こんにちは

心理セラピストの野沢ゆりこです。

 

 

おもに東京・千葉で活動しています。

野沢ゆりこのプロフィールはこちら

 

 

 

どんな人に向けて活動しているの?

 

自己否定が強い

自分責め、罪悪感が強い

そんな人が過去はどうであれ、

「私っていいな」に変わるセラピー

を目指しています。

 

今日は秋分の日、

秋らしくて過ごしやすいですね。

 

私はあまり体調が良くないので、

運動から遠ざかり読書に勤しんでいます。

 

身体が弱るし鈍ってしまいますが、

小説の世界に没入するのって結構楽しいです。
_______________________

 

恐怖支配サバイバーと子育て~過去の再演、コントロールと同一化の間で~

 

 

前回のブログでは、恐怖支配サバイバーの人の恋愛、仕事について書きました。

 

 

 

 

今日は、恐怖支配サバイバーと子育てについて書きます。

 

ここでいう「サバイバー」とは、幼少期の虐待や恐怖による支配、ネグレクトなどの困難な体験を経ても、なお生き延びてきた方を指しています。


単なる「被害者」ではなく、「その状況を生き抜いた人」として尊厳を込めて用いています。

 

 

 

子育ての場面で揺れ動く心

恐怖支配を経験した人にとって、子育ては喜びと同時に強い不安や葛藤を伴うことがあります。


なぜなら、子どもと向き合う場面は「過去に自分が置かれた状況」を思い起こさせるからです。

 

 

子育てで表れやすい傾向

1. 子どもの反応が「過去の再演」になる

子どもの泣き声や反抗は、本来ごく自然な発達の一部です。
しかしサバイバーにとっては、過去に体験した「恐怖支配」の記憶を呼び起こしやすく、強い緊張や怒りを感じることがあります。

 

2. 「同じ思いをさせたくない」という強い思い

多くのサバイバーは「自分の子どもには絶対にあんな思いをさせたくない」と願います。
この思いは子育ての力になりますが、同時に「理想の親でいなければ」というプレッシャーとなり、自己否定につながることもあります。

3. 境界の揺れ

  • 境界を固めすぎて「子どもを過度にコントロール」してしまう

  • 逆に境界を失って「子どもに自分を重ねすぎる」

という両極の間で揺れ動くことがあります。
これは「支配される痛み」と「無境界になる不安」が同時に刺激されるためです。

 

境界を固めすぎる(コントロール)

  • 子どもの自由や感情を過度に制御してしまう

  • 「こうすべき」と枠にはめようとする

  • 子どもの動きを強く管理して安心を得ようとする

これは「再び支配される痛み」を避けようとする防衛反応です。

 

境界を失う(同一化)

  • 子どもの失敗=自分の失敗と感じてしまう

  • 子どもの感情に巻き込まれすぎ、自分を見失う

  • 子どもに過剰に寄り添い、親としての立ち位置を失う

これは「無境界になる不安」を避けようとする反応です。

 

無境界になる不安 とは、孤立や存在の消失への恐怖

通常、人は「自分」と「相手」の間に適度な境界を持つことで安心を得ます。
けれどサバイバーは、幼少期にその境界を奪われたために、境界を持つこと自体が不安と結びつきやすくなっています。

 

  • 「人とつながっていないと、私は消えてしまう」

  • 「境界を引けば、拒絶されて孤立する」

  • 「相手に見てもらえなければ、存在できない」
     

こうした感覚が「無境界の不安」です。

その背景には、幼少期に 「境界を主張すると生きられない」 という学習があったからです。
そのため大人になっても、境界を持とうとすると「孤立や存在の消失」という極端な恐怖が呼び起こされてしまうのです。

 

両極の間で揺れる理由

サバイバーの中には、次の二つの恐怖が同時に存在します。

  1. 支配される痛み ― 侵入されることへの恐怖

  2. 無境界の不安 ― 孤立や存在の消失への恐怖

この二つが同時に刺激されるため、子育ての場で境界感覚が大きく揺れやすいのです。

支配されるのも怖い、そうかといって境界を守ることも怖いという、ダブルバインドです。

4. 「感情の扱い」が難しい

自分が子ども時代に感情を受け止めてもらえなかった経験があるため、子どもの感情にどう応じてよいのかわからず、過剰反応してしまうことがあります。

  • 泣かれると無力感に押しつぶされる

  • 反抗されると見捨てられたように感じる

 

これはサバイバーにとって自然な反応であり、弱さではありません。

 

私は2人の子育てを経験しましたが、子育ては楽しいものではなく、修行、苦行そのものといった感じでした。

 

振り返ってみたら、楽しいこともたくさんあったのに、どうして当時は楽しめなかったのだろうと悔やまれます。

 

ですが、こうして心理を学び自分を客観視できるようになってみたら、これらの問題が起こっていたのですから、当然と言えば当然だし、こんな状況下で「よくやった」と思えるのです。

 

特に、先ほど3の章で書いたように境界の揺らぎ、境界が定まらないことから生じる問題が多々ありました。

 

支配される(侵入される)痛み、それを避けるためのコントロール

孤立と存在の消失の恐怖、それを避けるための同一化

 

コントロールと同一化の間で揺れ動いていたと思います。

コントロールするのも苦しい、同一化するのも苦しい、どちらも苦しい、行き詰まり感があったなと思います。

 

 

世代連鎖を断ち切る力

サバイバーの大きな強みは「自分の経験を自覚していること」です。

  • 自分がどのような体験をしたか

  • その影響がどんな場面で顔を出すか

これを理解しているからこそ、無自覚に同じことを繰り返さず「新しい選択」をする力が育まれています。

 

 

まとめ

  • 子育てはサバイバーにとって「過去の再演」となりやすい。

  • 子どもの泣き声や反抗は、恐怖支配の記憶を呼び起こすことがある。

  • 境界は「固めすぎる/失いすぎる」の両極で揺れやすい。
     - 固めすぎる=支配される痛みからの防衛
     - 失いすぎる=無境界の不安(孤立や存在の消失への恐怖)からの防衛

  • 感情の扱いが難しくても、それは弱さではなくトラウマの影響。

  • サバイバーは自分の経験を理解しているからこそ、新しい選択を通じて世代連鎖を断ち切る力を持っている。

 

子育てで揺れるのは「ダメな親だから」ではなく、過去の傷が呼び起こされているからです。

 

大切なことは、揺れ動かないようになることではなく、揺れ動いた時こそ、自分の内側に問いかけることです。
 

・自分に何が起きているのか?

・自分は何を感じているのか?

・その感情は、誰に対するどんな感情か?

 

このような習慣を持ち、自分を理解していくことは、自己責めを手放し、子どもとの関わりにやさしさを取り戻す第一歩になります。

 

1人で難しい時は、心理セラピーやカウンセリングを利用していただければと思います。きっと力になれると思います。

 

このシリーズ、まだ続きます。

 

 

恐怖支配サバイバーと友人関係

恐怖支配サバイバーと社会活動

恐怖支配サバイバーと自己実現

 

 

このようなテーマで書いていく予定です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 


 

 

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