論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【読売俳壇2024.07.22】
[矢島 渚男 選]
あきらめの早さは金魚掬(すく)ひにも (千葉市 鶴谷 雪子)
今日も藁敷き足す西瓜の蔓の先 (下田市 森本 幸平)
週一の朝刊買ひに麦わら帽 (枚方市 安達 京子)
毛虫焼く彼は今でもサユリスト(栃木県 あらゐ ひとし)
ときめきて烏揚羽の胸を押す

[高野 ムツオ 選]
捩花(ねじばな)や地を出て空へねじり立つ (神奈川県 武 昭好)
払う手にまたよじ登り来るや蟻 (高松市 入田 葉子)
蠢(うごめ)くや見捨てられたる蜥蜴の尾 (川越市 益子 さとし)
ラーメンのなるとの渦よ晩夏光 (入間市 吉野 美波)

[正木 ゆう子 選]
飛行機で入道雲の悩み聞く (東京都 藤ヶ谷 国柱)
寝転んでダニと目が合う古畳 (湯沢市 西村 良子)
メロディアスでないのも沁みる更衣 (羽村市 田中 哲也)
草原の包(パオ)に降る星大銀河 (白河市 円谷 淑子)
羽根たたみそこねて天道虫転ぶ (湖南市 瀧井 正之)

[小澤 實 選]
鶏の喉(のんど)ごくりと蚯蚓(みみず)呑む (武蔵野市 相坂 康)
片陰に入れてもらへぬ最後尾 (名古屋氏 可知 豊親)
他人の句をたくさん読めと生身魂(いきみたま) (加須市 佐藤 貴白草)
勝手に論愚選
【朝日俳壇2024.07.21】
[高山 れおな 選]
満月を残して夏至の暮れゆけり (埼玉県皆野町 宮城 和歌夫)
逝く夏や廃墟の如く佇(た)つ自由 (船橋市 斉木 直哉)
(評)虚無感と自恃と。
ナイターのフライのふはりふはりかな (安曇野市 望月 信幸)
(評)照明の中にちらつく球筋。一茶に〈むまさうな雪がふうはりふはり哉〉。
変哲も無くて粕壁楸邨忌 (越谷市 安居院 半樹)
厨房に立つ火柱の涼しさよ (香芝市 土井 岳毅)

[小林 貴子 選]
人生は四コマ漫画蟻の道 (諫早市 篠崎 清明)
あぢさゐを支へる茎のしなやかさ (草津市 井上 次雄)
怪獣は一人暮らしや豆御飯 (神戸市 倉本 勉)
蛍籠めく終電車並び過ぐ (我孫子市 藤崎 幸恵)
飛魚の一身匕首(ひしゅ)のごとしとも (羽咋市 北野 みや子)

[長谷川 櫂 選]
想ひ出は降水の香と共に消ゆ (東京都世田谷区 潮田 泰之)
あめんぼや命の軽き水の星 (津市 櫻木 博文)
出目金の溺れかけてはまた浮かぶ (伊万里市 萩原 豊彦)
アウトリガーカヌーは真っ赤晴子の忌 (横浜市 正谷 民夫)
病める身の形代へ吹く息深し (高山市 大下 雅子)
角出さずじつと一日蝸牛 (国分寺市 石川 春子)

[大串 章 選]
夏座敷母の柩と眠りけり (大村市 小谷 一夫)
隠沼(こもりぬ)を見つけて浮かぶ露の月 (仙台市 柿坂 伸子)
カウンター店主も客もアロハシャツ (東京都板橋区 竹内 宗一郎)
泳がねば沈むほかなき海月かな (いわき市 馬目 空)
勝手に論愚選
【産経俳壇2024,07.18】
[宮坂 静生 選]
六月やおくやみらんの無き戦争 (塩尻市 神戸 千寛)
(評)戦死者には一人一人お悔やみ欄がない。一からげ何人の報道で済まされる。戦場では命を考えない。数が多いほどドラマに沸く。終戦を望む。
乳牛を運ぶ無蓋車麦の秋 (名古屋市 可知 豊親)
河骨(こうほね)や水素自動車時代待つ (横浜市 津田 壽)
難民を海へ還して雲の峰 (浜松市 宮田 久常)
遠花火壁にザイルと医師免許 (横浜市 近江 満里子)
沙羅の花すつとちからのぬけてゆく (明石市 小田 和子)
夕さりや梅雨蜩の届く谷戸(やこ) (姫路市 玉作 菜々緒)

