止まらないデフレの行く末(1)。。 | たいくつ親父のひとり言(パートⅡ)

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亭主敬白

節約志向が止まりません。いつまで経っても物価は持続的に上昇してきません。日銀は2年で2%の物価上昇を何としても成し遂げる、と公言して人々のデフレマインドを払拭して、日本の持続的なインフレ傾向を作り、それを基にして経済の活性化を図ろうと目論んできました。しかし日本はインフレ状況になるどころか、時間の経過と共に元のデフレに逆戻りしてしまいました。

●先行きが不安ゆえに盛り上がらない消費
 総務省が発表した7月の消費者物価指数は、前年同月比0.5%の下落となって、5ヵ月連続の下落。下落幅は、日銀の黒田総裁が大規模な金融緩和策を実施する前の2013年3月以来の大きさとなってしまったのです。
 まさに日銀の行った異次元緩和とは何だったのでしょうか? 常軌を逸した規模で金融緩和を行い、株を買い支え、マイナス金利まで導入しているのに、どうして日本では政策効果が全くなく、元の状態に戻ってしまったのでしょうか? もはや人々は、永遠のデフレ状態になるのでは? そして景気は一向に上向くことはないのでは? と構えてしまってますます財布のひもは固くなる一方です。

 多くの人に何故思い切って物を買わないのか、お金をもっと使っていいのでは? と問いかければ「とても先行きが見えず、お金を安心して使うことなどできない」と答えるでしょう。やはり人々のマインドは委縮して節約モードから脱せる状態ではありません。消費動向を見ると、二人以上の世帯では7月の消費支出は、前年同月比で2%近い減少となっています。
 やはり「現実に懐が潤わないとお金を使う気にもならない」というのが本音です。日本国民の多くが収入の増加を実感していないところに大きな問題があるでしょう。収入が増えてきていないわけです。賃金の動向を見ると、ベアのアップ率は2014年が0.4%、2015年が0.6%でしたが、今年2016年は0.3%ほどに低下してしまいました。賃金が上がらなければお金を使いたくても使えない、という現状があるでしょう。

 一方で、日本の大企業は2015年度過去最高の利益を叩き出しています。その勢いに乗って大幅な賃上げをしてもらいたいところですが、これも企業側の慎重な姿勢を崩すことができません。かつて高度成長期は日本でも労働組合が強く、毎年の大幅な賃上げは当たり前の時期もあったわけですが、それが遠い遥かかなたのような思い出となってしまいました。日本もバブル崩壊後は持続的な成長もできず、大きな賃上げはないような体制となってしまっています。労働者も、かつてのように大幅な賃上げを求めて経営側と激しく対立するというよりは、協調して安定した持続的な雇用を勝ち取るという戦略に変化しています。確かに日本の大企業の2015年度の業績は過去最高だったかもしれませんが、早くも今年2016年度の業績予想は大きく下振れしてきています。もちろん最近の円高傾向が、日本企業の業績の下方修正を余儀なくさせているわけですが、いずれにしても企業業績が減益なのに賃上げの拡大というわけにもいかないという事情もあります。賃上げがなされなければ人々の懐も暖まらず、お金も使えない、消費も盛り上がらない、ひいては経済も活性化しないということです。

(つづく)