勝手に論愚選
【日経俳壇2026.-5.09】
[横澤 放川 選]
花あれば吉野の僧の懐かしき (愛西 小川 弘)
(評)歴史の澱(おり)を払って花は花に帰してやらねばならない。こんな花のように。吉野専立寺の住職かつも哲学者だった大峯あきら先生よ。
立犬の陰嚢挿しあるインク壺 (小平 中澤 清)
(評)犬ふぐりに似て、しかし長い花茎を立てるからタチイヌノフグリ。そんな青空のような色の小花をインク壺にとはいとも粋なこと。
田を打てば社翁の雨を呼ぶ燕 (大船渡 桃心地)
(評)春社の日にはてきめんに雨が降る。それをいう面白いことばだ。あたかも燕どちも翔(か)け始め。
テヘランは燃えてゐるかと花に問ふ (東京 金子 文衛)
(評)ヒトラーのパリは燃えているかという悍(おぞ)ましいことばを見事にもじった。なんたる世界情勢か。
小突かれて向き直さるる甘茶仏 (東京 火埜鬼王)
手庇(てびさし)に雲雀の光るこゑを追ふ (水戸 安達 とよ子)
花嵐ガラシアの辞世を口遊(くちずさ)む (町田 湯浅 強)
ある時は礫の如く花吹雪く (兵庫 小林 如水)
花冷えの逆縁の子の柩(ひつぎ)窓 (東京 筑史 善正)
[神野 紗希 専]
撃ちし痕消すまで撃てば薔薇臭ふ (尼崎 池田 誠喜)
(評)弾痕を消すため、さらに撃つ。暴力に暴力を重ねた果てには、美しい薔薇の香すら厭(いと)わしいか。
黒馬の目へ陽炎が炎(も)えうつる (小平 中澤 清)
踝(くるぶし)を預くる平和クローバー (横浜 宮﨑 一風)
ネモフィラの群るサイレント・マジョリティ (鳥取 馬野 慎一郎)
寝不足のキリンの見てる蜃気楼 (名古屋 山守 美紀)
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.05.07】
[宮坂 静生 選]
一日の褒美のやうに夕桜 (西宮市 平田 あい)
天を指し生意気さうな甘茶仏 (広島市 谷口 一好)
鞦韆(しゅうせん)にぶらさがりたるカフカかな (寝屋川市 今西 富幸)
嘴(くちばし)を研(と)ぐ鳥打帽の闘鶏師(名古屋市 可知 豊親)
一吹で三界廻(め)ぐるしゃぼん玉 (千葉市 笹沼 郁夫)
ふり仰ぐ比良の連嶺(れんれい)青嵐 (奈良市 上田 秋霜)
詰め甘き一日となり春うらら (堺市 鈴木 武雄)
天の声めく鶯よ母と居り(湖西市 マー姉ちゃん)
身の内の鬼が蠢(うごめ)く花篝(はなかがり) (名張市 石田 英二)
[対馬 康子 選]
ぶらんこに揺られ下の句忘れけり (つくば市 小林 浦波)
青空に半濁点の春の雲 (奈良市 宮狭 淳泰)
可憐なりみやこへ出ずる花筏(いかだ) (福岡市 玉野 忠)
剪定を終えて真朱(しんしゅ)の空仰ぐ (久喜市 大西 正晃)
春愁やアポリネールの詩に縋(すが)る (伊賀市 福沢 義男)
怪談のつづきや午后の桜餅 (長野市 武田 芳子)
桜しべ降る世の余白ありにけり (橿原市 佐藤 雅之)
神の山仏の山へ花の雲 (さいたま市 長山 弘文)
桜待つ逸(はや)る心の齢重ね (池田市 森 純也)
【産経テーマ川柳】テーマ 買い物
特売品二駅ぐらい守備範囲 (越谷市 宮田 一美)
冷蔵庫テレビエアコン寿命尽き (大阪市 浜下 栄子)
レシートがちょっぴり長い給料日 (芦屋市 池田 みの)
【産経俳壇2026.05.07】
[宮坂 静生 選]
一日の褒美のやうに夕桜 (西宮市 平田 あい)
天を指し生意気さうな甘茶仏 (広島市 谷口 一好)
鞦韆(しゅうせん)にぶらさがりたるカフカかな (寝屋川市 今西 富幸)
嘴(くちばし)を研(と)ぐ鳥打帽の闘鶏師(名古屋市 可知 豊親)
一吹で三界廻(め)ぐるしゃぼん玉 (千葉市 笹沼 郁夫)
ふり仰ぐ比良の連嶺(れんれい)青嵐 (奈良市 上田 秋霜)
詰め甘き一日となり春うらら (堺市 鈴木 武雄)
天の声めく鶯よ母と居り(湖西市 マー姉ちゃん)
