クレイマー、クレイマーという映画。 | むすめの右フック

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クレイマー、クレイマー (1979)
原題:KRAMER VS. KRAMER
時間:105分
製作国:アメリカ
ジャンル:ドラマ

【監督】ロバート・ベントン
【出演】ダスティン・ホフマン / メリル・ストリープ /ジャスティン・ヘンリー / ジョージ・コー / ジェーン・アレキサンダー

「子はかすがい」

コチラは、ネタバレしてます。
ネタバレ無しは、コチラ→クレイマー、クレイマー



この映画は、夫婦の問題と親子の絆を描いた作品なんですが、

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$むすめの右フック身勝手な親のせいで 子供が辛い思いをするなんて酷い映画だ!と思う方もいるみたいです。あと、自分勝手な母親に嫌悪感を抱く方もいるみたいです。ただ、夫婦間には、どうしても耐えきれない問題が生じるなんて、そんなに珍しいコトではありません。


そして、この映画は、そんな夫婦にとって、子供が、どれほど大きな存在なのかを教えてくれる。そんな映画だったように、私は思うんですね。


そもそも 奥さんは、旦那が仕事人間だから出て行ったのでしょうか?
私はね。違うと思うんですよ。妻が出ていくと決めた晩。テッドは、
とうに仕事は終わってるようでした。

なのに、いつまでも上司と くだらないおしゃべりを続けてた。
彼にとって 妻の悩みなんて どうでもいいコトだった。妻のジョアンナは、
テッドのそういうトコロが 、我慢ならなかったんだと思うんですよ。


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そして、普段、文句も言わずにこなしてる家事や育児も、
誰にでも出来る簡単な仕事だと思ってたんじゃないでしょうか。

そして女ならして当たり前。俺は外で働いてんだからと、
妻に気遣いするコトもなかったでしょう。


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この映画では、親子の朝のシーンが三回出てきます。
それがとても微笑ましく、また、とても上手く親子の関係を
表してるんですが、今回は、そのアタリからお話したいと思います。


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朝、ゴミ収集車の騒がしい音を目覚まし代わりにして起きるビリー。
そして、お父さんを起こしに行く、そんないつもと変わらない朝。ただ、
夜、寝かしつけてくれた優しいお母さんは、この日の朝には、もういない。


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そして、ここで あの有名なフレンチトースト騒動が始まるんですが


$むすめの右フック得意顔で卵を持つお父さんが、しっちゃかめっちゃかに大暴れしちゃう このシーン。これ、ダスティン・ホフマンのアドリブらしいです。

この時、ビリー役の子は、これが役者かと驚いたらしいです。だからこの時の この人、なにしてんだ?って顔は、素の表情だったんですね。はっはっはっ



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そして、次に出てくる朝のシーンでは、
ビリーはパジャマを着ていません。

で、お父さんは、前回の料理で懲りたのか。
朝食、作りません。


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なんと、ビリーがドーナツを並べてる。しかもお父さん、新聞読みながら、
そして、ビリーはマンガを読みながら、子供の健康もマナーも考えてない。
これ、うちだったら、どえらい怒られてるトコロですよ!はっはっはっ


$むすめの右フックで、そんな、テッドが変わるのは、あの「僕のチョコチップ入りのアイス買ってきた?」「一口でも食べてみろ、お父さん許さないぞ!」のアイスクリーム騒動からですね。

この時、ビリーは、お父さんに「僕が悪い子だからママは出て行ったの?」と聞きます。これには、テッドも堪えたでしょうね。その時からです。テッドが、良いお父さんとして頑張りだしたのは。って言うか、コレで頑張らなかったら、私が引っ叩いてるとこです!



