前回、+反抗期家族 前編+でトレッキングポールを購入したアウトドアショップに、今度は家族全員で訪れていた。
秋冬登山に必要な、寒さにも対応できるウェアを探しに来たのだ。
この日買おうとしていたのは、息子の冬用の長ズボンと私のラップショーツであった。
店内をうろついていると、前回トレッキングポールについて、散々買わなくてもいいとアドバイスをいただいたにも関わらず、しっかりと購入に至り、私が大きな裏切りを見せた苦い思い出のある店員さんと目が合った。
しかし、私のことなど覚えていないと思い、考え無しにまたアドバイスを頂戴しにいく。
「あのー、すみません。今息子の長ズボン検討しているんですけど、やっぱり秋冬は厚手より中厚手がいいですかねぇ。」
「ちなみに、まったくズボンとかって持っていないですか?」
「春夏に使える薄手の長ズボンなら持ってます。」
「でしたら、中にタイツ履くとかして、調節するのもいいですよ。その方が経済的ですし。買うなら、厚手より、中厚手の方がおすすめですね。」
息子にそのまま伝えると…
何故か、目に涙を溜めて、厚手がいいと言い張っている。
理由は、ふわふわしていて気持ち良いからと、お気に入りの毛布を手放さないのと同じ理由であった。
続いて、私のラップショーツの必要性についても聞いてみた。
「一応、春夏用の半ズボンなら持っているんですけど、やっぱり冬はその下に厚手のタイツ履いても寒いですよね。」
「低山でしたら、それでもいいと思いますよ。人によって寒いと感じる度合い異なりますけど、意外と登っていると暑くなってくるので。」
「…そうですか。色々ありがとうございました。」
その時、私の心は、猛烈に「ラップショーツが欲しいよぉ。」と泣き叫んでいた。
そして…
我々のカゴの中には、厚手の長ズボンとラップショーツが、店員さんのアドバイスを逆行して、不思議な光を放っていた。
気まづいので、その店員さんが担当ではないレジに並ぶも、梱包のヘルプに例の店員さんが後からやって来た。
どうしてこのタイミングで…!
自分のアドバイスとは真逆の商品を袋に詰める店員さんの顔が、商品の放つ光と相反して、影って見えたのは気のせいだろうか。
やはり私を含め、この家族は反抗期を迎えているのである。
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