勝手に論愚選 【朝日俳壇2024,06.02】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【朝日俳壇2024,06.02】
[小林 貴子 選]
筍のあのぶつぶつは何だろう (柏市 青木 美佐子)
鋼なす九十歳の裸かな (新座市 丸山 巌子)
洋食は匙にて楽し五月晴(東京都世田谷区 須藤 渉一)
シャンシャンの日本語恋ふる春の風 (大阪府 渡辺 たかき)
仏壇へガーベラ似合わないですか (別府市 桶園 暢子)
猿酒を欲しき齢となりにけり(成田市 神郡 一成)
待ちやがれ修司忌に逝く唐の笑み (東京都練馬区 吉竹 純)

[長谷川 櫂 選]
黒鯛や黒の強さと美しさ (富士市 村松 敦視)
ウェルズは麦また麦の秋ならむ (東京都世田谷区 松木 長勝)
〔評〕英国ウェールズの麦秋をはるかに思う。豊かな調べ。
一族のたつた一人の田植ゑかな (加東市 藤原 明)
五月波太刀割りにして艇疾し (昭島市 大関 崇央)

[大串 章 選]
夏場所や初日あららの上位陣 (伊丹市 保理江 順子)
仏壇に今も置かれし夏帽子 (相模原市 はやし 央)
パソコンを操る芸姑夏のれん (前橋市 武藤 洋一)
月眠るやうにゆらして春の海 (東京都足立区 無京 水彦)

[高山 れおな 選]
傘雨忌やパントマイムを見て帰る (京田辺市 加藤 草児)
ねつのでたばっちゃんゆでたほうれん草 (成田市 かとう ゆみ)
〔評〕〈おしゃべりな妹まるで金魚かな〉も同時投句。
駅ピアノくすぐるやうに弾く晩春 (三鷹市 宮野 隆一郎)
草刈機止めて為替の話など (大月市 中村 照子)
満々と明日待つ代田風の皺 (水戸市 伊師 繁次)
コンビニに寄るメーデーのプラカード (相馬市 根岸 浩一)
鈴蘭の真珠のごとく咲きにけり (狛江市 岩野 記代)