" 木の住まい " に出会って、杉の家 -201ページ目

今年の懺悔とプディング

061220pudding1  素晴らしいできだった


皆勤賞を意識していた私が小学生のとき、1度だけ休んだことがある。しかも、遠足の日。

有名メーカーのりんごの花びらをかたどったお菓子を一人さびしく自宅で食べたのを覚えている。

わが子たちも基本的には丈夫な体なのだが、年に数回休む。

皆勤賞のミニ賞状は学期ごとに渡されるので、もらってきたり、そうでなかったり。

そして、休む日には、大抵は発熱がともなう。


夫が夜勤で家で一緒に寝ているときにはまだ良いのだが、

そうじゃない日に、どうしても私の仕事が休めない時が何度かあった。

これは虐待に等しいのだが、近所に身内のいない核家族ゆえどうしようもなく、

電話の子機を枕元に置いて、一人にして出かけざるを得ない。

職場からちょっと抜けて帰ってこれたりするのが唯一の救いではあった。

こどもたちも心得ていて、「行かないで。」なんてことは言わなかった。

そんなこどもたちに恨まれることもなかったのだが、

休んだ日の娘の最近の口癖が、こうである。


「おかあさん、このあいだ家にずっといたのに、全然様子を見に来てくれなかったんだよねー。」


私は1階で、病人は2階の寝室。

物音がまったくしないので、よく寝ているなぁ、と気にせずにいたら、

本人が言うには、あまりのつらさに動けなかったらしい。

トイレのために仕方なく起き上がって、恨みいっぱいの面持ちで1階に下りてきた。

この日、精一杯のおわびに、カスタードプディングを作ったのだけれど、

そちらのほうは忘れていて、ことあるごとに、前述の台詞を私にぶつけるのだ。


「はい、すみません、今日もプリン作ってあげるから許してよ。」


卵と牛乳と砂糖とバニラエッセンスを混ぜて蒸すだけなのだが、

気ぜわしい普段は気分がのらなくて、作らない。

これは、懺悔の心が原動力となって出来上がる、「懺悔プディング」なのだ。

そして、失敗は許されない。


気をつけていても、ちょっとしたスが入ったりするのだが、12月のこの日は上出来だった。

同じ生地同量を陶器のカップで作ったらちょっとできが悪く、

この樹脂のプリンカップがポイントだということが今回わかった。

熱の伝わり方がこうも違うとは。

圧力鍋で加圧0分、蒸らし10分でばっちりだ。(訂正:蒸らし8~10分)


娘はあと何回、あのセリフを口にするだろうか。


061220pudding2  こうなるはずが、

061220pudding1  「母~⌒⌒⌒(~ _△_)~ギャハハ!」


撮影用に出して、と頼んだのに、ひっくり返ってこんなになっちゃった娘のプリン


何年か前まで、年末年始はひだ古川ユースホステルで家族そろって年越しをしていたのだけれど、

そのときの年末恒例行事のひとつに、その年の懺悔をして次の人のろうそくに火をともすという、

和ろうそくでのキャンドルサービスがあった。私たち家族は毎回参加しては懺悔をしたものだ。

(毎年同じ懺悔になるのは、なぜだ?)

それをちょっと思い出したので、懺悔ネタでしめくくってみた。



みなさま、どうぞ、よいお年をお迎え下さい。


<本日のレシピ>
*材料 低温殺菌牛乳500g 卵225g てんさい糖80g バニラエッセンス少々
(カラメルは本来砂糖を煮焦がして作るのだけど、
 今日は手抜きで、てんさい糖を少量の水でちょっと煮詰めただけ。甘すぎ...orz)
 ★この分量を教えてくれた私の母は、普通の高温殺菌牛乳、白砂糖を使う。

*手順 
 1. 砂糖と牛乳を入れた鍋をかき混ぜながら温める(沸騰させないこと)。
 2. ボールに卵を割りほぐし、1が温かいうちに少しずつ注ぐ(混ぜながら)。
 3. エッセンスを加え、ザルを2回通す。
 4. 耐熱樹脂のプリンカップに注ぎ(1個80ccくらい)、アルミホイルで蓋をする。
 5. 圧力鍋にカップ1杯の水を入れて沸騰させ、4のカップを入れて加圧。
 6. 低圧(ラインが見えたらすぐ)で0分、火を止めて8~10分蒸らす。
  (低圧:T社5L 1.5気圧 約109度のもの)

 ★蒸し器を使う場合は、お湯をたっぷりで、中火で15分くらいかな?
  鍋ぶたにぬれ布巾をはさむので、プリンカップに蓋は不要(母は蓋をしない)、
  鍋のふたにはしを1本はさんで温度調節すると良いのだと思った(学校で習った)。
  卵液温度が80度をこえるとスがはいってしまうのではなかったかな?(うろ覚え)
  要するに、茶碗蒸しと同じね。

お祝いの「ねぎやき」と一番弟子

「建前に一番弟子を連れて行くから。」と笑いながら言う大工Nさん。
「それから、ねぎ焼きも。」


は?


