勝手に論愚選 【産経俳壇12024.06.13】【産経テーマ川柳】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【産経俳壇12024.06.13】
[宮坂 静生 選]
はらいそを見遣る卯の花腐しかな (横浜市 前島 康樹)
(評)「はらいそ」は天国の意。初夏に数日、じぶじぶと雨が降る。白い空木の花を腐す雨。ふと彼方の楽園は明るいだろうなと思う。信仰とは日常の心。
窓際の生徒はいつも目借時 (名張市 石田 英二)
雪残る八ケ岳の縦走芽落葉松 (東京・渋谷 山口 照男)
桜蕊降る戦場の様をなし (白井市 毘舎利 道弘)
舟小屋に舳先隠して伊根長閑 (羽曳野市 岡田 猛)
メーデーや休憩室の鉄アレイ (志木市 谷村 康志)
蝌蚪生まれ水に華やぎありにけり (名古屋市 平田 秀)
校門に鍵なき昭和山桜 (高槻市 野村 勝子)

[対馬 康子 選]
田植機や泥と会話に虹が立つ (東京・品川 藤井 好)
(評)多くの人手が必要だった田植えも今は機械化が進んだが、土の軟らかさや温度、話しかけながら作業をする気持ちに変りはない。豊穣を願って虹が立つ。
あご細きピカソ自画像夏初め (平塚市 日下 光代)
葉桜や命は一つあれば足る (横浜市 近江 満里子)
山笑うぼくにも葉緑体あれば (湖西市 四條 たんし)
墓終う桜蕊降る父母の家 (高松市 上野 和茶)
順調に老化してます若葉風 (静岡市 齋藤 勉)
膝癒えて歩める幸や鼓草 (東京・中野 赤沢 啓友)
生かされて生きる旅路や風薫る (草津市 中村 恵蔵)

【産経テーマ川柳】テーマ 全集
値がつかず寄贈も拒まれゴミ置き場 (福岡市 鈴木 保孝)
へそくりを隠した巻を忘れてる (米子市 イー爺)
全集の欠番探す古本市 (池田市 森 純也)
買い取りの価格に漱石絶句する (神戸市 野崎 初人)
祖父父自分全集誰も手を触れず (東京・江東 服部 充男)