昨日の夜、けっこう深い時間。
とあるヤボ用で救急病院にいました。
結局用事が終わるまで数時間待合室の廊下にいることに。
当然何らかの事故や怪我で担架で運ばれてくる人やその付き添い、
具合が悪くなってタクシーで駆けつける老人などがいるわけです。
しかし最も多かったのは小さな子供の患者さんでした。
どうやらやけどしたらしい一歳にも満たない赤ちゃん。
痛々しく腕を怪我した幼稚園くらいの男の子。
ぐったりして口数も少ない3歳くらいの女の子。
自分で何がどう辛いのかを説明できない子供に対して
親御さんが心配するのは当然のことです。
そんな中で特に具合の悪くない付き添いの兄弟姉妹というのは
感染症対策で絵本もなく夜なのでテレビもない広い廊下で
ひたすら退屈な時間と戦わねばならないわけです。
自分が座っていたベンチの隣には腕を脱臼したらしい男の赤ちゃんと
その上の2歳くらいのおねえちゃんがパパママといっしょにいました。
この女の子が時には心配そうに赤ちゃんの顔を覗き込み、
時には診察室から聞こえる他の子の泣き声にびくっとし、
そのうち退屈には勝てず周りをきょろきょろし始めました。
自分はしばらく時間がかかる覚悟はしていたので
ヘッドホンで音楽を聴きながらノートにまとめものをしたり
Wi-FiがOKだったのであちこち連絡をとったりしていました。
するとなにやら熱い視線を感じます。
見たことのないヘッドホンやカバンが目を引いたのでしょうか。
じーっとこちらを凝視するおっきな目ににこっと微笑んでみました。
たぶんこれが間違いでした(笑)。
目が合うと反応するでっかいトトロ的な生命体を見つけた彼女は
何とかしてこちらの視界に入ろうとさりげなくうろうろしたり
ベンチの周りをぐるぐる回ったりし始めました。
ただ大声をあげたりはしゃいでいる訳ではなかったのでパパママも
上手に目を配りつつたまに引き戻したりしています。
あまり反応して興奮させパパに怒られたりしたら気の毒なので
なるべく気付かないふりをしていると
だんだん積極的に至近距離を周回する人工衛星みたいになってきましたw
その気を引きたい様子が分かりやすいのと可愛らしいのとでこちらも
笑いをこらえるのに必死です(笑)。
パパママがなるべく見ていない瞬間に小さく手を振ったり
にこっと笑い返したりしているうちに赤ちゃんの診察の番になり
その後はどうやら治療がうまく行ったようで
家族全員安心した様子で深夜近い病院から去っていきました。
この出来事で素晴らしいなと思ったのはこのパパママの
けっして怒らないし縛りつけようとしないで本当に危ないとか
他の迷惑になりそうなところだけ注意する接し方です。
後から来た小学校低学年くらいの男の子のパパは
騒ぐたびに「~って言ったよな」と何度も問い詰めるタイプ。
また別の小学校低学年の男の子のパパとママはおそらく
家にいるのと同じ調子で子供といっしょにがやがやしてしまうタイプ。
またあるパパママは子供に目もくれずどちらもスマホに夢中。
待合室という同じ環境で見比べるといろんな違いが分かります。
そしてそんな冷静でしっかりと見ていてくれる両親だからこそ
好奇心旺盛で他人を怖がらずにのびのびと育っているこの女の子。
おそらく数年後には弟ちゃんも同じタイプになっていることでしょう。
これは自分の個人的な考えなのですが、
好奇心や積極性、他人と関わろうとする気持ちというのは
簡単にしぼんでしまうし後から伸ばすのは至難の技です。
三つ子の魂とはよく言ったもので、まだ固まっていない時期に
たくさんの良い経験があればその後の人生を大きく左右します。
傷ついたりイヤな思いをしないように初めから希望を持たない、
他人とは関わらない、一人が楽という
つまらない現代の風潮など跳ね除けて、
大人になっても好奇心いっぱいのキラキラした目で
世界中のあらゆるものに興味津々という
あの女の子みたいな子がいっぱい増えたらいいなーと思いました。
えーっと、念のためですがロ〇コンではないのでご安心を。
われわれギター弾きがいい歳になっても新しいギターや
エフェクター、アンプにときめくのも
胸の奥にいつまでも好奇心旺盛なギターキッズが住んでる証拠ですよね♪
そういうことにしておいてくださいw