想いの道 ~会長の独り言~ -218ページ目

『大入』

 サッカー ワールドカップもいよいよ終盤。この原稿を書いている今夜は「韓国対ドイツ」そして明日は優勝候補筆頭の「ブラジル対トルコ」。勝者は30日の横浜での決勝戦に、敗者は29日の3位決定戦にまわることになる。このような組み合わせを誰が予想しただろうか?それにしても韓国の奮闘ぶりは感動ものだ。うらやましいような悔しいような複雑な心境です。日本の戦いぶりを振り返るともうチョットいけたかなあ、しかしまあよく頑張ったのかなというところでしょうか。代わりにといっては韓国の皆さんに失礼になるが、精一杯応援して横浜スタジアムまで来てもらいたいものだ。これまでの戦い振りを見ていると決して不可能ではない、いや十分にチャンスありと見るのは身びいきというものだろうか?

 しかしこれほどまで人々を熱狂の渦に巻き込むワールドカップの魅力とは何なのだろう。オリンピックでもメジャーリーグでもここまで世界中を惹きつけるパワーも魅力もない。強く感じるのはそのスピード感と格闘技さながらのぶつかりあい。そして華麗なテクニックとそれを見事に表現するフィジカルとメンタルのバランス。更に組織としての機能性。この見事な人間性の表現のステージがワールドカップ。次にわが国で開催されるのはいつのことになるやら。韓国にとっても日本にとっても大変な祭典を開催できたことに、またこの時期にめぐり合わせたことに心から感謝、感謝。

 この新聞が皆さんの目にふれるのは、7月の初めでしょうか?ワールドカップの余韻に浸りながらこれから来る熱い夏に思いをはせていることでしょう。

 今日はちょっとくだけたお話をご披露申し上げます。

 関西落語界に「桂 米朝」という名人がおられます。名人の落語会をテレビで拝見して腹を抱えて笑ってしまいました。その小噺を紙上再現とチャレンジしてみます。ジックリとお楽しみあれ。

 場所は大阪、時は昭和の30年代かな。町屋に嫁いできた若お上さん。1日の努めも無事終えて風呂に入って寝化粧をして布団の中へ。亭主は既に軽いいびきをかいて夢心地。ここで困ったことにお上さんのお腹がはって、下の口から息が漏れそう。布団の中での1発は皆さんもご経験おありでしょうが、何とも言えない香りをまき散らすものです。懸命にこらえるが出物腫れ物ところ嫌わず。つい1発!布団の端をそおっとめくって芳しき香りは逃がしたが、ご亭主殿に気付かれやしなかったかと、ハラハラドキドキ。嫁いできたばっかりのところで、こんな粗相をしでかしては愛想を付かされてしまう。思案のあげく高いびきのご亭主どのを揺り起こし確認に及んだ次第。まさか「匂ったかい?」と尋ねるわけにもいかず「お前さん、お前さん今地震があったがわかったかい?」 亭主殿答えていわく「おならの前かい、後かい?」・・・・・・・・・・・・

 ついでにもう一席。やはり地震に関係した小噺。これも町屋の若旦那、日頃より思いをかけている隣横丁のおねえさんを両親が寝静まった夜更けに2階の自分の部屋にそおっと引き込んで、ことに及んだ。いつもなら事が終われば下の両親に気づかれないように送り返すのだが、相思相愛の若い2人の事、この晩は家が揺れるほど頑張ったは好かったが、そのまま朝まで寝込んでしまった。朝起きて、「しまった」と頭を掻いたがあとのまつり。

 ええ、ままよと若旦那そ知らぬ顔で下の茶の間へ。両親といつものように朝餉の卓に向う。親爺殿「夕べはひどい地震だったが、気がついたかい?」若旦那とぼけたふりで「おやそうかい、グッスリ寝てて気がつかなかった」  何事もなかったように朝飯を済ませて席を立つ息子に親爺殿「2階の地震にも朝飯をふるまってやんな」・・・・・・・・

 米朝名人の語りでこの小噺を聞くのと私の拙い文章ではおかしさも半減というもの。野暮は承知での暑気払の一席でした。お粗末。