DMC5が発売されてから1年以上経った。
去年の3月8日が発売日なのでその日に書きたかったが出張などで忙しくて何もできなかった。
DMCシリーズは他のゲームに比べると言いたいことが多いので書く気が失せるのだが、1周年記念として書いてみる。1年経っているのでネタバレも含める。
今作の主人公は3人いて、
いつものダンテ(さらにおっさん化した)
デビルハンターになったネロ(短髪化した)
謎の依頼人V(ポエム野郎)
が登場する。
プロローグで魔王ユリゼンに負けて(ここまでが小説版)、それから1カ月後のストーリーが5である。
1カ月前や1カ月後によく話が飛んだりするが、一応ムービー中に時系列は書かれている。
このゲームについて思ったことを箇条書きでまとめる。
①ネロの操作について
右腕が無いため悪魔の力は使えないが、義手を装着したことでそれに代わる能力を得た。
それ以外は基本的に4と同じ操作であり、扱いやすい。
銃のチャージショットは3連発できるようになった。
剣も新たな技がいくつか追加されたが、4がクリアできるならば操作はすぐに慣れるだろう。
ラスボス戦で魔人化が可能になり、R2ボタンでデビルブリンガーが使えるようになる。
4の時からずっとR2ボタンを使えるようにしてほしいと思っていたので良かった。
が、そうなると今度は操作が一転して難しくなる。
□で銃をチャージして、△で攻撃しながらタイミングよくL2を押してイクシードを発動させ、○でデビルブレイカーを発動させ、R2でデビルブリンガー発動と、スタイリッシュプレイをしようとするほど指の動きがおかしくなる。特にR1でロックオンしながらR2でスナッチするのは結構指が疲れる。
一応義手のワイヤースナッチよりも本物の悪魔の腕のスナッチの方が敵を引き寄せるスピードが速いのでなるべくこちらを使いたいが、結局ワイヤースナッチを使ってしまうことの方が多かった。
なのでデビルブレイカー(○ボタン)とデビルブリンガー(R2ボタン)の操作を入れ替えたが、そうするとデビルブレイカーのチャージがし辛くなってしまったので戻さざるを得なかった。
せっかく色んなアクションができると思ったが、指が忙しすぎるのでどこか1つアクションボタンを犠牲にしないと結構きつい印象だった。
個人的には、銃のオートチャージスキルを付けて欲しかった。そうすれば□ボタンを常に押しておく必要がなくなる。
あと、動作中にR2を押すと魔人のパンチが出るが、キャンセル不可の技でもない限りデビルブリンガーが暴発しやすいので不便だった。しかも威力が低い。ショウダウン(最強の技だが隙がデカい)発動中に敵の動きを止めるのには使える。
それから、今回のバスター(投げ技のこと)はやたらプロレス技が多い印象が強い。全体的に硬直が長くてテンポが悪く、使いづらいことが多かった。というか右腕に関係ない技もあって、ヘルカイナ(鎌持ったザコ)には後ろに回り込んで銃をこめかみに撃ち込むだけで、アンジェロ系は普通にブレーンバスターを食らわすだけであって右腕の力をあまり活かしていない。しかも動作が長いし威力も低め。
バスターは強力な右腕で敵を叩きつけたりブン殴る迫力が爽快だが、5ではそれがイマイチ感じられなかった。無論迫力のあるイケメン技もあるが、テンポが悪くて威力も低めなので他の技を使うことの方が多かった。
その代わりバスターアームのタメ技はケタ違いに威力が高く設定されている。
しかし、義手(デビルブレイカー)にも問題点があり、義手の使用中(タメ中も同様)に攻撃を受けると壊れる。義手は8個までしか装備できず、難易度が上がると道中でほとんど拾えないので温存しがちになる。〇ボタンを押してタメながら戦闘すると操作がやりづらくなり、さらに腕が壊れることが多くなる。
なので上級者は使いこなせるだろうが、初心者ほど使いづらく、使うタイミングが難しく、使おうとしても壊されやすくなってしまうのが問題点である。
