勝手に論愚選
【産経俳壇2026.10.08】
[宮坂 静生 選]
月光と我が身のほかに何もなし (北名古屋市 月城 龍二)
黙々と働くありに報いあらん (東京・中野 東 賢三郞)
考えて分からなくなる秋思かな (相模原市 はやし 央)
人通り少なき道の狗尾草(えのころぐさ) (大和郡山市 才田 純)
宿題の少年窓にカンナ燃ゆ (草津市 あびこたろう)
更待(ふけまち)の月出るころに蛇となりぬ (横須賀市 田村 裕康)
蕎麦の花前をさえぎるデータセンター (前橋市 西村 晃)
安もんを食うて長生きしたる虫 (尼崎市 西村 晃)
夏深し町家の奥の窯場跡 (横浜市 杉本 ありさ)
真帆白帆大湖の夏は果てんとす (奈良市 上田 秋霜)
枝豆の骸(むくろ)積み上げ夜の底 (さいたま市 竹内 白熊)
[対馬 康子 選]
雷遠しいためた翼を戀と呼び (浦安市 岡 研一)
石棺の裏に廻ればかまどうま (東京・世田谷 野上 卓)
洛中のカルチェ・ラタンや星祭 (橿原市 佐藤 雅之)
山動く昨日に同じ石清水 (東村山市 日隈 元良)
そうなんだ風になるのか秋の蝉 (横浜市 佐藤 満)
鰯雲高く遠くに墓地の道 (‘蕨市 深谷 紀夫)
歌に色有り九月に聞けばブルー (宍粟市 宗平 圭司)
秋風に問はる正しくいきているか (松原市 柴田 鈴子)
【産経テーマ川柳】テーマ コラム
コラムには社是品格が見え隠れ (三田市 景山 順子)
川柳のヒント満載コラム欄 (大阪市 貴村 旦)
ライターの知性教養見える文 (東京・目黒 永井 立子)
短評に時事と季節を知らされる (高石市 田原 勝弘)
斜に構えコラムニストは正面見る (横浜市 平林 靖敏)
言い分を見事に圧縮コラム欄 (枚方市 上田 祐輔)
勝手に論愚選
【毎日俳壇2026.10.05】
[小川 軽舟 選]
道端は路の端つこ草の花 (東京 土方けんじ)
淡海に飛天の雲や秋近し (大津市 横川 和醸)
捨て畑のかたへの墓地の黄菊かな (秦野市 林 ち島)
しもた屋はシェアハウスへと赤のまま (大阪 福田 愛)
植ゑるやう本に付箋す秋の夜 (新座市 睦月 くらげ)
クレーンの影ある月の港かな (相模原市 はやし 央)
二冊目の連用日記虫すだく (松本市 伊藤 和夫)
[西村 和子 選]
墓として置く石ひとつ草の花 (高山市 直井 照男)
台風の逸(そ)れて鎌研ぐ軍手出す (宍粟市 宗片 圭司)
何の手に叩かれたるや桐一葉 (東京 望月 清彦)
蚯蚓(みみず)鳴くカラオケ帰りまた歌ふ (前橋市 西村 晃)
大寺の甍(いらか)明るし後の月 (龍ケ崎市 小宮 光司)
[井上 康明 選]
大講堂の上を過ぎゆく野分かな (東京 野上 卓)
炎天に一朶(いちだ)の雲の漂へる (唐津市 梶山 守)
地歌舞伎の悪童へふは名子役 (安中市 佐藤 健嗣)
捨て難きものに囲まれ秋暑し (有田氏 谷中 節子)
融通の利かぬ漢(おとこ)や鉦叩(かねたたき) (長浜市 中島 正則)
鳳仙花(ほうせんか)爆(は)ぜてちりぢり木歩(もっぽ)の忌 (相模原市 古山 鞠子)
[片山 由美子 選]
住み馴れてなほ知らぬ道草の花 (和歌山市 藤池 芳子)
ひらがなとなりし町の名蕎麦の花 (さぬき市 景山 典子)
アイロンの湯気の匂ひも秋めける (西宮市 平田 あい)
レモンスカッシュおしゃべりの弾みけり (大阪市 山内 かをり)
【毎日俳壇2026.10.05】
[小川 軽舟 選]
道端は路の端つこ草の花 (東京 土方けんじ)
淡海に飛天の雲や秋近し (大津市 横川 和醸)
捨て畑のかたへの墓地の黄菊かな (秦野市 林 ち島)
しもた屋はシェアハウスへと赤のまま (大阪 福田 愛)
植ゑるやう本に付箋す秋の夜 (新座市 睦月 くらげ)
クレーンの影ある月の港かな (相模原市 はやし 央)
二冊目の連用日記虫すだく (松本市 伊藤 和夫)
[西村 和子 選]
