術館

 

 

 解説パネルに「本作品は足かけ30年にわたる構想の末に到達した水の表現の集大成といっていいもの。揺らめく水の様相をとらえたその造形は、一見抽象画のようにも見えるが、自然の中に潜む神秘的な美しさを見事にとらえている」とあった。

 

 こちらもスケッチなどが展示されていた。30年も温めた作品だったとは。

 

「鮎」 昭和33年(1958) 紙本着色 額装 大分市美術館

 水色の背景に鮎が5匹。配色が好み。

 

「海魚」 昭和38年(1963) 紙本着色 額装 大分県立美術館

 

 

「游鮎」 昭和40年(1965) 紙本着色 額装 大分県立美術館

 

 

 こちらのマスキングテープが販売されており、ついつい…求めてしまった。何となく可愛い。

 

「素描・下絵」のコーナー


「カーネーション、百合」昭和17年(1942) 鉛筆、着色、紙 額装 大分県立美術館

 

 

シリーズではないようだが何だかシリーズのような作品3点。

 

 

「紅白餅」 昭和24年(1949) 鉛筆、着色、紙 額装 大分県立美術館

 

 

「うす氷」 昭和24年(1949) 鉛筆、墨、着色、紙 額装 大分県立美術館

 

 

 こちらは、この絵がパッケージになっている富山県の「五郎丸屋」のお菓子「薄氷」が販売されていて、大変心が動いたが、こらえた…。

 

「栗、松茸」 昭和20-30年代 鉛筆、着色、紙 額装 大分県立美術館

 

 

 リストに印をつけたものは全て記録した。

 図録も求め、思い出しては眺めている。後期展示も行きたい。

 大変おススメの展覧会である。