また、この義手はチェンジができないので、コンボに組み込む際は順番も考えておく必要があり面倒。不必要ならいつでも破壊はできるが、当然その義手はなくなるのでもったいなく感じる。やはり義手の付け替えはできるようにするべきだったように思う。
②ダンテの操作性
こちらは格段に良くなっている。
一番便利なのはグラウンドトリックで、今までは敵の頭上にしかワープできなかったため若干不便だったが、今回は敵の正面にも瞬間移動できるようになった。どれだけ高い場所にいようが一瞬で地上にワープできるのも便利。
さらにダッシュ(回避)も無制限にできるようになり、敵の攻撃を食らいにくくなった上に移動手段としても使える。3では3回ダッシュできたが1回目のダッシュにしか無敵時間がなかった。4では1回しかできない代わりに魔人化すれば無限にダッシュできたが、そのためだけに魔人化することはあまりないのでやはり不便だった。
もう一つ改善されたのはロイヤルガードスタイルで、これは敵の攻撃をタイミング良くガードしてゲージを貯めてカウンターするという戦術だが、3と4では強い敵の攻撃を防御してもすぐガードブレイクされるのですべて完璧なタイミングでガードするしかなかった。明らかに使い勝手が悪くテンポも悪いので上級者にしか扱えないスタイルだった。
しかし5ではどれだけ強い攻撃も魔力さえ残っていればノーダメージで防御できる。しかもジャストガードできればたとえ魔人化していても魔力が増える。前作までは魔人化中に魔力が回復する手段は(アイテム以外では)なかったが、今作はガードに成功すればすごい勢いで回復するので魔力の消費もあまり気にせずに済むのがスーパーメリット。特に連続性のある攻撃は魔人化して〇ボタンを連打するだけで魔力が全回復して超気持ちいい。
ロイヤルリリース(ジャストカウンターのこと)が苦手なプレイヤーでも、ロイヤルゲージを1つ消費して確実にカウンターを食らわせられる技も登場したので初心者でもそこそこ使いやすくなった。敬遠されがちな部分を使いやすくしたのは高評価。
武器の数も豊富で技の数も多い。クリア後なら所持する武器を選ぶことができる(手ぶらも可)ようになるのも評価点。
武器を所持していない場合、攻撃手段は空中挑発(薔薇)とロイヤルガードのリリース(前述のカウンター)と真魔人化ぐらいしかないが、これでミッションをクリアするとトロフィーがもらえる。リベリオンとエボアボのみでクリアする制限プレイなどもできる。
悪かった点はミリオンスタッブ(百裂突き)が明らかにダサいこと。
遅いし威力も低いしカッコ悪い。
今までは突進技であるスティンガーで敵との間合いを詰めていたが、今作は地上でも瞬間移動ができるのでなおさらスティンガーやミリオンスタッブは必要ない。
また、2丁拳銃エボニー&アイボリーのガンスリンガースタイルで通常攻撃(右手の銃)するとき3連射になるが、それ自体は良いものの、3連射した後すぐには次の弾を撃てないのであまり意味がない。左手の銃は一発当たりの威力が高くて2ヒットするが、これも当然連射が遅いので使う機会が少ない。
その代わり両手で銃を撃つ技はそこそこ連射が速く、スタイリッシュランクも上がりやすく怯ませ力も高いので強力でカッコいい。
③Vの操作について
新キャラであるVは魔獣を使役して戦うが、本人の戦闘力は皆無であり、トドメ以外では敵に攻撃できない(しても弾かれるだけ)。
こちらは操作性が良いとはあまり感じなかった。
△で近接攻撃、□で遠距離攻撃でき、どちらもタメることができるが、やはりこれも初心者には操作が難しく、単調な攻撃になりがち。