身の内の鬼が蠢(うごめ)く花篝(はなかがり) (名張市 石田 英二)
[対馬 康子 選]
ぶらんこに揺られ下の句忘れけり (つくば市 小林 浦波)
青空に半濁点の春の雲 (奈良市 宮狭 淳泰)
可憐なりみやこへ出ずる花筏(いかだ) (福岡市 玉野 忠)
剪定を終えて真朱(しんしゅ)の空仰ぐ (久喜市 大西 正晃)
春愁やアポリネールの詩に縋(すが)る (伊賀市 福沢 義男)
怪談のつづきや午后の桜餅 (長野市 武田 芳子)
桜しべ降る世の余白ありにけり (橿原市 佐藤 雅之)
神の山仏の山へ花の雲 (さいたま市 長山 弘文)
桜待つ逸(はや)る心の齢重ね (池田市 森 純也)
【産経テーマ川柳】テーマ 買い物
特売品二駅ぐらい守備範囲 (越谷市 宮田 一美)
冷蔵庫テレビエアコン寿命尽き (大阪市 浜下 栄子)
レシートがちょっぴり長い給料日 (芦屋市 池田 みの)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.05.02】
『横澤 放川 選』
犬ふぐりその命名者名乗り出よ (甲府 榑林 良直)
残花光戒め一言言えぬ国 (鹿嶋 佐々木 悠人)
(評)この国は一九五一年に独立が認められた主権国家だ。それは連帯の否定ではないが従属でもない。国際社会への責任も問われて。
三田神田早稲田五反田入学生 (東京 吉田 かずや)
鳥雲に母はどの空どのあたり (香芝 中岡 美佐子)
左大臣に父の面影雛飾る (東京 直面)
春待つや大和座りの観世音 (立川 古山 昌之)
亡き妻の所作目にうかぶ彼岸かな (竜ケ崎 北島 光雄)
空知野は滑(なめ)り立つ野火(のび)息(やす)む野火 (札幌 村上 紀夫)
老いさらばえこの世不可思議葱坊主 (島田 石川 博司)
【神野 紗季 選】
方舟の象の背中に蜂光る (町田 川崎 真樹子)
残雪に置かれし赤きトイピアノ (葛城 山本 啓)
メモ残す「鶯餅を買ひに行く」 (横須賀市 丹羽 利一)
花は葉にジョギングシューズは檸檬色 (東京 山崎 力)
自転車のよはきあかりや春の雨 (姫路 田辺 富士雄)
ミサイル錆(さ)びよ改憲案黴(か)びよ (さいたま 武智 しのぶ)
ともしびのゆれる憲法記念日よ (東京 青木 公正)
階段はいつでも斜め黄水仙 (大野城 野分 のわ)
春惜しむロゼのグラスにショパンの譜 (川崎 平澤 元康)
玉子とじ皇居の土手のつくしんぼ (千葉 中村 重雄)
【日経俳壇2026.05.02】
『横澤 放川 選』
犬ふぐりその命名者名乗り出よ (甲府 榑林 良直)
残花光戒め一言言えぬ国 (鹿嶋 佐々木 悠人)
(評)この国は一九五一年に独立が認められた主権国家だ。それは連帯の否定ではないが従属でもない。国際社会への責任も問われて。
三田神田早稲田五反田入学生 (東京 吉田 かずや)
鳥雲に母はどの空どのあたり (香芝 中岡 美佐子)
左大臣に父の面影雛飾る (東京 直面)
春待つや大和座りの観世音 (立川 古山 昌之)
亡き妻の所作目にうかぶ彼岸かな (竜ケ崎 北島 光雄)
空知野は滑(なめ)り立つ野火(のび)息(やす)む野火 (札幌 村上 紀夫)
老いさらばえこの世不可思議葱坊主 (島田 石川 博司)
【神野 紗季 選】
方舟の象の背中に蜂光る (町田 川崎 真樹子)
残雪に置かれし赤きトイピアノ (葛城 山本 啓)
メモ残す「鶯餅を買ひに行く」 (横須賀市 丹羽 利一)
花は葉にジョギングシューズは檸檬色 (東京 山崎 力)
自転車のよはきあかりや春の雨 (姫路 田辺 富士雄)
ミサイル錆(さ)びよ改憲案黴(か)びよ (さいたま 武智 しのぶ)
ともしびのゆれる憲法記念日よ (東京 青木 公正)
階段はいつでも斜め黄水仙 (大野城 野分 のわ)
春惜しむロゼのグラスにショパンの譜 (川崎 平澤 元康)
玉子とじ皇居の土手のつくしんぼ (千葉 中村 重雄)
