論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

【産経俳壇2026.07.30】
[宮坂 静生 選]
ダンゴムシ愚直に生きて数億年 (山梨市 石田 初江)
ふるさとに沈む夕陽は完熟トマト (国東市 岸本 千鶴子)
蟇(ひき)鳴くや介護のあとの便秘薬 (志木市 谷村 康志)
老鶯(ろうおう)の磨きをかける比叡山 (枚方市 船橋 允子)
人生きるすべてこの世は石鹸玉(しゃぼんだま) (伊賀市 菅山 勇二)
石清水一歩に深き熊野道 (枚方市 安達 京子)
かっちゃ激し伏木曳山祭かな (伊賀市 福沢 義男)
水底へ光の午後や未草(ひつじぐさ)(平塚市 冬野 旅人)
男には判らぬ気分洗ひ髪 (白井市 毘舎利 愛子)
梅雨曇母屋解体工事中 (横浜市 杉本 ありさ)

[対馬 康子 選] 
短夜や眠りの淵の透明度 (横浜市 前島 康樹)
(評)浅い眠りと深い眠りの境界を繊細に可視化している。短夜という季語が、夏のはかなく便りない眠りを象徴し、意識と無意識のはざまに透明な静けさが漂う・ 。
瞬きの富士を上下やつばくらめ (‘川崎市 横山 貞男)
鶏頭の色尽くしをり葬送す (小金井市 佐原 智洲子)
日傘るんるんるん銀のスニーカー (長野市 武田 芳子)
海だ海飛びたがつている夏帽子 (横浜市 佐藤 満)
梅雨晴間心の湿り干しにけり (枚方市 川畑 富士美)
群青の山並み見えて夏近し (柏原市 田倉 あけみ)
読み返す妣(はは)の日記や梅雨探し (寝屋川市 米澤 玲子)
蛍火の叶はぬ恋もありにけり (河内長野市 岩本 正捷)
梅雨寒や背に温もりの夫の椅子 (茨城・利根町 五十嵐 和枝)
紫陽花はまだ咲いているデイの庭 (群馬・みなかみ町 吉野 仍次)

【産経テーマ川柳】テーマ 国旗
今の子は日の丸の旗歌えない (青森・鶴田町 佐藤 均)
旗日とは何のことかと孫は問う (高崎市 枝窪 俊夫)
日の丸は昔はちまき今はほっぺ (大阪市 貴村 旦)
祝日に国旗揚げる家いずこ (土浦市 森田 正恵)
見上げれば自然と垂れる頭かな (日高市 戸張 久男)
勝手に論愚選
【毎日俳壇2026.07.14】
[小川 軽舟 選]
白百合やパンツスーツの女学生 (奈良市 大塚 裕子)
片陰は向こう側なりバスを待つ (春日市 林田 久子)
静かなる満員電車梅雨深し (鎌倉市 小川 求)
大瓶の麦鮭(ビール)を並べ昭和の日 (東京 鈴木 明治)
万緑や倒木眠る神の池 (姫路市 辰己 擁子)

[西村 和子 選]
石段を駆け上がるかに夏の蝶 (下野市 石井 光)
橋脚の落書き濡らす走り梅雨 (川越市 大野 宥之介)
駄菓子屋の隅に父の日のコーナー (紀の川市 中島 走吟)
黒南風(くろはえ)や止まつたままの観覧車 (倉敷市 行本 章充)

[井上 康明 選]
恍惚の手を引きくぐる茅の輪かな (浜松市 
朝靄(もや)へ消えゆくザック遠郭公 (朝倉市 鳥井 てんせき)
今夜また夜遊びらしきなめくじり (横浜市 菅沼 葉二)
向学のたゆまぬ歩み雲の峰 (野田市 塩野谷慎吾)
夕星の爛爛とある旱(ひでり)梅雨 (唐津市 梶山 守)

[片山 由美子 選]
夜行バス降りて洗顔明易し (那須塩原市 谷口 弘)
みつ豆やどこで終へてもいい話 (東京 渡邊 顕)
県境の杭(くい)まくなぎの只中に (浜松市 野畑 明子)
梅雨寒や夜の豚汁の具沢山 (志木市 谷村 康志)
大川に屋形船の灯夏夕べ (池田市 高倉 明子)
梅雨冷えの鉄階段のよく響く (東京 吉田かずや)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.07.18】
横澤 放川 選]
機器溢れ木の葉溢れ風薫る (佐久 上田 美紀)
(評)現代の利便と弊害をひとことで表出したような句だ。神経の痛む日々に風薫るが却って痛烈。
外の国の累卵(るいらん)思へ鵙(もず)高音 (石巻 石の森市朗)
(評)累卵の危うさはこの国にもというのだ。防衛と侵略は憲法の箍が外れるならいつでも紙一重。)
いくつまで共に湯に入る妹兄鳥 (大船渡 桃心地)
いつまでの北京詣や花潜り (山口 吉次 薫)
住吉つさん楠の緑陰冷しあめ (寝屋川 川上 純一)
一枚の女夫(めおと)形代切取線 (広島 山根 吉久)
青き香を束ねて太き茅の輪かな (尾張旭 古賀 勇里央)

