勝手に論愚選 【朝日俳壇2024.3.31】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【朝日俳壇2024.3.31】
[小林 貴子 選]
流氷期酔狂といふ旅にあり (札幌市 樋山 ミチ子)
俳人の俳はグルーヴさくら咲く (川崎市 渡邉 隆)
惜春や定家の記す超新星 (東京都目黒区 椿 泰文)
雪間草(ゆきまぐさ)生き続けよと声のする (新潟市 齋藤 達也)
あたたかや藁の匂ひの鹿せんべい (神戸市 藤井 啓子)

[長谷川 櫂 選]
アユタヤの蹠(あうら)大きな寝釈迦かな (三木市 内田 幸子)
千年の都に四年卒業す (加東市 藤原 明)
つちふるや真つ赤に燃ゆる吹き硝子 (本巣市 清水 宏晏)
杏子忌の花と星とが語り合ふ (所沢市 木村 佑)

[大串 章 選]
政界に鶴はうそぶき亀鳴けり (さいたま市 齋藤 紀子)
(評)政界の裏金問題。大物の鶴の一声も関係議員の亀のような小声も国民は納得できない。引き揚げ者開墾の村黄砂降る (相馬市 根岸 浩一)
進学を拒否して海女になりにけり (栃木県壬生町 あらゐ ひとし)
今年捲く種を残して逝きにけり (静岡県河津町 岩城 紀子)

[高山 れおな 選]
ひひなみなまぶたひとへにまばたかず (日立市 加藤 宙)
(評)時間が止まったような世界。ヒイナ、ヒトエの頭韻も利いた調べの美しさを仮名書きで強調する。
理容師に春の頭を注文す (東京都板橋区 竹内 宗一郎)
愚禿(ぐとく)親鸞大愚良寛万愚節 (松山市 谷 茂男)
ビル包むやはらかな雨納税期 (草津市 佃 恵美子)