勝手に論愚選 【産経俳壇2024.06.27】【産経テーマ川柳】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【産経俳壇2024.06.27】
[宮坂 静生 選]
杼(ひ)の走る綴れは夏の富士 (枚方市 安達 京子)
(評)綴れ織りの表に盛夏の富士が盛り上がる。縦糸の隙間をくぐらせる横糸の杼が魔法のように行き来して、じっくりと鮮やかなお山が盛り上がる。魂が入る。
雪渓の風は龍鳴(りょうめい)めく響き (東京・足立 木幡 忠文)
人の居る方へ方へと春の蝿 (土浦市 今泉 準一)
夏ともし画廊の裸婦と見つめ合ふ (志木市 谷村 康志)
スジャータの粥を想いて甘茶仏 (鶴ヶ島市 寺坂 睦子)
すめらぎの田にも挨拶つばくらめ (浜松市 宮田 久常)
本当の私に戻る夜の薔薇 (北名古屋市 月城 龍二)
五月富士弾める機内アナウンス (倉敷市 中路 修平)
叩けども想ひはるけき水鶏(くいな)かな (川崎市 黒澤 仁史)

[対馬 康子 選]
雲海やすでに方舟よりはぐれ (大阪市 北芝 ゆう子)
(評)機上ではなく山頂から望む雲海は夏の季語。その荘厳さに神の存在を思う。白い雲の海。人類が生き延びるノアの方舟はすでに遠くへ行ってしまったのだろうか。
虹立つや旅の途中に棄てる地図 (船橋市 川守田 美智子)
花樗(おうち)大空からの子守りうた 長野市 武田 芳子)
藤は下桐は上へと自己主張 (紀の川市 中村 聖司郞)
少年は未来を語るソーダ水 (宇都宮市 田村 成夫)

【産経テーマ川柳】テーマ 右
デート中上司を見かけ回れ右 (神戸市 野崎 初人)
右に杖左に手摺りで歩けます (角田市 目黒 尚美)
右腕といわれますます仕事する (伊賀市 福沢 義男)
内裏様右か左か大喧嘩 (阪南市 山田 哲雄)
善政に右も左もあるものか (大阪市 坂上 誠)