[神野 紗希 選]
一生一瞬私の死後も胡桃(くるみ)咲く (東京 河原 千代女)
夢 ひるがおに覆われたミサイルの (さいたま 武智 しのぶ)
自づから前髪割れてすももに唇 (久留米 川上 敦子)
一艘のヨットのための朝の風 (横須賀 丹羽 利一)
平和とふ未完なるもの慰霊の日 (柏 物江 里人)
夜来の雨泰山木の花溢れ (東京 堀川 英嗣)
棚田統べ風は芒種となりにけり (横浜 正谷 タミオ)
月ふれる蝦蟇(がま)の波紋の消ゆるまで (札幌 平石)
勝手に論愚選
【読売俳壇2026.07.14】
[高野 ムツオ 選]
たたかはぬ角のびのびと蝸牛 (加古川市 東田 強)
深緑が目に飛び込むが痛くはない (塩尻市 神戸 千寛)
鵜篝(うかがり)やずぶぬれの鵜を照らしをり (宮崎市 長友 聖次)
玉虫の天平の色失わず (町田市 谷川 治)
今生の声いくえにも蝉時雨 (東海市 斎藤 浩美)
玄関においてけぼりの夏帽子 (東京都 山田真理子)

[正木 ゆう子 選]
沙羅双樹(さらそうじゅ)遠い約束せぬように (西宮市 岡野 園子)
月の夜も闇夜も烏瓜(からすうり)の花 (佐野市 高橋 すみ子)
乗客を窓よりあらふ青葉風 (長岡京市 みつき みすず)
土砂降りのさなか蜘蛛の巣編み上がる (石川県 青い)
巻き舌の赤翡翠(しょうびん)や浅き夢 (新潟県 冬木 陽介)
ズッキーニの受粉せねばと早起きす (熊谷市 飯塚 ふみ江)

[小澤 實 選]
靴下を嗅いで梅雨入(ついり)を確信す (長野県 村田 実)
海と空光り沖縄慰霊の日 (土浦市 今泉 準一)
九条に守られてゐる端居かな (八王子市 徳永 松雄)
伸びきつて力失せたる雲の峰 (東京都 望月 清彦)
マンドリン少し弾く朔太郎の忌 (伊賀市 福沢 義男)

[津川 絵理子 選]
梅干と愚直の人は苦手なり (栃木県 あらゐひとし)
シーツ干す明けつぴろげな青空へ (新発田市 加藤じゃすみん)
泛(うか)びくる巡邏(じゅんら)赤灯海霧深し (札幌市 村上 紀夫)
梅雨夕焼夜勤ナースの靴の音 (総社市 早風 貞夫)
蝮草(まむしくさ)薩摩に千の熊襲穴(くまそあな) (霧島市 秋野 三歩)
今は無き星も交じらん星涼し (神奈川県 中島 やさか)
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.07.16】
[宮坂 静生 選]
原発の浜きらめけり夜光虫 (草津市 あびこたろう)
澱河(よどがわ)に緑滴る男山 (藤井寺市 矢羽野 隆男)
光り合ふ緑の中の卵焼 (枚方市 船橋 允子)
あの世からやつて来たりし土用波 (相模原市 はやし 央)
夜濯や旅の一座の斬られ役 (島根・奥出雲町 重親 峡人)
あぢさゐや露地に生まれて露地に死す (合図若松市 櫻井 潤一)
完熟の梅手の平を優しくす (横浜市 津田 壽)
難問山積ぶつかき氷かみくだく (横浜市 近江 満理子)
嘱託の手ぶら通勤アロハシャツ (志木市 谷村 康志)
ケーテンの若きバッハや青葉風 (伊賀市 福沢 義男)

[対馬 康子 選]
夏木立どの木が嘘と知っている (蕨市 深谷 紀夫)
川音に濁点なくて初蛍 (御所市 谷原 さとみ)
時の日や埠頭に砂のピラミッド (神奈川・大磯町 大久保 惠美)
人生は談話コーナー夏の雲 (宇都宮氏 田村 成夫)
賛美歌の聞ゆ朝(あした)や田水ひく (枚方市 加藤 美保子)
一身に地の闇を負ひ濃紫陽花 (東京・豊島 酒井 月子)
明易し一輪挿しの碧(あお)く透け (大阪市 北芝 ゆう子)
理髪屋の営業中の金魚かな (東京・江東 藤ヶ谷 国柱)
終活にいそしみ終えて夕日眺む (新座市 野村 きくゑ)