墓として置く石ひとつ草の花 (高山市 直井 照男)
台風の逸(そ)れて鎌研ぐ軍手出す (宍粟市 宗片 圭司)
何の手に叩かれたるや桐一葉 (東京 望月 清彦)
蚯蚓(みみず)鳴くカラオケ帰りまた歌ふ (前橋市 西村 晃)
大寺の甍(いらか)明るし後の月 (龍ケ崎市 小宮 光司)
[井上 康明 選]
大講堂の上を過ぎゆく野分かな (東京 野上 卓)
炎天に一朶(いちだ)の雲の漂へる (唐津市 梶山 守)
地歌舞伎の悪童へふは名子役 (安中市 佐藤 健嗣)
捨て難きものに囲まれ秋暑し (有田氏 谷中 節子)
融通の利かぬ漢(おとこ)や鉦叩(かねたたき) (長浜市 中島 正則)
鳳仙花(ほうせんか)爆(は)ぜてちりぢり木歩(もっぽ)の忌 (相模原市 古山 鞠子)
[片山 由美子 選]
住み馴れてなほ知らぬ道草の花 (和歌山市 藤池 芳子)
ひらがなとなりし町の名蕎麦の花 (さぬき市 景山 典子)
アイロンの湯気の匂ひも秋めける (西宮市 平田 あい)
レモンスカッシュおしゃべりの弾みけり (大阪市 山内 かをり)
勝手に論愚選
【読売俳壇2026.10.05】
[高野 ムツオ 選]
ジョンそしてワンリー・トンキー敗戦忌 (前橋市 星野 久美子)
土砂降りに抗(あらが)ひ燃ゆる曼珠沙華 (名古屋市 可知 豊親)
初秋や湖面に富士の風渡る (東京都 神通 扶美代)
電線の混み合ふ街の残暑かな (神奈川県 中島 やさか)
踏切のきらきら上がる豊の秋 (所沢市 岡部 泉)
お~い雲いわき平に秋きたか (東京都 青木 公正)
[政木 ゆう子 選]
米俵横に酒樽秋祭 (南足柄市 柏木 茂)
世の中はA4サイズ小鳥来る (さいたま市 岡村 行雄)
岸釣りやていよく家を追い出され (大阪市 大塚 俊雄)
[小澤 實 選]
カルボナーラを覚えし夏よ有り難う (狭山市 富沢 柾江)
秋の日や液体糊の黄金色 (新潟市 古巣 浩子)
蟷螂(とうろう)の挙(あ)ぐる隻手(せきしゅ)や風の中 (横須賀市 平野 雅夫)
コスモスを揺らし三輪自動車来 (東久留米市 飯山 徳次郎)
岸惠子粋なマダムや秋薔薇(そうび) (富士市 佐野 明美)
色鯉の色紛れなし水の秋 (町田市 谷川 治)
[津川 絵里子 選]
秋暑し親子たがひを見放しぬ (西東京市 永井 康信)
秋刀魚焼く妻のするどき獣の目 (匝瑳市 椎名 貴寿)
暑そうな空調服に路譲る (神戸市 安川 修司)
露草や晴れ極まれる槍穂高 (川崎市 沼田 広美)
小鳥来るまたウォーキング始めむか (豊中市 土井 淳子)
退屈を生き抜いてゐる石たたき (千葉市 笹沼 郁夫)
墓洗うあなたの孫の無骨な手 (東京都 平井 明)
【読売俳壇2026.10.05】
[高野 ムツオ 選]
ジョンそしてワンリー・トンキー敗戦忌 (前橋市 星野 久美子)
土砂降りに抗(あらが)ひ燃ゆる曼珠沙華 (名古屋市 可知 豊親)
初秋や湖面に富士の風渡る (東京都 神通 扶美代)
電線の混み合ふ街の残暑かな (神奈川県 中島 やさか)
踏切のきらきら上がる豊の秋 (所沢市 岡部 泉)
お~い雲いわき平に秋きたか (東京都 青木 公正)
[政木 ゆう子 選]
米俵横に酒樽秋祭 (南足柄市 柏木 茂)
世の中はA4サイズ小鳥来る (さいたま市 岡村 行雄)
岸釣りやていよく家を追い出され (大阪市 大塚 俊雄)
[小澤 實 選]
カルボナーラを覚えし夏よ有り難う (狭山市 富沢 柾江)
秋の日や液体糊の黄金色 (新潟市 古巣 浩子)
蟷螂(とうろう)の挙(あ)ぐる隻手(せきしゅ)や風の中 (横須賀市 平野 雅夫)
コスモスを揺らし三輪自動車来 (東久留米市 飯山 徳次郎)
岸惠子粋なマダムや秋薔薇(そうび) (富士市 佐野 明美)
色鯉の色紛れなし水の秋 (町田市 谷川 治)
[津川 絵里子 選]
秋暑し親子たがひを見放しぬ (西東京市 永井 康信)
秋刀魚焼く妻のするどき獣の目 (匝瑳市 椎名 貴寿)