[対馬 康子 選]
形代の如き薄っぺらな僕かな (奈良市 山本 啓介)
(評)本来の神事にそぐわない詠み方だが、身代わりの形代の薄い軽さに思わず現実的な感情が入り交じった。「うすっぺらな僕」でも災厄を逃れて、今年も後半へ。
遠雷や未封の手紙卓にあり (大阪狭山市 井倉 布美子)
子規の言ふ六月のかぜ海山に (神戸市 北田 豊子)
笹百合の香を潜りぬけ畝傍山 (枚方市 安達 京子)
小満や木々に注ぎし雨の音 (さいたま市 池嶋 久春)
湯上がりのやうな太陽緑雨やむ (西宮市 辻󠄀 敏子)

【産経テーマ川柳】テーマ 墓
昔墓地今は都会の一等地 (東京・江東 福川 光男)
墓の中個室欲しいと妻ぽつり (東京・目黒 永井 邦雄)
代行料距離に充当加算され (東京。荒川 佐々木 重雄)
墓石も漬物石も継がぬ嫁 (池田市 森 純也)
霊園がネット墓参を開始する (流山市 山本 万作)
勝手に論愚選
【日経俳壇2024.07.13】
[横澤 放川 選]
踏台へ乗つて青嶺に白布干す (須賀川 関根 邦洋)
以和為貴(和を以て貴しとなす)あつぱつぱ (名取 里村 直)
畳屋の青葉若葉の仕上針 (那須塩原 谷口 弘)
サイダーや雲の沸き立つ浅間山 (前橋 小口 泰興)
余花惜しむ黒田杏子の知らぬ余花惜しむ (大船渡 桃心地)
東京の娘元気か桐の花 (三豊 小野 明則)
竜舌蘭天に昇りて咲きはじむ (東京 火埜 鬼王)
滝がしら手綱ゆるめる如く落つ。

[神野 紗希 選]
様々な人類海月水族館 (上尾 中野 博夫)
(評)水族館の海月から見れば、硝子のこちらの我々も物珍しい「人類」だ。季語という他者が人類の客観視を促す。
蝙蝠に心臓あたたかく逆さ (さいたま 武智 しのぶ)
(評)逆さまの蝙蝠(こうもり)の鼓動、闇に溶ける体温が愛おしい。
億年を蛾で押し通し夜に舞ふ (大垣 大井 公夫)
かたつむりAIよりも賢き目 (八王子 春 風)
がまがへる陽が落ちるまで居てください (名取 里村 直)
(評)生の心細さに震えつつ、がまがえると落日を浴びる。その切実。
離郷には応じぬ母の洗ひ髪 (志木 谷村 康志)
冷房やよいしよと猫を首に巻く (神戸 井上 徳一郞)
勝手に論愚選
【朝日俳壇2024.0714】
[大串 章 選]
水槽に儚きいのち烏賊泳ぐ (三鷹市 小原 英之)
(評)「儚(はかな)きいのち」が切ない。水槽の烏賊(いか)は殆ど刺身や煮物になって命を失う。
ゆるぎなき兜太語録や夏の山 (東京文京区 片岡 マサ)
籐寝椅子終の眠りを練習す (札幌市 近藤 由香子)
一匹の蜷(にな)居て蜷のみちがあり (今治市 横田 青天子)
遠花火逢瀬の余韻消えぬまま (天童市 高橋 ゆり子)
出漁のできぬ被災地蝉の殻 (福島県伊達市 佐藤 茂)

[高山 れおな 選]
前橋の暑さを友に詩碑巡り (伊賀市 福沢 義男)
朝市の見ゆる茅の輪をくぐりけり (東金市 村井 松潭)
ほうたるややさしきのもはみなとほし (大津市 板垣 蚌珠)
向日葵のかくも明るき地震源 (高山市 大下 雅子)
蛇の衣とは華麗なる落し物 (吹田市 小井川 和子)

[小林 貴子 選]
尺とりの体半分づつ進む (川越市 渡邉 隆)
遺影だが芍薬似合う男振り (大阪市 長島 敬子)
丸洗ひしたき政治や荒き梅雨 (横浜市 高野 茂)
ばたつくをひっくり返し天瓜粉(てんかふん) (川崎市 益子 さとし)
この宵は星の声する蛍狩 (高砂市 小柳 献爾)

[長谷川 櫂 選]
暗闇に山椒魚の水動く (静岡市 松村 史基)
袋布(ふくろぬの)触ればぬるき水のごと (茨城県河内町 吉村 巌)
若き日のロシアの旅の蚊遣香(かやりこう) (川越市 渡邉 隆)
恥知らぬ国となりたり桜桃忌(おうとうき) (藤沢市 朝広 三猫子)
疲れたと言い出せなくて蟻の列 (筑紫野市 二宮 正博)
勝手に論愚選
【日経俳壇2024,06.29】
[横澤 放川 選]
黄雀風津波の死者の輪廻から (大船渡 桃心地)
(評)中国の俗伝だ。盛夏を呼ぶこの湿気を含んだ風が吹くと海魚が黄雀に変ずるとか。巡る年につけ薄れさすまじき記憶。
春落葉母は生涯産土に (本巣 三木 みどり)
闌湯や戦闘好きの霊長類 (名古屋 加藤 國基)
憲法の日や平凡に生きている (東京 森川 雅美)
植田より見送る文金高島田 (島根 重親 峡人)