【産経テーマ川柳】テーマ ポリ袋
スーパーで指舐め開けるポリ袋 (尼崎市 徳岡 伸應)
ご近所もギューギュー詰めのゴミを出し (泉大津市 保髙 林二)
捨てません最後はポチの散歩用 (富田林市 松島 きよみ)
母野菜子はお菓子の詰め放題 (泉南市 片木 威)
「ポリ袋減ったな」と言う桜鯛 (門真市 和泉 雄幸)
生い立ちを知って見直すポリ袋 (大阪市 奥田 由佳子)
勝手に論愚選
【朝日俳壇2026.07.12】
[長谷川 櫂 選]
分け入れば地球の匂ひ夏の草 (東村山市 内海 亨)
帰省して家中手摺ばかりなり (横浜市 我妻 幸男)
空気にも黴(かび)生えるらし五月闇 (大津市 星野 暁)
茄子漬一本のみの昼の飯 (日進市 松山 眞)

[大串 章 選]
雷鳴に生まれたての子反応す (前橋市 荻原 葉月)
此の世への点滴のごと滴れり (相模原市 渡辺 一充)
逆縁の百九歳や梅雨寒し (東京都杉並区 伊東 澄子)

[高山 れおな 選]
風死してトリリオネアは火星へと (さいたま市 関根 道豊)
黴にさえ功罪のあり神酒汲む (東京都 中央区 久塚 謙一)
甚平を追い越していくあつぱつぱ (松山市 杉山 望)

[小林 貴子 選]
美輪明宏逝き蛍火の舞う (、横浜市 飯島 幹也)
玫瑰(はまなす)やタンカー刻々とよぎり (横浜市 藤木 義弘)
白靴の男てんぷら塩で食ぶ 各務原市 林 哲彦)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.07.11】
[横澤 放川 選]
花摘むと鎌置き藪へ草刈女 (東京 朝田 黒冬)
(評)仏のための花だろうか。生活のさまざまな情景のひとつが坦坦と詠われて趣のある句となった。
友よ吾に素服(そふく)着せるな春の雨 (小池 中島 和代)
吾が妻と結びし五月来たりけり (横浜 南里 要)
昭和史を閉ぢて一服柏餅 (川﨑 野村 邦男)
戦争を起こさぬやうに夏燕 (北名古屋 梅田 昌孝)
施設探し倦(う)みていつしか夏衣 (東京 山口 樺風)
孑孑(ぼうふら)の浮力重力水の中 (白井 毘舎利 道弘)
川は朧につげ義春の立つて居り (久喜 眞田 忠雄)
麦飯や弁当三つを母の朝 (柏 小畑 昌司)

[神野 紗希 選]
兜虫枕詞はくろがねの (金沢 岩本 卓夫)
詩篇閉じる洗濯挟みさみだるる (東京 森川 雅美)
頭掻くしぐさの蟻や卓の上 (札幌 長谷川 淑子)
除草剤蒔くわたくしと民主主ギ (塩尻 神戸 千寛)
梅雨時や白く幼く団子虫 (横浜 島田 あき子)
混んでますつばめも人も善光寺 (上尾 豊楽)
ディズニーに並ぶ浴衣の力士かな (東京 小西 謙作)
迸(ほとばし)る水のにほひや花菖蒲 (町田 枝澤 聖文)
永劫(えいごう)に殺戮(さつりく)の星夏あざみ (石巻 石の森市朗)
針山に妣(はは)の針錆(さ)ぶ夏の果 (藤宮 
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.07.09】
[宮坂 静生 選]
短夜や母の背中の山深く (湖西市 マー姉ちゃん)
(評)夏の夜は短い。夜中に母の背中を何回もさすってやった。痩せてごつごつ、身を粉にして働いてきた。文字通り山あり谷あり。涙が出そう。もうすぐ夜が明ける。
嫌なことすべて忘るる鮑(あわび)かな (北名古屋市 月城 龍二)
守宮(やーるー)や祈りの島の龍の歌 (西宮市 辻󠄀 敏子)
卯の花腐し東海林さだおの訓(おし)え (宇都宮市 大淵 久幸)
一羽づつ子の現るる浮巣かな (相模原市 はやし 央)
角島(つのじま)やおいでませてふ青岬 (羽曳野市 岡田 猛)
ボール蹴る相手は夕日麦の秋 (千葉氏笹沼 郁夫)
冷奴あはれ人生一度とは (合図若松市 櫻井 潤一)
戦争を続ける奴へ赤蝮 (浜松市 宮田 久常)

