「ノリエガ将軍って、典江さんが、ある日突然、将軍様になってしまったみたいな感じよね」と言っていた女子スタッフの言葉が、昼間からずっと頭の中をループして離れないで、ホトホト困っている。


典江さんが将軍って・・・それはダジャレだろ。


典江さんが、どこの国の将軍様だ?あっちか?こっちか?


ぐるぐるとスタッフの言葉と俺の心の突っ込みが回転し、回転し、それはもう目にもとまらぬ高速回転で回転し、まるで俺は地球コマみたいに不可思議なフレキシブルな動きをする謎の生物みたいになった。残業しているこの夜中になっても、流れは止まる気配を見せない。


一人一殺。集中力に欠くと、いっぺんに敵になだれ込まれ、負けてしまう、なので、一人づつ確実に仕留めていかなければいけない、俺の仕事は、そんなことが求められる大切な仕事なのだ、量が多いのだ。多いだけでなく、クオリティも求められる。


一人一殺のはずが、女子スタッフの発した言葉「ノリエガ将軍」のおかげでペースはめちゃくちゃだ。俺のハートはもう仕事どころではなかったのだ。


太宰治の「トカトントン」は、きっとこんな感じの心境を反映した物語だったのだろうなあ、などと考える。


典江が将軍のほかに、太宰治までも俺の脳みそに侵入してきやがった。


今が仕事でなければ、どんなにか楽しいだろう。もう仕事なんてうっちゃって、モクモクと湧きいでる典江のことや太宰のことでも想像しながら気持ち良くユルユルになってやろうか。


典江、俺がバカだった、ゆるしておくれ!



国ってのは、家族みたいなもんだと思うよ。

だから、家族が幸せになるために何をしたらいいか、を考えるのが政治ってもんだ。

誰かが何とかしてくれる、じゃなくて、家族の為に何ができるかを個人レベルで考え、実行する。それでもし、個人の力が弱いなら、方向性を示して、一致団結することも必要だ。

それらを総合して政治と呼ぶんじゃないかな。

批判ばかりでは政治とは呼ばない。

家族中の一人をお神輿みたいに担ぎだすのは政治じゃない。

お父さんの批判ばかりしてても、一家の生活は良くならない。

おにぎりを作ってくれ、じゃあなくて、みんなで作ろうぜ。



そんなに匿名性を大切にしたいなら

マスクをつければいい

口でも目でも、鼻でも。

俺はそんな不自由を選ばないが

ファッショナブルではあるなあ

ファッショでもあるが。

面白いからやってみようぜ、

街に出るとき、みんなして

グリーンホーネットみたいな

マスクするんだ

街ぢゅうマスクだらけw







妻と子が、妻の実家から帰ってきた。

お正月の帰省だったのだが、一ヶ月、これはちょっと長かったぞ。

好きなだけ戻っていてもいいのだが、今日、気がついたよ。

俺たちはチームだから、離れている時間が長いのは良くないことなんだ。

帰ってきてくれてありがとう。

寂しくて死にそうだったぜ。




君にとって、酒とは何か。

俺にとって、酒とはノスタルジーだ。




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妻と子を羽田に送り、帰りがてら、新しい国際線ターミナルに寄ってみた。
西側にカフェがあったので、カフェ好きの俺は寄ることにした。
いい眺めだ。
この眺望があるなら、カフェでの時間を楽しむ目的だけのために羽田まで出向いてもいい、と思った。
喫煙席には人も少なく、穴場かも知れない。



うちのいいところはね、星空のバーがあるってことだ。
なんてことはない、俺んちは4階にあるんだけど、すぐ横に避難用の螺旋階段があってね、その踊り場で酒を飲むんだ。
毎晩、素晴らしいオリオンや、プレアデスを見ながらね、仕事のあとの一杯をやる。
オリオンの下には、東京タワーやスカイツリー、ひっそりと蜘蛛のようにへばりつく民家の、マンションの、つつましやかな光の粒子。
ここで、ガラムをふかしながら、ボウモアを飲りながら、一日の総括をキメるんだけど、総括だったはずが、いつの間にやら、些事を憂いてなんになる、あの夜のベルベットの触感や、オパール色の交錯する光を思い出せ、とばかり、思い出から生まれるモンスターとの脳内ダンスになっちまう。
それはそれで、なかなか。気持ちのいいもんだぜえ。
バーは大切な存在だ。バーの無い世界は、ありえない。
家と職場を往復するばかりの毎日でも、俺には、星空のバーがある。
だから、日々生きられる。