暑そうな空調服に路譲る (神戸市 安川 修司)
露草や晴れ極まれる槍穂高 (川崎市 沼田 広美)
小鳥来るまたウォーキング始めむか (豊中市 土井 淳子)
退屈を生き抜いてゐる石たたき (千葉市 笹沼 郁夫)
墓洗うあなたの孫の無骨な手 (東京都 平井 明)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.10.03】
[横澤 放川 選]
大学へ行かせくれし田稲穂立つ (桜井 松村 和彦)
けふの月赤し泥婆羅(にばら)の山津波 (大船渡 桃心地)
(評)ネパールの漢語表記である。息を呑むような未曾有の災禍映像であった。国内国外、月球のこの色がその痛ましさを端的に伝える。
沙魚(はぜ)釣るや小さき会社夢ありて (前橋 西村 晃)
秋高し登りたくなる筑波山 (下妻 神郡 貢)
縁者みな逝きにし故山遠花火 (倉敷 山本 一穂)
角隠す嫁に狛犬柚子坊も (東京 火埜鬼王)
割り箸の音のうれしき走り蕎麦 (尾張旭 古賀 勇理央)
[神野 紗希 選]
霧晴るる野に一塊の阿蘇の山 (佐賀 糸山 康子)
のびのびと残暑メヒシバオヒシバも (府中 芝原 さと)
新米に茄子の塩もみ他はいらん (神戸 井上 徳一廊)
聳え立つ水の器や鰯群る (東京 後藤 周平)
島宿の古き看板牧水忌 (松山 氏兼 惟和)
天気雨レモンをぎゅっとアジフライ (東京 敷藤 奈緒美)
謙遜は保身の一つ花木槿(むくげ) (吹田 前田 尚夫)
枯れてなおペパーミントの香り立つ (日野 ayanok)
【日経俳壇2026.10.03】
[横澤 放川 選]
大学へ行かせくれし田稲穂立つ (桜井 松村 和彦)
けふの月赤し泥婆羅(にばら)の山津波 (大船渡 桃心地)
(評)ネパールの漢語表記である。息を呑むような未曾有の災禍映像であった。国内国外、月球のこの色がその痛ましさを端的に伝える。
沙魚(はぜ)釣るや小さき会社夢ありて (前橋 西村 晃)
秋高し登りたくなる筑波山 (下妻 神郡 貢)
縁者みな逝きにし故山遠花火 (倉敷 山本 一穂)
角隠す嫁に狛犬柚子坊も (東京 火埜鬼王)
割り箸の音のうれしき走り蕎麦 (尾張旭 古賀 勇理央)
[神野 紗希 選]
霧晴るる野に一塊の阿蘇の山 (佐賀 糸山 康子)
のびのびと残暑メヒシバオヒシバも (府中 芝原 さと)
新米に茄子の塩もみ他はいらん (神戸 井上 徳一廊)
聳え立つ水の器や鰯群る (東京 後藤 周平)
島宿の古き看板牧水忌 (松山 氏兼 惟和)
天気雨レモンをぎゅっとアジフライ (東京 敷藤 奈緒美)
謙遜は保身の一つ花木槿(むくげ) (吹田 前田 尚夫)
枯れてなおペパーミントの香り立つ (日野 ayanok)
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.10.01】
[宮坂 静生 選]
根に宿る悠久の刻(とき)秋に入る (さいたま市 竹内 白熊)
暑い夏が去り、秋を迎える。自然の草木の根が人間の命を超えた限りない時を宿すという。人間中心の考えではない。秋はそんなことにはっと気付く時だ。
駒迎へ入れて豊穣誉め合ふ輪 (大船渡市 桃心地)
遠花火意外と長き余生かな (川西市 森野 幹子)
曳く網やずしり重たき夏しらす (横浜市 岡 彬)
とんぼうの群舞鳥海登山口 (奈良市 上田 秋霜)
風鈴を吊るせば風の生れけり (寝屋川市 今西 富幸)
大花火終りて闇の新しく (東大阪市 土屋 哲男)
[対馬 康子 選]
秋暑しへこみしままのヘルメット (横浜市 近江 満里子)
(評)へこんだままのヘルメットに災害の爪痕や事故、不穏さを増す社会まで思われる。秋になっても収まらない暑さが、傷ついた現実をじりじりと照らしている。
人ひとり青田一枚消えてゆく (広島市 田中 弘)
八月の音の中なり黙祷(もくとう)す (逗子市 高梨 優子)
