勝手に論愚選 【朝日俳壇2024.08.11】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【朝日俳壇2024.08.11】
[大串 章 選]
病葉(わくらば)に青春の影ありにけり (静岡市 松村 史基)
(評)病葉に意気消沈の青春時代が重なる。それを乗り越えて今の自分がある。
天の川カムパネルラの待つホーム (さいたま市 齋藤 紀子)
(評)友人ジョバンニを待つカムパネルラ.宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を思う。
漁火の揺るる海峡遠花火 (石狩市 赤繁 大河)
廃線と無人駅増え雲の峰 (佐伯市 川西 敦子)
休校を知らず斑猫(はんみょう)子らを待つ (山口県田布施町 山花 芳秋)
死後のこと知らぬ死者たち原爆忌 (蒲郡市 牧原 祐三)

[高山 れおな 選]
炎天をけもののごとくかなしめり (川口市 青柳 悠)
太古より人戦ひて風死せり (出雲市 石原 清司)
{評}風物詩的な戦争詠とは一線を画す飛距離のある表現だ。攝津幸彦に〈太古よりあゝ背後よりレエンコオト〉
夏衣モネのひかりのやうな人 (石川県能登町 瀧上 裕幸)
くちはなを神に悪魔になしにけり (市川市 をがは まなぶ)

[小林 貴子 選]
横綱へ阿吽の風や大団扇 (札幌市 堺 久子)
パリ五輪サルトル再読する真夏 (横浜市 飯島 幹也)
エロスの籐椅子タナトスの籐寝椅子 {本庄市 篠原 伸光}
火星には幾人住める蟻の列 (岡山市 斉木 直哉)
晩年はすきにしなはれ道をしへ (神戸市 小柴 智子)

[長谷川 櫂 選]
ブレイキンぴたり静止やかき氷 (村松 篤視)
戦争が馬鹿げてみえる箱めがね (立川市 松尾 軍治)
妻につきあひどしやぶりの青信濃 (横浜市 飯島 柚花)