勝手に論愚選 【日経俳壇2024.01.06】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【日経俳壇2024.01.06】
友逝きて鶡旦(かつたん)鳴かず蟄居せり (東京 八丁地 園子)
(評)鶡旦不鳴(かつたん鳴かず)は中国暦における小雪の候。七十二候では第五十八候。耳雉(みみきじ)という鳥が音(ね)を入れる逼塞の時期という意味らしい。さみしいが向寒のいのちの願いとして、かえって年頭の句として掲げたい。
原子炉が熱くて蛇は眠られず (石巻 石の森 市朗)
秋麗讃岐七富士七化粧 (東京 天雲 法博)

[神野 紗希 選]
戦争が炬燵に座り笑つている (高松 島田 章平)
(評)昭和14年作の渡邉白泉の〈戦争が廊下の奥に立つてゐた〉を踏まえ、今は戦争は太々(ふてぶて)しく炬燵に座り笑っていると詠んだ。新たな一年、箍(たが)が外れた人類の行く末は。同時作〈遺体にも子供は慣れてガサの冬〉も苦しい。
シスターの菓子悴(かじか)めるロマの児へ (横須賀 門馬 恵子)
注射器の血だまり昏(くら)しポインセチア (鶴ヶ島 廣島 幹雄)
新品のパジャマ夜食はメロンパン (松原 たろりずむ)