主人公は敵の攻撃から逃げ回る必要があるので、初心者ほどピョンピョン飛びながら攻撃ボタンを押していくというチキンプレイになりやすい。かと言って回避行動すると魔獣が側に来てしまうため、敵への攻撃が中断され攻撃テンポが悪くなる。2段ジャンプも同様に魔獣を呼び寄せて行うのでこれもその分攻撃できなくなる。なので回避はやはりジャンプでピョンピョン飛び回るしかない。
デビルトリガーを発動すれば強力な攻撃ができて迫力もあるが、魔力がないときが辛い。
R2ボタンで本を読むことで魔力回復できるが、敵の攻撃もそこまで甘くはない。
難易度が上がると魔獣がすぐ戦闘不能になる。一定時間経つかデビルトリガー発動で復活するが、結局は魔力がないと敵の撃破に時間がかかるのでジリ貧になりがち。
全体的にVは出番も少なく戦闘も他の2人に比べると面倒で爽快感に欠ける。ネット上のコンボ動画もVのプレイ動画は少なめであることからもそれは明らかである。
④女性陣はほとんど活躍しない
女性メインキャラは3人いるが、トリッシュとレディはプロローグの時点で魔王に手も足も出ず負けていて、1カ月後にはボスとして出て来る。
救出時には2人とも全裸なのでそこはサービスカット(*^_^*)ではあるが、それ以降も活躍はせず、戦闘ムービーもない。
せめて戦闘シーンは見せて欲しかった。一応彼女らは武器を紛失しているので戦えなかったという部分もあるが・・・。
ニコはデビルブレイカー開発として役には立っている。
が、壊れない腕を早く作ってくれ~
クリア後の特典にも壊れない腕は出ない。
キリエとパティも存在はするものの、声だけの出演であり残念。
成長した姿を見せて欲しかった。
⑤挑発について
今回は空中で挑発ができるようになった。挑発には魔力の回復とスタイリッシュランクの上昇という効果がある。
これにより挑発の隙が少なくなった上に、滞空時間も伸びるのでメリットだらけである。
しかし、逆に地上での挑発はかなり長くて隙がデカく、リスクが高まってしまった。
過去作の挑発は一瞬でランクが上昇するが、今作は時間がかかりすぎる。
なので挑発するときは必ずジャンプする必要がある。地上での挑発は色んな種類があるものの、空中挑発の種類はほとんど同じものばかりなので便利な反面、芸がない。
条件を満たすと特殊な挑発もできるようになる。特殊挑発は他の付与効果があったりBGMや髪形が変わったりするなどという恩恵がある。
しかし普通の挑発よりも隙がデカいので注意する必要がある。
⑥練習モードの充実
シリーズで一度も出なかった、練習モードがプレイできるようになった。
敵をサンドバッグにしたり、攻撃タイミングを計ったり、攻撃パターンを確認できる。
一番嬉しい点はこちらの攻撃のダメージが表示されることで、敵の体力を計測したり、攻撃のダメージ効率を調べることができる。
さらにブラッディパレス(敵を倒し続けるモード)の各階層にも何度でも挑戦して練習することもできる。今までは本番しかできなかったので後半のボスの練習に時間がかかっていたが、このモードのおかげで戦略を好きなだけ試せるのが大きなメリット。
同じボス相手にも何度も挑戦できて、しかもリトライのロード時間は皆無に等しい。
超便利なシステム。今まで何故やらなかったのかが謎だが・・・。
⑦終盤の展開に強引な部分がある
ネタバレすると、今回のラスボスはバージル(ダンテの兄・ネロの父親)である。
そしてVはバージルの人間部分であり、魔王ユリゼンは悪魔の部分で、それが1つになることで元の姿に戻った。
Vは自分で瀕死の魔王にトドメを刺すかと思われたが、いきなり合体してバージルに戻る。
どちらも今にも死にそうな状態だったにもかかわらず、合体後は何故かピンピンした状態でいるのも不可解。
最後まで見届ける義務があると言っておきながら、結局は弟を騙して復活する。その合体方法はただ杖を突き刺しただけである。
