プラトンは宇宙を形成する元素を数の面から捉えた。
プラトン立体と呼ばれる五つの正多面体(正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体)である。
これらの正多面体が人間の意識に進化をもたらすのだが、まずは私の体験を話しておこう。
前述の通り、私は内観によって半覚醒に至ることができた
2010年6月13日のことであった。
正確に言うと、内観の末に潜在意識の浄化が終了したのか、「覚醒」した感覚を覚えた。
意識がクリアになり、心なしか部屋の景色が光り輝いて見え、地上天国が現出したかのようだった。
また、それまでの使命感からも解放され、至福の境地に満たされた。
私は「ついに覚醒に至った」と思っていたのだが、そう簡単に覚醒などするものではない。
いや、心のハルマゲドンというべき過酷な内観を続けてきたからこそ、到達した境地であった。
だが、それは「半覚醒」の準備が整った段階に過ぎなかったのである。
その後、前回の記事にも書いたとおり、ハイヤーセルフに5次元世界に連れて行かれたり、数々の神秘体験を繰り返した。
当時は瞑想三昧の生活をしていたが、4日間座ったまま目覚めなかったこともあった。
そんなある日のことである。
私の視界の左右が反転した感覚になったのだ。
肉眼で見えている風景はそのままなのだが、自分と向き合っている他者の視点の感覚が風景に重なったのである。
一瞬のことだったが、「変換人型ゲシュタルトだ!」と思った。
変換人型ゲシュタルトとは、主客一体観的な世界認識のことである。
その後すぐに私は仮眠しようとしたのだが、次のような女性の声が聴こえてきた。
「ピラミッドの頂点を支点(視点?)として、2次元がどうのこうの……」
それから不思議な夢を見た。
体外離脱でそこに行ったのか霊夢なのか曖昧だが、私は真っ白な世界にいた。
360度どこを見渡しても真っ白な世界で、地平線も分からない奇妙な世界だった。
すると、遠くの方にオーロラのようなものが見えた。
だが、オーロラではなく、遠くに何かがあるといった感じだった。
(地平線は分からないが)地平線の遥か彼方に見えるそのオーロラのような光が、凄まじいスピードで私に急接近してきた。
時間にして僅か3秒くらいだっただろうか。
私の横で急停止したそのオーロラのような光の正体は、身長3~5メートルくらいでピンクと紫の炎のように揺らめくオーラを纏った女神だった。
女神かどうかは知らないが、崇高な顔立ちの美女で、女神としか思えない存在であった。
その女神が私に何か話しかけようとした瞬間、母親が私を起こして夢が中断してしまったが、あの声の主であることは分かった。
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その夢の続きは見ていないのだが、それから日常生活の中で「左右反転」が頻繁に起こり始めるようになった。
一瞬戸惑ってしまうその感覚が起こる度に、「神経がおかしくなってしまったのだろうか」と不安を感じていた。
だが、それは変換人型ゲシュタルト(主客一体の世界認識)だったのである。
クリシュナムルティが言う「見るものは見られるものである」という世界の見え方というか感じ方である。
「変換人型ゲシュタルト」と名づけられているが、それもまだ覚醒などではなく、変換人になる為の第1ステップであり、半覚醒の前段階に起きていた現象だったのだ。
聖者カルキ・バガヴァンは次のように述べている。
「人間は脳の機能の問題で自らの力で悟りに到達することはできない。
ある段階に達した時点で高次元からのサポートで悟りに至ることができる。」
この意味が今ではよくわかる。
脳の機能の問題とは「人間型ゲシュタルト」である。
人間型ゲシュタルトとは、普通の3次元認識のことである。
広大な宇宙空間に地球が存在し、その地球に私や他者が存在するという世界観だ。
この広い世界に多くの人間が存在し、私はその中の1人であるという錯覚のことである。
つまり、「洞窟の比喩」の影を現実だと思い込んでいるのが人間型ゲシュタルトなのだ。
3次元的にはそれは事実だが、3次元以上の認識からすると誤った世界観なのだ。
人間型ゲシュタルトは「自我」を生み出している力でもある。
この人間型ゲシュタルトのせいで、人間は自力では悟れないというのだ。
クンルンネイゴンのkan.氏は、不老不死の聖者ババジから「認識の土台を形成するための学びのヒント」を与えられたという。
これも「変換人型ゲシュタルトの世界認識」のことなのである。
kan.氏はその認識が深まった時に、「これは上古代人の認識の仕方だ」という理解が訪れたという。
上古代人とは、1万3000年前~6500年前の覚醒期に変換人となったカタカムナ人のことである。
