勝手に論愚選 【読売俳壇2024.06.03】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【読売俳壇2024.06.03】
[矢島 渚男 選]
春の風遠くの君へ届く頃 (東京都 関根 ともみ)
鶴引くや古墳を過ぎてまた古墳 (奈良市 石田 昇己)
供へ物一切あらず武具飾る (宝塚市 広田 祝世)
小志まだ抱きて喜寿や鯉幟 (青森市 天童 光宏)
春風や竹踊らせて竹を編む (佐野市 高橋 すみ子)
縁起とて軍配薺(ぐんばいなずな)いただけり (神奈川県 大久保 武)

[高野 ムツオ]
大富士や上に白雲下に花 (北本市 萩原 行博)
杼(ひ)のごとく燕が家にすべり入る (町田市 枝沢 聖文)
縄文の風にも脱ぎし竹の皮 (東京都 奥村 和子)
廃炉あり廃村もあり柿若葉 (郡山市 寺田 秀雄)
島の子の遊びに蝶の加わりぬ (明石市 北前 波塔)

[正木 ゆう子 選]
粽(ちまき)さえ食せぬままに逝きにけり (東京都 大森 知子)
キャンプ張るロマンチストとリアリスト (栃木県 あらゐ ひとし)
竹やぶは会社の地にて筍も (相模原市 大谷 千恵子)
子であつて子でない仏風薫る (柏市 佐藤 敏文)
老眼の娘二人や子供の日 (京都府 山田 国雄)

[小澤 實 選]
生きてきて良かった那智の滝に会ふ (つくば市 浅田 光昭)
鮑持ち泡の中より潜水夫 (神戸市 大岩 正典)
宵風に撓(たわ)む噴水君は来ず (松江市 三方 元)