[神野 紗希 選]
花器の花うなだるる人類の夏 (横須賀 門馬 恵子)
(評)地球沸騰化の夏、花も人類もぐったりと。日常から地球を考えるのが現代だ。
短夜やいま飲み終へし哺乳瓶 (東京 岡田 俊之)
ブラウスの城の眩しさ枇杷熟るる (尾張旭 小野 薫)
夏の雲速し言失す妻と生く (鹿嶋 笹木 悠人)
勝手に論愚選
【朝日俳壇2024,07,07】
[長谷川 櫂 選]
青々と氷河の動く夏来る (小城市 福地 子道)
(評)涼のかたまりのような一句。この句で夏を乗り切る。
蟻地獄ちから渦巻くくにざかひ (福島県伊達市 佐藤 茂)
(評)国と国がぶつかり合う国境。蟻地獄ならぬ人間の地獄。
空爆のなき空涼し星遊ぶ (東京都杉並区 漆川 夕)
海中に真珠の寝息南吹く (千葉市 丸本 雄三)
幻の翼広げて昼寝の子 (八王子市 額田 浩文)

[大串 章 選]
祝白寿卒寿傘寿の昼ビール (川崎市 神村 謙二)
(評)白寿(99歳)の祝いに集う卒寿(90歳)傘寿(80歳)の人たち。
生かされて為すこと多し茄子の花 (春日市 春林 いく子)
白髪に茶髪も混じり溝浚(さら)え (奈良市 上田 秋霜)
日傘買いすこし遠出をしたくなる (厚木市 北村 純一)
出会ふ人皆に会釈や花野逝く(洲本市 髙田 菲路)
夏薊(なつあざみ)江戸へ十里の古道標 (柏市 藤嶋 務)
緑風や未来へと押す乳母車 (前橋市 山本 和裕)

[高山 れおな 選]
周期ゼミ素数の門をいくつ過ぐ (越谷市 新井 高四郎)
(評)2種の素数蟬が221年ぶりに同時発生。「素数の門」が自然の神秘を思わせる。
炎帝の義足しずかに立ち上がる (東京都新宿区 各務 雅憲)
(評)炎天下に義足の人がいる事実が、「炎帝の義足」という縮約表現で幻想と化した。
七夕や千々に乱るる東京都 (東京都練馬区 吉竹 純)
(評)千々=知事の懸詞に一笑。さて結果は。

[小林 貴子 選]
にぎやかなかなしみの列蟻の列 (さいたま市 齋藤 正美)
雲がもう雲がすつかり夏もくもく (朝倉市 深町 明)
父の日とことさら言わず娘来る (取手市 緑川 智)
藪枯らし何でそんなに元気なの (船橋市 佐々木 美禰子)
バリバリと破けるやうにさみだるる (横浜市 前島 康樹)
勝手に論愚選
【産経裁断2024.07.04】
[宮坂 静生 選]
恐竜の匂ひどくだみ増えに増え (横浜市 近江 満里子)
(評)蔓延るどくだみ。その悪臭ともいえる強烈な匂いを「恐竜の匂ひ」とはお見事。恐竜がどんな匂いを放つのか誰もしらないが初めに言った人が勝ち。
あの頃の心の弾み青甜瓜(まくわ) (立川市 石井 百合子)
穏やかな孤独死なりし南風(みなみ)吹く (茨木市 津田 英基)
初鰹初めて父と酒酌みき (東京・大田 市川 廉)
茶摘み唄絶えて久しき村六戸 (宍粟市 宗平 圭司)
月山や滔滔(とうとう)と湧く山清水 (さいたま市 田中 彼方)
一日の始まりはあり夏椿 (上尾市 中野 博夫)

[対馬 康子 選]
蛍火の触れば遠くなる未来 (出雲市 石原 清司)
(評)魔法のつえのように蛍火が何かに触れてゆく。闇の中で蛍がすーと明滅して。見えない時間軸が見えたような境地。過去でも未来でもなく「今」があるだけ。
夕べにははなびら重き花菖蒲 (川崎市 黒澤 仁史)
紅百合に頬火照らせる遺影かな (東京・北 竹内 杉菜)
黄昏に山吹揺れて迎へをり (寝屋川市 米澤 玲子)
暁の空切り裂きて不如帰 (井原市 塩飽 正紀)
幸せは気が付かぬもの柿若葉 (河内長野市 岩本 正捷)
そよりともせいで無聊(ぶりょう)の鯉のばり 大阪・熊取町 神藤 文雄)