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.04.30】
[宮坂 静生 選]
春光のくらがり越や握り飯 (寝屋川市 河上 純一)
(評)「くらがり越」は大阪と奈良境の峠。用語には無駄がなく、切れ字「や」が難儀を見事に暗示する。そして、頂上での握り飯で結ぶ。これぞ俳句の典型
地球危機木の間隠れに春の月 (山梨市 石田 初江)
生老病(しょうろうびょう)忘れたやうに大朝寝 (高砂市 今井 慎一)
薔薇の芽やささいな怒りおさまらず (町田市 枝澤 聖文)
葉桜の入学式となりにけり (東京・世田谷 石川 昇)
雛街道1枚羽織るもの持ちて (横浜市 石井 公子)
春風に雪を割る音行者小屋 (登校・渋谷 山口 照男)
生真面目で通すしかなし諸葛菜(しょかつさい) (横浜市 近江 満里子)
かたくなにおのれとぢたる牡丹の芽 (宇陀市 泉尾 武則)
白髪になりし君なり花の下 (千葉市 笹沼 郁夫)
じゃじゃ馬のバルドー知るや花ミモザ (立川市 堀江 孝晴)
[対馬 康子 選]
癌退治玄関に真白きカサブランカ (横浜市 金山 久代)
唇を差し出すやうに藪椿 (川西市 森野 幹子)
目借(めかり)どき虫の顔して起きてくる (横浜市 佐藤 満)
道場の畳を拭いて更衣 (堺市 鈴木 武雄)
AIに見えぬ哀しみ春の海 (宇治市 濱岡 学)
青空へ一樹に万の辛夷(こぶし)咲く (堺市 鈴木 静子)
我が庭に空が開いてうぐひすが (枚方市 船橋 允子)
晴着着てうつむく右手に桃の花 (館林市 渋沢 辰朗)
【産経テーマ川柳】テーマ ゲーム
友ゼロに一人長生き罰ゲーム (大阪市 吉村 敏明)
七転び八起き人生ゲーム中 (羽村市 野邊 耕造)
出る杭をゲームのように打つ職場 (高島市 谷口 由子)
【産経俳壇2026.04.30】
[宮坂 静生 選]
春光のくらがり越や握り飯 (寝屋川市 河上 純一)
(評)「くらがり越」は大阪と奈良境の峠。用語には無駄がなく、切れ字「や」が難儀を見事に暗示する。そして、頂上での握り飯で結ぶ。これぞ俳句の典型
地球危機木の間隠れに春の月 (山梨市 石田 初江)
生老病(しょうろうびょう)忘れたやうに大朝寝 (高砂市 今井 慎一)
薔薇の芽やささいな怒りおさまらず (町田市 枝澤 聖文)
葉桜の入学式となりにけり (東京・世田谷 石川 昇)
雛街道1枚羽織るもの持ちて (横浜市 石井 公子)
春風に雪を割る音行者小屋 (登校・渋谷 山口 照男)
生真面目で通すしかなし諸葛菜(しょかつさい) (横浜市 近江 満里子)
かたくなにおのれとぢたる牡丹の芽 (宇陀市 泉尾 武則)
白髪になりし君なり花の下 (千葉市 笹沼 郁夫)
じゃじゃ馬のバルドー知るや花ミモザ (立川市 堀江 孝晴)
[対馬 康子 選]
癌退治玄関に真白きカサブランカ (横浜市 金山 久代)
唇を差し出すやうに藪椿 (川西市 森野 幹子)
目借(めかり)どき虫の顔して起きてくる (横浜市 佐藤 満)
道場の畳を拭いて更衣 (堺市 鈴木 武雄)
AIに見えぬ哀しみ春の海 (宇治市 濱岡 学)
青空へ一樹に万の辛夷(こぶし)咲く (堺市 鈴木 静子)
我が庭に空が開いてうぐひすが (枚方市 船橋 允子)
晴着着てうつむく右手に桃の花 (館林市 渋沢 辰朗)
【産経テーマ川柳】テーマ ゲーム
友ゼロに一人長生き罰ゲーム (大阪市 吉村 敏明)
七転び八起き人生ゲーム中 (羽村市 野邊 耕造)
出る杭をゲームのように打つ職場 (高島市 谷口 由子)
勝手に論愚選
【朝日俳壇2026.04.26】
[高山 れおな 選]
戦争を始めた男囀(さえず)れる (京都市 加藤 しげお)
存在やエイプリルフールの闇に湧く (さぬき市 鈴木 幸江)
賢者めざめよ虫だしの雪ひとつ (松山市 杉山 望)
桜みる母ががいちばん好きな母 (上尾市 宮本 幸子)