日を弾き弾み前ゆく黄鶺鴒(せきれい) (堺市 鈴木 静子)
蜩(ひぐらし)のヴェールの奥の社かな (横浜市 前島 康樹)
【産経テーマ川柳】テーマ 宝物(お宝)
亡き妻が残したレシピで生きている (京田辺市 藤井 昇)
近頃は子宝が減り塾もたず (大阪市 髙橋 憲治)
【産経俳壇2026.10.01】
[宮坂 静生 選]
根に宿る悠久の刻(とき)秋に入る (さいたま市 竹内 白熊)
暑い夏が去り、秋を迎える。自然の草木の根が人間の命を超えた限りない時を宿すという。人間中心の考えではない。秋はそんなことにはっと気付く時だ。
駒迎へ入れて豊穣誉め合ふ輪 (大船渡市 桃心地)
遠花火意外と長き余生かな (川西市 森野 幹子)
曳く網やずしり重たき夏しらす (横浜市 岡 彬)
とんぼうの群舞鳥海登山口 (奈良市 上田 秋霜)
風鈴を吊るせば風の生れけり (寝屋川市 今西 富幸)
大花火終りて闇の新しく (東大阪市 土屋 哲男)
[対馬 康子 選]
秋暑しへこみしままのヘルメット (横浜市 近江 満里子)
(評)へこんだままのヘルメットに災害の爪痕や事故、不穏さを増す社会まで思われる。秋になっても収まらない暑さが、傷ついた現実をじりじりと照らしている。
人ひとり青田一枚消えてゆく (広島市 田中 弘)
八月の音の中なり黙祷(もくとう)す (逗子市 高梨 優子)
日を弾き弾み前ゆく黄鶺鴒(せきれい) (堺市 鈴木 静子)
蜩(ひぐらし)のヴェールの奥の社かな (横浜市 前島 康樹)
【産経テーマ川柳】テーマ 宝物(お宝)
亡き妻が残したレシピで生きている (京田辺市 藤井 昇)
近頃は子宝が減り塾もたず (大阪市 髙橋 憲治)
勝手に論愚選
【毎日俳壇2026.09.28】
[片山 由美子 選]
秋の蚊の夫(つま)に付き来てわれを刺す (富田林市 尾崎 晶子)
虫の音や幟(のぼり)褪(あ)せたる分譲地 (志木市 谷村 康志)
伊吹嶺(いぶきね)は雲の中なる厄日かな (長浜市 中島 正則)
翅(はね)に透く朝の光や秋あかね (飯塚市 倉田 幸男)
化粧せぬひと日八月十五日 (和歌山市 宮本 啓子)
名月やこれからのこと一人座し (明石市 村上 絹恵)
[小川 軽舟 選]
屋上で日拝(にっぱい)の朝小鳥来る (所沢市 富安 幸恵)
湖をすべりゆく風秋立ちぬ (飯塚市 倉田 幸男)
スケボーの路ゆく音も秋めきぬ (帯広市 柏木 七歩)
弔ひの人の出入りや凌霄花(のうぜんか) (愛知 髙橋 一枝)
秋めくや教会の鐘寺の鐘 (青森市 小山内 豊彦)
午前より長き午後あり百日紅(さるすべり) (金沢市 早川 晃治)
[西村 和子 選]
鰯雲空に断層あるごとく (浜松市 宮田 久常)
黒揚羽去って白砂(はくさ)の庭残る (和歌山 神野 一馬)
自転車を颯(さ)つと抜きけり銀やんま (岸和田市 妙中 正)
[井上 康明 選]
丸刈りの破顔一笑秋さやか (浜松市 久野 茂樹)
別れ蚊の月を跨いで付きまとふ (東京 石川 黎)
鬼百合(おにゆり)の首差し伸べる崖の上 (西海市 まえだいっそう)
ジェノベーゼパスタの塩味葉月尽(はづきじん) (伊丹市 噂野 アンドリュー)
旅の荷に岩波文庫いわし雲 (東京 徳原 伸吉)
朝顔に空を譲りし垣根かな (春日部市 田村 照子)
【毎日俳壇2026.09.28】
[片山 由美子 選]
秋の蚊の夫(つま)に付き来てわれを刺す (富田林市 尾崎 晶子)
虫の音や幟(のぼり)褪(あ)せたる分譲地 (志木市 谷村 康志)
伊吹嶺(いぶきね)は雲の中なる厄日かな (長浜市 中島 正則)
翅(はね)に透く朝の光や秋あかね (飯塚市 倉田 幸男)
化粧せぬひと日八月十五日 (和歌山市 宮本 啓子)
名月やこれからのこと一人座し (明石市 村上 絹恵)
[小川 軽舟 選]
屋上で日拝(にっぱい)の朝小鳥来る (所沢市 富安 幸恵)
湖をすべりゆく風秋立ちぬ (飯塚市 倉田 幸男)
