勝手に論愚選 【朝日俳壇2024,05,12】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【朝日俳壇2024,05,12】
[長谷川 櫂 選]
恐ろしき花びら地雷春寒し (伊賀市 福沢 義男)
(評)花びらに見えるけれど地雷。何と残酷な人間の所業。
今宵ほどよき闇はなし亀の鳴く (越谷市 新井 高四郎)
(評)亀も闇に酔い痴れているのだ。一刻値千金。
春風に亡き友の声「お前らしい」 (東京都目黒区 椿 泰文)
ぼうたんの開き手天地押し広ぐ (北本市 萩原 行博)
人の句に心うるはす花の昼 (玉野市 北村 和枝)

[大串 章 選]
人生の袋小路で春を待つ (筑紫野市 二宮 正博)
(評)「春を待つ」がポジョティブで良い。焦らず待てば「抜け小路」は必ず見つかる。
行く春や顔を見ぬとも句友かな (箕面市 櫻井 宗和)
春夕焼敢へて決めない進路あり (仙台市 柿坂 伸子)
囀りの身籠る山のありにけり (市川市 をがは まなぶ)
花ゑんどう今宵も蝶の塒(ねぐら)かな (川越市 大野 宥之介)
菜の花や村に七つの沈下橋 (川崎市 多田 敬)

[高山 れおな 選]
俳人に覗き込まれて水温む (境港市 大谷 和三)
歌膝のオランウータン飛花落花 (川西市 糸賀 千代)
シャボン玉身をくねらせてふくれけり (茅ヶ崎市 藤田 修)
裁く人裁かれる人万愚節 (立川市 須崎 武尚)
米軍の切っ先にゐる余寒かな (福島県伊達市 福島県伊達市 佐藤 茂)
深空あり花が花生む吉野山 (四日市市 伊藤 元)
カラヤンをLPで聴く昭和の日 (草津市 あびこたろう)

[小林 貴子 選]
山ふはり山桜なほふうはりと (浦安市 中崎 千枝) 
ミルク色の空レモン色の春日 (小平市 本多 達郎)
夕おぼろ入院食のお品書き (大船戸市 桃心地)
涅槃図の外で大きく啼く鯨 (八代市 山下 しげ人)
吾だけの片栗の花秘密基地 (長野市 中沢 善尋)