[対馬 康子 選]
月よりのたより手繰りしところてん (福岡市 玉野 忠)
(評)ところてんを手繰る何げない所作が月の便りへとつながる。透明感ある涼味と夢が美しく溶け合う。軽やかな想像力が読者を楽しませる一句。
皮を脱ぐ蛇痒いとこおまへんか (守山市 岡田 英隆)
ビル群に押し戻さるる緑夜かな (東京・世田谷 中島 暁子)
杜抜ける異界の風や薪能 (国分寺市 野々村 澄夫)
トラクターがゆく白鷺が後つける (枚方市 船橋 允子)
後の世に託す一途や落し文 (富田林市 新川 尹洋)
方舟(はこぶね)に乗り遅れるな蝸牛 (東京・世田谷 石川 昇)
葉桜を小さく揺らしラブソング (広島市 上林 功)

【産経テーマ川柳】テーマ はがき
すぐ届くはずが四日目同じ町 (泉南市 片木 威)
ハガキ大サイズ教えて令和の子 (泉佐野市 射手矢 光雄)
載ってくれポスト拝んではがき出す (東京・足立 津田 隆)
ハガキは手書きですかと局員が (東京・中野 西久保 好子)
孫からのハガキは高いものにつき (さいたま市 池嶋 久春)
今年こそ「会おうね」書いて二十年 (横浜市 金山 久美子)
はがき買う郵便局で顔なじみ (角田市 目黒 尚美)
勝手に論愚選
【毎日俳壇2026.07.06】
[片山 由美子 選]
子犬の名問ふや日傘をさしかけて (芦屋市 水越 久哉)
木屋町の水の匂へる麻暖簾 (千葉市 畠山 さとし)
大粒の雨が斜めに立葵(たちあおい) (長浜市 中島 正則)
朝顔市売物でなき一鉢も (奈良市 梅本 幸子)
風を切る音の眩しき夏つばめ (前橋市 木下 美樹枝)

[小河 軽舟 選]
人生に使ひ倒され籐寝椅子 (伊賀市 福沢 義男)
梅雨寒や家裁にひらく遺言書 (東京 関口 昭男)
虹消えて歩き出したる二三人 (つくば市 吉田 潭楓)
本堂に涼風通り半夏生 (仙台市 川合 進)

[西村 和子 選]
山小屋を踏み破りたるはたた神 (枚方市 門川 清秀)
諦めの声漏らしたり梅雨鴉 (大阪市 立川 六珈)
いつ見ても平和そのもの蟻地獄 (茅ヶ崎市 古田 哲弥)
入相(いりあい)の鐘の音濡らし五月雨(さつきあめ) (浜松市 久野 茂樹)
真夜中の新樹の風の吹くばかり (岸和田市 板原 克介)

[井上 康明 選]
アメ横は亜細亜の匂ひ夕薄暑 (東京 徳原 伸吉)
千年の風の中なる夏祭り (真岡市 小川 充)
千体の仏の静寂(しじま)花擬宝珠(はなぎぼし) (加古川市 伏見 昌子)
妹の小さき顔やサングラス (北名古屋市 月城 龍二)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.07.04】
[横澤 放川 選]
年毎に心は急ぐ花かつみ (愛知 大成 金吾)
(評)万葉集に見る花かつみは真菰(まこも)のことではないかという。かつてに掛かる序詞(じょことば)に用いられもする。人生規模においても追われ心はも。
大いなる影に遅るる黒揚羽 (北名古屋 梅田 昌孝)
(評)達者な写生句だ。地面を奔る影に驚き見上げればその蝶の姿なのだ。その心理経過が如実に表現されている。黒装の蝶の精悍さよ。
いちご狩人間を狩るあの人間 (塩尻 神戸 千寛)
七変化妻の顔色きのふけふ (三豊 小野 明則)
草灰をふしゆつと塗(ぬら)しじやが植うる (流山 伝田 幸男)
余生今何色ならん七変化 (東京 火埜鬼王)
猫の目や菊戴(きくいただき)の鳴くたびに (前橋 小口 泰興)
薬袋に蛍を封ず往診医 (東大阪市 滋賀 克毅)
早苗饗(さなぶり)やビルマ語まじる千曲川 (東京 和田 宗春)
鮒鮓(ふなずし)を押す姉川の川原石 (枚方 秋岡 実)
麦秋や昭和匂へる発動機 (横浜 宮﨑 一風)

[神野 紗希 選]
口紅を新調いつもの窓にやもり (大野城 野分 のわ)
フロックス聞こえなかったけど笑ふ (松原 たろりずむ)
帰って来い朝顔蒔いておくからね (鹿児島 齋藤 健夫)
幾つもの正義は知らず馬躑躅(うまつつじ) (東京 永井 良雄)
アンネの薔薇は光恋ふらむ園の樹下 (所沢 鈴木 征子)
連弾の果てて蘭鋳(らんちゅう)うしろ向く (東京 齋藤 敏子)
夏至の夜神殿の灯にエトナの火 (東京 市丸 博之)