これこそ「巨星墜つ」 | 風の吹くまま

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怪談を語り、ウクレレ漫談で世相を切り、落語を演じる・・・実は「聴き屋」です。

まさに「巨星墜つ」という言葉がこれほどまでに(不適切かもしれないけど)

ぴったりすることはないでしょう。

 

9日夜、小澤征爾さんの訃報が伝えられました。

 

年齢も年齢でしたし、仕方ないことではありますが、やはり喪失感は大きかったです。

昨年、ジョン・ウィリアムスさんの来日コンサートの時に、車いす姿の小澤さんを見たときに

かなり弱っているお姿で、辛い思いをしましたが・・・。

 

本当に偉大な音楽家でした。

 

返す返すも悔しいのは、一度も生で小澤さんを聴くことができなかったということです。

何度かチャンスはあったのですが、また聴けるだろうと思って行かなかった、

いまとなってはもう遅い、痛恨です。

落語でも、談志師匠には間に合いましたが、志ん朝師匠を生で聴くことは出来なかったのが

痛恨であるように。

 

先日の正楽師匠もそうですが、いつでも見られると思っていても、実はそんなことはなくて、

いつでも「その場限りの出会い」で、まさに一期一会なのです。

 

人と人が出会うというのは、本当に一度限りのことなのです。

 

だから、当たり前のことですが、見たい、聴きたい、会いたいと思ったときは素直に

その心に従うべきなのです。

 

志ん生の高座を生で見た。

長嶋のプレーを生で見た。

六代目の菊五郎を生で見た。

小澤征爾を生で聴いた。

こんな経験はみんな宝物になるし、自慢になります。

 

このブログでも何度も「その芸人と同じ時代を生きられた幸せ」ということを言っておりますが、

(芸人ではありませんが)小澤さんと同じ時代を生きられたのは、クラシックファンとして

幸せなことだったと思います。

https://ameblo.jp/locosawai-blog/entry-12788568706.html

 

 

小澤さんと村上春樹さんの友情、素晴らしいものでした。

大西順子さんのライブに二人で行って、小澤さんが引退撤回させたというエピソードが大好きです。

 

そして、2002年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートの指揮を小澤さんが

やったことはすごいことだったとあらためて感じています。

これと、ボストン交響楽団とのマーラーの1番、大好きなCDです。

小澤さん、本当にありがとうございました。

 

・・・というわけで、

今日の1曲目は小澤征爾指揮、ウィーン・フィルハーモニーで「ラデツキー行進曲」。

https://www.youtube.com/watch?v=uKOayuQV0-Y