藤巻健史の言2。。 | たいくつ親父のひとり言(パートⅡ)

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亭主敬白

先々週の週刊朝日「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」は「ポンド安で盛んに、英国企業への買収」というタイトルで、以下の内容です。

「新幹線の自席で、怖そうなお兄さんが大声で電話をするのをかって見かけた。車掌を含め誰も注意しなかった。元部下の中川君にその話をしたら、「藤巻さん、なぜ注意しなかったんですか?モルガン銀行の支店長時代、興奮すると前後の見境なく国債買いに出動して、その結果マーケットによくボコボコにされたじゃないですか?大人になっちゃったんですか?」。

 

ソフトバンクグループが7月18日、英の半導体設計大手アーム・ホールディングスを約240億ポンド(約3兆3000億円)で買収すると発表した。

EU離脱を決めた国民投票で、英国は経済の先行き不透明感が高まり、「M&A(合併・買収)が一定期間枯渇する」との評論家の見方もあった。「金融機関が撤退し、ロンドンの不動産はもうだめだ」との予想もあった。しかし現実をみると、ロンドンでは不動産にも安値買いが入っていると聞く。

事前予想と全く異なる展開をさせるのは、6月の国民投票後に31年ぶりの安値を付けたポンド安だ。ポンド安で英国経済の好転を見込めるとともに、外国企業は英国の企業や不動産を安く買えるようになった。

 

私は7月8日号の本コラムでこう書いた。(公的機関や識者が主張するように、離脱で英国経済が大打撃を受けるかどうかも疑わしい。(中略)ポンドが大幅下落すれば、英国経済は大打撃どころか、逆に大きなプラスになる可能性がたかいのではないか)

EU離脱による景気の大幅悪化という評論家の予想は、為替水準などの与件が一定のもとでの話だ、通貨戦争なしに、英国は『自国通貨安』を手に入れたのが現実だ。投資家や経営者の行動は、私の分析に正当性を与える動きと思うだ。

さらに顕著なのは株価の動き。

 

2月につけた今年の底値と比べても、22%の上昇。先進国のなかで、英国は最も株価が回復している国の一つだ。

評論家の悲観論が正しかったのか、経営者や投資家の果敢な行動が正しかったのか。その結果がわかるのは数年先になるだろう。ソフトバンクの今回の買収は「前後の見境のない買い出動」でなく、素晴らしい英断だったと私は思っている。