【産経テーマ川柳】テーマ カスハラ
カスハラ様AIがリモートにて伺います (大阪市 眞野 弘美)
カスハラのお店に戻る忘れ物 (東大阪市 安井 秀美)
カスハラに接客ロボは知らぬ顔 (泉大津市 寄田 護)
言うべきは実質値上げのレジ袋 (横浜市 野口 博史)
対応がこの時給では安すぎる (明石市 小田 龍聖)
勝手に論愚選
【朝日俳壇2024.06.30】
[小林 貴子 選]
人生の最後の趣味や草むしり (日進市 松山 眞)
月涼し鷹羽狩行の立たずまひ (東京都港区 安田 久実代)
(評)端正な俳句とたたずまいの鷹羽狩行氏の訃報を受けて。
老い涼し小出しに命つかふとき (福岡市 高山 國光)
(評)若い時のように無理はできないが、生きる知恵は深い。
サンダルを履けば嬉しき波寄する (鎌倉市 池戸 誠二郎)
蛇皮線の黙(もだ)は多弁ぞ沖縄忌 (小松市 清水 千華)

[長谷川 櫂 選]
箱庭に人を入れなば戦かな (境港市 大谷 和三)
父の日をそこはかと母はなやぐや (越谷市 新井 高四郎)
あぢさゐの幻の花見て通る (広島県熊野町 中村 竜哉)
ズッキーニの花の天ぷら軽雷す (相模原市 芝岡 友衛)

[大串 章 選]
無人機の田植に主の笑顔かな (前橋市 荻原 葉月)
おほかたを捨てて涼しき卒寿かな (八王子市 長尾 博)
嬉野や四方に新茶の旗なびく (伊万里市 大久保 花舟)
風鈴に祖父母の声の秘かなる (市川市 をがは まなぶ)
利根川の膨らんでいる麦の秋 (横浜市 鍋島 武彦)

[高山 れおな 選]
いつぽんの産毛のごとし子かまきり (日立市 川越 文鳥)
かき氷突く平和の国の子よ (東村山市 高橋 喜和)
初夏の朝霧となり狩行逝く (熊本市 有働 利信)
六月の色になりけり橅の森 (仙台市 岩崎 高士)
蛍火や吾が句憶えし人が逝く (横浜市 飯島 幹也)
入梅や老婆佇む歌舞伎町 (東京都世田谷区 須藤 渉一)
勝手に論愚選
【読売俳壇2024,07.01】
[矢島 渚男 選]
くださいの会釈覚えし子鹿かな (木津川市 島野 秀子)
(評)奈良公園の愛らしい小鹿。煎餅をもらう仕種を覚えたばかり。外国人旅行者にもさぞや人気だろう。芭蕉の句に「灌仏(かんぶつ)の日に生れあふ鹿の子かな」の句がある。
神主も波に揺られる海開き (対馬市 神宮 斉之)
地の底へ引き摺られそう牛蛙 (洲本市 石谷 晴彦)
涼しさや喇叭つたなき豆腐売 (東京都 藤井 正明)

[高野 ムツオ 選]
まくなきの引つ張りあつて群れにけり (常総市 秋田 武)
(評)ヌカカという小さい蚊が一かたまりになって飛んでいるのがまくなぎ。木陰などでよく目の周りにまとわりつく。上下にひっきりなしに動く様をエネルギッシュに表現した。「くなぎ」は交尾のことでもある。
桜島を眼下に逝けり雲の峰 (川越市 益子 さとし)
雲くれば乗りて泰山木の花 (香川県 福家 市子)
竈(へっつい)の湯の踊り出す麻のれん (ふじみ野市 新井 竜才)
昼寝して別の体になりにけり (町田市 枝沢 聖文)
蒼空を混ぜてアスパラ御飯かな (東京都 田中 隆)
空豆の莢守りたきもののあり (東京都 岸 来夢)

[正木 ゆう子 選]
さくらんぼ今日は一粒万倍日 (山武市 川島 隆)
手貸してと言はぬばかりの瓜のひげ (柏市 小畑 昌司)
寝室にブラジル全図夏に入る (川崎市 樫山 道助)
無為自然いよよ蟇棲む畑となり (笠間市 沢崎 だるま)

[小澤 實 選]
始祖鳥は羽毛恐竜夏燕 (日立市 菊池 二三夫)
バルト海列車を載せて舟涼し (香芝市 山本 合一)
純喫茶サンドウィッチにさくらんぼ (甲府市 村田 一広)
野良猫に煮干しやつてるあつぱつぱ (三重県 瀬川 令子)
押されるも押すも白靴車椅子 (八戸市 夏野 あゆね)
誕生日さうだ干しあご焼いてくれ (川口市 高橋 まさお)
蒼あらし洗濯ばさみ四ヶ所に (名古屋市 高橋 まさお)