元々は自分の日本刀で悪魔と人間の部分を切り離した(1で負けた後肉体が消滅しそうだったため)せいで今回の事件が起きたが、やはり杖を使っただけで元に戻れるというのは不自然でしかない。Vの目的がいまいち良く分からなかった。要は体を回復させて弟に勝ちたいという思いがあったのだろうが・・・。
バージルはファンも多い(筆者もファン)ので兄貴復活は超絶に嬉しいが、やはりこれだけの被害を出しておいて反省する態度は見られない。
それだけならまだいいが、ネロが自分の子供だということも知らなかった上に、妻の存在も語ろうとせず開き直っている。
そして息子の右腕を奪って閻魔刀(日本刀)をパクっている。ここまでやっておいて弟と息子にも負けている。
つまりバージルは人間としても男としても父親としてもクズ兄貴だという印象を受けたプレイヤーは多いはずだ。
バージル復活は嬉しいが、さすがに終盤のストーリーは強引な後付けだと言わざるを得ない。そもそも1で完全に消滅して死んでいたはずだが、3で予想に反して人気が出てしまったため4や5にも出すしかなかったのだろう。
強引と言えば、ネロがいきなり悪魔の力に覚醒するシーンも若干無理がある。
魔人化できるようになるのはいいが、人間の腕がいきなり生えて来るのは絶対おかしい。
悪魔の力に目覚めたなら生える腕はやはり悪魔の右腕でなければ不自然だ。
⑧バージルプレイアブル化早く来てくれ
4では5人のキャラを操作できたが、5では3人だけである。
ブラッディパレス限定でもいいので兄貴と女性陣を使わせてほしい。
それだけでもプレイ時間は200時間ぐらい延びそうだ。
⑨ボスラッシュが微妙
カプコンのゲームはボスラッシュが大体あるが、今作はプチラッシュしかない。
ボスは3体のみ弱体化して出るが、プレイヤーも能力を封じられた状態で戦うので面倒なだけ。
一応幻術という設定はあるが、その主人公の戦っていないボスが出て来るので、倒したことのあるヤツを出せば良かったのではないかと思う。
⑩ファンサービス要素が多い
5はDMC経験者が喜ぶ要素が多く含まれている。
シャドウ・グリフォン・ナイトメア・デスシザーズ・ノーバディ・スパーダ
アルテミス・ケルベロス・カリーナアン・ゲリュオン
ギルガメス・ファウスト・アンジェロ
など、過去作の敵に関する要素がかなり出て来る。
5から始める場合は何のことか分からないだろうが、5をやってハマったら是非1~4もやってみて欲しい。
それから5をやればまた見方が変わったりもするだろう。
ただし2は無理にプレイする必要はない。ストーリー上重要ではないし、戦闘もモッサリッシュでダサいので・・・。
2からのファンサービスは5の本編にもあまりなく、小説版であれば若干の説明がある。
5にヒストリー紹介のムービーもあるが、やはり実際に1、3、4はクリアしてもらえればと思う。
⑪初心者救済要素
死んだら完全復活できるゴールドオーブ
これが1日に1個もらえる。
また、レッドオーブ(貨幣のこと)を消費することでも復活できる。
その代わり体力や魔力回復のための消費アイテムがなくなった。
初心者でもボス戦で1~2回復活できれば大体勝てるぐらいにはなっているはずなのでクリアはできるはず。
⑫ロードが長い
ステージ中は一切ロードはないので快適ではあるが、その分ミッション開始前はかなりロードが長い。
セットアップ(武器の変更や買い物のこと)画面に移行したり戻ってくるのも毎回ロードが発生する。
初代の3ではNOWLOADINGの画面を攻撃できたので、5も暇つぶしできるようにするべきだった。
あるいはロード中はコンボの練習ができるようにしてほしかった。
シリーズファンはこのゲームのことはとっくに分かっているだろうから聞き流していいが、全くの未経験者こそぜひプレイしてみてほしい。
1~5まですべてプレステ4でプレイできる(あとDmCも)。
このシリーズを知らないのは間違いなくゲーマー人生を損している