勝手に論愚選 【読売俳壇2024.06.17】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【読売俳壇2024.06.17】
[矢島 渚男 選]
簪(かんざし)も藤なる春日大社かな (長崎市 中村 誠示)
さかさまに見るピカソの絵立夏なり (姫路市 難波 佳代)
強き意志持ち始めたる植田かな (匝瑳市 椎名 貴寿)
蕗の花有間皇子の墓石越え (香芝市 中村 翠孝)
母の日や粒に無駄なき砂時計 (八王子市 間渕 昭次)
母の日や老いても母に叱られる (熊谷市 間中 昭)

[高野 ムツオ 選]
傘寿とふ傘こそよけれ春の雨 (町田市 枝沢 聖文)
処理水のしみ入る海や海猫(ごめ)の声 (仙台市 古谷 隆男)
添文の湿りて届くさくらんぼ 〔東大阪市 土谷 鉄男〕
聖五月泣いては眠る新生児 (徳島県 曽我部 幸子)
田の神の揺らすがままに青田風 (日立市 菊池 二三夫)
語らって翼が生えて風光る (下松市 田中 昌子)

[正木 ゆう子 選]
あなたとも君とも言はず父の日来 (熊谷市 田島 良生)
オーロラと夫の言ひ張る夕薄暑 (川崎市 多田 敬)
しばらくは祭日はなし青時雨 (大分市 加藤 元二)
麦刈の鎌先止める卵五個 (熊谷市 馬場 国夫)
音立てて蕨の胞のしまりけり (札幌市 田口 和子)
息継ぎて息継ぎて泣く子どもの日 (東海市 齋藤 浩美)

[小澤 實 選]
夏用のスリッパに替え魚煮る (名古屋市 徳弘 光恵)
昭和の夏穴二つなる缶ジュース (川口市 渡辺 しゅういち)
嘴移し翡翠(かわせみ)の恋始まりぬ(横浜市 大井 みるく)
シュレーゲルアオガエルのポポポポポッ (京都市 足立 紀子)