野火走る棚田の形そのままに (大和郡山市 宮本 正勝)
平台の新入生の読むべき本 (川崎市 多田 敬)
[小林 貴子 選]
さくらさくらひらがなでかくひらひらと (札幌市 三船 悦子)
耐へらるるほどの孤独と花吹雪 (東京都杉並区 漆川 夕)
はんだづけされたるやうながうなかな (東京都板橋区 竹内 宗一郎)
二歳児に姉御肌あり春の闇 (静岡市 名田 幸一)
縄文と変わらぬわれや磯遊 (大津市 中村 良一)
姉逝きぬ甥等姪等と花の刻(とき) (‘伊那市 北原 喜美恵)
[長谷川 櫂 選]
戦争で始まるニュース春の朝 (横浜市 白川 修)
花の下深き眠りの石舞台 (伊丹市 保理江順子)
戦地から来たやうに飛ぶ濡れつばめ (浜松市 尾内 甲太郎)
三度目の吉野は閑(しず)か花の雨 (岡山市 三好 泥子)
桜貝波のかたちに並びけり (金沢市 山内 繭彦)
[大串 章 選]
百歳のピアノの音色春うらら (島原市 岡崎 潤子)
一人死にひとり生産まれて島の春 (宍粟市 岩神 刻
老二人絵本みてゐる春夜かな (大阪市 島だ 和子)
四阿(あずまや)の椅子は切株つばめ来る (東京都杉並区 齋藤 保志)
能面の表情豊か花篝(はなかがり) (国分寺市 後藤 真理子)
村の名のまたひとつ消ゆ山ざくら (長野市 縣 展子)
街騒(まちざい)に遠く落花を徘徊す (柏市 藤嶋 務)
【朝日俳壇2026.04.26】
[高山 れおな 選]
戦争を始めた男囀(さえず)れる (京都市 加藤 しげお)
存在やエイプリルフールの闇に湧く (さぬき市 鈴木 幸江)
賢者めざめよ虫だしの雪ひとつ (松山市 杉山 望)
桜みる母ががいちばん好きな母 (上尾市 宮本 幸子)
野火走る棚田の形そのままに (大和郡山市 宮本 正勝)
平台の新入生の読むべき本 (川崎市 多田 敬)
[小林 貴子 選]
さくらさくらひらがなでかくひらひらと (札幌市 三船 悦子)
耐へらるるほどの孤独と花吹雪 (東京都杉並区 漆川 夕)
はんだづけされたるやうながうなかな (東京都板橋区 竹内 宗一郎)
二歳児に姉御肌あり春の闇 (静岡市 名田 幸一)
縄文と変わらぬわれや磯遊 (大津市 中村 良一)
姉逝きぬ甥等姪等と花の刻(とき) (‘伊那市 北原 喜美恵)
[長谷川 櫂 選]
戦争で始まるニュース春の朝 (横浜市 白川 修)
花の下深き眠りの石舞台 (伊丹市 保理江順子)
戦地から来たやうに飛ぶ濡れつばめ (浜松市 尾内 甲太郎)
三度目の吉野は閑(しず)か花の雨 (岡山市 三好 泥子)
桜貝波のかたちに並びけり (金沢市 山内 繭彦)
[大串 章 選]
百歳のピアノの音色春うらら (島原市 岡崎 潤子)
一人死にひとり生産まれて島の春 (宍粟市 岩神 刻
老二人絵本みてゐる春夜かな (大阪市 島だ 和子)
四阿(あずまや)の椅子は切株つばめ来る (東京都杉並区 齋藤 保志)
能面の表情豊か花篝(はなかがり) (国分寺市 後藤 真理子)
村の名のまたひとつ消ゆ山ざくら (長野市 縣 展子)
街騒(まちざい)に遠く落花を徘徊す (柏市 藤嶋 務)
勝手に論愚選
【毎日俳壇2026.04.27】
[西村 和子 選]
水筒の中は空っぽチューリップ (松戸市 森 美奈子)
歌半ば声のつまりし卒業歌 (東京 黒川 さと子)
日曜の朝刊ひらく初ひばり (八街市 山本 淑夫)
見納めの渡船のゆくや朧月 (尾道市 山口 恭子)
[井上 康明 選]
初めての家庭訪問山桜 (真岡市 下和田 真知子)
太陽を閉じこめ夜のチューリップ (浦安市 植村実川喜)
菜の花の島よりフェリー始発便 (浜松市 久野 茂樹)
山笑ふなり南部富士津軽富士 (越谷市 安居院 半衛)
囀(さえずり)は未来呼ぶ声千年樹 (加古川市 伏見 昌子)
桜狩(さくらがり)中千本を抜けきらず (宇陀市 泉尾 武則)
入社式唇ピアス跡も癒え (南房総市 山根 徳一)
[片山 由美子 選]