$むすめの右フックで、このシーン。これは、ダスティン・ホフマンと娘さんとの本当のエピソードで、それを聞いたビリー役の子が、それやってみたいと言いだして、実現した名シーンなんですが、ダスティン・ホフマンは、かなりのアドリブ好きで、共演者は大変らしいです。

この他にも私の好きなシーンで、アドリブが使われてるんですが、中でもこのカフェシーンが面白いです。これ、激昂したテッドがグラスを壁に叩きつけるシーンなんですけど



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これ、メリル・ストリープ知らされてないんですって、
だからあの メリル・ストリープのビックリ顔は、
普通にビックリした顔だったんですね。あははっ

で、私、毎回、チェックしちゃうのは、
ダスティンが、さりげなくコップを移動させるトコロ。
激高する演技とは裏腹に 冷静に手が動いてる。はっはっはっ


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ただ、そんな風に、お父さんとしての自覚が芽生えた時、
テッドは子供を奪われる結果になります。そして、
そのコトをビリーに優しく言い聞かせる。


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で、ビリーもね。頭では理解してるようでしたが、
気持ちの整理が出来ません。だから、最後の抵抗でもしてるように、

「僕はどのベッドで寝るの?」「オモチャは?」
「夜、誰が本を読んでくれるの?」とお父さんを質問攻めにします。
でも、「みんなお母さんがしてくれるよ」と、お父さん。


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すると、ビリーは、諦めたように
「パパに もう キスしてもらえないね」そして
「いやなら 帰ってきていい?」と問いかける。

と、私、これ書いてるそばから涙でモニターが見えまえんけど、はっはっはっ


$むすめの右フックそして、三回目の朝のシーン。これは二人で朝食をとる最後の日となるんですが、ここでまた、フレンチ・トーストを作るシーンが出てくるんですね。初めての朝が嘘のような手際良さ。2人が大切に積み重ねた月日を上手く表してる場面です。ただ、その手際良さが、とても切なく写りますね。




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お母さんは、子供と離れて寂しい思いをしたでしょうね。
だから、何としてでも、ビリーを取り戻したかった。

お母さんが犯した過ちは、ビリーを連れて行かなかったコトですね。


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でも、この裁判で、お母さんは、目の当たりにします。
テッドとビリーは、あの後、とても良い関係になったことを。

そして、自分が寂しい思いをしたと同時に、ビリーも寂しい思いをしてた。
いや、もっともっと寂しい思いをしてたってことに気付かされたんでしょう。


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この裁判までは、二人とも、自分のコトばかり考えていました。
ところが、裁判で子供を証言台に上げると言われたテッドは、
それを断ります。子供をこれ以上、傷つけたくない。

この時、はじめてテッドは、子供の気持ちになって
考えるコトが出来たんですね。


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そして、お母さんも裁判で勝つんですが、子供を引き取りません。
自分が出て行ったコトで、ビリーを深く傷つけたのに、
今度は、お父さんとも引き離し傷つけるなんて…と、

また、子供の気持ちになって考えることが出来ました。


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私が、この映画で、とても好きなのは、だらしなかったビリーの服装が、最後の方では、ちゃんとしてるトコロ。子供に対して無関心だったテッドが、ちゃんと子供のコトを見るようになったんだなって思わせる その演出の上手さですね。



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あと、子供の自転車を練習してた並木道。
ドンドン行っちゃうビリーに「あまり遠くに行くなよ」って
声を掛けるお父さんの表情と、その後、

その並木道で、ビリーはお母さんと再会。
お母さんに向かって走り出す。その時のお父さんの表情。


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とっても辛く、切ない映画ですけどね。秋の気配感じる、
まるで、大人の恋の物語でも始りそうな雰囲気のお陰で、
とても心温まり、また、どこか爽やかにも感じる余韻を残してくれます。

この映画は、父と子の映画でもあり、また、
母と子の物語でもあったように思いますね。


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と、ちょっと今回は、私の大好きな
パイルD-3さんのレビュー風にしてみました。
が、あまり、上手くいかない!うん、改めて、尊敬!はっはっはっ

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

只今、昔書いた記事を再編集して投稿しております!
で、これは、はじめてパイルさん風に画像貼って書いた記事ですね。
私のパイル記念日レビュー。はっはっはっ