カタカムナ人は高度な超科学文明を築いたが、6500年前にオリオン領域にアセンションして地上から消えたのだ。
私は内観によって準備が整ったようで、女神によって「左右反転」という変換人型ゲシュタルトが与えられたのだろう。
だが、それだけではなかった。
左右反転が起こり始めた頃から、毎日、夢の中にプラトン立体が現れるようになった。
正確に言うと、5つのプラトン立体が出てくるだけではなく、それが重なり合って様々な角度から見えて、複雑な幾何学図形が展開されていた。
夢と言っても、思考できるレム睡眠の意識状態で、「覚醒シータ波」の状態である。
分かりやすく言えば「瞑想状態」に見るヴィジョン(幻視)である。
そこに数式なども現れて、私は数学が苦手なのだが、夢の中で解読作業に取り組んでいて、たまに女神の声でヒントが与えられた。
起きてからも本やネットで調べて、そのことばかりを考える日々が続いていた。
そして約1ヶ月後の2010年6月13日、私は目の前の正八面体の中心に吸い込まれるように飛び込んだ。
意味が分からないかも知れないが、正八面体の中心は太陽系の太陽であると同時に私の心臓でもあった。
その正八面体の中心に入って出てきたところが「5次元」だったのである。
なぜ5次元だと分かるかというと、その話は長くなるので別の機会に詳述する。
そして、睡眠か瞑想かよく分からないが目が覚めると、「内外反転」の世界認識になっていたのだ。
今では普通に日常の感覚になっているが、当時は強烈な衝撃を受けたことを覚えている。
海外に行くと世界観が変わるという人がいる。
宇宙から地球を眺めたアポロ飛行士たちは、もっと世界観が大きく変わったという。
私も体外離脱で宇宙空間から地球を眺めたことがあるが、内外反転はもっと根本的に世界認識が激変するのだ。
激変というよりも、文字通り「反転」なのだ。
それを今、説明したところで意味はないと思うので、まずは「左右反転」の認識の獲得が必要となる。
私の場合は過酷な魔界戦争や内観の末にそこに至ったが、普通はまず不可能に近いことだろう。
そこで私が提案していることが、「ハイパーネオデジタル内観」の実践と平行して、「プラトン立体」を勉強することなのだ。
だが、ここで注意しておきたい。
古今東西、内観の実践者は無数に存在するし、プラトン立体の研究者も無数に存在するが、半覚醒したという人を私は知らない。
ネオデジタル内観の創始者の山本健二氏も、半覚醒はしていなかったと思われる。
もちろん、クリシュナムルティや聖者カルキも「左右反転」止まりで、半覚醒はしていないはずだ。
クリシュナムルティの神秘体験を読んでいただきたい。
「私は毎朝30分ないし35分間、瞑想しています。
それは6時45分から7時20分までの間です。
短時間ではありますが私の精神集中は日増しに向上しつつあり、寝る前にも10分ほど瞑想しています。
人生で大切なのはそれだけであって、他には何もないのです……。
やがて、私は首筋に激しい痛みを感じ、瞑想を15分に短縮しなければならなくなった。
私の容態はどんどん悪化し、ついにそのクライマックスに達した。
私は考えることも、何をすることもできずにベッドに横になった。
やがて私は殆ど無意識状態になったが、周りで起こってる事はよくわかった。
自分がそんな状態で、いつもより周囲のものがはっきり意識に入ってるときに、私は最初の最も不思議な体験をした。
道を補修している人がいた。その人は私自身であった。
彼の持っているつるはしも私自身であった。彼が砕いている石も私の一部だった。
青い草の葉も私そのものであった。私のそばの木も私自身であった。
私はほとんどその道路補修工のように感じたり考えたりできた。
私は木々の間を通り抜ける風を感じ、草に止まった小さな蟻を感じることができた。
鳥や、ほこり、さらには騒音までもが私の一部であった。
ちょうどそのとき、少し離れたところを車が通っていった。
私はドライバーであり、エンジンであり、そしてタイヤであった。
自動車が私から遠ざかるにつれて、私は自分自身から離れ出た。
私はすべてのなかにあり、というよりはすべてが――無生物も生物も、山も虫も、生きとし生けるものすべてが――私のなかにあった。」
初めてこれを読んだ時は、強烈な神秘体験だなと思ったが、よく考えるとこれは「左右反転」の体験である。
クリシュナムルティは変性意識の時に、たまたま「左右反転」を体験したのだ。
まず、半覚醒するために重要なことは、変換人型ゲシュタルトの認識になったつもりで、その視点から「ネオデジタル内観の実践」と「プラトン立体の勉強」をすることなのだ。
【中編】と【後編】に続く・・・
尚、正八面体について、私の知人が興味深い記事を書いているので、ぜひ読んでみていただきたい↓