「漢方でやせる薬はあるのですか?」

と尋ねられたので、私なりの回答をまとめてみます。
基本的に痩せるためだけの漢方薬というのはないと考えていますが、何かが詰まっていて循環が悪い場合は、それが解消すると自然な感じで瘦せていくことはよくあります。
次のような漢方薬です。


1.防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
食べ物の消化が追い付かずに、熱が籠って循環が悪くなっている人に向く薬です。
症状は、赤ら顔で、便秘気味、ニキビやアレルギーがあり、暑がる人に使います。

2.五積散(ごしゃくさん)
これも詰まりがあって循環が悪くなった人向けのものです。

防風通聖散と似ていますが、冷えと胃の不調がある点が異なります。
症状は、青白い顔で、みぞおちに痞え感があり、お腹が冷え気味の人です。

3.防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
これは五積散と似た症状に使う薬です。

違いは溜まった水が下半身に移動し、膝痛や足のムクミとなって現れる点です。
症状は、青白い顔で、胃の調子が悪く、しっとりした汗をかいていて、膝痛が出やすいなどです。

 

4.大柴胡湯(だいさいことう)

イライラして食べ過ぎてしまう人に向けたものです。

お腹が張り詰めたように硬く熱が溜まっていて、体が火照り、ニキビが出やすく、吐きそうなくらい食べ過ぎたり、強い便秘があるなどです。


とりあえず、パッと思いつくのはこれらになります。

これらの漢方薬は、各人のタイプ別に選びます。

通常は顔色、お腹、脈、舌などを見て判断するのですが、簡易的に使う場合は次のように選びます。

・イライラして、不眠気味、お腹や背中が過緊張なら、4の大柴胡湯。

・ニキビや肌荒れがあり、目の下にクマができているなら、1の防風通聖散。

・色白でお腹がぽよぽよして足がむくんでトイレが近いなら3の防己黄耆湯。

・冷えがあってお腹が丈夫でないのに食べてしまうなら2の五積散。

 

漢方や鍼灸を使いながら、日常生活を整えていくことも重要です。

太る原因は、ストレス・不眠・気持ちの落ち込み・肩凝りなどです。

これらを防ぐために、次のような事柄を少しずつ習慣化していきます。

 

 ・早寝早起きなど規則正しい生活。

 ・ヨガや瞑想でストレスをためない。

 ・食事は空腹時に、よく噛んで、腹八分の量にする。

 

ありふれていますが、日常生活を整えながら東洋医学をを使うと、健康的に痩せることができるのでお勧めしています。