スケボーの路ゆく音も秋めきぬ (帯広市 柏木 七歩)
弔ひの人の出入りや凌霄花(のうぜんか) (愛知 髙橋 一枝)
秋めくや教会の鐘寺の鐘 (青森市 小山内 豊彦)
午前より長き午後あり百日紅(さるすべり) (金沢市 早川 晃治)
[西村 和子 選]
鰯雲空に断層あるごとく (浜松市 宮田 久常)
黒揚羽去って白砂(はくさ)の庭残る (和歌山 神野 一馬)
自転車を颯(さ)つと抜きけり銀やんま (岸和田市 妙中 正)
[井上 康明 選]
丸刈りの破顔一笑秋さやか (浜松市 久野 茂樹)
別れ蚊の月を跨いで付きまとふ (東京 石川 黎)
鬼百合(おにゆり)の首差し伸べる崖の上 (西海市 まえだいっそう)
ジェノベーゼパスタの塩味葉月尽(はづきじん) (伊丹市 噂野 アンドリュー)
旅の荷に岩波文庫いわし雲 (東京 徳原 伸吉)
朝顔に空を譲りし垣根かな (春日部市 田村 照子)
勝手に論愚選
【読売俳壇2026.09.28】
[高野 ムツオ 選]
庭畑も危険ぞ妻よこの猛暑 (下妻市 神郡 貢)
妻の句は全部孫の句秋の空 (佐野市 桑原 博)
朝顔の花を数えて妻の朝 (東京都 榎 正好)
墨堤(ぼくてい)の木歩(もっぽ)の句碑や蝉時雨 (津京都 新谷 和幸)
ゴンドラや金風(きんぷう)を拭く窓を拭く (東京都 新谷 和幸)
蜩(ひぐらし)やもとより暗き峠道 (北上市 佐々木 清志)
[正木 ゆう子 選]
つるぼけの南瓜(かぼちゃ)は雄花ばかりなり (奈良県 松井 秀人)
もう妣(はは)に電話も要らず八月侭 (大阪府 池田 寿夫)
夜は夜の色に紫式部の実 (佐野市 髙橋 すみ子)
ミニカボチャ侮るなかれ石頭 (周南市 原田 英夫)
大夕立見る間に湖を渡りけり (大津市 竹村 哲男)
いつからか蜘蛛は友だち台所 (東京都 山田 真理子)
冷蔵庫開けた途端に忘れけり (つくば市 横田 和己)
[小澤 實 選]
秋暑し眠れる猫の二倍伸び (神戸市 遠藤 音々)
レターパックこの膨らみは零余子(むかご)かも(京都市 根来 美知代)
新涼や豆腐入れたる黒綾部 (名古屋市 加藤 剛司)
きのこ図鑑にドクロマークや秋の宵 (小諸市 藤 雪陽)
ひからびてS字V字の蚯蚓(みみず)かな (宝塚市 武田 優子)
【津川 絵理子 選】
あと百段あと百段と秋高し (神戸市 吉野 勝子)
説教の効き目あとから生身魂(いきみたま) (土浦市 今泉 準一)
懐に血の手拭いや村芝居 (岩出市 沢田 慎一郎)
夏暁の夢や死神説き伏せて (大阪市 今井 文雄)
父を待つ丸ちゃぶ台や虫のこゑ (川越市 益子 さとし)
詠み継ぎて九十五歳秋うらら (成田市 神郡 一成)
花野ゆく女性兵士の耳飾り (さいたま市 関根 道豊)
稲妻に追はるるごとき家路かな (神奈川県 中島 やさか)
【読売俳壇2026.09.28】
[高野 ムツオ 選]
庭畑も危険ぞ妻よこの猛暑 (下妻市 神郡 貢)
妻の句は全部孫の句秋の空 (佐野市 桑原 博)
朝顔の花を数えて妻の朝 (東京都 榎 正好)
墨堤(ぼくてい)の木歩(もっぽ)の句碑や蝉時雨 (津京都 新谷 和幸)
ゴンドラや金風(きんぷう)を拭く窓を拭く (東京都 新谷 和幸)
蜩(ひぐらし)やもとより暗き峠道 (北上市 佐々木 清志)
[正木 ゆう子 選]
つるぼけの南瓜(かぼちゃ)は雄花ばかりなり (奈良県 松井 秀人)
もう妣(はは)に電話も要らず八月侭 (大阪府 池田 寿夫)
夜は夜の色に紫式部の実 (佐野市 髙橋 すみ子)
ミニカボチャ侮るなかれ石頭 (周南市 原田 英夫)
大夕立見る間に湖を渡りけり (大津市 竹村 哲男)
いつからか蜘蛛は友だち台所 (東京都 山田 真理子)
冷蔵庫開けた途端に忘れけり (つくば市 横田 和己)
[小澤 實 選]
秋暑し眠れる猫の二倍伸び (神戸市 遠藤 音々)
レターパックこの膨らみは零余子(むかご)かも(京都市 根来 美知代)