盆栽展上段に置く藤の鉢 (福岡市 山本 眞弓)
そこだけに光集めて花ミモザ (東京 徳原 伸吉)
花の塵(ちり)ひと夜に池を埋(うず)めけり (日野市 田村 登代子)
春時雨たちまち富士をかくしけり (和歌山 くわばらりみ)
[小川 軽舟 選]
霾風(ばいふう)に鼻うごめかす駱駝かな
青麦や世界を拓(ひら)く地平線 (米子市 長田 遼平)
ちよつと其処までと逝きたし涅槃西風(ねはんにし) (大阪市 余田 酒梨)
前籠にサッカーボール桜まじ (川越市 大野 宥之介)
【毎日俳壇2026.04.27】
[西村 和子 選]
水筒の中は空っぽチューリップ (松戸市 森 美奈子)
歌半ば声のつまりし卒業歌 (東京 黒川 さと子)
日曜の朝刊ひらく初ひばり (八街市 山本 淑夫)
見納めの渡船のゆくや朧月 (尾道市 山口 恭子)
[井上 康明 選]
初めての家庭訪問山桜 (真岡市 下和田 真知子)
太陽を閉じこめ夜のチューリップ (浦安市 植村実川喜)
菜の花の島よりフェリー始発便 (浜松市 久野 茂樹)
山笑ふなり南部富士津軽富士 (越谷市 安居院 半衛)
囀(さえずり)は未来呼ぶ声千年樹 (加古川市 伏見 昌子)
桜狩(さくらがり)中千本を抜けきらず (宇陀市 泉尾 武則)
入社式唇ピアス跡も癒え (南房総市 山根 徳一)
[片山 由美子 選]
盆栽展上段に置く藤の鉢 (福岡市 山本 眞弓)
そこだけに光集めて花ミモザ (東京 徳原 伸吉)
花の塵(ちり)ひと夜に池を埋(うず)めけり (日野市 田村 登代子)
春時雨たちまち富士をかくしけり (和歌山 くわばらりみ)
[小川 軽舟 選]
霾風(ばいふう)に鼻うごめかす駱駝かな
青麦や世界を拓(ひら)く地平線 (米子市 長田 遼平)
ちよつと其処までと逝きたし涅槃西風(ねはんにし) (大阪市 余田 酒梨)
前籠にサッカーボール桜まじ (川越市 大野 宥之介)
勝手に論愚選
【読売俳壇2026.04.27】
[高野 ムツオ 選]
紐あれば忽ち猫の子の世界 (泉佐野市 布野 寿)
古墳囲む埴輪の列に春の雷 (向日市 山田 正則)
落椿(おちつばき)音を残して動かざる (徳島県 曽我部 幸子)
オートバイ止め満開の桜かな (川越市 大野遊之介)
蛇穴を出でて廃炉や廃村や (郡山市 寺田 秀雄)
甲板に墨提(ぼくてい)の飛花しきりなり (龍ケ崎市 小宮 光司)
大草履吊る仁王門春夕焼 (総社市 風早 貞夫)
風船が離れ被爆の空をゆく (対馬市 神宮 斎之)
[正木 ゆう子 選]
雪解水データセンター循環す (川崎市 多田 敬)
げんげ野に座せば心配さるる身か (神奈川県 中島 やさか)
気がつきて過去が変はりし桜かな (町田市 枝沢 聖文)
たてがみの落花払へばファンファーレ (川崎市 沼田 広美)
春月を回る四人の宇宙船 (寒河江市 大谷 正行)
桜東風(さくらこち)吹いて涙の跡を知る (武蔵村山市 井上香津子)
[小澤 實 選]
猫の手を真似ろと妻や胡瓜(きゅうり)切る (下田市 森本 幸平)
進級す七十冊の本読みて (流山市 髙橋 郁代)
通過する貨物列車や春暑し (相模原市 はやし 央)
七輪を持参してゐる花莚(むしろ) (横浜市 鈴木 基之)
満月や満開桜町に満つ (札幌市 若林 陽光)
壁あてに一球投げて卒業す (川西市 藤川 五郎)
鞦韆(しゅうせん)より跳びて上京決めにけり (館林市 坂口 譲)
[津川 絵理子 選]
鶯の声老若(ろうにゃく)を輝かす (東村山市 鈴木 忠)
落花一片ハシビロコウの眉間にも (神戸市 田上 勝清)
風に押し付けて回すや風ぐるま (宮崎市 長友 聖次)
ねばならぬ事無き暮らし春の雲 (つくば市 横田 和己)
草の息足裏で聞いて野に遊ぶ (神奈川県 中村 昌男)
水温む母の手首の輪ゴム跡 (姫路市 難波 佳代)
吊革に若き手の列四月来る (埼玉県 小町 季生)
【読売俳壇2026.04.27】
