令和6年度福岡県高校入試(総括) 全員勝者! | 勉強で困らないために

勉強で困らないために

成績が上がらない。そもそも勉強しない。「どうすれば?」よりも「どうあるべきか?」
教育の王道を突き進む『学習塾LOGOS』(福岡県春日市・太宰府市・大野城市)の代表が考える勉強の本質とは。

今年もっとも感じたことは、本質的な問題が増えたことだ。

基本的な知識を単なる語句で終わらせず、その意味や背景、仕組みをしっかり理解することがこれから必要になる。

その上で問題文をしっかり読み取り、それに合う論述ができなければ、「知っているけど正解にならない」ということになる。 


そういう意味で随所に「思考力」「読解力」「文章表現力」が散りばめられており、付け焼き刃の丸暗記を許さないという厳しさを感じた。


カギになるのは、「ただ覚える」のではなく、もちろん答えを写すだけなんてもっての他で、「なぜそうなるのか」「どんな原理なのか」と疑問を持ち探求する習慣だと思う。



今回の難易度は、教科別に


国語、社会、理科は易化、数学、英語は偏りが生じているものの、一言で難化とは言えない。


気になる合格ラインだが、

筑紫丘  245~250

春日      220~230

筑紫      190~200

筑紫中央  200前後


くらいじゃなかろうか。


全体の学力レベルが微妙に変化しており、正直合格者の最低点となるとイメージよりも下目になるのではないかと予想。

ただ、筑紫丘や春日については、普段の判定とは大きく違った印象の結果になるかもしれない。

B判定を何度も出している生徒が残念な結果になり、C,D判定が続いていた生徒が合格というケースはこれまでももちろんあったが、今回は多そうな気がする。

それほど数学のブレが大きいと思われる。


特色化選抜の影響もあり、ラスト1ヶ月を満足に過ごせた生徒は少ない。

クラスの大半が受験を終え、しかも授業は入試対策の演習中心で、受験が終わった組が騒いだり茶化したりすることは容易に想像できる。

苦しい時期もあっただろうし、逃げ出したり、受験をやめたいと思った生徒もいただろう。事実多数の生徒が私立一般前期終了後に離脱しており、受験当日の空席も多かったと聞く。

それでも最後までよくがんばった。

逃げずにやり通したことを褒めたい。


入試の転換期なのかもしれないが、ある意味印象的でインパクトの強い入試であった。

これから受験がどんなカタチに収まっていくのか分からないが、こんな収拾のつかない落ち着かない環境でも最後まで歯を食いしばってやり抜いたんだから、私に言わせれば全員勝者である。


全員勝者。


これが一番しっくり来る。そういう入試だった。