新涼や豆腐入れたる黒綾部 (名古屋市 加藤 剛司)
きのこ図鑑にドクロマークや秋の宵 (小諸市 藤 雪陽)
ひからびてS字V字の蚯蚓(みみず)かな (宝塚市 武田 優子)
【津川 絵理子 選】
あと百段あと百段と秋高し (神戸市 吉野 勝子)
説教の効き目あとから生身魂(いきみたま) (土浦市 今泉 準一)
懐に血の手拭いや村芝居 (岩出市 沢田 慎一郎)
夏暁の夢や死神説き伏せて (大阪市 今井 文雄)
父を待つ丸ちゃぶ台や虫のこゑ (川越市 益子 さとし)
詠み継ぎて九十五歳秋うらら (成田市 神郡 一成)
花野ゆく女性兵士の耳飾り (さいたま市 関根 道豊)
稲妻に追はるるごとき家路かな (神奈川県 中島 やさか)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.09.26】
[横澤 放川 選]
生き物にエゴといふものばつたんこ (名取 里村 直)
敵陣の深く西瓜の種着弾 (東京 山崎 晃)
地球儀の継目ほころぶ原爆忌 (神戸 井上 徳一郎)
LPの針の浮沈や涼新た (茅ヶ崎 清水 呑舟)
さはやかに告白をして失恋す (福岡 白井 道義)
待ちわびる母のもとへと浮いてこい (常陽 近藤 好廣)
批(はは)愛でし鄙(ひな)の訛(なま)りの萱草(かんず)咲く
銀漢や終航便の遠き笛 (大分 高柳 和弘)
菜虫捕る妻はピカソの顔をして (東京 朝田 黒冬)
[神野 紗季 選]
老いたれど汗に乳の香匂う母 (大津 杉林 正博)
蟹つかむマングローブの星祭 (東京 本城 清)
不器用にポトフ煮てをり秋暑し (東京 矢ケ崎 功)
浜茄子や佐渡のをんなの京訛り (横浜 時田 隆二)
年表の行間の黙(もだ) 蝉しぐれ (鹿児島 森山 如月)
夏海の光や暗き舟屋口 (東京 田多井 タマ)
水やりて夕顔ひらく音を待つ (姫路 クマばあば)
【日経俳壇2026.09.26】
[横澤 放川 選]
生き物にエゴといふものばつたんこ (名取 里村 直)
敵陣の深く西瓜の種着弾 (東京 山崎 晃)
地球儀の継目ほころぶ原爆忌 (神戸 井上 徳一郎)
LPの針の浮沈や涼新た (茅ヶ崎 清水 呑舟)
さはやかに告白をして失恋す (福岡 白井 道義)
待ちわびる母のもとへと浮いてこい (常陽 近藤 好廣)
批(はは)愛でし鄙(ひな)の訛(なま)りの萱草(かんず)咲く
銀漢や終航便の遠き笛 (大分 高柳 和弘)
菜虫捕る妻はピカソの顔をして (東京 朝田 黒冬)
[神野 紗季 選]
老いたれど汗に乳の香匂う母 (大津 杉林 正博)
蟹つかむマングローブの星祭 (東京 本城 清)
不器用にポトフ煮てをり秋暑し (東京 矢ケ崎 功)
浜茄子や佐渡のをんなの京訛り (横浜 時田 隆二)
年表の行間の黙(もだ) 蝉しぐれ (鹿児島 森山 如月)
夏海の光や暗き舟屋口 (東京 田多井 タマ)
水やりて夕顔ひらく音を待つ (姫路 クマばあば)
勝手に論愚選
【朝日俳壇2026.09.27】
[高山 れおな 選]
書出しの言葉ゆきあひの空に問ひ (東京都世田谷区 今 啓子)
(評)手紙の書出しを案じるか。「行合(ゆきあい)の空」は、まだ一般化していないが晩夏の季語。新古今集の慈円の唄が典拠で夏から秋への移ろいを言う。
竜淵に潜み少女は耳飾る (浜松市 川口 八重子)
歌詠みの歌詠むときの端居(はしい)かな (八千代市 浦 卓夫)
(評)伊藤佐千夫の名歌を高齢化社会風に脱力化。
雷鳴に混じる地球の悲鳴かな (東京都中野区 中村 忠男)
足相撲子らの素足の美しき (茨城県大磯町 吉村 巌)
青嶺(あおね)寄り添ふ美術館誇りとし (堺市 松本 みゆき)
[小林 貴子 選]
蝉骸(せみむくろ)埋むる小さきシャベルと手 (東京都杉並区 平林 博幸)
颱風(たいふう)一過地に幸ありと鳩歩く (宜野湾市 筒井 慶夏)
海風や花野のための臨時駅 (臼杵市 村上 玲子)