[高野 ムツオ 選]
紐あれば忽ち猫の子の世界 (泉佐野市 布野 寿)
古墳囲む埴輪の列に春の雷 (向日市 山田 正則)
落椿(おちつばき)音を残して動かざる (徳島県 曽我部 幸子)
オートバイ止め満開の桜かな (川越市 大野遊之介)
蛇穴を出でて廃炉や廃村や (郡山市 寺田 秀雄)
甲板に墨提(ぼくてい)の飛花しきりなり (龍ケ崎市 小宮 光司)
大草履吊る仁王門春夕焼 (総社市 風早 貞夫)
風船が離れ被爆の空をゆく (対馬市 神宮 斎之)
[正木 ゆう子 選]
雪解水データセンター循環す (川崎市 多田 敬)
げんげ野に座せば心配さるる身か (神奈川県 中島 やさか)
気がつきて過去が変はりし桜かな (町田市 枝沢 聖文)
たてがみの落花払へばファンファーレ (川崎市 沼田 広美)
春月を回る四人の宇宙船 (寒河江市 大谷 正行)
桜東風(さくらこち)吹いて涙の跡を知る (武蔵村山市 井上香津子)
[小澤 實 選]
猫の手を真似ろと妻や胡瓜(きゅうり)切る (下田市 森本 幸平)
進級す七十冊の本読みて (流山市 髙橋 郁代)
通過する貨物列車や春暑し (相模原市 はやし 央)
七輪を持参してゐる花莚(むしろ) (横浜市 鈴木 基之)
満月や満開桜町に満つ (札幌市 若林 陽光)
壁あてに一球投げて卒業す (川西市 藤川 五郎)
鞦韆(しゅうせん)より跳びて上京決めにけり (館林市 坂口 譲)
[津川 絵理子 選]
鶯の声老若(ろうにゃく)を輝かす (東村山市 鈴木 忠)
落花一片ハシビロコウの眉間にも (神戸市 田上 勝清)
風に押し付けて回すや風ぐるま (宮崎市 長友 聖次)
ねばならぬ事無き暮らし春の雲 (つくば市 横田 和己)
草の息足裏で聞いて野に遊ぶ (神奈川県 中村 昌男)
水温む母の手首の輪ゴム跡 (姫路市 難波 佳代)
吊革に若き手の列四月来る (埼玉県 小町 季生)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.04.25】
[横澤 放川 選]
母をらば春田打してゐたる頃 (原 濱田 武寿)
啓蟄(けいちつ)や母は都へ越し来たる (東京 堀川 英嗣)
カイロスや還りし春の海眩し (西宮 藤田 泰子)
涅槃凪(ねはんなぎ)海鮮丼に名残蟹 (福井 加畑 霜子)
糸遊(いとゆう)や立子杏子の学舎(まなびや)に (町田 吉野 和子)
春の闇雷蔵かまふ鎺(はばき)かな (千葉 意志の 勤)
九十のおのれに飽きぬ朝寝覚め (名取 里村 直)
母亡きは別れにあらず菊根分(きくねわけ) (船橋 白石 勉)
東雲を山と知りけり婦負(ねい)の春 (東京 市丸 博之)
声は皆赤城に鍛え卒業す (前橋 小口 泰興)
[神野 紗希 選]
エイプリルフール戦争終はります (松戸 鈴木 麗門)
陽炎や除菌済なる除籍図書 (館林 岡崎 武央)
ハイボール四月が否(いや)が応(おう)でも来 (松原 たろりずむ)
本棚に死者と生者と春の雨 (横浜 山本 圭子)
土曜日は仕事窓辺にクロッカス (東京 河原 千代女)
草萌(くさもえ)や光ひとすじ朝の川 (柏 小畑 昌司)
いづかたも山霞みをり竹生島(ちくぶしま) (名古屋 松末 充裕)
黄砂降る消印薄きエアメール (東京 さがたさとこ)
ニーチェ読む夫に昼餉(ひるげ)の浅蜊汁(あさりじる) (名古屋 後藤 春子)
【日経俳壇2026.04.25】
[横澤 放川 選]
母をらば春田打してゐたる頃 (原 濱田 武寿)
啓蟄(けいちつ)や母は都へ越し来たる (東京 堀川 英嗣)
カイロスや還りし春の海眩し (西宮 藤田 泰子)
涅槃凪(ねはんなぎ)海鮮丼に名残蟹 (福井 加畑 霜子)
糸遊(いとゆう)や立子杏子の学舎(まなびや)に (町田 吉野 和子)
春の闇雷蔵かまふ鎺(はばき)かな (千葉 意志の 勤)
九十のおのれに飽きぬ朝寝覚め (名取 里村 直)
