《大問一(1)》
「時は金なり」
知っている人にはイージーだが,これを受験勉強として「準備」するのは難しい。ことわざが今年の1問目であった。
問二,問三は昨年までと同傾向。
「時間が紡ぎ出す記憶」「育てられ、維持される」を文章から拾い出し,うまく繋げられればよい。
問四は,④以外は選びようもない。
問五は,文章読解の王道であるが,最後のまとめの3行。
それこそがモモがとりもどした時間だった!
をヒントに,
「時間が金に換算されるのではなく」「確かな信頼にもとづく生きた時間」をまとめたい。
《大問一(2)》
問一はさほどでもないが,
問二は,「見つめています」の文の働き=述語
これは問題の意味を捉えるのがそもそも難しい。
問三問四の「熟語の構成」「漢字」は基本的な知識問題。
問五は,選択肢を与えられているので対応はできたと思う。
《大問二》
ここが今回もっとも厳しいところ。
文章が難解な上に,きっちり読み込まないと指示語の内容を探すことすら難しい。
授業でスローリーディングしながらゆっくりやりたいほど良い文ではあるが,これを限られた時間で解きなさい,は少し厳しかろう。
特に問四問五は,トータルで考えれば早めに見切りをつけて,先に進んだほうが得点にはつながったと思われる。
日頃から40~45点までの生徒であれば,さっと飛ばして次に行ったはず。
ところが普段から50点を超えているような生徒は,ここでずいぶん時間を使ったのではないか。
これが国語のみならずこの後の数学,さらに社会~英語へと引きずってしまった可能性がある。
かなり厳しい問題と思う。
《大問三》
問一は基本的な歴史的かなづかい。
問二も古文では定番。
問三は,現代語訳を参考にすればさほど難解ではない。
問四は返り点。
問五は,一瞬,ん?何言ってるの?と迷うものの,なんとかひねり出すことはできる。
ただ,大問二でメンタルがやられていない場合の話。
大問二の状況によっては,ここでも心揺さぶられて,イライラが増した可能性はある。
《大問四》
例年通りの作文。
しかもかなり一般的なお題で,おそらくは誰でも一度は練習したことがあるはず。
よってここはあまり差がつかず,みんなできた,と思われる。
緊張する入試本番。
その1教科目。
それらを考慮すると,生徒たちにとっては かなり厳しかったと思われる。
特に上位校をめざす生徒にとっては,ここで40そこそこ,次の数学から仕切り直そう。とうまく切り替えができていれば良いが,そうでなければ,国語が残りの4教科にかなり影響を残した可能性が高い。
簡単な問題と難解な問題が二極化しており,点数的には30~40に全員が集まってしまうような気がする。
しつこいようだが,トップ校の生徒には厳しく,それ以外は点数的には模試などとそう変わらない点数だと思われる。