かなかなの寂しく囲む樹木葬 (伊万里市 萩原 豊彦)
天の川木の家に生き土に死す (京都市 室 達朗)
人類に傷つく地球星流る (大垣市 大井 公夫)
[長谷川 櫂 選]
昼寝でもしててください南瓜(かぼちゃ)たち (栃木県壬生町 あらゐ ひとし)
震災忌魚を目にする墨田川 (東京都中央区 久塚 謙一)
太陽に抱かれるごとき残暑かな (大村市 小谷 一夫)
茶花なる屁糞葛(へくそかずら)の名の哀れ (埼玉県宮代町 鈴木 清三)
大地震端に蟋蟀(こおろぎ)鳴き始む (熊本市 坂口 ちか子)
世界的前衛画家の水玉忌 (葛城市 山本 栄子)
[大串 章 選]
流星や平和を願ふ前に消ゆ (加古川市 森木 史子)
名をきかぬままの道づれ大花野 (青梅市 市川 蘆舟)
決断のあとは無言の端居かな (厚木市 北村 純一)
鰯雲みなが人生一回目 (新潟市 鳴海 久代)
サングラス掛けて無敵の百寿かな (茅ヶ崎市 西岡 青波)
【朝日俳壇2026.09.27】
[高山 れおな 選]
書出しの言葉ゆきあひの空に問ひ (東京都世田谷区 今 啓子)
(評)手紙の書出しを案じるか。「行合(ゆきあい)の空」は、まだ一般化していないが晩夏の季語。新古今集の慈円の唄が典拠で夏から秋への移ろいを言う。
竜淵に潜み少女は耳飾る (浜松市 川口 八重子)
歌詠みの歌詠むときの端居(はしい)かな (八千代市 浦 卓夫)
(評)伊藤佐千夫の名歌を高齢化社会風に脱力化。
雷鳴に混じる地球の悲鳴かな (東京都中野区 中村 忠男)
足相撲子らの素足の美しき (茨城県大磯町 吉村 巌)
青嶺(あおね)寄り添ふ美術館誇りとし (堺市 松本 みゆき)
[小林 貴子 選]
蝉骸(せみむくろ)埋むる小さきシャベルと手 (東京都杉並区 平林 博幸)
颱風(たいふう)一過地に幸ありと鳩歩く (宜野湾市 筒井 慶夏)
海風や花野のための臨時駅 (臼杵市 村上 玲子)
かなかなの寂しく囲む樹木葬 (伊万里市 萩原 豊彦)
天の川木の家に生き土に死す (京都市 室 達朗)
人類に傷つく地球星流る (大垣市 大井 公夫)
[長谷川 櫂 選]
昼寝でもしててください南瓜(かぼちゃ)たち (栃木県壬生町 あらゐ ひとし)
震災忌魚を目にする墨田川 (東京都中央区 久塚 謙一)
太陽に抱かれるごとき残暑かな (大村市 小谷 一夫)
茶花なる屁糞葛(へくそかずら)の名の哀れ (埼玉県宮代町 鈴木 清三)
大地震端に蟋蟀(こおろぎ)鳴き始む (熊本市 坂口 ちか子)
世界的前衛画家の水玉忌 (葛城市 山本 栄子)
[大串 章 選]
流星や平和を願ふ前に消ゆ (加古川市 森木 史子)
名をきかぬままの道づれ大花野 (青梅市 市川 蘆舟)
決断のあとは無言の端居かな (厚木市 北村 純一)
鰯雲みなが人生一回目 (新潟市 鳴海 久代)
サングラス掛けて無敵の百寿かな (茅ヶ崎市 西岡 青波)
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.09.24】
[宮坂 静生 選]
丑三つ時月下美人としのび逢ふ (河内長野市 平野 彰一)
(評)月下美人はさぼてんと承知しながら、ことばには魔力がある。それも深更(しんこう)の時刻での密会とはどきどき。一夜かぎり、夜明けにはしぼんでしまう。幻想でもいい。
親友に別の友人夏休み (東京・足立 木幡 忠文)
読みかけの長編探す夜の秋 (大和郡山市 才田 純)
黄雲(こううん)を泳ぐ蝗(いなご)の孤独なる (長野・辰野町 小澤 隆)
被爆者の言の葉重し晩夏光 (神戸市 内藤 京子)
夏草や藍の長者の蔵残る (町田市 枝澤 聖文)
胸中に青栗育てつつ生きる (横浜市 近江 満里子)
まだ雲に漲(みなぎ)る力秋暑し (白井市 毘舎利 愛子)
御木曳(おきび)きや遠く蜩(ひぐらし)神の杜 (鎌倉市 林 雄毅)
ニュータウンごった返しの盆踊 (神戸市 末永 拓男)