母亡きは別れにあらず菊根分(きくねわけ) (船橋 白石 勉)
東雲を山と知りけり婦負(ねい)の春 (東京 市丸 博之)
声は皆赤城に鍛え卒業す (前橋 小口 泰興)
[神野 紗希 選]
エイプリルフール戦争終はります (松戸 鈴木 麗門)
陽炎や除菌済なる除籍図書 (館林 岡崎 武央)
ハイボール四月が否(いや)が応(おう)でも来 (松原 たろりずむ)
本棚に死者と生者と春の雨 (横浜 山本 圭子)
土曜日は仕事窓辺にクロッカス (東京 河原 千代女)
草萌(くさもえ)や光ひとすじ朝の川 (柏 小畑 昌司)
いづかたも山霞みをり竹生島(ちくぶしま) (名古屋 松末 充裕)
黄砂降る消印薄きエアメール (東京 さがたさとこ)
ニーチェ読む夫に昼餉(ひるげ)の浅蜊汁(あさりじる) (名古屋 後藤 春子)
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.04.23】
[宮坂 静生 選]
戦なき時なき星や万愚説(まんぐせつ) (草津市 あびこたろう)
瓦礫なき野にひと叢(むら)の犬ふぐり (さいたま市 竹内 白熊)
初雷や樽に眠れるウヰスキー (倉敷市 中路 修平)
麻雀の達人となり卒業す (志木市 谷村 康志)
日輪に招かれ雲雀揚がりゆく (東京・足立 木幡 忠文)
芽吹くとき忍び笑いの猫柳 (上田市 靴掛 俊子)
梅が香や鳥にも西陣東陣 (長野市 武田 芳子)
おぼろ月灯火一線なぎの湾 (浦安市 上原 隆男)
うりずんの墓原金色の蛹(なぎさ) (西宮市 辻󠄀 敏子)
人の世をほぐす如くに春しぐれ (西宮市 平田 あい)
[対馬 康子 選]
やや軽き車椅子押す三月尽 (東京・新宿 居林 まさを)
てふてふの太陽などに恋をして (高砂市 今井 慎一)
漂鳥に彩り闌(た)くる春の庭 (市原市 矢田 宗男)
クレーンの倒れさうなる春愁 (香芝市 山本 合一)
梅日和淡路はおろか讃岐まで (加西市 木本 風心)
前衛の書体のさまや老紅梅 (近江八幡市 竹村 昭蔵)
雛あられ尼の黒衣をすべり落つ ((朝霞市 関 良江)
西行の願ひはこれか花月夜 (白井市 毘舎利 愛子)
【産経テーマ川柳】テーマ 世代
出る者は遺さず食べる昭和ッ子 (横浜市 平林 靖敏)
つい「汽車」と言ってしまう世代です (大阪市 坂上 久美子)
叱ったら会社辞めます令和ッ子 (箕面市 西村 裕樹)
昭和ならハラスメントのフルコース (西東京市 矢ヶ崎 耕一)
ズボンがパンツそれからボトム次は何? (東京・荒川 佐々木 重雄)
戦争を知らない世代で終わりたい (大阪市 坂上 久美子)
求人は世代や男女問いません (泉佐野市 射手矢 光雄)
【産経俳壇2026.04.23】
[宮坂 静生 選]
戦なき時なき星や万愚説(まんぐせつ) (草津市 あびこたろう)
瓦礫なき野にひと叢(むら)の犬ふぐり (さいたま市 竹内 白熊)
初雷や樽に眠れるウヰスキー (倉敷市 中路 修平)
麻雀の達人となり卒業す (志木市 谷村 康志)
日輪に招かれ雲雀揚がりゆく (東京・足立 木幡 忠文)
芽吹くとき忍び笑いの猫柳 (上田市 靴掛 俊子)
梅が香や鳥にも西陣東陣 (長野市 武田 芳子)
おぼろ月灯火一線なぎの湾 (浦安市 上原 隆男)
うりずんの墓原金色の蛹(なぎさ) (西宮市 辻󠄀 敏子)
人の世をほぐす如くに春しぐれ (西宮市 平田 あい)
[対馬 康子 選]
やや軽き車椅子押す三月尽 (東京・新宿 居林 まさを)
てふてふの太陽などに恋をして (高砂市 今井 慎一)
漂鳥に彩り闌(た)くる春の庭 (市原市 矢田 宗男)
クレーンの倒れさうなる春愁 (香芝市 山本 合一)
梅日和淡路はおろか讃岐まで (加西市 木本 風心)
前衛の書体のさまや老紅梅 (近江八幡市 竹村 昭蔵)
雛あられ尼の黒衣をすべり落つ ((朝霞市 関 良江)
西行の願ひはこれか花月夜 (白井市 毘舎利 愛子)
