『健康の有り難さ』
新年の診察で何と肺炎に罹っているとの診断。びっくり、がっくりしました。おまけに肺癌の疑いもあるとの診断。まだごく初期の状態ですから、疑い段階であるいは癌もどきかも知れない。2月4日に九大病院で再検査します。さらにピロリ菌も見つかり投薬治療中です。男性高齢者にはつきものの前立腺肥大の検査も控えています。70歳を迎えた時にも肺炎を患い2週間の入院をしています。今回は入院こそ致しませんが、自宅静養を余儀なくされています。咳がまだまだ続いていて、時に咳込むのでその時は非常に苦しい。この原稿を書いている今も潤いマスクなる物のお世話になっています。この際徹底的に身体のオーバーホールをして今一度元気な姿で出直すことに致します。会社も暫くはお休みさせて頂きます。
というわけでお酒もこの2ヶ月ほとんど口に致しておりません。ちょっとでも口にすると、咳き込むので身体が受け付けません。ちょうど良いきっかけですね。今後禁酒してこれからの人生しらふで生きる事にします。
実は『しらふで生きる』と言うエッセーが出ているんです。芥川賞、谷崎潤一郎賞を受賞した町田康と言う作家の作品です。それによると酒はオーディオ装置にあるアンプ、つまり増幅器の働きをするのです。お酒飲みの人なら納得するでしょうが、酒はアンプの働きと同様に私達の元々持っている性質を増幅する。しらふの時はなかなか現れないが、一杯入ると人が変わったように口数が増え、人と心を通わせる事ができるようになる。酒の美点ですね。ところがアンプは音量を上げるだけであり、音の特性を変えるものではない。アンプを通したからといって耳障りな音が良い音に変わるわけではない。同様に、酒は私達の中にある、人間としての嫌な部分も増幅する。これが酒の難点です。だから元々、良い性質を持っている人は酒を飲み、これを増幅するがよろしいでしょう。そうでない人は酒はよした方が良い。という訳で健康の問題もあるが、自分自身はどちらに増幅するか?
まあやめたが良いと決めました。会長の独り言でした。