「一番弟子」は高校生だった(中学生だった?)Kタ君。三重県から。

彼の本名は思わず、おぉっと拍手してしまいたくなるような素晴らしさで、

大自然を代表するものがたくさん含まれている。

ないのは「空」くらいのものだろう。


思春期の彼は、自分探しをしてたんだろうが、

色白で細くてイケメンな彼にふさわしいのは、間違いなく芸能人だろうと思った私である。

のちに彼は、シロアリ御殿の住人Sさん を師と仰い(だかどうかは知らないが)で、

北海道へとさらなる自分探しをする旅に出たのだが、

今年の6月の大工Nさんの結婚お祝いパーティーで久々に出会った、

大人になった彼は、やはりキレイ系なのだった。

旅に出る前に、とあるイベントで大工系の一仕事をした彼は、

きっと、スタッフのおねえさんたちの人気者だったに違いない。


そして、おいしい、おいしい、ねぎ焼きを作ってくださったのは、Kタ君のおとうさん。

ああ、もう一度食べたい。


061223negi  ねぎやき茶屋

実は、話題にはしなかったのだけれど、「ねぎ焼き」と聞いてちょっとひっかかったことがあった。

たとえば、結婚式で「切る」意味を表すものが縁起がよくないとされているように、

建築の場合は「焼く」という言葉は火事を連想させるので、嫌われる。

だから、上棟式のお餅も焼いて食べてはいけないと言われているのをご存知だろうか。


夫はあまりそういうのは気にしないし、

建てる大工さんのおすすめだから、ま、いっか、と思ったものの、

私が一番気にしたのは、この日の唯一の年配の身内である母の存在。

娘へ渡すものですら、わざわざのし紙をつけるような母がどういう反応を示すのだろうか。

長々とグチられると嫌なので、「ねぎ焼き」のことは内緒にしておいた。

そして、当日、母は・・・・


大喜びだった。


料理好きな母は、Kタ君のおとうさんに質問攻め。

建築作業よりねぎ焼き作業のほうを長々とながめていたに違いない。

防府へ帰ると、さっそく真似て作ってみたのだと報告が入った。

彼女の口から「焼く」に関しての話はまったくなかった。(知らなかった?)


ああ、写真をよくみると、「ねぎ焼き茶屋」じゃなくて「ねぎやき茶屋」だ!


ホントにおいしかった。「ねぎやき」はこの日だけで、夜におとうさんは三重県へと帰られた。

翌日の建前に集まってくれた、夫の親戚に食べさせてあげられなかったのが、本当に残念!


さて、「一番弟子」のKタ君は、この日が大工デビューだった?

「よろしくお願いします。」とおとうさんから大工Nさんに預けられた彼は、

翌朝も現場で、数人の先輩たちに贈られた地下足袋を履いて作業をした。


061226kota  栓を打ち込む作業中




上棟2日目・上棟式と餅投げ(2000.12.2)

棟が上がった「仏滅」の翌日も晴れ、この日は「大安」。
前日の朝には何もなかった空間に存在する家の形。
時折写真を撮りに出た以外は他の用事に追われていて、
その一部始終を眺めていられなかったのが悔やまれる。
せめて、いつか他の人の家で、と思っているけど未だに叶わずにいる。

そして、女は上がっては行けないと言われる上棟式に
「一緒に上がったら?」と、みんなが私と娘に声をかけてくれた。
私としては、一緒に同行したくもあったのだけれど、
やはり、伝統を守るべく、やめておいた。
神様にたてつく勇気はないし、夫の両親にもなんだか申し訳ない気がして。
上棟式の写真を撮ってくれたのは夫の後輩だったかな?


061222jotoshiki  どきどき(誰が一番?)上棟式

上棟式が終われば、下でみんなが待っている餅投げ。
この辺りでは「餅投げ」と呼ぶ。私の故郷では「餅まき」と呼ぶのだが、
「撒く」と「投げる」では随分違うような。
このごろはやらない家庭も多いらしいが、
伝統継承の建物で伝統行事をやらないのはどうもしっくりこない。
「家を建てる」なんて、おそらくこれが最初で最後だろうから、
数万円節約のためにこの機会を逃すのは惜しすぎる。

所変われば、で、
私が経験して来た「餅まき」で撒くのは、餅、お菓子、5円玉だったのだが、
ここらの「餅投げ」では、これに軍手やら、タオルやら、が加わる。
タオルはそのままでは投げられないので、
遠くへ飛ぶようにひと結びしたものを投げるのだが、
この結び目の中にお餅が入っていたり、お金が入っていたりすることもある。
また5円玉を施主の数だけ、というところや、
おひねりにして他のお金が入っている場合もあって、さまざま。

わが家は最低限にさせてもらって、そのかわり趣向をこらしてごまかす作戦へ。
実際には、夫の親戚からのお祝いのお餅 が追加されて、
来ていただいた方には、たくさんのお餅を楽しんでもらえることとなった。


061222mochi  すごく気分がよかったらしい。(夫談)