【産経テーマ川柳】テーマ 世代
出る者は遺さず食べる昭和ッ子 (横浜市 平林 靖敏)
つい「汽車」と言ってしまう世代です (大阪市 坂上 久美子)
叱ったら会社辞めます令和ッ子 (箕面市 西村 裕樹)
昭和ならハラスメントのフルコース (西東京市 矢ヶ崎 耕一)
ズボンがパンツそれからボトム次は何? (東京・荒川 佐々木 重雄)
戦争を知らない世代で終わりたい (大阪市 坂上 久美子)
求人は世代や男女問いません (泉佐野市 射手矢 光雄)
勝手に論愚選
【毎日俳壇2026.04.20】
[小川 軽舟 選]
図書館へ通ふ二人や雪柳 (東京 佐灯 素秋)
山脈をまたぐ機影や春夕焼 (松本市 上月 くるを)
春昼や杖の母待つ美容室 (流山市 小林 紀彦)
山深き古刹の村に花ミモザ (愛知 森 惠子)
[西村 和子 選]
醜聞に遠きともがら花莚(はなむしろ) (名古屋市 山内 三雑)
都府楼(とふろう)の帰りの道もきんぽうげ (福岡市 山本 眞弓)
てんでんに翼広ぐる雪柳 (東京 高木 靖之)
車座に先生もいて卒業期 (津山市 森下 弘)
永き日や妻のせつかち変はらねど (白井市 毘舎利 道弘)
幼子と電車見ている草朧(くさおぼろ) (生駒市 林 ちぐさ)
薄闇の門に灯れり花馬酔木(あせび) (羽生市 岡村 実)
[井上 康明 選]
白き瀬に白き鳥来る仏生会(ぶっしょうえ) (周南市 九内 千沙)
たんぽぽや一つ残りし分譲地 (秦野市 林 ち島)
花万朶(はなばんだ)石材店のテント二基 (京都市 根来 滋)
生きるとは一気呵成(かせい)や犬ふぐり (横浜市 菅沼 葉二)
卒業歌ひとり聞きゐる保健室 (東京 徳原 伸吉)
おにぎりは大きめ四つ新社員 (土浦市 今泉 準一)
落ちてなほ闇よせつけぬ白椿(しろつばき) (岸和田市 妙中 正)
[片山 由美子 選]
総ガラス張りの市庁舎よなぐもり (和歌山市 曽根 澄子)
道の辺にささやき合へる菫草(すみれぐさ) (尼崎市 森下 久美子)
普段着のまま花人(はなびと)となりにけり (川口市 髙橋 さだ子)
名草の芽競ふことを強ひらるる世に (水戸市 永井 弘子)
開演を待つ静寂や春の宵 (相模原市 はやし 央)
【毎日俳壇2026.04.20】
[小川 軽舟 選]
図書館へ通ふ二人や雪柳 (東京 佐灯 素秋)
山脈をまたぐ機影や春夕焼 (松本市 上月 くるを)
春昼や杖の母待つ美容室 (流山市 小林 紀彦)
山深き古刹の村に花ミモザ (愛知 森 惠子)
[西村 和子 選]
醜聞に遠きともがら花莚(はなむしろ) (名古屋市 山内 三雑)
都府楼(とふろう)の帰りの道もきんぽうげ (福岡市 山本 眞弓)
てんでんに翼広ぐる雪柳 (東京 高木 靖之)
車座に先生もいて卒業期 (津山市 森下 弘)
永き日や妻のせつかち変はらねど (白井市 毘舎利 道弘)
幼子と電車見ている草朧(くさおぼろ) (生駒市 林 ちぐさ)
薄闇の門に灯れり花馬酔木(あせび) (羽生市 岡村 実)
[井上 康明 選]
白き瀬に白き鳥来る仏生会(ぶっしょうえ) (周南市 九内 千沙)
たんぽぽや一つ残りし分譲地 (秦野市 林 ち島)
花万朶(はなばんだ)石材店のテント二基 (京都市 根来 滋)
生きるとは一気呵成(かせい)や犬ふぐり (横浜市 菅沼 葉二)
卒業歌ひとり聞きゐる保健室 (東京 徳原 伸吉)
おにぎりは大きめ四つ新社員 (土浦市 今泉 準一)
落ちてなほ闇よせつけぬ白椿(しろつばき) (岸和田市 妙中 正)
[片山 由美子 選]
総ガラス張りの市庁舎よなぐもり (和歌山市 曽根 澄子)
道の辺にささやき合へる菫草(すみれぐさ) (尼崎市 森下 久美子)
普段着のまま花人(はなびと)となりにけり (川口市 髙橋 さだ子)
名草の芽競ふことを強ひらるる世に (水戸市 永井 弘子)
開演を待つ静寂や春の宵 (相模原市 はやし 央)