咲き満つも一と日短かし白木槿(むくげ) (川崎市 黒澤 仁史)
[対馬 康子 選]
八月の衣裂く音に目覚めけり (出雲市 石原 清司)
(評)眠りを破った「衣裂く音」とは何だったのだろう。夢とも現実ともつかない響き。そこに「八月」が置かれると、遠い戦争の記憶が呼び覚まされ、心に残る。
夜の雷懺悔(ざんげ)の顔を照らしけり (草津市 あびこたろう)
街角の傷病兵(しょうびょうへい)の溽暑(じょくしょ)かな (大和高田市 西川 妙敬)
明日あるを信じて満たす冷蔵庫 (寝屋川市 三島 得子)
夏木立百尺観音涼の中 (千葉市 長野 安廣)
一碧(いっぺき)の空を支えて百日紅(さるすべり) (横浜市 岡 彬)
拾うのも啜(すす)るのもあり震災忌 (福岡市 玉野 忠)
蓑虫やワルツ聞こえているのかも (朝霞市 関 良江)
送火や西へ西へと向かいけり (佐倉市 大塚 正明)
法面(のりめん)を朱色に染めて曼珠沙華 (朝霞市 林 則雄)
ロボットの配膳受けて暑気払い (川崎市 横山 貞男)
【産経テーマ川柳】テーマ 災害
遠方から親戚来ぬがボランティア (東京・荒川 佐々木 重雄)
青いけど赤信号の点(つ)く地球 (東近江市 山崎 悦子)
日本中安全地帯ないと知る (国分寺市 玉井 仁子)
この暑さ天災なのか人災か (泉大津市 保高 林二)
毎日の散歩は避難コース行く (大阪・太子町 五十川 三惠子)
着慣れない災害服のお偉方 (町田市 田澤 敦夫)
【産経俳壇2026.09.24】
[宮坂 静生 選]
丑三つ時月下美人としのび逢ふ (河内長野市 平野 彰一)
(評)月下美人はさぼてんと承知しながら、ことばには魔力がある。それも深更(しんこう)の時刻での密会とはどきどき。一夜かぎり、夜明けにはしぼんでしまう。幻想でもいい。
親友に別の友人夏休み (東京・足立 木幡 忠文)
読みかけの長編探す夜の秋 (大和郡山市 才田 純)
黄雲(こううん)を泳ぐ蝗(いなご)の孤独なる (長野・辰野町 小澤 隆)
被爆者の言の葉重し晩夏光 (神戸市 内藤 京子)
夏草や藍の長者の蔵残る (町田市 枝澤 聖文)
胸中に青栗育てつつ生きる (横浜市 近江 満里子)
まだ雲に漲(みなぎ)る力秋暑し (白井市 毘舎利 愛子)
御木曳(おきび)きや遠く蜩(ひぐらし)神の杜 (鎌倉市 林 雄毅)
ニュータウンごった返しの盆踊 (神戸市 末永 拓男)
咲き満つも一と日短かし白木槿(むくげ) (川崎市 黒澤 仁史)
[対馬 康子 選]
八月の衣裂く音に目覚めけり (出雲市 石原 清司)
(評)眠りを破った「衣裂く音」とは何だったのだろう。夢とも現実ともつかない響き。そこに「八月」が置かれると、遠い戦争の記憶が呼び覚まされ、心に残る。
夜の雷懺悔(ざんげ)の顔を照らしけり (草津市 あびこたろう)
街角の傷病兵(しょうびょうへい)の溽暑(じょくしょ)かな (大和高田市 西川 妙敬)
明日あるを信じて満たす冷蔵庫 (寝屋川市 三島 得子)
夏木立百尺観音涼の中 (千葉市 長野 安廣)
一碧(いっぺき)の空を支えて百日紅(さるすべり) (横浜市 岡 彬)
拾うのも啜(すす)るのもあり震災忌 (福岡市 玉野 忠)
蓑虫やワルツ聞こえているのかも (朝霞市 関 良江)
送火や西へ西へと向かいけり (佐倉市 大塚 正明)
法面(のりめん)を朱色に染めて曼珠沙華 (朝霞市 林 則雄)
ロボットの配膳受けて暑気払い (川崎市 横山 貞男)
【産経テーマ川柳】テーマ 災害
遠方から親戚来ぬがボランティア (東京・荒川 佐々木 重雄)
青いけど赤信号の点(つ)く地球 (東近江市 山崎 悦子)
日本中安全地帯ないと知る (国分寺市 玉井 仁子)
この暑さ天災なのか人災か (泉大津市 保高 林二)
毎日の散歩は避難コース行く (大阪・太子町 五十川 三惠子)
着慣れない災害服のお偉方 (町田市 田澤 敦夫)